乾ルカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初出 2019〜20年「小説NON」
ゴルフ場開発がまだ続き、携帯電話がなかった昭和の終わりの話。造成中のゴルフ場の下の崖下のコテージで行われた林間学校に参加した中学1,2年生9人は夜土砂崩れに巻き込まれる。1階と外にいた大人たちは助からなかったが、2階にいて助かった9人は、危険を感じて脱出するが更なる土砂崩れで下への道は塞がれる。
地元の言い伝えを覚えている子は、ゴルフ場のある黒蛇山は山崩れを起こしたことがあり、尾根伝いに危険のない白鷹山へ廻って降りるべきだと言い、ニュータウンと農振地域とでいがみ合ってきた子たちが、しだいに助け合いながら脱出に成功し、非常食の供え物や水のある白鷹山の祠にた -
Posted by ブクログ
これぞ青春小説ど真ん中! 青春のイタさも爽やかさも切なさも、とても上手く表現されています。
舞台となるのは北海道の全校生徒5人の小さな分校。そこに林という一人の新人教師が赴任してくるところから物語は始まります。
この教師がまあやる気が無い。彼女に振られた腹いせに司法試験を受けようとする彼は、生徒にテストを受けさせている間に、自分は司法試験の参考書を読む始末。林の歓迎会も仮病を使って帰ろうとします。しかしその仮病を村の久松医師は勘づきつつも、話を合わせます。
この二人の会話のシーンは良かったなあ。過去に囚われる林に対し、責めるでもなくゆっくりと促すように話す久松医師。人生を時間や一日で例え -
Posted by ブクログ
まさに真冬に吐く白い息みたいな小説。
生徒数5人の田舎の分校が舞台。
舞台が舞台だけに、登場人物は少ないものの、風景や場面、キャラクターの心情描写がみずみずしく、どこか切ない。
過激な表現はなくて、むしろ穏やかな時間の流れを感じさせるストーリーで、特に自分と重なるシュチュエーションはないのに、なぜか心に刺さるポイントが多い。鼻の奥がツンとなる、哀しいような、懐かしいような、なんとも言えない感情に襲われます。
思春期のリアルな心の機微を感じつつも、それぞれが己を語る場面では、いやいや、中2でこんな出来た子たちフィクションじゃないとありえない、というツッコミが頭の片隅から聞こえてしまう自分の心