乾ルカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025/11/05
北海道の白麗高校というところに通う女子高生の更紗、美令、和奈の3人を中心にした青春系のお話。
スピカというのは星を指す言葉だけど、水底ってどういうこと?と思えばぜひ最後まで読んで欲しいなと思います。
3人がそれぞれ秘めた想いなどを持ちそれを少しずつ曝け出せる仲に進展していくような物語の進み方です。
高校生で思春期だからこそあれこれ(考える必要のないことまで)考えるよねという場面が多くありその描写がとても具体的だなと感じます。
ストーリー自体はものすごく容姿端麗で全校生徒の目を惹きつける美令が白麗高校へ転校してくる、というところから始まります。
なぜ転校してきたのか、美令の -
Posted by ブクログ
螺旋プロジェクト、昭和編。
戦時中、疎開地で出会った東京と田舎の少女が海族山族の嫌悪にもがきながら生きる物語。
文章力、表現力がすごい。舞台は疎開地であって戦地は直接描かれないのに、時代の残酷さが実感をもって迫ってくる。
その中にあって嫌い合う少女たちの心理描写が何よりお見事。そして、そういう子に遭ってしまったときに、どう向き合うべきかを教えてくれる。そこは昭和も現代も変わらない、今を生きる子にも大切な教訓と思えた。
ひとつひとつの要素も効果的。母親、疎開地の少年、見守る老爺、御守りの力。ラストの余韻、幾重にも込められたタイトルの意味まで、全てがつながって血が通っている。すばらしかった!
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Posted by ブクログ
ネタバレ何の前知識もなく読んでみました。
ストーリー的には大きな展開はなく、淡々と高校生活が進んでいきます。
非常にリアリティがあり、いるよなあこういう子と重ねながら読んでいました。非常に共感できる部分も沢山ありました。まるでもう一度自分も高校生をやっているような気持ちになりました。
最後どうなるのかなと思っていましたが、美玲が取った海での行動に一気に鳥肌が立ち、なぜか自然と涙がこぼれました。
友だちと同じ目線に立ってみる。
簡単なようでとてもとても難しいことだと思います。
人は誰でも、友だちだと思いながらも友だちだからこそ、どこか自分より優れている、劣っていると感じる部分を感じている。
そこで優越