西村賢太のレビュー一覧

  • 二度はゆけぬ町の地図

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    家賃の滞納、初彼女、留置所など、貫多の性悪さが詰まったオリジンとも言える話。

    やっぱ、貫多の逆ギレ時の言動が堪らんね。

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    2026年05月17日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    ネタバレ

    西村賢太の作品を立て続けに2冊読んだので、すぐにピンときた!
    小銭をかぞえるの山志名と、苦役列車の日下部、同じ奴がモデルじゃん!!
    日雇いのバイト先で出会った九州出身のスポーツマンで学生結婚して郵便局員になった男!名前は違うけど設定が全く同じだ!!

    めっちゃ面白いんだけど、なんと私小説らしいので、本当にこんな出来事が起こったと思うとより面白い。

    短編の「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」も面白かった。
    ギックリ腰の中、受賞するかしないかの連絡を待つ話。変にジンクスやゲン担ぎにこだわり始めてしまうところとか、ギックリ腰でケツが拭けなくて困る話とか、あるあるで面白かった。

    苦役列車は肉体労働の日

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    2026年05月05日
  • やまいだれの歌(新潮文庫)

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    無頼で尊大、だが小心者変に繊細、本当にどうしようもない、しかしやたらと愛おしい北町貫多の、十代最後の半年ほどを描いた私小説的な作品。自己を投影するべくもない、同じ職場にいれば唾棄したくなるような人間でありながら、なぜか十代の頃の自分を重ねてしまうところに、西村賢太の筆の良さを感じる。

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    2026年05月03日
  • 雨滴は続く

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    ネタバレ

    北町貫多が小説家として認知されるまでの期間(芥川賞候補になるまで)が描かれています。

    中年に差し掛かった北町貫多自身の小説家としての仕事や才能に対する期待と不安が、事あるごとにオセロのように逆転していく心情風景と、子持ちの風俗嬢と女性新聞記者への一方的に岡惚れする心情風景とが相まって、歪んだ四重奏みたいになっていて飽きさせません。
    この「歪んだ」というのが西村賢太の持ち味であることは言うまでもありません。

    西村賢太の作品でも個人的に「一夜」は好きな作品であったので、その誕生秘話?みたいな描写はとても興味深いものでした。

    「雨滴は続く」は特に顕著だったと思うのですが、西村賢太の私小説がなぜ

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    2026年05月04日
  • 小銭をかぞえる

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    ネタバレ

    あーーーおもしろかった!今までの人生で読んだ本の中で一番最低な本なんだけど本当に面白かった!

    金もなく、モテない、借金だらけだが悪びれもせず風俗に行って寿司の出前も頼むような最底辺の男の小説。
    おまけにやっとできた従順で慎ましい彼女に罵声を浴びせて暴力を振るってみたり、何もかも最悪すぎ(笑)

    でも、途中からうちの父親にそっくりだと気づいた(笑)だから楽しめたのかもしれない。

    借金してるのにお金が増えた感覚になって人を喜ばせたくなって外食してみたり、でもお金ないじゃん!って指摘されると、せっかくお前を喜ばせてやろうと思ったのに!と言って逆ギレする。
    理論が破綻してるのに妙に大真面目に言って

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    2026年05月01日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    主人公が限界社会人(10代)であるため、下品な表現や描写が多いが、それが男のリアルという感じで面白い。自分の浪人生時代を思い出した。(主人公は中卒で働いているので、自分の浪人生時代とは違うのだが、日々劣等感を持ちながら生き、友人の些細な発言が自分を馬鹿にしているのではないかと思ってしまうあたりに共感できた)

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    2026年04月15日
  • 芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影

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    ネタバレ

     西村賢太は世界で唯一のそして最も純度の高い「藤澤清造原理主義者」である、ということを表明したような4編が収まっています。

     主人公の北町貫多は、名のある新人文学賞を受賞し、アルバイトと称したテレビ出演などといったメディアにも呼ばれ、顔も広がり交友関係にも華やかさが出てきています。
     ある著名なミュージシャンのライブに特等席で招待され、ライブ打ち上げにも参加するような人生が、彼を待っていたなんてあのクソみたいな日常を送っていたころの貫多には想像できていなかったでしょう。
     著者曰く、本連作は読者へのサービス精神は一切捨てたと言っています。たしかに、きっぷの良い暴言や理不尽なバイオレンスは出て

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    2026年03月17日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    なぜこの文章が私小説として読めるのか。
    女になんども手をあげる男がなぜこんな面白い文章を書けるのか。

    "いつものことだがこのとき私は、頼むからおまえも謝まってくれ、と祈りたい気持ちになる。今、謝まってくれればまだ間に合うんだから、と。しかし、今夜もその祈りが女に届くことはなかった。"

    弱さを暴力に変え、その事実を小説に変える。
    藤澤清造への異常たる執着は西村賢太作品2作目にして興味しかなくなった。
    手に入れられるものは一つだけと言わんばかりの人生はRPGのようだ。

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    2026年03月03日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    芥川賞を獲った作品を読み進めていて、手に取る。

    19歳の人夫が、日雇い生活を汲々としながら過ごす日々が私小説的に綴られる。
    酒を呑んで現実を誤魔化し、風俗で性欲を誤魔化し、人に嫌味を言って自分を誤魔化す。

    出自に同情する部分はあるが、それをもって尚、「こいつはクズだ」と吐いて捨てることができてしまう。
    そんな全く好感を持てない主人公だが、息遣いをリアルに感じる物語。

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    2026年03月01日
  • 小銭をかぞえる

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    ネタバレ

    十年ぶりに再読しました。

    焼却炉行き赤ん坊 70点
    西村賢太を知っていればタイトルをみれば、どんなオチになるか分かってしまう。
    分かってしまうが、面白い。
    面白いと思うことに不謹慎さを感じるが、それでも面白い。
    「石女」(うまずめ)なんて今の御時世(今じゃなくても)で発するなんて不適切にもほどがある。

    小銭をかぞえる 80点
    しかし、よくこのふたりは生きていたと思う。
    殺すか殺されるかしててもおかしくない。
    もう、金へのみみっちさを見てると私の死んだ親父を思い出す。
    よくあんな親のもとで育ってまともな社会人になったものだ。

    それはさておき、主人公の心の(歪んだ)機微の動向をここまで書けて

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    2026年02月19日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    父親が性犯罪者として捕まったことで、社会の底辺に転がり落ちてしまった男性の孤独と葛藤が荒々しく、生々しく、唯一無二の文体で描かれた私小説。

    悲哀と渇望の描写が凄まじく、男性の体臭や酒臭さまで感じられる、この感覚ははじめて。

    怖いもの見たさで、ほかの作品の全部読んでみたい。

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    2026年02月15日
  • 人もいない春

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    西村賢太12冊目

    安定の面白さ。同じことを何度も読まされている気がしないでもないが、それでも高評価をつけざるを得ない

    なかでもレストランの一編は珍しいホラー小説
    グロを書かせても上手い

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    2026年01月05日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    『一私小説書きの日乗』がとてもよかったので手にとってみると、あまりにその延長線上にあるので驚いた。私小説とはそんなものなのかもしれないが、”貫太”と”賢太”の距離は想像以上に近かった。
    『日乗』と相も変わらず、貫太の鬱屈とした日々がたんたんと綴られるだけではあるが、短編としての完成度の高さにこれまた驚かされた。私小説というからには順番に読まなければいけないのではと不安だったが、まったく問題なく、だらだらと続いていく人生のうちのほんの一場面をこんなにも上手く切り取れるものかと衝撃を受けた。またその構成もよく練られており、展開が気になるようなトピックを提示しておきつつ、最後にはそれに絡めたカタルシ

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    2025年12月30日
  • 雨滴は続く

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    西村賢太11冊目

    序盤、某作品は横光利一の作品をもじったとの記述があり、期せずして答え合わせができて嬉しくなる

    貫多が商業誌に掲載される駆け出しの作家になるまで、内容はクズ男の日常といつも通りなのだが半分は恋愛要素となっており、しかもWヒロインの三角関係(良く言えば

    背表紙には巻末には片方の女性が文章を寄せていると書いてあったがそれは盛大なネタバレじゃないか!
    しかもその方、口臭とかクチクサとか書かれてますよ何回も

    なぞ思いながら残りページ数が減ってきてあれ?となる

    やられた!これはもはや叙述トリック!傑作
    他の作品を読んだぶんだけキッチリハマるやつ!

    終盤の「根は〇〇でできている

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    2025年12月28日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    はちゃめちゃに面白かった。特に「春は青いバスに乗って」と、「腋臭風呂」が理不尽で気持ち悪くて良かった。

    なにより、豊崎由美さんの解説が秀逸だった。西村賢太に興味がある人は、本編を読まずとも、ぜひ読んでほしい。

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    2025年12月25日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    藤澤清造に関する調べ物を行う様子や同棲生活のイザコザを描いた私小説。

    短気ですぐに手を上げ、女に逃げられると泣きつき反省したかに思えるが、また同じ事を繰り返すクズ。しかし、藤澤清造にまつわる事に関しては熱心に取り組む。そんな彼が何処か愛おしい。

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    2025年12月19日
  • 蠕動で渉れ、汚泥の川を

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    西村賢太、9冊目
    貫多17歳 洋食店編

    その年齢的にギリギリ許されるであろうクズエピソード満載、声に出して笑ってしまう場面もあり予想と期待を裏切らない内容

    どれだけ悪態をついても一人称が「ぼく」
    引っ越しの私財は文庫本のみ

    湊かなえのやさしい解説を読み終えると、また最初からエンドレスで読めてしまう作品

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    2025年12月18日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    これまで読んだ作品も軒並み高い評価をつけたが西村賢太のマイベストはコレかな

    文章も構成もドストライクだった

    解説者が「昭和アイドルの曲名のよう」と書いていた「春は青いバスに乗って」
    自分は横光利一「春は馬車に乗って」が真っ先に思い出されたし、おそらくそういうことだろう

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    2025年12月15日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    ネタバレ

    はるか昔に単行本で読んだはずだが記憶に薄い
    文庫本で再読

    いや面白い
    そして無限に読めてしまいそうな文章力
    これほどハイスピードでページをめくれる体験は最近の読書では無かった

    こんな作品を忘れるわけがないので単行本は記憶違いなのかもしれないと思った

    長らく滞納している家賃支払いのため1日500円貯金、風俗のため1000円貯金は笑った

    急に連投される「プリミティブ」にニヤリとし、日下部カップルの会話にうんざり

    著者にしてやられた満足感
    これはもう全作品読まないといけない作家だわ

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    2025年11月28日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    これは私のことか!?と思いました。無性に私小説を書きたくなりました。激おすすめ。孤独感や劣等感、友達づくりに悩んだり、周りに壁を作りがちな人に読んでほしいです。悩むなら、とにかく読め、読めーー!!

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    2025年11月06日