乾ルカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
訳ありアパートの群像劇
以下、公式のあらすじ
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このアパート、なにやら秘密があります。
敷金礼金なし、家賃はわずか月一万三千円、最初の1ヶ月は家賃をいただきません。破格の条件に隠された理由とは……特異な事情を抱えた住人たちが出会った奇跡。切なくもあったかい、おんぼろアパート物語。
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一号室から六号室までの住人と大家さんの物語
・好きになった人が死ぬ男
・化粧っ気のない女性の恋
・詐欺で服役していた前科者の更生
・病気になって引っ越した元住人
・交通事故で亡くなった兄に100日感花を手向ける結婚前の娘
・子供の頃に転校がちだった画家
そして大家さん
五号室で霊感がまったくない人が登場したあたりで、マジかってなった
ってか、普通に買い物にも行くし、近所の人も普通に接してたようですしね
だとしたら、このアパートはどんな扱いだったんでしょうねぇ?
不動産会社が管理してたのは確かだけど、元々の所有者がいたのか?
それとも不動産会社がオーナーなのか?
いずれにしてもこの状況が成り立っていた経緯がわからぬ
でもまぁそんな事を気にするのは野暮ってもんですね -
Posted by ブクログ
ネタバレあぁ人には人それぞれの悩みがあるんだなと。
木は大きくなる。
年を重ねる分大きく成長する。
木はいいなぁ。
人は年を重ねると老いる。
齢をとりたくないなぁ。
はて、人も木も同じ。
時間は等しい。
人も年を重ねることで成長していると言えないだろうか?
木も年を重ねることで老化していると言えないのだろうか?
人も年を重ねることで成長している。
今が一番若い日。
そう、大きな木を見て人は過去を思う。
でも、他人を見て人は比べたがる。
常識は偏見のコレクション。言えて妙だと思う。
わだかまり。他人には見えるが、自分では見えない。そんなことに気付かせてくれた本。 -
Posted by ブクログ
面白かった。
螺旋プロジェクトの内の1冊。読むのは本作で4冊目ですが、読めば読むほど繋がりが見えてきて面白くなってきました!
本作は昭和前期の戦時を描いた作品。
高源寺で暮らす山の民のリツ。そこに東京から疎開してきた海の民の清子。
出会う前、相手の存在を知る前から、お互い得体の知れないピリピリした嫌悪感を敏感に感じ取っていた2人。
もうこの時点で何かが起きる気配がして期待感でドキドキ…。
反発し合う孤独な2人に、ある日起きた決定的な出来事。その後、自分を律することで起きる周囲の変化や自身の気持ちの変化。
まだ幼い二人の少女が自分と向き合い変わろうとする姿が印象的でした。
清子のお母さんの言葉も深い。
あっという間に物語に引き込まれ、ほぼ一気読み。
作品を通して改めて「戦争」について考えさせられたし、大きな不安や奪われる日常、大切な人のことを想像した。
分かりやすいハッピーエンドじゃないけど、きっとこの先も彼女たちの未来は続いていく…。
そんなふうに思えるラストが結構好きでした。 -
Posted by ブクログ
「みんなで一斉に書きませんか?」
伊坂幸太郎さんのひと言から始まった螺旋プロジェクトの第五弾。
螺旋プロジェクトとは
◇「山族」と「海族」の対立を描く
◇共通のキャラクターを登場させる
◇共通シーンや象徴モチーフを出す
という、共通ルールを決めて8人の作家さんにより書かれた原始から未来までの物語。
山族、海族という独特で何だか難しいテーマを、それぞれの作家さんがどういう風に物語に落とし込んでいくのかが見どころ。こういうの楽しい〜♬
螺旋プロジェクトの作品を読むのはこれで3作目だけど、読んだ3作の中では1番このテーマが自然に馴染んで描かれていた気がした。
戦争により疎開してきた清子と、疎開先に住むリツはひと目合った瞬間から気配だけで、理由も分からずお互いを忌み嫌い合っていた。
血が騒ぐというか、そこにはルーツの違いによる先祖からの深い因縁があった。
世の中、相容れない相手とも関わっていかなければならない事もたくさんある。
そりの合わない2人の少女が、自分自身の心と対峙し成長していく姿がとても良かった。
好きにはなれなくても、相手を尊重する気持ちって大切だな〜と思わせてくれる話だった。
清子がまだ6年生だというのに立派すぎたな〜。
この時代と清子の境遇がそうさせたんだろうな。
結末はなんとなく察しはついたけど、ショック
戦争の残酷さと人の命の脆さを痛感しました。
巻末の清子とリツの後日譚がとても好きだった〜
この終わり方だからこそ良かった♡
中央公倫新社さんのご厚意で読ませて頂きました♡
とても良かったです!!
ありがとうございました✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎
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Posted by ブクログ
中高生におすすめの一冊、発見です!
川嶋有人。中2で心に傷を負い不登校に。医師である叔父の勧めで、東京から北海道の離島の高校へ。
そこは、全校生徒5人、朝刊は昼届き、コンビニなし、Wi-Fiなし、まるで流刑地・奈落の底(?)のように思えるのでした。
けれども島の人たちは、まるごと家族みたいで、叔父の診療所はTVドラマ『Dr.コトー診療所』の一場面を観ているような気になります。
有人は、誰彼なく話しかけられ、島内の情報伝達力の速さに逃げ場のなさを感じますが、それでも、島の人や自然と関わる中で、認められる経験を通して緊張感がほぐれ、心の中に熱が宿り、少しずつ変容していき、ここは自分の居場所と認識できるようになっていきます。
ところが、重大な出来事で状況は一変します。何もない島の生活に見えて、物語はいろんな展開が待っていて、飽きさせません。
最後に有人が立ち直るまでの過程は、手に汗握って応援し、共感する描写になっていると思います。
「未来に目を向けよ」「動け」というメッセージは、筆者の有人への叱咤激励であり、悩みを抱える読者(特に若者)へのエールに違いありません。 -
Posted by ブクログ
『水底のスピカ』もそうだったけれど、これも友達との距離感をテーマにしたストーリー。近しい人が苦しんでいる時に、リスクを負ってどこまで相手のプライベートな領域に踏み込んでいくかが描かれている。物語としては『銀の匙』のように、都会の学校での生活で失敗を経験した子が、田舎の学校で新しい自分を見つけていくというような話になっている。だけれど、『銀の匙』において主人公が入っていく農業高校は濃密な生き物や自然との関りだけれど、ここでは人口の密集した都会での人々の距離感と、過疎の島での濃密な人と人との関りという対比がより重視されている。
ラストの叔父との葛藤と乗り越えは、例によって物語をしめるための、ドラマチックな展開の要請という感が否めなかったけれど、読み終わった時の読後感はとても充実したものだったので、良しとする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこちらも職場の方から借りた本。
短編6作が収録されている。
どの作品も「死」があたりに漂い、時空を超えた過去・現在・未来が交差する、せつない物語。
「真夜中の動物園」
→心にしみるいい話だな~と思いながら読んでいると、ラストでこれからが予想できて悲しいことこの上なし。
「翔ける少年」
→もうこれは、涙なしには読めない。実際に起こった災害が示唆されていて、せつない、悲しい。でも温かい。
「あの日にかえりたい」
→私個人的には、あまりピンとこなかったお話。でも、表題。ささる人にはささるだろうな~。
「へび玉」
→何が起こったのか気になって気になって、先へ先へと気が急いでしまうお話。こんなことを背負って生きていくのは辛いだろうな、と気持ちが重くなった。
「did not finish」
→おそらく死へ向かうであろう主人公が、走馬灯のように自分の過去を見ていくお話。現実を見ると悲しいけれど、過去に戻ったとしても同じ道を選ぶだろう姿がまぶしい。
「夜、あるく」
→これが最後にくるお話で良かったな、と思えた。希望を持てるお話。
期待せずに読んだからか、思いのほか良かった。せつない、悲しい、でも心にしみる。そんな短編集だった。