西村賢太のレビュー一覧

  • 一私小説書きの日乗

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    苦役列車に続き、もう少し読んでみたくなった西村賢太。
    基本ただの日記なんだが、芥川賞前後の生活が書かれていて、興味深い。
    執筆をボールペンとノートで下書きからしてるのはある意味すげえと思ったのと、藤澤清造のマニアッぷりがすごい。
    やはり成功する人は、信念やメンターな存在を大切にしているんだと納得。
    もう少し西村作品を読みたい

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    2016年09月17日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    酒屋勤務と女子高生。
    雑居房。
    大家の爺さん。
    銭湯でであった腋臭臭い男を、デリヘル嬢から思い出す。

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    2016年07月14日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    一連の作品は、みな同じ話なんだが、何故かひきこまれ、読んでしまわないといけないような作品だ。「嫌になるんだけれど、読まずにいられない・・的な」

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    2016年06月12日
  • 痴者の食卓

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    相変わらずの西村節炸裂。
    自分が人格者だとか、聖人君子だとか思ったことはないが、こんな酷い男よりはましだよなあ、と冴えない自分を庇護するには最高な作品。
    これって、TVバラエティーで見かける汚いオカマとかと同じで、自分より蔑める存在を見ると安心するというわけだ。

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    2016年05月17日
  • 人もいない春

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    短編集。私小説で有名な西村賢太だが、中ほどに収録されている「悪夢ー或いは『閉鎖されたレストランの話』」は創作ものである。同氏の多彩な文才を実感させる、秀作である。この一遍のためだけでも本書を手に取る価値はあるだろう。

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    2016年01月24日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    面白い。兎に角、貫多のクズっぷりが素晴らしい。著者の卓越した文章力と類まれな用語センスが相まり、どうしようもない人間の底辺も底辺な負の感情を、嫌悪感を超越した、大正や昭和初期のような雰囲気を持つ回顧主義的作品に仕上げている。赤塚不二夫作品のような、古めかしくもナンセンスでエキセントリックな、日常を描いているが非現実的物語といえばよいか。「どうで死ぬ身の一踊り」と比べると文学性はやや劣るが、漫画的な私小説の面白さがある。

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    2015年06月06日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    4つの話をまとめた短編集だが、主人公は皆同じ北町貫多という人物によって作られている、決して連作という構造にもなっていないが、私小説である。
    一貫して明治や大正時代の文学作品なんかで使われる古風な言い回しを軽快に描く本作は独特な魅力で溢れている。普段は目にしない難読な漢字が出てきたりもする。自堕落で単純で気まぐれに出来ている主人公と端正な文章との対比をしても面白い。大概どの物語も主人公である貫多が何らかの形で問題を起こし、それを意外な形で結末を迎える独特な面白さがあった。

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    2015年05月24日
  • 一私小説書きの日乗 野性の章

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    2013年5月21日から2014年6月19日までの日記。前作でずいぶんひどい人がいたものだと思ったが、その露悪的なところが病みつきになるところがあって、日記なので時間をおいてはまずいだろうと読んでしまう。

    今回はよく仕事をしていて、喧嘩も少ない。玉袋さんと取っ組み合いのケンカをしても仲直りしている。編集者とは二人くらいともめてるけど騒動にはなっていない。

    体調的には親知らずの抜歯と後半痛風と頸椎症性神経根症がダブルで押し寄せてきてる。

    食べたものをベースに買淫がアクセントになりつつ快調に読めるのが魅力的。自分も少し真似て日記を書いている。

    たまにおススメの作家なども出てくる。今回は藤野

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    2015年04月24日
  • 一私小説書きの日乗 野性の章

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    第一弾以降読んでいなくて、最近文學界か何かに自分の日記を読みなおすのは苦痛とか書いてあったのを読んだら不思議と読みたくなってまた手に取ってしまった。
    相変わらずすごい食いっぷり。(私の三日分ぐらいのカロリーを一食で摂っているとかざら)そして著作もついに30冊を超えたとか。ご活躍何より。この人の文章は本当飽きない。いついかなるコンディションでも読める稀有な作家。憤怒の章と『一日』も読もう。面白い。

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    2015年02月24日
  • 一私小説書きの日乗

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    無頼と評される事が多く、見た目からも無骨な印象を受ける事の多い著者。でもその印象がいい意味でひっくり返される。
    苦手意識を持っている人こそまずこの本から彼の作品に触れてみてほしい。

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    2014年11月08日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    相変わらずのDVや内弁慶っぷりや粘着質な性格には閉口だけど、こと藤澤清造に関することの行動力や執念たるや見習ううべきところ多し。反面教師にしても良し、過去の失敗や後悔から、どうせなら開き直って!と勇気を得てもよし。

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    2014年10月15日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    中卒・酒飲み・貧乏でDVばかりの文学愛好家、西村賢太の私小説。
    もうこの人の小説の凄さは『暗渠の宿』を読んですっかりあてられてしまって、もう少しこの人の人生を覗きたくなって手にとった。
    彼の藤澤淸造への信仰が伺える「墓前生活」とこれでもかと西村賢太節が味わえる「どうで死ぬ身の一踊り」。

    『暗渠の宿』でも書いたが、こんな人物を紙面を通じて知り、彼の立場に立つというのは、本当に面白い体験だと思う。
    虚栄心、偏執狂、即物主義、傲慢・・・男の持つ欠点をとことんデフォルメしたような著者の私小説を読むことは、不思議とスカっとするし、でもやっぱり身につまされる。

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    2014年07月31日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    酒、女への執着と暴力そして藤澤という作家への思い。大体感情を爆発させて失敗するオチ。
    結末が読めても頁をめくってしまう暗黒の魅力がある。

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    2014年07月01日
  • 寒灯

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    北村貫多と秋恵の夫婦喧嘩を克明に記載していることに驚嘆した.これらの喧嘩を演じた作者の記憶力も大したものだが、かなりのドメスティックバイオレンスだな.表題作の暮れの出来事、帰省や年越しそばの話しが面白い.

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    2013年10月23日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    この作者の小説は基本的に面白いと思うが、続けて数冊読むと主人公のだめさ加減に辟易とするため、間を開けて読む事をお勧めする。

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    2013年09月28日
  • 人もいない春

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    西村賢太の読者にはお馴染みの秋恵と同棲中の日記。秋恵シリーズも数冊読むとパターンが判ってくるんだけど、マンネリズムの心地良さで、ついつい読んでしまう。

    一編だけ秋恵とは全く関係ない、小動物を擬人化した話があり、これはこれで新たな一面として新鮮かつ面白かった。

    しかし、一人の作家にこれだけ嵌まり、立て続けに購入するなんて滅多にないので、やはり好きなんだなぁ。

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    2013年07月06日
  • 人もいない春

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    中卒で家を飛びだして以来、流転の日々を送る北町貫多。一時の交情、関係を築きつつも必ず最後はメチャクチャに破綻してしまう彼の孤独な姿はそのまま自分自身の裡にあるのではないかと思い、彼の作品を読んでます。

    ここには短編集がいくつか納められていて、そのうち、『悪夢―或いは「閉鎖されたレストランの話」』以外はすべて自分自身の体験から生まれた私小説です。『人もいない春』では印刷会社の職工に些細なことで絡んで悪態をつき、雇用の契約が延長されずに解雇され、タクシーの運転手にまで当り散らし、『二十三夜』では男女のことでトラブルを起こし、大喧嘩の末に店を追い出されたり、『乞食の糧途』では同棲する秋恵との危うい

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    2013年06月18日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    初めての作家さん。
    ずいぶん話題になった方ですね。

    賛否両論あるとは思いますが、私は好きですね。
    私小説と言う事で、他の作品もこんな感じなのかな?
    気になるところです。

    実際に関わるには嫌なんだけど、遠目で見てる分には嫌いじゃない。

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    2013年03月22日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    タイトルは「何んのそのどうで死ぬ身の一踊り」との一句から。
    私小説らしいが、DVあり、オナニーあり、買春ありで、情けない男を描いた秀作。本当に下らないことで女と喧嘩になるシーンなど職人芸を見ているようだ。藤澤清造は読んだこともないし、どうでも良いが、それ抜きに十分楽しめた。

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    2013年02月18日
  • どうで死ぬ身の一踊り

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    ネタバレ

    何だか凄い...なんとも言い知れぬ尊崇の念と言うか妄執と言うか...人はここまで他の誰かを追いかける事ができるんですね。感心しきりです。それとは別にこの文章とその卑屈な性格とのギャップたるや...西村賢太、恐るべし…他のも読んでみよ~

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    2013年02月05日