乾ルカのレビュー一覧

  • 水底のスピカ

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    2025/11/05
    北海道の白麗高校というところに通う女子高生の更紗、美令、和奈の3人を中心にした青春系のお話。
    スピカというのは星を指す言葉だけど、水底ってどういうこと?と思えばぜひ最後まで読んで欲しいなと思います。
    3人がそれぞれ秘めた想いなどを持ちそれを少しずつ曝け出せる仲に進展していくような物語の進み方です。
    高校生で思春期だからこそあれこれ(考える必要のないことまで)考えるよねという場面が多くありその描写がとても具体的だなと感じます。
    ストーリー自体はものすごく容姿端麗で全校生徒の目を惹きつける美令が白麗高校へ転校してくる、というところから始まります。
    なぜ転校してきたのか、美令の

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    2025年11月05日
  • 灯

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    弱くて強くて、子供のようで大人より物事をよく見ていて、鈍感なようで繊細な高校生。自分の個性を認識していく過程で生じる葛藤に共感した。

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    2025年09月23日
  • コイコワレ

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    戦争の中での少女の精神的な成長が非常に丁寧、繊細に描かれている。
    海族と山族その対立の中で相手を思う心、与える心が厳しい現実の中で少女にのしかかる。
    その中でお互いに苦しい、嫌な相手のことも受け入れ飲み込みそれでもなお接する心。

    内容に入り込んでしまって最後には涙が止まらなかった。
    愛、優しさを受け取る側から与える側へ。何かを貰えるか、してもらえるからではなく単純に相手を思う心。それが子どもから大人になっていく、そんな気持ちがした。

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    2025年09月13日
  • 妖し

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    電車の乗り換え時に構内の本屋で購入

    「妖し」という固有名詞を題材にするとこんなにも作者のカラーが出るのかと…!

    大好きな恩田陸さんの作品のじっとり感がたまらなかったです。
    バナナの話は、一生忘れないと思います。
    情景描写が秀逸で、主人公視点の光景が目に浮かびすぎて怖い。そして情景は目に浮かぶのに主人公の感情が絶妙に言語化されないままそこにある感じが凄かったです。

    たまたま手に取った本でしたが大好きな一冊になりました。

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    2025年08月24日
  • 灯

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    元々読書は嫌いではなかったが、読書感想文を書くために選んだだけだった為、正直そこまで期待はしていなかった。しかし、読み終わった時この本を手に取って良かったなと心から思えた。
    第十章あたりまでは夜間街調査官がテーマだと思い込んでいたため、灯という作品名にしたのだと勝手に解釈をしていた。しかし、蒼にとっての本当の灯とは米田や冬子などの存在自体だったということに気付かされた。
    読書感想文には勿体無いくらい人生において気付かされることの多い作品だった。

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    2025年07月20日
  • コイコワレ

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    螺旋プロジェクト8作目
    東京から疎開した清子と田舎の寺に住むリツはひと目見る前から突き刺さるお互いの存在を感じた
    交わってはいけない海族と山族の邂逅は何をもたらすのか
    個人的に本作が一番テーマにドンピシャだった気がする
    足掛け3年かかって読破した

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    2025年04月21日
  • コイコワレ

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    螺旋プロジェクト、昭和編。
    戦時中、疎開地で出会った東京と田舎の少女が海族山族の嫌悪にもがきながら生きる物語。

    文章力、表現力がすごい。舞台は疎開地であって戦地は直接描かれないのに、時代の残酷さが実感をもって迫ってくる。
    その中にあって嫌い合う少女たちの心理描写が何よりお見事。そして、そういう子に遭ってしまったときに、どう向き合うべきかを教えてくれる。そこは昭和も現代も変わらない、今を生きる子にも大切な教訓と思えた。

    ひとつひとつの要素も効果的。母親、疎開地の少年、見守る老爺、御守りの力。ラストの余韻、幾重にも込められたタイトルの意味まで、全てがつながって血が通っている。すばらしかった!

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    2025年02月07日
  • 水底のスピカ

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    ネタバレ

    何の前知識もなく読んでみました。
    ストーリー的には大きな展開はなく、淡々と高校生活が進んでいきます。
    非常にリアリティがあり、いるよなあこういう子と重ねながら読んでいました。非常に共感できる部分も沢山ありました。まるでもう一度自分も高校生をやっているような気持ちになりました。

    最後どうなるのかなと思っていましたが、美玲が取った海での行動に一気に鳥肌が立ち、なぜか自然と涙がこぼれました。
    友だちと同じ目線に立ってみる。
    簡単なようでとてもとても難しいことだと思います。
    人は誰でも、友だちだと思いながらも友だちだからこそ、どこか自分より優れている、劣っていると感じる部分を感じている。
    そこで優越

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    2025年01月25日
  • 明日の僕に風が吹く

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    大人子どもみんなのいろんな気持ちが入り交じって、目頭が何回も熱くなりました。

    「過去をどう思うかってのは変えられるよな、今の自分で」
    どんな過去があったとしても、その事実は変えられない。その過去をどう思うかによっては変えられる。そう思えるまでの有人の離島生活。めっちゃ青春!って感じではないが青春を感じながら、生き方について考えさせられました。

    北海道のうまい海鮮が食べたい!!!

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    2024年12月17日
  • あの日にかえりたい

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    何気なく手にとった作品でしたが、素晴らしかったです。面白かったです。

    短編集でこれほど引き込まれたのは初めてかもしれません。
    どの話も切なさがあり、その中にも温かさや希望が感じれました。
    イヤな現実世界を忘れさせてくれる時間をくれて、本当にありがとうございますという感じです。

    特に、『夜、歩く』と『翔る少年』、『真夜中の動物園』が好きです。

    乾さんの他の作品も読んでみたいです

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    2024年11月09日
  • 灯

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    友達が良いね

    自分の方が大人だって思っていたら、実は子供だったって気づかせてくれる、友達が欲しかったな。

    あれ?自分にも居たのに、それにも気づかなかったのかな?

    なんて、思いながら読んでました。

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    2024年09月30日
  • 灯

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    人と関わる事う好まない蒼が、友人の話に影響され、夜間街光調査官という架空の職業に憧れていく様が興味深かったです。
    信念を持つことも、人と繋がることも生きていく上では必要なことなのだと思いました。
    明るい家の光が灯せますように

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    2024年09月26日
  • メグル

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    モデルとなった大学や土地を知らなくても楽しめると思うが、道北出身で北海道大学にお世話になった私にとって、本作で描かれる風景や空気感はありありと実感できるものであり、そこで描かれる現実と不思議の入り混じった物語に揺さぶられつつほっとする、こういうものを読みたかったと思えた特別な一冊でした。
    北大文学と呼びたいし、特に冒頭の短編は貴重な道北文学であると言いたい。

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    2024年09月14日
  • コイコワレ

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    〈螺旋プロジェクト〉の一冊と知らずに読み始めました。明治後期〜昭和初期の話が個人的に好きなので、今回の設定もとても楽しかったです。

    自分では環境を選べず、しんどいなかでもどうやって生きていくかを主人公のお母様の言葉から学びました!

    後半にかけて主人公が自分なりに変わろうとし、行動に移す姿が印象的でした。次は、『蒼色の大地』を読んでみようと思います。

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    2024年01月28日
  • 明日の僕に風が吹く

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    今のところかなり好きな本です。

    少し前に読んだため、記憶が曖昧な部分もありますが、不登校の男の子がとある島で自分を取り戻して生きるお話だったような…
    葛藤とかそんなのが、伝わる、少し希望も与えてくれる、そんな本だったように思います。

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    2024年01月20日
  • 心音(しんおん)

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    何故だよ何故ここまで苦しめる、苦しまないといけないのですか、神様はやっぱり居ないことの証明ですね。それと解説者の杉江の書評に反吐が出た。自分が死にたいからって明音さんを利用して心も丸裸にして自殺幇助させるとか ただ自分のエゴで分かり合える正反対だ、元々小悪魔な性格では。それで死んだら明音は殺人者じゃないか、恥を知れよ、どの章も過去を又聞きして完結して直接明音さん解ろうとしない 高校の最初に出たリヤ、あんな人間に出会う運命が納得出来ない あの誘導する小狡い性格と明音さんの本性を暴く心理は何様ですか

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    2023年11月19日
  • 明日の僕に風が吹く

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    道下さんは出てくるのだろうなと乾ルカさんならきっとそうなるだろうと思ったら、あのタイミングなのね、というか叔父さんダメだよそんな消え方は叔父さん自身にも天売島にも何一つ幸がないから。叔父さんに裏切られたと思った日から100ページも鬱鬱とするのか、長いって、もっと手売島の鳥たちと天文台と自然の中を感じたかったよ、有人の3年間をたくましくなってと、最初から最後まで何も変わらない、ソリャそうなんだよね、深く根付いた鬱屈と元々の人格と変えられない。変わらなくても動く事で、だね。また一つ勉強になりました

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    2023年11月19日
  • 願いながら、祈りながら

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    正直に、自分にも生きてる場所にも、子供でもちゃんと考えてる、小さな本当に小さな村のとても大きな話だった。5人の子供達と先生の声、心の声。出だしのやる気のなさ生徒にも見透かされて林先生は実にくだらない女を見返すだけの行き方を選ぼうとする。のと一生を1日に置き換えて20分をくださいと言う久松ドクターが素敵。学と憲人の友情もただ生徒が少ないだけでなんらそんじょそこらのと変わらないむしろ純粋だ。弥生の修学旅行に先輩に辛すぎる体験したけど、そのままを書いてくれた綺麗事のない乾ルカさんが最高だった。

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    2023年11月19日
  • あの日にかえりたい

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    乾ルカさんを読んで、てふてふ荘を読んで、あの日に帰りたいに来てます。綾瀬まるのやがて海へと帰るに深い感銘して、これって似た感覚だと思い出す。翔る少年が切なくて、でも新しいお母さんにも少年にも良い結末が来たのでは。15年は長い、非常に長い。ずーっと少年の手ではなく受け取ってしまった手紙を見ていたんだ。そして少年のやりたかった全てを一緒にして、最後に感想文にしたんだ。どんな再会でも出会えてこれほど嬉しい事はない。

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    2023年11月19日
  • ミツハの一族

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    3部作の最後かな〜と思いつつ読み込みました。どこで関連性あるのか想像するしかないですね。自分は見つけられなかったな、5部のラストが烏目の交代=八目が死んでいたという衝撃的な展開。ラストを予測出来た人は大したもんだと思う。富雄がいるけどまさか3年後に亡くなったとは。子供を助けた正義感持っていた八目は適任だったんだね、全て肯定しての物語だけれど、日本はどうにも出来ない事がたくさんあって信仰心だけが一縷の望み、とはいえ不思議な能力を持って悲しい運命だった。顔を火傷する方法は失敗では?教科書を貪る姿が印象的

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    2023年11月19日