西村賢太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「寿司乞食」
念願の築地勤めのバイトをつかみ、場所柄の気風の良い歓待を受けて調子に乗りまくる北街貫太の話。
いつも通りそんな理想環境もあっさりぶち壊すのだが、築地の人たちが良い人すぎて醜悪な破滅にはならないのがなんだか面白い。
「夜更けの川に落葉は流れて」
表題作。バイト先で出会った女性との甘い時間と貫太らしい身勝手さによるぶち壊し。
今回は珍しく甘やかな時間もそれなりにあるので、年らしく青春している貫太への西村賢太の面映いような目線も感じる。
しかし、ぶち壊しに行く顛末はひたすらに醜い自己完結でありさすが北街貫太といったところ。
「青痰麺」
病的な癇癪と奇行の話。作家となった今まで繋がる話であるのはなんだかユーモアがあった。 -
Posted by ブクログ
母克子のとの具体的なやりとりを初めて読めたと思う。その後実家を追い出され駅構内の飲食店でのアルバイトの話も初めてだった。そのほんの数ヶ月の出来事の中の、しかもほんの些細な題材を丁寧に面白く書かれていた。普通に楽しかった。同じ世代の17歳よりははるかに精神年齢が上になってしまうのは環境から仕方ないとはいえ、逆にまだ17歳。不安定な部分があって当たり前だと思うし普通に一人暮らしは無理だろう。まあでも克子と同居するのは無理だろう。
終わりの2章はとたんに中年になっている貫多。そんな大金をはたいてまで古書をそろえるのは自分の金銭感覚とかなり違っている。ホント人と比べない、「普通」がない、どこまでも自分を貫く彼なのだと思った。
また、他の方のレビューで勘付いたが、「崩折れるにはまだ早い」に感じていた違和感。あの章は、作者自身の思いではなく、藤原清造の目線で書かれたものということでいいんだろうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレ人もいない春 60
製本所での短期アルバイトを追われるように辞めて、夜の街を彷徨う。タクシーを乗り捨てるあたりから郷愁漂う。
二十三夜 60
まるで非モテ男の濃縮。叶わぬ恋と分かっていながらどう決着するのか興味が湧く。秋恵前夜としたら興味深い。
悪夢─或いは「閉鎖されたレストランの話」55
私小説ではない(創作)小説。ネズミ目線は特に面白くはないが、オチが西村賢太っぽくておもしろい。
乞食の糧途 40
運送会社のアルバイト先に嫌なヤツがいた。
貫多はヒモ選手権があるとしたら、ランキングは最下位だと思う。
赤い脳漿 65
逆恨みもいいところ。それもかなり歪んだ逆恨みです。私小説でなければあり得なすぎる。マジで一回病院に行ったほうがいいかも笑
昼寝る 85
看病する側、される側を体験して愛に目覚める貫多笑。
看病、被看病のコントラストだけでなく、貫多の江戸弁と秋恵の現代弁の台詞回しのコントラストも素晴らしい。