西村賢太のレビュー一覧

  • 苦役列車(新潮文庫)

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    ネタバレ

    はるか昔に単行本で読んだはずだが記憶に薄い
    文庫本で再読

    いや面白い
    そして無限に読めてしまいそうな文章力
    これほどハイスピードでページをめくれる体験は最近の読書では無かった

    こんな作品を忘れるわけがないので単行本は記憶違いなのかもしれないと思った

    長らく滞納している家賃支払いのため1日500円貯金、風俗のため1000円貯金は笑った

    急に連投される「プリミティブ」にニヤリとし、日下部カップルの会話にうんざり

    著者にしてやられた満足感
    これはもう全作品読まないといけない作家だわ

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    2025年11月28日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    これは私のことか!?と思いました。無性に私小説を書きたくなりました。激おすすめ。孤独感や劣等感、友達づくりに悩んだり、周りに壁を作りがちな人に読んでほしいです。悩むなら、とにかく読め、読めーー!!

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    2025年11月06日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    19歳で友達も居らず女の子にもモテない、仕事も低賃金で過酷。一見大変そうだし大変なんだろうけどそういう環境でしか得られない価値観はそういう環境でしか得られないんだろうな。キラキラしてる側は自分がキラキラしてることに気づけないんだろうな。

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    2025年11月06日
  • 小銭をかぞえる

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    近くにいたら絶対ぶっ飛ばしてるけど、なぜか面白くて一気読みした。
    あえて難しすぎる表現をつかうところにプライドの高さと捻くれ加減が垣間みえて、ある種かわいらしいと感じてしまった。

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    2025年09月29日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    なるほど。名が知られる人にはそれ相応の理由がある。
    これほど味の濃い作品は本当に読んだ事がない。においがきつく、味が濃い。

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    2025年09月18日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    10年ぶり3回目。
    石原慎太郎の解説がサイコーだぜ

    収録されている『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』こそ白眉
    この作品は著者自身の思い入れが強く、これ以降を自身の創作の第二期ととらえ、作風も変わっているとのこと。表題作にしたかったが、苦役列車が芥川賞をとったため急遽で同時収録にあいなったとされている(やまいだれの歌、あとがきより)

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    2025年09月06日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    小説らしい非現実性よりもクズの私小説が好きだと改めて認識した。人間失格を初めて読んだ時のような感覚。面白いものでも読んで気分のいいものでもなく、自分の中の汚い部分が照射されたような気持ちになる小説。

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    2025年08月06日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    墓前生活 70
    16p(略)元来、人の二倍も三倍も分別をわきまえ、絶対に良識や良俗を踏み出せない性格でありながら、何かどこかが社会一般のあらゆるものとかみ合わない。(略)そうなればもうそれを逆手にとってやり、諦めを強いた自らの心を抱きしめながら、孤独なパフォームを演じてゆく他ない(略)
    藤澤清造と西村賢太の普遍的な関係性を感じてしまいます。

    藤澤清造あっての西村賢太であると同時に、西村賢太があっての藤澤清造なのだと思いました。(解説から)

    コロッケあっての美川憲一であるのと同時に、美川憲一あってのコロッケみたいな笑

    どうで死ぬ身のひと踊り 75
    藤澤清造のことでうまくいくとがあると、一方

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    2025年07月11日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    西村賢太さんの存在に興味を持ち拝読。

    「どうで死ぬ身の一踊り」という言葉通り、諦観しているからこその、人並外れた執念や執着が描かれていた。

    DVのシーンは軽快で酷くて、この表現は良くないかも知れないが、読むのが面白かった。

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    2025年06月12日
  • 田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら 他

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    4.3/5.0

    全編私小説。
    瑞々しい恋が可愛らしいまでの自意識と弱々しさで綴られる「オリンポスの果実」、太宰治への強烈な尊敬と情景が顕著な「風はいつも吹いている」「生命の果実」、愛人との不倫関係や薬物中毒が赤裸々に描かれる「野狐」「離魂」、命を粗末にするナショナリズムを批判しながら、別れや死が強烈に描かれる「さようなら」
    生きることの辛さややるせなさ、そして恋の煌めきや戦争や愛国主義に対する嫌悪感などが常にギリギリの状態で綴られたであろう強烈な文学はかなり衝撃だった。

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    2025年05月26日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    私小説への印象を変えてくれた1冊です。

    読む以前は、「私小説=不幸自慢」という印象がやはり少しばかりありました。
    ですが本作品は、恥辱や怨望のような人間誰しもが抱いてしまう上に、他者には中々吐露しにくい心情を正直に・誠実に描くことで、このような感情をある種の美しさにまで昇華することを実現していると感じます。
    これを可能にしたのは、作者自身が身をもって苦難を体験していたことに由来しているのではないでしょうか。それによって、石原慎太郎さんが仰っていたような、「現代の作品にはあまりみられない作家の心身性やリアリティ」を孕むことに成功しているのだと思います。

    また、少々くどい文体も、それ自体が主人

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    2025年03月09日
  • 小銭をかぞえる

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    小説でこんな笑ったの初めてだわw圧倒的語彙力とレトリックで女に罵詈雑言を浴びせ畳み掛ける様はまさに鬼畜、色々好きな場面はあったがぬいぐるみを引きちぎる場面は痛快極まりない。女性には勧められないが男性にはなんとしても勧めたい本であった。

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    2024年12月12日
  • やまいだれの歌(新潮文庫)

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    初の長編も面白い。新たな職場でのアレコレや、そこに入ってきた同年の女性への恋心、田中英光作品との出会い。いつもの北町貫多だが、19歳時点の話なのでやけに惨めに思える。それはやはり同じ年頃の当時の自分の中にいた、ライトな貫多を思い出させられるからかも知れない。

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    2024年10月01日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    今年の新潮文庫の100冊に入っていたので、読んでみました。

    あまりの凄さに西村賢太さんについてイロイロと調べてしまいました。

    この作品は2011年の芥川賞受賞作なんですね。
    受賞して10年以上経っているとは、時代の流れは速いものです。

    文庫本で170ページ弱。
    この薄い本の中には人間の本能がこれでもか!っていうほど詰まっています。
    主人公・貫多はホント歪んでいて、人間のネガティブな面(本能)がむき出しなのです。
    ここでいう人間のネガティブな面とは、人間誰しも持っている、エゴ・見栄・どうでもいいプライドを言ってます。
    普段私たちは本能を薄ーーーーい皮(それを理性と言うのだと思う)でどうにか

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    2024年09月21日
  • 蠕動で渉れ、汚泥の川を

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    ネタバレ

    島崎和歌子さんが出てませんが、マックのカウンター席の端っこで読んでたらゴリゴリの女子高生4人組が私の隣に座ってきて、ゴリゴリの女子高生の隣でこの本を読むのは何か法に触れるのではないかと怯えながら読みました。

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    2024年09月10日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    一言で言ってしまえばクズ、その典型みたいなものだけど、ではなぜそうなのかというと、おそらくは純粋さゆえなのかもしれない。もともと縁もゆかりもない藤澤清造にこれだけ傾倒できるのも純粋さゆえとおもえる。表面上まったく共感できないような暴力男のはずなのに、これだけ他人事のように赤裸々に書かれると、その内面のある種の可愛らしさが見えてきて、謎の共感を覚えてしまう。

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    2024年08月29日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    きっと誰にでもある相対的に暗い部分、そこを指で少し擽られる感じ。赤裸々でいて、穿っている心情描写は痛快だった。

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    2024年08月27日
  • やまいだれの歌(新潮文庫)

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    貫多のクズっぷりにめちゃくちゃ笑ってしまった。
    貫多は本当にどうしようもないのに、どこか憎めないところがあり、なぜか惹かれてしまう。

    貫多はどうしようもない人間のままだし、作中で分かりやすい成長もしないが、そういうどうしようもなさすら、見つめ続けて誠実に書けば一つの作品として成立しうるんだなぁ。文学は幅広い。

    巻末の「苦役列車」映画化の山下監督による解説もよかった。貫多が田中英光の私小説に救われたように、西村健太の私小説に救われる人もいるだろうなぁと思う。

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    2024年08月22日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    汚くてひねくれてるけど、どこか自分も持ってる感情な気がして読んでて他人事とは思えない。こういうの好き

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    2024年08月22日
  • やまいだれの歌(新潮文庫)

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    とっても面白かった。

    「文学」の意味を改めて確認できるような作品だったと思います。

    北町貫多版「こころ」みたいな雰囲気すらありました。

    ほんとうによかった。
    胸が締め付けられる思いです。

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    2024年08月20日