西村賢太のレビュー一覧

  • 苦役列車(新潮文庫)

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    スマホもSNSもない、しかし現代的な社会は完成しつつある時代の底辺から、人間存在の核心的一部分を捉えるような作品だと思った。嫌らしさや卑しさ、粗雑さ、体液と埃に塗れた汚らしさとともに描かれる主人公の尊大さは情けなく居た堪れないが、不思議なエネルギーがあり、それが難読漢字や古臭い表現を取り入れた文章とともに迫ってくる。

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    2026年03月27日
  • 痴者の食卓

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    畜生の反省が好きすぎる。
    「ちなみに、三人のご豚児のことは?」
    「えっ、ごとんじ?」
    めっちゃ笑った。
    全編好き。

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    2026年02月26日
  • 瓦礫の死角

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    私小説?
    いや、もはや
    娯楽小説!

    全身エンターテイナー
    西村賢太、ここに極まれり!
    ーー真梨幸子氏
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    私が以前勤めていた会社で仲良かった人が、
    西村賢太をよく読むと言っていて
    ずっと気になっていました。

    本屋でたまたま見つけて、
    薄めの本だったので、
    これなら挑戦できるかもと!

    結構重たそうなイメージがありましたが。

    なんか…面白い。
    なにこれ、不思議な感覚です。
    すごく暗いし、すごく嫌な感じなのに、
    なんか面白い空気というか、
    開き直っている感じがあるからなのか。

    本作は北町貫太という青年が主人公ですが、
    他の作品も北町貫太なのですね。驚

    他の作品も読んでみようと思います。

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    2026年02月23日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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     著者が芥川賞受賞後に連載を開始した「一私小説書きの日乗」が「本の雑誌」で連載されるようになった時、初めて著者の文章に触れました。そして、今この時代にこんな無頼な作家がいることに驚くとともに、なんだか嬉しくなりました。
     その彼が急逝した時、さもありなんと思ったのはその通りです。苦役列車の主人公、北町貫多は多分そうなるはずの生き方をしています。劣等感に苛まれ、人間関係もうまく作れず、日雇い仕事の日給は酒とタバコと風俗に消費され、月1万円の家賃さえも毎度毎度踏み倒して、最後は母親に無心する、というより強奪していきます。

     私小説ですが、昭和の時代までの青年たちは、多かれ少なかれ北町貫多のような感情に支配され、あるいはその感性、感情に対してシンパシーを持っていたはずです。私もそうです(Z世代などではどうなのかわかりませんが)。青年時代を思い出し、思い返しました。

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    2026年02月17日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    とんでもねえゴミカスだと思ったらまさかの私小説とは…
    描写も細かく、繊細な文体と難しい単語が目立つ。
    それであって喋りとのギャップがまた面白い。
    あまりにも底の底すぎるが、
    自分もまたこうなる可能性があったと思うと、
    戦後日本の平和を享受できるのも、
    限られた人間にのみ許されたもので、
    全ての人間がそうではないんだと思わされたり。

    性格があまりにも自分の暗い部分に似ていた。
    こういう側面って誰にでもあって、
    環境によってそれが主になってしまう、
    ということもあるのだと思う。

    しかしあっこから小説家になるとは…
    いやはや何が起こるか人生とは分かったもんじゃあないな。

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    2026年02月16日
  • 一私小説書きの日乗 憤怒の章

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    他人の私生活を覗き見た感覚。

    連夜の暴飲暴食(カルピスサワーは意外)。
    描けぬ原稿。
    仲違いと仲直りを繰り返す編集者。
    思わぬ出会い。

    そんな「日常」が淡々と綴られているだけなのに面白い

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    2026年02月09日
  • 小銭をかぞえる

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    ネタバレ

    女性のことをずっと女って言ってて良かった。
    主役が性格悪くて不細工な時点で面白くないわけないと思う。多分。

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    2026年02月05日
  • 小銭をかぞえる

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    西村賢太13冊目?

    安定の面白さ
    今回は読者のメンタルを抉ってくる度合いは高め

    西村賢太ファンにはお馴染みのヒロイン
    裏切り?の末に貫多の元から去るという未来を幾度となく提示し、その下で思う存分にドクズ男を描写している

    どちらのタイトルも効いている

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    2026年01月05日
  • 芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影

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    西村賢太10冊目

    稲垣潤一のコンサートにお呼ばれした場所は奇しくも、、、

    己を顧みる貫多、いや賢太

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    2025年12月21日
  • 一私小説書きの日乗 憤怒の章

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    日乗2

    中身は前作と同じ

    編集者との喧嘩が多すぎて様式美になっている
    喧嘩→和解→喧嘩の流れは笑う

    毎晩、宝焼酎一本と共にたらふく食べてインスタント麺で締め

    自著作が後年高値になるとは思えない旨の記述があるが、照れ隠しだろうか。西村賢太の単行本はいずれもプレミア価格になっている

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    2025年12月13日
  • 随筆集 一私小説書きの独語

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    「日乗」から続けざまに読んだ

    冒頭の「はじめに」が1番良かった
    「私小説はノンフィクションと同義語ではない」

    ソレを言ってしまうのかという驚きと、そうだろうねという安心感と、多少のガッカリ感

    日乗より評価は上かな

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    2025年12月11日
  • 瓦礫の死角

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    苦役列車は読んだはずだが、その内容はまったく頭に入っていないので状態で実質的に初めて読む西村賢太

    使われている漢字と語彙が独特だが、抜群に読みやすい文章力

    私小説なのでどの作品から読んでも問題ない点も評価

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    2025年11月28日
  • 小銭をかぞえる

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    西村賢太氏は数年に一冊くらいのペースで読む
    それ以上はキツくてとても読めないから
    読むのに体力が要る作家さんだと思う

    これも相変わらず西村賢太氏だなぁ って本で特筆すべきことは挙げられないんだけど
    氏の著作は麻薬的な何かがあるよね
    死ぬまでに全著作を読んでみたいけど どうなるかなぁ

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    2025年11月09日
  • 雨滴は続く

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    「根は○○」が見開き2ページごとに出てくるから気になってたんだけど、調べてみたらtwitterでbotも作られてたのか

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    2025年10月22日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    ネタバレ

    西村さん初期の作品集。数年前に買いためた積読で、ときどき読みたくなってくる。17歳前後、アルバイトや日雇いで生き延びながら家賃滞納・強制退去を繰り返し転居していた頃の私小説として貫多という若者の四方山話が中心で、下卑た内容に好みは分かれると思うけど、底辺チックな自己体験を小説世界で読むとすごく味わいがあって文学臭が漂ってくる。とはいっても昭和の良い時代の話で、当時を生きたわれわれのある意味懐かしさに対し、今を生きる若者たちがこの小説をどう読むのか、大変興味があったりする。

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    2025年10月08日
  • 蝙蝠か燕か

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    晩年の作品のため、以前読んだ『歪んだ忌日』などの答え合わせができて面白かった。
    「元より人を見ての暴行癖(自分より、確実に腕力が弱いと思える相手に対してだけの)が酷かった車劣の質である」と自身で評しているのも、やっぱり自覚はあるんだ?!なぜ?!という驚きがあってよかった。

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    2025年10月06日
  • 夜更けの川に落葉は流れて

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    表題作「夜更けの川に落葉は流れて」が良かった。秋恵ものじゃなく若い頃付き合った佳穂という女性との交際話だったのは新鮮だった(ただ佳穂に対しても貫太は暴力をふるうという駄目さが出たのが)。佳穂と別れ、クリスマスイブで浮つく街の中を歩き芝公園内を歩き、何かを感じ取る貫太。ここの描写がとても良かった。
    「青痰麵」では50歳になった貫太が見れるのは珍しかった。TVに出るようになっても貫太は貫太だった。

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    2025年08月29日
  • 東京者がたり

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    西村賢太による東京各所に絡めた追憶エッセー。
    北町貫多ではなく、西村賢太の経験として北町貫多ものとダブるような話がされているのがなんとも面白い。
    というか、貫多ものを読んでからこちらを読まねば面白さは伝わりにくいだろう。

    普段は北町貫多を自身から突き放すような振る舞いが多い著者だが、今作では確かに自身の1バリエーションとして貫多を見ているのが感じられる。

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    2025年08月22日
  • 田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら 他

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    自身の心情について醜くも赤裸々に綴られているところが私小説の面白さの一端を垣間見ることができたように思う

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    2025年08月13日
  • 夢魔去りぬ

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    「人工降雨」
    秋恵もの。DVの謝罪からはじまり、一瞬のハネムーンののちにあっという間に貫太がイライラして暴力が飛ぶ。
    もはやDVの様式美と言えるテンポの良さと流れの完成度はコントや落語の域である。
    ここまでオーソドックスでストロングなDVを描く西村賢太はもはやDVの大家と言える。
    「下水に流した感傷」
    これも秋恵。結句、貫太の短絡と暴力の話ではあるのだが、今作の本筋でもある観賞魚を飼おうとして四苦八苦しているくだりがなかなか面白い。
    「夢魔去りぬ」
    西村賢太にとっては歯を食いしばりながらのマイルストーンであるのだろうなと感じられる作だが、エンタメ的な私小説としてはケレンみが薄い。
    後世の西村賢太研究者には喜ばれるかも
    「痴者の食卓」
    秋恵もの。鍋を買おうという秋恵の提案に端を発し、最終的にはそれなりに高級なホットプレートなんて買い与えてやるが、新品の匂いが気に入らず、あげくすき焼きの〆なんかで揉めて暴力沙汰になる。
    北街貫太が振るうDVはミクロで見ると間違いなく悲劇の狂乱だが、マクロに引いて見ると喜劇のお祭り騒ぎである。そんな滑稽さが詰まった作。
    「畜生の反省」
    秋恵との喧嘩に不貞腐れ、金を使って鬱憤を晴らそうと古書店で貫太が管を巻くところから始まる。
    しかし、一通り金を作るとその際のやり取りもあって貫太も反省をし、秋恵に良くしてやろうと帰宅する。しかし、帰った室で秋恵が父に貫太との喧嘩を報告していた様子を知り一時の反省もなんのその、再びどのような諧謔をしようかと思案する。まさに畜生の反省である。タイトルの妙
    「微笑崩壊」
    飲み屋で他のカップルが揉め、女を責める男の醜悪さに愕然として貫太が反省してちょっと優しくなる話。
    お約束として結局DV男に戻るのだが、確かにその時の秋恵はちょっとウザいのが面白い。

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    2025年07月30日