顔の各部位をテーマにしたホラー短編集。「め・くち・みみ」の戦前〜戦時中の日本が舞台の3編と「は・みみ・はな」の現代日本の3編。
どうしようもなく汚い世界の中で輝く登場人物の純粋さ、ひたむきさが切なく美しかった。忘れられない一冊になりそう。
グロテスクな短編もあるので注意。
個人的に「みみ」=美しい妹を妬む姉が呪いを成就させようとする「百焔」、「はな」=過去に出会った少女の感情に思いをはせる「風、檸檬、冬の終わり」が良かった。
表題作「夏光」も「Out of This World」も夏の描写が染みいるようだった。
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2020年07月25日
Posted by ブクログ
とてもよかった。上質の作品だと思う。ホラー風味だけれど、文学作品。『Out of This World』が特に好きです。確かになんとなくスタンド・バイ・ミーっぽい。少年が主人公でないと描き得ないこういう感じが感傷的でこのみです。『は』はゾクゾクするホラーでもう金魚は飼えないと思う(´Д`;)