あらすじ
夏休みの最初の午後。中学生の健太郎は、海に浮かぶ謎の城に閉じ込められてしまう。城には同じように迷い込んだ十数人の大人たちと、暗い目をした少年、貴希がいた。次第に覇気を失う大人を尻目に、健太郎と貴希は城を出ようともがき続ける……。孤独で清らかな二つの魂がからみあう、ひと夏のファンタジック・サスペンス。
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「四龍海城」という北海道近海の謎の城に拉致されてきた男子中学生2人、城を出て日本に戻るには「出場料」が必要で、それが何かを探るうちに、2人の間に友情が生まれる。
いよいよ城を出られるときの2人のやりとりが切なかった。なんでああなるのよー!という思いでいっぱい。違う結末が見たかった。
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男の子の友情が大好きなので
とても好きな作品。
お互いがお互いの心を
いつの間にか助けてる感じが
素敵で涙が出た。
終わり方に賛否両論あると思う。
私はもし続くなら…を想像して
勝手にハッピーエンドにしてる。
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神秘的で印象に残る作品
セリフも心に残った。
・不幸を語ってよいのは、死にそうなやつだけだ。俺の人生クソだったって言っていいのは死ぬ一分前のやつだけだ
・ろくでもない環境ならいっそそれを誇るぐらいになれ。こんなひでえところでも俺はまっとうに生きているって。文句ばかり言うだけなら誰だってできるんだよ。
・あきらめて逃げようと思った時ってのは本当はもう一度だけ試してみるときなんだよ
内容は、神秘的でぞくぞくする。海の中に建物があり、その中に入ったら出るには「自分のもっとも手放したくないもの」を出場料として払わなければならない。主人公は知らずに出場料として友達を払って無事に出られた。出た後は忘れるようだ。なんともせつない物語。おもしろかった
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乾さんの本好きです。城から出るための「出城料」が何であるか、途中でなんとなく予想はつくのですが、それでもそれぞれの下した決断のせつなさに茫然としてしまいました。
この本に限らず私たちも日常の中で常に決断を迫られていると思います。いつか失うとわかっていても手に入れようと思うのか、手にしたものを然るべき時にきちんと手放すことができるのか。きっと、未来のために今を捨てることができ、手にした過去を後悔しないようになるのが大人になるということなのでしょう。
いろいろ解決していない謎もあったような気がしますが、本編にはあまり関係ないですし、現実ってそんなものですよね。だらだら後日談なんて書いちゃわないところも余韻を残していてよかったです。
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後味が少々悪いなぁ…
物語的には面白いんですが、結局、四龍海城の謎が少しあります。
貴希と健太郎が大好きなので星は5つです。
この作品はBADENDだからこその味の出方だと思いますが、それならそれでもっと凝ってもよかったですね。
個人的には、他の終わり方が見てみたかった…
成長した2人の続編とか出たら嬉しいです。
今度はHAPPY ENDで!
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切なさマックスのあのラストにやられました。ハッピーエンドだったらあそこまで余韻はなかっただろう。
貴希の吹くトランペットの旋律がいつまでも頭の中で鳴り響いていました。
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どんどん引き込まれて、面白かったけれど、読後感が大変よろしくない。綺麗だけれども。
思い出すことがなくても、再会することができたかもしれないのにと、いたたまれなくなりました。
面白かっただけに、ラストだけが、なんだかなぁ……。
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なじ■
謎の建物に閉じ込められ、そこで出会った少年二人の夏の物語。
ラスト切なすぎてボロ泣きしました…
フライデー・ナイト・ファンタジーの描写素晴らしかった!
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なんで引き返さなかったのか…と思ったけれど、引き返すほうが苦痛だったんだよなぁ。
そんな時、先のことはわからなくても前へ前へ進みたくなるのかもしれない。
こんな不気味な建物から出られなくなってしまったのか、と思うとゾッとするけど。
最後、それを失うとわかっていても出るだろうな。この先また、手に入れられると思うもの。
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おもしろかった。
乾さん、初読み。
ボーイミーツボーイ。
いやあ、いいなあ友情っすね。
「友達になりたい」
ちょっと気恥ずかしいほどに純粋な想い。
神隠し。
日常の側にある不可思議な城に閉じ込められてしまった少年。
そこから出るためには出城料を払わなければならない。
その道をみつけるか、または城人となるか。
関という青年が登場してから話の流れが一気に早くなった気がする。あのへんの仲のいい兄弟なノリは好きだった。
城の仕組み、出城料の謎。
少年たちの抱える気持ち。
まあ、出城料については、殆ど最初から見当はついていたので、そんなとこだろうとは思っていたが、
いや~そーゆーラストか~。
うーん、とても物悲しく綺麗だけど、そっちかあ。
いやいや、たとえそこでそれを奪われたとしても
城を出れば、また出会えることもできたはず。
たとえ、なくしても、もう一度出会えさえすれば、っと
思って、いや、願っていたので、
そうくるかあっと。
まあ、それだけ貴希にとって、それが大事だったってこと。けど、ああ、それでもやっぱり、1人で残ってほしくなかった。泣、泣。
つーか、耳栓売ってないのにトランペットは売ってるのか?そこは把握してなかったのか、城。
そしてやはり黒幕は門番じじいか。
表紙の2人はどっちがどっちだ?
なんか右の方が貴希っぽいが確か健太郎の方が背が高いと書いてあったはずなんで、逆なんだろう。
うう、決して読後感は悪くない。
悪くないけど、かなしいよう~~。
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不思議な始まり方で、
どんな風に入り込めばいいかわからなかったけど、読み進めていくうちにいつの間にか作品の世界にしっかり入り込んでた。
わかりにくい描写もないし。
この作品の出だしに感じた不思議さが、この作品の印象そのものになると思う。
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一気に読んでしまった。
同じ作家のものを3冊連続で読んだけど、これが一番おもしろかったかな。自分自身の何かが変わったとき、そこから抜け出せるっていうのは、「てふてふ荘」と同じ。
最後がね…彼がどうするかが分かっちゃったから、主人公に「気づいて〜」って願ったけど……ああ、切なかった。
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■もうめちゃめちゃキテしまった。最後は号泣。(笑
■いや、途中でなんとなく分かってしまったんだけど、でもそれでもやっぱりグッときて、堪えられなかった。
■読み終わったあとで「心を洗われた」気持ちになりたいときに読むといいと思う。(笑
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感情を持たない城人たちの奇妙な生活ぶりと、だんだん城人化していく大和人の様子がじわじわと怖いです。だから余計、健太郎と貴希の友情を深めていく様子が微笑ましかったし、そんな二人に何かとアドバイスしていく関も、とても頼もしく感じました。
出城料が何かがうっすらとわかってきたときは、複雑な心境でした。その後は、予想を裏切って欲しいと思いながら読んでいました。
読み終わってからも、いろいろ考えますね。
おとぎばなしを読んだあとにも、考えることが多いけど、その時の感覚に近いです。もちろんこれは大好きな感覚です。
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日常の延長にある異世界に紛れ込んでしまうローファンタジー?
純粋に冒険譚としても楽しめるし、
ちょっと不気味な城の世界観も面白い。
ラストは、物語のエンディングとしては
爪痕を残すような終わり方で印象深い。
でも、なんともやるせない。
ハッピーエンド至上主義というわけじゃないから、
こういうのも好きだけど。
貴希が健太郎をトランペットで見送るシーンは美しい。。。
一方は思い出を奪われ、
一方は万感の想いを込めて…
もう、なにこの切なすぎる別れのシーン…
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プロローグは静かに…徐々に引きつけられエピローグで涙する…そんなストーリー展開ですね。
発想も面白いです。
特に、四龍海城の中が町になっていることとか妙に笑えます。
健太郎と貴希の友情がもっとハッピーにエピローグに繋がってくれたらベストだったのですが…
作家さんの作風からそれは無いでしょうね…汗
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閉じ込められた城の中で見つけた、自分にとっていちばん大切なものの記憶と引き換えに城から出ることができる。見つけられなければ虚ろな「城人」となって一生を城内で暮らすことになる…閉じ込められた人にとっては理不尽極まりない話。その閉塞感の中で懸命にもがく二人の少年がすごくいじらしくて、陽気な大学生・関じゃないけどホントに愛しく思えた。特にラストはてっきり二人一緒に帰れると思ってたのでびっくり、なんとも切ない幕切れだった。「フライデーナイト・ファンタジー」はいいですよねv実写化されたら号泣ですよ。
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四龍海城なる城に閉じ込められた主人公。そこで出会った人達と脱出を試みるが。どうやったらでれるかが鍵になっている。城人化というものが少しぼんやりしていたかなと。ケータイ小説ということもあり読みやすさ重視みたいなところはあったと思いました。
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作者はどうしてこんな話を書くのだろうと思う。
失うことで成就する、純粋な愛? 確かにその気持ちが描きたいなら、このラストしかないのだろう。若干ピンとこない感じは、もしかしたらこの話を異性愛に置き換えたら、違ったものに感じられたのだろうか? うーん、異性愛だったらより凡庸に見えるのかもしれない。上川さんと天野さんのエピソードのように。この年代の男の子同士の友情だから(女の子同士の友情でも良かったんだろうけど)より純粋に感じられるのかもしれない。
でもそういう「純粋さ」を、今の僕は求めていなかったように思う。それこそ彼らの同年代だったら感動したのかもしれない。あるいは、そういう純粋さだったら、短編でなら楽しめたかもしれない。
長編では、より具体的なものへの執着と戦いを見たい。
そういう意味では、最初に読んだ『水底のスピカ』で、作者が女の子たちに最後まで戦いぬくことを求めていたのは、この現実世界において彼女が大切にしていって欲しいと信じているものだったように思う。
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切ない。苦しくなるラスト。
でもそれが美しく尊い…
だいたいの謎解きができた後も、ラストはどうなるのかとハラハラ。
序~中盤の説明文が長くて挫折しそうになったけど、最後まで読んで良かった。
泣いた。
Posted by ブクログ
北海道の沖に浮かぶ地図にものっておらず都市伝説のように伝わる謎の塔「四龍海城」に迷いこんでしまった少年のお話。「出城料」を払わなければ出られないが出城料がいったい何かもわからず、出会ったもう一人の少年と探して一緒に帰ろうと試みる。
出られなければ無気力になり、閉じ込められ城人となってしまう…というダークファンタジー。
何このラスト!!こんなの、嫌なんですけど!!もう少しなんとかなるのかと思ったけど、こんな終わり方なの!?と読後感すっきりせず。途中は読みごたえもあって面白かったから、最後はちょっと「えーー!!」が残る。
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中学生男子の友情が読みどころ(?)とにかく、ひた向きで直視出来ない。だからこそ最後の「誰だっけ」が切なすぎる…。関さんのくだりからそんな気はしてたけど。
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えー。なんか納得いかないー。
だから、星四つ。
最後に、健太郎が思い出せなかったのは貴希のこと。でも、それが大切な宝物であることは記憶してた。
その後、家について、覚えているのか、夢だったと思うのか。までは書かれていないから。でも、城を出たところでは、貴希のこと以外、関のことも天野さんのことも覚えていて…だから、貴希は考えすぎていたのか?
本当に全てを忘れてしまうのなら、門番が、ここのことは話すなと言うことは矛盾するし。
でも、気付いてしまったかとも。
なんか…希望。だったんだと思うけど、出城料は、なんか…ここまで、読者に希望を与えて、あの結末、そりゃないよって思うの。出て、2人かそれぞれ忘れてしまっても、以前よりも何か変わった筈だと思うから。
まぁでも、読者の思うとおりにならないのも、また本なんだけど、ね。
Posted by ブクログ
<内容>
日本領海内にありながら、その存在を認められていない不気味な塔「四龍海城」。そこに閉じ込められた2人の少年同士が交わす友情とほの暗い冒険の物語。
<感想>
不穏な城、内部の町、感情を失った城人たちなど、細かい設定がなかなか面白いファンタジーだった。物語の鍵である「出城料」については結構早い段階で気付いてしまい、また、そこから最後の結末までもなんとなく予想がついてしまったのがちょっと残念。ただ、それでも貴希と健太郎の友情の描写が眩しく綺麗で、だからこそわかっていてもラストは切なかった。
読んでいて共感を覚えたのは、2人の少年よりも関という登場人物だった。貴希や健太郎よりも後から入城しながら、2人を明るく励ましつつ未来への道標を立ててやる人物として描かれており、読んでいて気持ちのいいキャラクターだったように思う。末っ子だからこそ、歳若い少年たちを前にして兄貴面をしてしまうメンタリティみたいなものもちょっと自分に似ていて、中盤は関と自分を重ねながら読んでしまった。思えば自分は主人公たちよりも関のほうの年齢に近く、彼のように少年たちに良い影響を与えていかねばと反省する次第。
ともあれ、少年たちの友情や関を含めた3人のやりとりが妙に温かく微笑ましい一冊だったと思う。
Posted by ブクログ
海岸沖にたたずむ絡み合う龍を模した建物「四龍海城」に迷い込んだ少年が、そこで出会った少年たちとともに脱出への手がかりを探る。心をなくしたような「城人」、定時に鳴り響く社歌、そして城を出るための「出城料」とはなんなのか。底知れない不気味さと謎を織り交ぜつつ、少年たちの心の通うさまを微笑ましく味わえて、一風変わったSFチックな青春小説という趣でした。
ただそもそもの設定、この城そのものがもうひとつ不気味さが足りないというか謎が浅いというか、電気を発生させているという根拠ももう一押し欲しいし、終盤の城を出るときの(重要な)エピソードも悪くないんだけどファンタジックすぎるような…と思えたり、と、いろいろもぞもぞと思うところはありました。
それでもラストシーンの切なさはかなり響いてきました。残酷ではあるけれど、とても綺麗なエンドだったと思います。