乾ルカのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
神秘的で印象に残る作品
セリフも心に残った。
・不幸を語ってよいのは、死にそうなやつだけだ。俺の人生クソだったって言っていいのは死ぬ一分前のやつだけだ
・ろくでもない環境ならいっそそれを誇るぐらいになれ。こんなひでえところでも俺はまっとうに生きているって。文句ばかり言うだけなら誰だってできるんだよ。
・あきらめて逃げようと思った時ってのは本当はもう一度だけ試してみるときなんだよ
内容は、神秘的でぞくぞくする。海の中に建物があり、その中に入ったら出るには「自分のもっとも手放したくないもの」を出場料として払わなければならない。主人公は知らずに出場料として友達を払って無事に出られた。出た後は忘れ -
Posted by ブクログ
乾さんの本好きです。城から出るための「出城料」が何であるか、途中でなんとなく予想はつくのですが、それでもそれぞれの下した決断のせつなさに茫然としてしまいました。
この本に限らず私たちも日常の中で常に決断を迫られていると思います。いつか失うとわかっていても手に入れようと思うのか、手にしたものを然るべき時にきちんと手放すことができるのか。きっと、未来のために今を捨てることができ、手にした過去を後悔しないようになるのが大人になるということなのでしょう。
いろいろ解決していない謎もあったような気がしますが、本編にはあまり関係ないですし、現実ってそんなものですよね。だらだら後日談なんて書いちゃわな -
Posted by ブクログ
ネタバレ「絶望で、人は死ぬ。」
この言葉が、決して絵空事には思えなくなる1冊。
あるウイルスの抗体を持つ人は、深い絶望を感じると死に至る――。
“HBD”という衝撃的な現象が引き起こされるという設定に惹き込まれ、ページをめくる手が止まらなかった。
亡くなった人は、何に絶望したのか。
その死は事件なのか。
それとも避けられないものだったのか。
調査鑑別室は、亡くなった人の”最後の絶望”を追い、犯罪性の有無を見極めていく部署だ。
読み進めるほどに感じたのは、
「悲しみで人は死ぬ」という言葉は、決して大げさではないということ。
それでも、誰かの心を100%理解することなんてできない。
理解した -
Posted by ブクログ
・螺旋プロジェクトの1冊
・プロジェクトの8冊の中で、もしかしたら一番好きな作品だったかもしれない
・主人公とリツの、都会と田舎の、対立とも、ある意味でシンクロとも言える関係性が、緊張感もあるし、くすぐったさもあるし、そんな二人の成長の過程に引き込まれていった
・そもそもストーリーのベースとして、螺旋プロジェクトの海のものと山のものの対立構造な設定が、無理なくとっても上手に活用されていて、過去時代作品からのつながりも自然に取り込まれていて、そこにも感銘を受けた
・運命と、葛藤と、成長と、すべてが重なったラストに思いをはせずにはいられない、心に残る作品でした -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次
・コイコワレ
・九月、急行はつかり車内にて
〈螺旋プロジェクト〉の一冊。
〈螺旋プロジェクト〉とは
「共通のルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家=朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画である。
ルール1 「海族」vs.「山族」の対立を描く
ルール2 共通のキャラクターを登場させる
ルール3 共通シーンや象徴モチーフを出す
(中央公論新社HPより)
乾ルカなので、きっと最後の最後でどんでん返しがあって、もう一度最初から読み直さなくてはならなくな -
Posted by ブクログ
この本の主人公蒼と、『成瀬は天下を取りにいく』の成瀬は、周りの人との共感力が小さいという意味では、よく似たキャラクターであるように思う。
周りを気にせず、「我が道を行く」という点でもよく似ているのだろう。
しかしあちらがベストセラーになって本屋大賞もとるのに、こちらがそうでないのは、成瀬が目指すものが、一般人の私たちにとってわかりやすく、ある意味「俗っぽい」からなんじゃないだろうか。西武の大津店の閉店セールに一月通い続け、ローカルテレビの撮影に写り続けるということは、蒼が「夜間街光調査官」になるために、無名大学に進学することと、自分なりのロマンとこだわりをかたちにする・・・という意味では変わり