夏光(なつひかり)

夏光(なつひかり)

631円 (税込)

3pt

3.2

顔の左半分を覆う真っ黒な痣(あざ)。喬史は、その醜い風貌から「スナメリの祟り」と忌み嫌われ、苛烈ないじめを受けていた。同じように疎外されていた哲彦は、悲惨な境遇にも心が折れない喬史と親友になり、やがて喬史の左目を横切る不思議な青い光に気付く。目の中で動くそれは…(表題作)。異形のものたちへの憎悪や呪いをモチーフにした6つの短篇。残酷な現実にさらされた人の絶望感を、卓抜した描写力で描き、不気味なのに温かい。気鋭の著者のデビュー作!

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夏光(なつひかり) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年07月25日

    顔の各部位をテーマにしたホラー短編集。「め・くち・みみ」の戦前〜戦時中の日本が舞台の3編と「は・みみ・はな」の現代日本の3編。
    どうしようもなく汚い世界の中で輝く登場人物の純粋さ、ひたむきさが切なく美しかった。忘れられない一冊になりそう。
    グロテスクな短編もあるので注意。
    個人的に「みみ」=美しい妹...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年09月24日

    とてもよかった。上質の作品だと思う。ホラー風味だけれど、文学作品。『Out of This World』が特に好きです。確かになんとなくスタンド・バイ・ミーっぽい。少年が主人公でないと描き得ないこういう感じが感傷的でこのみです。『は』はゾクゾクするホラーでもう金魚は飼えないと思う(´Д`;)

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    Posted by ブクログ 2010年11月16日

    感覚器官をテーマにしたホラー短編集。どこかしら美しい光景を感じさせられる作品が多いです。
    お気に入りは表題作「夏光」と「百焔」。「夏光」の展開はなんとなく読めたけれど、ラストでああそうくるか、と思いました。きっとこの後は……なのだけれど、どこか爽やかで優しい読後感です。
    「百焔」は悲しくも美しい物語...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年10月19日

    一言、すごく良かったです。
    ホラーの女王降臨、とあり、確かにその方面のグロテスクな描写もありますから、苦手な方は苦手だろうと思いますけど、この本に限っていえばそれだけがこの作者の本懐ではないと感じました。
    叙情豊かな描写から作りあげる情景描写の巧みさは時代を問わず、そのときどき場所それぞれの空気をつ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年08月09日

    【夏光】乾ルカ/ 虐げられた人間の悲しみが漂う、ノスタルジックで摩訶不思議な物語。『夏光』『夜鷹の朝』『風、檸檬、冬の終わり』が良かったです。

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    Posted by ブクログ 2012年03月30日

    表題作はオール讀物新人賞受賞のデビュー作。
    残酷でグロテスクではあるが、ホラーというにはイマジネーション豊かで美しく切ない短編集。
    ベストはやはり戦時中を舞台に二人の少年の運命を描いた表題作。喬史の目にはどんな世界が映っていたのか。
    それと、匂いで人の感情がわかる少女を語り手に据えた「風、檸檬、冬の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年10月18日

    乾ルカさんのデビュー作。スティーブン・キング風あり、ゴシックあり、怪物ものありのホラー見本市のような短篇集である。
    特に表題作は、込められたタイトルの意味が最後の頁で明かされ、驚きとともに作者のただ者でなさを知ることになる。
    作風の引き出しの多さに、今後の飛躍を期待させる。

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    Posted by ブクログ 2011年01月12日

    無垢な心と念が生み出す世界のひずみとでもいうのだろうか・・・

    作者はホラー作家らしい。
    あまり好きな感じの話ではない、最後の作品はおもしろく読んだけど、最後の作品はホラーではなかった。
    ただ純粋にホラーな感じが好きじゃなったのかな。

    全体的に暗い感じがなじめなかった。
    奇想天外な話をうまくリアリ...続きを読む

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    Posted by 読むコレ 2012年11月21日

    後半はてふてふ荘のイメージに近いね。死を見つめる優しさかな?

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