Posted by ブクログ
2019年03月21日
相変わらずの素晴らしきマンネリ、北町貫多&秋恵シリーズ。2人のかみ合わない同居生活の中、寛多が自分勝手に憤怒して幕を引く短編集。内1作は小説家として成功した寛多、つまり現在の著者の身辺報告。
寛多の爆発を誘発する起爆剤としては、金魚の飼育、古本店主との会話、居酒屋での外食などなど。毎回、これだけの...続きを読むネタを用意できる作者に感心。
で、これらをきっかけに発生する理不尽な怒りを秋恵へのDVで発散させる寛多。フェミニストが読んだら卒倒しそうな展開ばかり。特にタイトル名の短編は非道すぎるが、それらを笑えるかが西村賢太作品を読み続けることができるかの登竜門だ。