西村賢太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
たいへん面白くて、一晩で一気読みした。
主人公の北町貫多(=西村賢太自身を投影した人物)は、坂口安吾の「堕落論」を地で行くような人だと思う。クズ大爆発。欲望むき出しで、堕ちるところまで堕ちながら、なんやかんやでたくましく生きている。
そんな自分の醜さや情けなさまで、私小説として曝け出してしまうところがすごい。読んでいるうちに、「こういう部分、自分の中にもあるよなぁ……」と思わされる瞬間がある。
あと、何かしらのコンプレックスの裏返しなのか知らんけど、妙に衒学的な雰囲気も感じた。
「曩時」「後架」「畢竟」など、難読漢字や独特な言い回しがやたら多く、そこは少し読みにくかった。
……というボヤ -
Posted by ブクログ
ネタバレ初っ端からお下劣な言葉が飛び込んできて、貫多の破茶滅茶な生き様が包み隠すことなく描写されていて面白かった。
筆致にも内容にも独自性があって良かった。
昔の言葉遣いなのかは不明だが、難しい言葉が頻出するのでグーグル先生に助けてもらいながら読み進めた。
貫多の境遇には、自分自身にも重なる部分が多数あったので共感できるものがあった。
それと同時に、こんなに出鱈目で自由奔放に生きていても、人生なんとかなるもんなんだなと変に勇気付けられたりもした。
私小説というものだから驚かされる。
最終的には小説家として成功しているし、学歴が無くてもこんな作品を生み出せるんだと……。
自分も私小説を書きたくなった(書 -
Posted by ブクログ
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私小説?
いや、もはや
娯楽小説!
全身エンターテイナー
西村賢太、ここに極まれり!
ーー真梨幸子氏
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私が以前勤めていた会社で仲良かった人が、
西村賢太をよく読むと言っていて
ずっと気になっていました。
本屋でたまたま見つけて、
薄めの本だったので、
これなら挑戦できるかもと!
結構重たそうなイメージがありましたが。
なんか…面白い。
なにこれ、不思議な感覚です。
すごく暗いし、すごく嫌な感じなのに、
なんか面白い空気というか、
開き直っている感じ -
Posted by ブクログ
著者が芥川賞受賞後に連載を開始した「一私小説書きの日乗」が「本の雑誌」で連載されるようになった時、初めて著者の文章に触れました。そして、今この時代にこんな無頼な作家がいることに驚くとともに、なんだか嬉しくなりました。
その彼が急逝した時、さもありなんと思ったのはその通りです。苦役列車の主人公、北町貫多は多分そうなるはずの生き方をしています。劣等感に苛まれ、人間関係もうまく作れず、日雇い仕事の日給は酒とタバコと風俗に消費され、月1万円の家賃さえも毎度毎度踏み倒して、最後は母親に無心する、というより強奪していきます。
私小説ですが、昭和の時代までの青年たちは、多かれ少なかれ北町貫多のような -
Posted by ブクログ
とんでもねえゴミカスだと思ったらまさかの私小説とは…
描写も細かく、繊細な文体と難しい単語が目立つ。
それであって喋りとのギャップがまた面白い。
あまりにも底の底すぎるが、
自分もまたこうなる可能性があったと思うと、
戦後日本の平和を享受できるのも、
限られた人間にのみ許されたもので、
全ての人間がそうではないんだと思わされたり。
性格があまりにも自分の暗い部分に似ていた。
こういう側面って誰にでもあって、
環境によってそれが主になってしまう、
ということもあるのだと思う。
しかしあっこから小説家になるとは…
いやはや何が起こるか人生とは分かったもんじゃあないな。
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Posted by ブクログ
ネタバレ西村氏の私小説的作品。貫多が自己投影のキャラクターであるからか、語り部が一人称的にも三人称的にも映る。それ故に、貫多のクズっぷりを内省的にフォローする形で話が進むので助かる。
途中で出会う同い年の専門学生、日下部と親しくなるものの、徐々に貫多と"普通"の同級生とのズレが顕著に表れて虚しい。家庭環境から翻って日常生活、人や金の豊かさ、それ故の距離感や怜悧さの違いがもたらす羨望が卑屈さに変わり、相手を侮蔑することでプライドを保つ虚しさと成長の無さは共感性羞恥をもたらす。ただ、厭世的な雰囲気はあるものの、悲愴感こそ感じさせない主人公である貫多のメンタルもあって、読むのが苦痛になる