西村賢太のレビュー一覧

  • どうで死ぬ身の一踊り

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    なぜこの文章が私小説として読めるのか。
    女になんども手をあげる男がなぜこんな面白い文章を書けるのか。

    "いつものことだがこのとき私は、頼むからおまえも謝まってくれ、と祈りたい気持ちになる。今、謝まってくれればまだ間に合うんだから、と。しかし、今夜もその祈りが女に届くことはなかった。"

    弱さを暴力に変え、その事実を小説に変える。
    藤澤清造への異常たる執着は西村賢太作品2作目にして興味しかなくなった。
    手に入れられるものは一つだけと言わんばかりの人生はRPGのようだ。

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    2026年03月03日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    芥川賞を獲った作品を読み進めていて、手に取る。

    19歳の人夫が、日雇い生活を汲々としながら過ごす日々が私小説的に綴られる。
    酒を呑んで現実を誤魔化し、風俗で性欲を誤魔化し、人に嫌味を言って自分を誤魔化す。

    出自に同情する部分はあるが、それをもって尚、「こいつはクズだ」と吐いて捨てることができてしまう。
    そんな全く好感を持てない主人公だが、息遣いをリアルに感じる物語。

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    2026年03月01日
  • 小銭をかぞえる

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    ネタバレ

    十年ぶりに再読しました。

    焼却炉行き赤ん坊 70点
    西村賢太を知っていればタイトルをみれば、どんなオチになるか分かってしまう。
    分かってしまうが、面白い。
    面白いと思うことに不謹慎さを感じるが、それでも面白い。
    「石女」(うまずめ)なんて今の御時世(今じゃなくても)で発するなんて不適切にもほどがある。

    小銭をかぞえる 80点
    しかし、よくこのふたりは生きていたと思う。
    殺すか殺されるかしててもおかしくない。
    もう、金へのみみっちさを見てると私の死んだ親父を思い出す。
    よくあんな親のもとで育ってまともな社会人になったものだ。

    それはさておき、主人公の心の(歪んだ)機微の動向をここまで書けて

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    2026年02月19日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    父親が性犯罪者として捕まったことで、社会の底辺に転がり落ちてしまった男性の孤独と葛藤が荒々しく、生々しく、唯一無二の文体で描かれた私小説。

    悲哀と渇望の描写が凄まじく、男性の体臭や酒臭さまで感じられる、この感覚ははじめて。

    怖いもの見たさで、ほかの作品の全部読んでみたい。

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    2026年02月15日
  • 人もいない春

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    西村賢太12冊目

    安定の面白さ。同じことを何度も読まされている気がしないでもないが、それでも高評価をつけざるを得ない

    なかでもレストランの一編は珍しいホラー小説
    グロを書かせても上手い

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    2026年01月05日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    『一私小説書きの日乗』がとてもよかったので手にとってみると、あまりにその延長線上にあるので驚いた。私小説とはそんなものなのかもしれないが、”貫太”と”賢太”の距離は想像以上に近かった。
    『日乗』と相も変わらず、貫太の鬱屈とした日々がたんたんと綴られるだけではあるが、短編としての完成度の高さにこれまた驚かされた。私小説というからには順番に読まなければいけないのではと不安だったが、まったく問題なく、だらだらと続いていく人生のうちのほんの一場面をこんなにも上手く切り取れるものかと衝撃を受けた。またその構成もよく練られており、展開が気になるようなトピックを提示しておきつつ、最後にはそれに絡めたカタルシ

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    2025年12月30日
  • 雨滴は続く

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    西村賢太11冊目

    序盤、某作品は横光利一の作品をもじったとの記述があり、期せずして答え合わせができて嬉しくなる

    貫多が商業誌に掲載される駆け出しの作家になるまで、内容はクズ男の日常といつも通りなのだが半分は恋愛要素となっており、しかもWヒロインの三角関係(良く言えば

    背表紙には巻末には片方の女性が文章を寄せていると書いてあったがそれは盛大なネタバレじゃないか!
    しかもその方、口臭とかクチクサとか書かれてますよ何回も

    なぞ思いながら残りページ数が減ってきてあれ?となる

    やられた!これはもはや叙述トリック!傑作
    他の作品を読んだぶんだけキッチリハマるやつ!

    終盤の「根は〇〇でできている

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    2025年12月28日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    はちゃめちゃに面白かった。特に「春は青いバスに乗って」と、「腋臭風呂」が理不尽で気持ち悪くて良かった。

    なにより、豊崎由美さんの解説が秀逸だった。西村賢太に興味がある人は、本編を読まずとも、ぜひ読んでほしい。

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    2025年12月25日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    藤澤清造に関する調べ物を行う様子や同棲生活のイザコザを描いた私小説。

    短気ですぐに手を上げ、女に逃げられると泣きつき反省したかに思えるが、また同じ事を繰り返すクズ。しかし、藤澤清造にまつわる事に関しては熱心に取り組む。そんな彼が何処か愛おしい。

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    2025年12月19日
  • 蠕動で渉れ、汚泥の川を

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    西村賢太、9冊目
    貫多17歳 洋食店編

    その年齢的にギリギリ許されるであろうクズエピソード満載、声に出して笑ってしまう場面もあり予想と期待を裏切らない内容

    どれだけ悪態をついても一人称が「ぼく」
    引っ越しの私財は文庫本のみ

    湊かなえのやさしい解説を読み終えると、また最初からエンドレスで読めてしまう作品

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    2025年12月18日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    これまで読んだ作品も軒並み高い評価をつけたが西村賢太のマイベストはコレかな

    文章も構成もドストライクだった

    解説者が「昭和アイドルの曲名のよう」と書いていた「春は青いバスに乗って」
    自分は横光利一「春は馬車に乗って」が真っ先に思い出されたし、おそらくそういうことだろう

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    2025年12月15日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    ネタバレ

    はるか昔に単行本で読んだはずだが記憶に薄い
    文庫本で再読

    いや面白い
    そして無限に読めてしまいそうな文章力
    これほどハイスピードでページをめくれる体験は最近の読書では無かった

    こんな作品を忘れるわけがないので単行本は記憶違いなのかもしれないと思った

    長らく滞納している家賃支払いのため1日500円貯金、風俗のため1000円貯金は笑った

    急に連投される「プリミティブ」にニヤリとし、日下部カップルの会話にうんざり

    著者にしてやられた満足感
    これはもう全作品読まないといけない作家だわ

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    2025年11月28日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    これは私のことか!?と思いました。無性に私小説を書きたくなりました。激おすすめ。孤独感や劣等感、友達づくりに悩んだり、周りに壁を作りがちな人に読んでほしいです。悩むなら、とにかく読め、読めーー!!

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    2025年11月06日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    19歳で友達も居らず女の子にもモテない、仕事も低賃金で過酷。一見大変そうだし大変なんだろうけどそういう環境でしか得られない価値観はそういう環境でしか得られないんだろうな。キラキラしてる側は自分がキラキラしてることに気づけないんだろうな。

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    2025年11月06日
  • 小銭をかぞえる

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    近くにいたら絶対ぶっ飛ばしてるけど、なぜか面白くて一気読みした。
    あえて難しすぎる表現をつかうところにプライドの高さと捻くれ加減が垣間みえて、ある種かわいらしいと感じてしまった。

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    2025年09月29日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    なるほど。名が知られる人にはそれ相応の理由がある。
    これほど味の濃い作品は本当に読んだ事がない。においがきつく、味が濃い。

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    2025年09月18日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    10年ぶり3回目。
    石原慎太郎の解説がサイコーだぜ

    収録されている『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』こそ白眉
    この作品は著者自身の思い入れが強く、これ以降を自身の創作の第二期ととらえ、作風も変わっているとのこと。表題作にしたかったが、苦役列車が芥川賞をとったため急遽で同時収録にあいなったとされている(やまいだれの歌、あとがきより)

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    2025年09月06日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    小説らしい非現実性よりもクズの私小説が好きだと改めて認識した。人間失格を初めて読んだ時のような感覚。面白いものでも読んで気分のいいものでもなく、自分の中の汚い部分が照射されたような気持ちになる小説。

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    2025年08月06日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    墓前生活 70
    16p(略)元来、人の二倍も三倍も分別をわきまえ、絶対に良識や良俗を踏み出せない性格でありながら、何かどこかが社会一般のあらゆるものとかみ合わない。(略)そうなればもうそれを逆手にとってやり、諦めを強いた自らの心を抱きしめながら、孤独なパフォームを演じてゆく他ない(略)
    藤澤清造と西村賢太の普遍的な関係性を感じてしまいます。

    藤澤清造あっての西村賢太であると同時に、西村賢太があっての藤澤清造なのだと思いました。(解説から)

    コロッケあっての美川憲一であるのと同時に、美川憲一あってのコロッケみたいな笑

    どうで死ぬ身のひと踊り 75
    藤澤清造のことでうまくいくとがあると、一方

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    2025年07月11日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    西村賢太さんの存在に興味を持ち拝読。

    「どうで死ぬ身の一踊り」という言葉通り、諦観しているからこその、人並外れた執念や執着が描かれていた。

    DVのシーンは軽快で酷くて、この表現は良くないかも知れないが、読むのが面白かった。

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    2025年06月12日