乾ルカのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ中学生にぜひ読んで欲しい本。
大人でも、心に残るものがたくさんあると思います。
乾ルカさんの作品は初めて読みましたが、読んでよかった!!
.................
北海道の過疎地にある中学が舞台の話。翌年には廃校が決定しており、
生徒は5名のみ(1年3名、2年1名、3年1名。)
そこに新任教師として赴任した林の話から、物語は始まる。
林は自分を棄てた彼女を見返すために司法試験合格に躍起になっていて、
生徒のことなど眼中に無い。教師を今すぐにでも辞めたい気持ちは
生徒にもすぐ見透かされる始末。
また、生徒もみなそれぞれ、問題を抱えている。
自分は特別な存在だと思いたくて奇妙な行動 -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
ある街の高台に佇む木造アパート「てふてふ荘」。敷金・礼金なし、2Kの間取りで家賃はわずか13,000円、しかも最初の1ヶ月は支払う必要なし…破格の条件に不審を抱きつつ1号室に入居したフリーターの高橋真一。翌朝目を覚ますと、見たことのない若い女の子が笑顔で座っていた。「これからよろしくね」。特異な事情を抱えた住人たちが出逢った、謎の“同居人”の秘密。切なくもほっこり心が温かくなる、おんぼろアパート物語。
ファンタジーなのに良かった・・・一気読みしてしまった。ファンタジーだからか、誰にでも起こりうる死への恐怖を少し緩めてくれるいい話だった。 -
Posted by ブクログ
札幌オリンピック、そして長野オリンピック、まだまだジャンプ競技が注目されたことはあったけど、アルペン競技に目が行くことの方が多かった。最近でも葛西選手や高梨選手の活躍があって、それでも、のめり込むほどの事はなかった。
この本を読んで変わった。
ジャンプ競技ってこういうことだったんだ、って、なんだか新鮮な気持ちで見つめることができる。一人一人の思いを想像しながら、まことに勝手なことではあるけれど、テレビ中継の中で一緒に飛ぶことができそう。
登場人物の一人一人に、ジャンプ競技に取り組んでいる選手の姿が見えそう。
あぁ、こうして強くなっていくんだな、と。実際の選手を思い浮かべ、心が大きく動いた。
テ -
Posted by ブクログ
H大学の学生部に貼りだされる不思議なバイトの紹介。大学女性職員に勧められたバイトをする学生たちの姿を描いた連作短編。
ファンタジーであり、ホラーでありミステリー。各話ごとに作品のジャンルが変わる何とも不思議な作品。しかし、ホラーやファンタジー要素が思わぬ形でバイトをした学生たちに影響を与える、という点があり、そうした意外性と結末が分かってからの暖かさが非常に雰囲気のいい作品でした。
美しさという点では最終話の「メグル」が印象的。毎年庭の手入れのバイトを依頼する女性の真実が分かってからの切なさ。そして登場人物たちの優しさと最後の彼女の言葉と思いがとても綺麗です。
この短編集では味わ -
Posted by ブクログ
神秘的で印象に残る作品
セリフも心に残った。
・不幸を語ってよいのは、死にそうなやつだけだ。俺の人生クソだったって言っていいのは死ぬ一分前のやつだけだ
・ろくでもない環境ならいっそそれを誇るぐらいになれ。こんなひでえところでも俺はまっとうに生きているって。文句ばかり言うだけなら誰だってできるんだよ。
・あきらめて逃げようと思った時ってのは本当はもう一度だけ試してみるときなんだよ
内容は、神秘的でぞくぞくする。海の中に建物があり、その中に入ったら出るには「自分のもっとも手放したくないもの」を出場料として払わなければならない。主人公は知らずに出場料として友達を払って無事に出られた。出た後は忘れ -
Posted by ブクログ
乾さんの本好きです。城から出るための「出城料」が何であるか、途中でなんとなく予想はつくのですが、それでもそれぞれの下した決断のせつなさに茫然としてしまいました。
この本に限らず私たちも日常の中で常に決断を迫られていると思います。いつか失うとわかっていても手に入れようと思うのか、手にしたものを然るべき時にきちんと手放すことができるのか。きっと、未来のために今を捨てることができ、手にした過去を後悔しないようになるのが大人になるということなのでしょう。
いろいろ解決していない謎もあったような気がしますが、本編にはあまり関係ないですし、現実ってそんなものですよね。だらだら後日談なんて書いちゃわな