西村賢太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2022年53歳、逝去。
まだ若いが、著者らしいと言えば、著者らしい。
藤澤清造に取り憑かれたように人生を捧げ、その一生を私小説のために生きた。ファン精神などと言えば、氏が墓場で憤怒するだろうか。氏のアイデンティティとして、藤澤清造は生活の一部となり、生き方の模範でもあり、そしてその破滅的な生き様は、どこまでも晴れはしない西村賢太の孤独な生涯における慰めであったに違いない。
蝙蝠か燕か、何かの象徴を見たようなタイトル。想像されるのは日陰と日向の対比だが、氏の生き様にとって、それ自体はこだわるものでもない。拘泥するのは歿後弟子となった師匠のみ。飛び立つ黒い影。導かれたのも、その生き様だった。 -
Posted by ブクログ
表紙、題字フォント、カバーからして陰鬱な印象を受けた。独特な文章だが、読み辛いとは思わないし、寧ろ引き込まれてしまう。
妬み嫉みに塗れたその日暮らしの主人公がいて、それを俯瞰的(一般人に近い客観的)な視点で捉える作者がいて。子どもは親を選べない。11歳の時点で人生が決まったという単純かつ短い文の放つ哀しみが強烈で、貫多が合理的かつ器用に生きていくことの難しさを要所要所で突きつけられ、暗澹たる気持ちにさせられた。
西村氏を一目見た時からなんだか纏っているものが尋常ではないと感じてはいたが…
「落ちぶれて…」では何頁にもわたって、ギックリ腰で苦しむ様、それを1人で抱えながら孤独に生きていかなければ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人もいない春 60
製本所での短期アルバイトを追われるように辞めて、夜の街を彷徨う。タクシーを乗り捨てるあたりから郷愁漂う。
二十三夜 60
まるで非モテ男の濃縮。叶わぬ恋と分かっていながらどう決着するのか興味が湧く。秋恵前夜としたら興味深い。
悪夢─或いは「閉鎖されたレストランの話」55
私小説ではない(創作)小説。ネズミ目線は特に面白くはないが、オチが西村賢太っぽくておもしろい。
乞食の糧途 40
運送会社のアルバイト先に嫌なヤツがいた。
貫多はヒモ選手権があるとしたら、ランキングは最下位だと思う。
赤い脳漿 65
逆恨みもいいところ。それもかなり歪んだ逆恨みです。私小説でなければ