西村賢太のレビュー一覧

  • 寒灯

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    ネタバレ

    とるに足らない痴話喧嘩。ありふれた睦言に由無し言が赤裸に綴られる。いつものように身勝手な爆発が始まり侘びしく哀しい悔恨慙愧に帰結する。4つの短編がいずれもこのワンパターンに終始しているにもかかわらず飽きさせないのは磨き上げられた秀逸な筆力のなせる技。見事というほかない。ただ淡々と流れる何気ない男女の日常風景に夫婦のあり方、他者を思う心を深く見つめ直すこともできた。得体の知れない力に圧倒された。

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    2012年06月30日
  • 瘡瘢旅行

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    っはー、今回もひどい、ひどくて最高。
    女をののしる言葉が、最高にえげつなくていい。
    放送禁止用語レベルなのでここには書けないが、とにかく、筆者でなければ思いつかないレベル。

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    2010年05月27日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    決して晴れることのない劣等感が自我を蝕み、生きる意味を失った人生は底辺へ堕ち続ける苦役と化す。降りる機会は何度もあったにも拘わらず、目先の快楽に飛び付くあまり後戻りできない場所まで進んでしまった列車。明日の見えない日雇い仕事に向かう道中で西村賢太さんが感じていたことなのかも知れません。極端で終始露悪的な語り口の主人公でしたが、複雑性が増し、没落した側の世界が紙一重で存在する現代に生きるからこそ共感した部分が多かったです。

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    2026年09月27日
  • 寒灯

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    貫多がタクシーを使った昭恵を詰める際の小物感、蕎麦のつゆを手作りしたのに天ぷらが惣菜売り場で買った物だった際の叱責の理不尽さ。読書後に妻に感想と解説をするのですが途中で怒られて辞めました。朝から気分を害されたようです。誕生日の際のプレゼントやらステーキへのクレームの話しは出来ませんでした。奥さんごめんなさい。僕を捨てないで下さい。(笑い)貫多みたいに最後は卑屈になるんだな。賢太先生の作品、文章は中毒性が有るんです。

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    2026年09月22日
  • 形影相弔・歪んだ忌日

    購入済み

    相変わらずの西村作品です

    内容や行っている事、物事に対する思考回路は相変わらずです。西村氏の作品を読む度に「このような男性とはお付き合いしたくないな。でも、女性に対する男性の本音とはこのような感じではないか」と思いますね。

    #切ない #笑える #シュール

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    2026年09月19日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    主人公の強い劣等感や相手を妬む感情。今の自分の状況を生まれのせいにして自ら環境を変えようともしない姿が終始強烈な印象で一気に読み進めてしまった。ここまで負の感情全開な主人公応援できない!けど自分にもある醜い感情をバーンと突きつけられたような気にもなる小説だった。でも主人公は親の不祥事でどう頑張っで自分は所詮あの親の子なのだと諦めていたが自分は絶対そうならないと抗うことはできたと思う。生き方で抵抗しながら生きることだってできたのにそれに負けたのは自分の選択。反面教師じゃないけれど人に対して抱いていた負の感情について改めて考えるきっかけになりました。

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    2026年09月07日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    ネタバレ

    「ぶったがどうした。おまえが言うに事欠いて変態なぞと嘗めたことを言うからだ。ぼくは心から謝ってるじゃねえか、もう許してくれってんだよ。それに全てはおまえが好きでたまらねえ余りからしたことなんだしよ、折角仲直りできたのに、こんな情けないことでまた喧嘩するのは嫌だよ。でもおまえがそこまで嫌がるようなことをしたのと、今、引っぱたいたことは悪いと思ってるよっ」

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    2026年08月16日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    個人的に少しブームが来ている、私小説
    私小説で芥川賞受賞か…と思い読んでみる

    私小説らしい、ダメなボクを吐露する系だけど、舞台が現代で生々しい
    どこからどう見てもダメでも、それを噛み締め続けると小説を書けるのか

    下には下がいる、と思って読めばいいのか
    ただ、受け止めればいいのか
    感想書きづらい
    でも、なぜか読後感は暗くない
    他の本も読んでみる

    まだ私小説ブームは続きそうです

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    2026年08月14日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    人より強い妬む心と尊敬する心を持ち合わせた人間である語り手だった。そして、妬む心を持ちやすい生活を送り続けていた。彼の幼少期には横溝正史の文庫本があって、苦役の従事を続ける彼には藤澤清造がいた事が、彼を掬い上げることになるのだろうな。
    本書が私小説であるということは、私に対しケツを蹴り上げるような痛みを感じさせる。自身を文字に起こす覚悟を有した著者がいる、という事実があるからだ。語り手よろしく、私も小心者であるがため、本書は私の感情を嫌にでも面前に突きつけ、それが痛く醜い姿である事を自覚せざるを得ない。

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    2026年08月13日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    ネタバレ

    藤沢清造の弟子と自称する主人公は、藤沢の全集を完成させるために彼の資料を収集したり、彼の墓が立つ石川県にある寺に向かうなど、師のために情熱を傾ける。その一方で、特に仕事をすることなく、現在付き合っている女性と些細なことで衝突して暴力を振るう、というようにまともな生活を送れない破滅的な男を開けっ広げに描写する。

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    2026年08月02日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    西村賢太の師への傾倒っぷりは本当にすごい。これほど何かに情熱的になれる人は本当にいないと思う。しかも見返りも何もなしに。感心したのも束の間二つ目の話ではいつもの西村賢太で笑った

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    2026年07月22日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    たいへん面白くて、一晩で一気読みした。

    主人公の北町貫多(=西村賢太自身を投影した人物)は、坂口安吾の「堕落論」を地で行くような人だと思う。クズ大爆発。欲望むき出しで、堕ちるところまで堕ちながら、なんやかんやでたくましく生きている。
    そんな自分の醜さや情けなさまで、私小説として曝け出してしまうところがすごい。読んでいるうちに、「こういう部分、自分の中にもあるよなぁ……」と思わされる瞬間がある。

    あと、何かしらのコンプレックスの裏返しなのか知らんけど、妙に衒学的な雰囲気も感じた。
    「曩時」「後架」「畢竟」など、難読漢字や独特な言い回しがやたら多く、そこは少し読みにくかった。

    ……というボヤキをチャットGPTに投げてみたところ、
    「は? あの古臭い文語調や難語は、敬愛する藤澤清造の私小説世界に寄せてるんですけど?」
    と返り討ちにされた。

    グエー。

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    2026年07月19日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    私小説というのを初めて呼んだ。もともとノンフィクション小説が好きなので、実体験を大いに脚色させて書けるこのジャンルはかなり楽しいと感じた。
    濱口竜介の映画『急に具合が悪くなる』を観たばかりなので、特に強調されて外部の存在を意識するが、そのような鳥瞰的視点ではなく、圧倒的な当事者としての視点から迫力ある書かれ方をされているのが特徴であり面白さだと思った。

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    2026年06月22日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    ネタバレ

    自分の醜い部分をあまりにも赤裸々に描いていて、逆に美しいなと感じた。特に印象的だったのは、貫太が、お昼休憩中にドラマの撮影の邪魔になるからとあっさりどいてしまったことに対して、どいた後にネチネチ文句を言っているところだ。誰しもが感じるモヤっとした感情を、何倍にも強度を高めて描いてくれることに気持ちよさを感じた。

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    2026年06月03日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    ネタバレ

    初っ端からお下劣な言葉が飛び込んできて、貫多の破茶滅茶な生き様が包み隠すことなく描写されていて面白かった。
    筆致にも内容にも独自性があって良かった。
    昔の言葉遣いなのかは不明だが、難しい言葉が頻出するのでグーグル先生に助けてもらいながら読み進めた。
    貫多の境遇には、自分自身にも重なる部分が多数あったので共感できるものがあった。
    それと同時に、こんなに出鱈目で自由奔放に生きていても、人生なんとかなるもんなんだなと変に勇気付けられたりもした。
    私小説というものだから驚かされる。
    最終的には小説家として成功しているし、学歴が無くてもこんな作品を生み出せるんだと……。
    自分も私小説を書きたくなった(書かない)

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    2026年05月26日
  • 小銭をかぞえる

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    ネタバレ

    両作品とも著者の実体験をベースとしたもので、破滅的な内容となる。主人公は金銭面でだらしなく性格に難がある人物で、それゆえに人間関係でトラブルが発生する。二作品とも形は違えど、人間が内包する醜さを描いており、現実にはこのような人間が実在することが本作を通して実感できる。

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    2026年05月03日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    主人公の生き方や人間関係が、『PERFECT DAYS』と対照的だと思った。

    苦役↔︎PERFECT
    列車↔︎DAYS

    タイトルもきれいに対比している、面白い。

    「列車」というメタファーは、貫多が陰のレールを進む業から逃れられないことを示しているのだろうか。

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    2026年05月02日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    苦役列車のタイトルから、ドン底で這い上がれない、希望もない絶望と怨恨のストーリーを想像していましたが、意外にも主人公が若いためか爽やかな印象でした。流れるような読みやすい文体で一気読み。亡くなられた著者のファンの聖地である鶯谷の信濃路に行ってみたい。

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    2026年04月29日
  • 羅針盤は壊れても

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    表題作が最高。半年で高校中退してバイトしていた身としては共感できるとこが多数。そして未だに「まだ大丈夫なはず」と思い続けている。
    (貫多に言わせれば中卒と高校中退は全く違うものだが)
    既に読んだ2篇も再読して再度面白い。全然積読してないけど、何回読んでも面白い。

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    2026年04月24日
  • 夜更けの川に落葉は流れて

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    今までと同じような貫多なんだけど、書き方が変わった感じがする。それがとても好き。
    夜更けの川に落ち葉は流れて、秋恵と会う前の最後の彼女との話し。面白すぎる。
    青痰麺も最高。

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    2026年03月31日