西村賢太のレビュー一覧

  • 羅針盤は壊れても

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    表題作が最高。半年で高校中退してバイトしていた身としては共感できるとこが多数。そして未だに「まだ大丈夫なはず」と思い続けている。
    (貫多に言わせれば中卒と高校中退は全く違うものだが)
    既に読んだ2篇も再読して再度面白い。全然積読してないけど、何回読んでも面白い。

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    2026年04月24日
  • 夜更けの川に落葉は流れて

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    今までと同じような貫多なんだけど、書き方が変わった感じがする。それがとても好き。
    夜更けの川に落ち葉は流れて、秋恵と会う前の最後の彼女との話し。面白すぎる。
    青痰麺も最高。

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    2026年03月31日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    スマホもSNSもない、しかし現代的な社会は完成しつつある時代の底辺から、人間存在の核心的一部分を捉えるような作品だと思った。嫌らしさや卑しさ、粗雑さ、体液と埃に塗れた汚らしさとともに描かれる主人公の尊大さは情けなく居た堪れないが、不思議なエネルギーがあり、それが難読漢字や古臭い表現を取り入れた文章とともに迫ってくる。

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    2026年03月27日
  • 痴者の食卓

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    畜生の反省が好きすぎる。
    「ちなみに、三人のご豚児のことは?」
    「えっ、ごとんじ?」
    めっちゃ笑った。
    全編好き。

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    2026年02月26日
  • 瓦礫の死角

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    私小説?
    いや、もはや
    娯楽小説!

    全身エンターテイナー
    西村賢太、ここに極まれり!
    ーー真梨幸子氏
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    私が以前勤めていた会社で仲良かった人が、
    西村賢太をよく読むと言っていて
    ずっと気になっていました。

    本屋でたまたま見つけて、
    薄めの本だったので、
    これなら挑戦できるかもと!

    結構重たそうなイメージがありましたが。

    なんか…面白い。
    なにこれ、不思議な感覚です。
    すごく暗いし、すごく嫌な感じなのに、
    なんか面白い空気というか、
    開き直っている感じ

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    2026年02月23日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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     著者が芥川賞受賞後に連載を開始した「一私小説書きの日乗」が「本の雑誌」で連載されるようになった時、初めて著者の文章に触れました。そして、今この時代にこんな無頼な作家がいることに驚くとともに、なんだか嬉しくなりました。
     その彼が急逝した時、さもありなんと思ったのはその通りです。苦役列車の主人公、北町貫多は多分そうなるはずの生き方をしています。劣等感に苛まれ、人間関係もうまく作れず、日雇い仕事の日給は酒とタバコと風俗に消費され、月1万円の家賃さえも毎度毎度踏み倒して、最後は母親に無心する、というより強奪していきます。

     私小説ですが、昭和の時代までの青年たちは、多かれ少なかれ北町貫多のような

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    2026年02月17日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    とんでもねえゴミカスだと思ったらまさかの私小説とは…
    描写も細かく、繊細な文体と難しい単語が目立つ。
    それであって喋りとのギャップがまた面白い。
    あまりにも底の底すぎるが、
    自分もまたこうなる可能性があったと思うと、
    戦後日本の平和を享受できるのも、
    限られた人間にのみ許されたもので、
    全ての人間がそうではないんだと思わされたり。

    性格があまりにも自分の暗い部分に似ていた。
    こういう側面って誰にでもあって、
    環境によってそれが主になってしまう、
    ということもあるのだと思う。

    しかしあっこから小説家になるとは…
    いやはや何が起こるか人生とは分かったもんじゃあないな。

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    2026年02月16日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    私小説。正直にいうと私小説というものがわからない。最初に随筆のように読んでしまって、違うなと気づいた。自身の体験や感情をもとに書いているのだろうけど、客観視してるというか分裂してる視線を感じる。
    主人公のように、劣等感に振り回され感情にまかせその時のみを生きているだけなら、この文章は書けないんだろう。シニカルなユーモアや主人公の愛嬌を巧みにふりかけていて、上手いなぁと思う。
    ご本人はどんな人だったんだろうか。興味がでて、会ってみたかったと思った。

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    2026年02月15日
  • 一私小説書きの日乗 憤怒の章

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    他人の私生活を覗き見た感覚。

    連夜の暴飲暴食(カルピスサワーは意外)。
    描けぬ原稿。
    仲違いと仲直りを繰り返す編集者。
    思わぬ出会い。

    そんな「日常」が淡々と綴られているだけなのに面白い

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    2026年02月09日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    退廃した自分を書いた私小説。これだけの文章が書けるのだから、元々頭の良い人で子供のころの環境が悪かったから、自堕落になってしまったのだろうな。

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    2026年02月07日
  • 小銭をかぞえる

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    ネタバレ

    女性のことをずっと女って言ってて良かった。
    主役が性格悪くて不細工な時点で面白くないわけないと思う。多分。

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    2026年02月05日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    ネタバレ

    西村氏の私小説的作品。貫多が自己投影のキャラクターであるからか、語り部が一人称的にも三人称的にも映る。それ故に、貫多のクズっぷりを内省的にフォローする形で話が進むので助かる。
    途中で出会う同い年の専門学生、日下部と親しくなるものの、徐々に貫多と"普通"の同級生とのズレが顕著に表れて虚しい。家庭環境から翻って日常生活、人や金の豊かさ、それ故の距離感や怜悧さの違いがもたらす羨望が卑屈さに変わり、相手を侮蔑することでプライドを保つ虚しさと成長の無さは共感性羞恥をもたらす。ただ、厭世的な雰囲気はあるものの、悲愴感こそ感じさせない主人公である貫多のメンタルもあって、読むのが苦痛になる

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    2026年01月06日
  • 小銭をかぞえる

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    西村賢太13冊目?

    安定の面白さ
    今回は読者のメンタルを抉ってくる度合いは高め

    西村賢太ファンにはお馴染みのヒロイン
    裏切り?の末に貫多の元から去るという未来を幾度となく提示し、その下で思う存分にドクズ男を描写している

    どちらのタイトルも効いている

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    2026年01月05日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    私小説とは自身をピエロに仕立て小説として売るものだろう。そこに虚飾があってもよいが、コンプレックスも何もかも丸出しにして人間の底の底が描けていなければ、丸裸の人間がここにいると思われなければ、読者の共感は得られない。よく「どんな人にも一冊は小説が書ける」と言われるが、それはそれで厳しい話だ。
    ほぼ実録私小説のように読める本書は、まず父親の犯した性犯罪が学歴や怠惰な性格といった主人公(著者)の劣等感の根本的出どころとして描かれる。これは本人には責任がなく世の中の不条理ではあるのだが、そこに反発はあるにせよ概ね世間目線を受け入れる代わりに、怠惰で無軌道な自己を社会に当てつけているフシがある。これが

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    2026年01月04日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    物語の主人公である北町貫多は、自分よがりで、見栄っ張りと決して褒められるよう人ではない。
    物語を読み進める中で、貫多までは思わないまでも、すごく気持ちがわかる。それは人間という生物が必然的に思うことなのだと思う。
    誰だってみにくい感情はある。それを表に出さない、出せないだけで。この小説は、作者が心情に正直に書いているおかげで、透明感が半端じゃない。
    人には言えないようなみじめな感情に対して、みんな思うことなんだよと言ってくれる。それだけで救われるものだと強く感じた。
    ダメなところもある自分のままで、堂々と生きようと思えた作品だった。

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    2026年01月03日
  • 芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影

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    西村賢太10冊目

    稲垣潤一のコンサートにお呼ばれした場所は奇しくも、、、

    己を顧みる貫多、いや賢太

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    2025年12月21日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    父親の犯罪から歪んでしまった主人公・貫多が中学卒業後、肉体労働を経て日々を過ごしていく。

    この小説は私小説、つまり西村さんの人生なわけだが、鬱屈とした性格?やグレていた頃、肉体労働の経験、自己責任とはいえ人生がどうにも崩壊していってしまう模様、そのどれもが私のことではないかと思い、読んでいるのが辛くなってしまった。

    とはいえ、西村さんもとい貫多は実家がもともと裕福で金を無心しがちなクズである一面もあり、そこは腹が立った。私も中退して肉体労働をしていたので、この人生が『苦役列車』なんて言うなら、私はさらに悲惨であろう。

    このことについては石原慎太郎も解説で触れていたが "どんな人

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    2025年12月16日
  • 一私小説書きの日乗 憤怒の章

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    日乗2

    中身は前作と同じ

    編集者との喧嘩が多すぎて様式美になっている
    喧嘩→和解→喧嘩の流れは笑う

    毎晩、宝焼酎一本と共にたらふく食べてインスタント麺で締め

    自著作が後年高値になるとは思えない旨の記述があるが、照れ隠しだろうか。西村賢太の単行本はいずれもプレミア価格になっている

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    2025年12月13日
  • 随筆集 一私小説書きの独語

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    「日乗」から続けざまに読んだ

    冒頭の「はじめに」が1番良かった
    「私小説はノンフィクションと同義語ではない」

    ソレを言ってしまうのかという驚きと、そうだろうねという安心感と、多少のガッカリ感

    日乗より評価は上かな

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    2025年12月11日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    自身の存在意義を確立できていない人間にとっての、この社会での生きづらさや不安要素、感情の動きが事細かに表現されていて、いい意味で不快感がすごかった。だけども実際そんな人間が考える妬み嫉み他責は、全部自信の無さから派生している感情だろうから目に見える実績を求めるのだろうな〜という思考回路がよく分かるお話だった。
    私自身にも重なる部分が多々あって耳が痛いような気分になりました。ここまで赤裸々に人間臭さを表現してくれるなんて、仲間を見つけたようでなんだか嬉しい。それでも何もしなくても居心地のいいところなんて大体成長がないんだから長居するのは良くないね。

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    2025年11月30日