【感想・ネタバレ】夏光(なつひかり)のレビュー

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Posted by ブクログ

顔の各部位をテーマにしたホラー短編集。「め・くち・みみ」の戦前〜戦時中の日本が舞台の3編と「は・みみ・はな」の現代日本の3編。
どうしようもなく汚い世界の中で輝く登場人物の純粋さ、ひたむきさが切なく美しかった。忘れられない一冊になりそう。
グロテスクな短編もあるので注意。
個人的に「みみ」=美しい妹を妬む姉が呪いを成就させようとする「百焔」、「はな」=過去に出会った少女の感情に思いをはせる「風、檸檬、冬の終わり」が良かった。
表題作「夏光」も「Out of This World」も夏の描写が染みいるようだった。

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2020年07月25日

Posted by ブクログ

とてもよかった。上質の作品だと思う。ホラー風味だけれど、文学作品。『Out of This World』が特に好きです。確かになんとなくスタンド・バイ・ミーっぽい。少年が主人公でないと描き得ないこういう感じが感傷的でこのみです。『は』はゾクゾクするホラーでもう金魚は飼えないと思う(´Д`;)

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2018年09月24日

Posted by ブクログ

感覚器官をテーマにしたホラー短編集。どこかしら美しい光景を感じさせられる作品が多いです。
お気に入りは表題作「夏光」と「百焔」。「夏光」の展開はなんとなく読めたけれど、ラストでああそうくるか、と思いました。きっとこの後は……なのだけれど、どこか爽やかで優しい読後感です。
「百焔」は悲しくも美しい物語。幸せ・不幸というのはいったい何なのでしょうね。

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2010年11月16日

Posted by ブクログ

一言、すごく良かったです。
ホラーの女王降臨、とあり、確かにその方面のグロテスクな描写もありますから、苦手な方は苦手だろうと思いますけど、この本に限っていえばそれだけがこの作者の本懐ではないと感じました。
叙情豊かな描写から作りあげる情景描写の巧みさは時代を問わず、そのときどき場所それぞれの空気をつくりあげ、そこに生きる人々の風変わりな物語を見事に包んでいる。その大きなまとまりがなんともいえず好みで好きだと思えたのです。
表題作のラスト数ページの、大げさにいえば世界が転換する描写は衝撃的でした。そして最後の短編の救いのなさ、それなのに世界を美しくも感じえてしまうラストの素晴らしさも良かったです。

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2010年10月19日

Posted by ブクログ

【夏光】乾ルカ/ 虐げられた人間の悲しみが漂う、ノスタルジックで摩訶不思議な物語。『夏光』『夜鷹の朝』『風、檸檬、冬の終わり』が良かったです。

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2012年08月09日

Posted by ブクログ

表題作はオール讀物新人賞受賞のデビュー作。
残酷でグロテスクではあるが、ホラーというにはイマジネーション豊かで美しく切ない短編集。
ベストはやはり戦時中を舞台に二人の少年の運命を描いた表題作。喬史の目にはどんな世界が映っていたのか。
それと、匂いで人の感情がわかる少女を語り手に据えた「風、檸檬、冬の終わり」。つらく哀しい話だが希望を感じさせる終わり方が泣けた。

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2012年03月30日

Posted by ブクログ

乾ルカさんのデビュー作。スティーブン・キング風あり、ゴシックあり、怪物ものありのホラー見本市のような短篇集である。
特に表題作は、込められたタイトルの意味が最後の頁で明かされ、驚きとともに作者のただ者でなさを知ることになる。
作風の引き出しの多さに、今後の飛躍を期待させる。

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2011年10月18日

Posted by ブクログ

無垢な心と念が生み出す世界のひずみとでもいうのだろうか・・・

作者はホラー作家らしい。
あまり好きな感じの話ではない、最後の作品はおもしろく読んだけど、最後の作品はホラーではなかった。
ただ純粋にホラーな感じが好きじゃなったのかな。

全体的に暗い感じがなじめなかった。
奇想天外な話をうまくリアリティをもたせてるのは、さすがホラー作家なのかなと思う。

最後の作品の、においと感情を結び付けるあたりの感性はおもしろい。

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2011年01月12日

Posted by 読むコレ

後半はてふてふ荘のイメージに近いね。死を見つめる優しさかな?

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2012年11月21日

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