乾ルカのレビュー一覧

  • メグル

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    フォンタジー仕立てのミステリーと言うジャンルでいいのだろうか。なぜ学生課の謎めいた職員はそのアルバイトを紹介したのか、最後に明らかになる理由に必然性はなく、あくまでもフォンタジー。そこが作品の魅力だろうが、個人的にはパターン崩しの作品の後味の悪さがとても印象的だった。生肉を食べたのは誰かと言う結末にはぞっとする怖さがある。

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    2013年09月15日
  • あの日にかえりたい

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     過去や未来の「あの日」をテーマに6編を収録した短編集。

     設定は各短編違うものの、展開は似たようなものが多いのでもう少し展開にバリエーションがあるともっと星は高かったかなあ、と思います。

     そうは思ったものの、とても感動的で力のある短編もあります。地震にあった子どもが不思議なおばさんに遊んでもらう『翔る少年』

     話のもとは1993年に起こった北海道南西沖地震らしいのですがやはり今読むと東日本大震災を思わずにはいられません。なんとなく先は読めたものの先が読めるからこそ、安心して感動できた、という一面もあると思います。

     『夜、歩く』は雪の日だけ散歩をしているおばあさんと一人の女性の交流

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    2015年02月23日
  • 四龍海城

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    えー。なんか納得いかないー。
    だから、星四つ。

    最後に、健太郎が思い出せなかったのは貴希のこと。でも、それが大切な宝物であることは記憶してた。
    その後、家について、覚えているのか、夢だったと思うのか。までは書かれていないから。でも、城を出たところでは、貴希のこと以外、関のことも天野さんのことも覚えていて…だから、貴希は考えすぎていたのか?
    本当に全てを忘れてしまうのなら、門番が、ここのことは話すなと言うことは矛盾するし。
    でも、気付いてしまったかとも。

    なんか…希望。だったんだと思うけど、出城料は、なんか…ここまで、読者に希望を与えて、あの結末、そりゃないよって思うの。出て、2人かそれぞれ

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    2013年03月22日
  • プロメテウスの涙

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    映画のカッコーの巣の下でを思い出した。
    ジャックニコルソン、出世作。
    1975年。
    科学ではわからない、こういうことはあるように深く想う。

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    2013年03月20日
  • 夏光(なつひかり)

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    【夏光】乾ルカ/ 虐げられた人間の悲しみが漂う、ノスタルジックで摩訶不思議な物語。『夏光』『夜鷹の朝』『風、檸檬、冬の終わり』が良かったです。

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    2012年08月09日
  • 夏光(なつひかり)

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    表題作はオール讀物新人賞受賞のデビュー作。
    残酷でグロテスクではあるが、ホラーというにはイマジネーション豊かで美しく切ない短編集。
    ベストはやはり戦時中を舞台に二人の少年の運命を描いた表題作。喬史の目にはどんな世界が映っていたのか。
    それと、匂いで人の感情がわかる少女を語り手に据えた「風、檸檬、冬の終わり」。つらく哀しい話だが希望を感じさせる終わり方が泣けた。

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    2012年03月30日
  • 四龍海城

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    ネタバレ

    <内容>
    日本領海内にありながら、その存在を認められていない不気味な塔「四龍海城」。そこに閉じ込められた2人の少年同士が交わす友情とほの暗い冒険の物語。

    <感想>
    不穏な城、内部の町、感情を失った城人たちなど、細かい設定がなかなか面白いファンタジーだった。物語の鍵である「出城料」については結構早い段階で気付いてしまい、また、そこから最後の結末までもなんとなく予想がついてしまったのがちょっと残念。ただ、それでも貴希と健太郎の友情の描写が眩しく綺麗で、だからこそわかっていてもラストは切なかった。

    読んでいて共感を覚えたのは、2人の少年よりも関という登場人物だった。貴希や健太郎よりも後から入城し

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    2012年03月12日
  • 四龍海城

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    うーん。やはり、こうなってしまうんだ。なんとなく、予感はしていたが…あ〜、その後、これから、健太郎は、貴希はどうなっていくのだろう。

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    2012年03月09日
  • 四龍海城

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    海岸沖にたたずむ絡み合う龍を模した建物「四龍海城」に迷い込んだ少年が、そこで出会った少年たちとともに脱出への手がかりを探る。心をなくしたような「城人」、定時に鳴り響く社歌、そして城を出るための「出城料」とはなんなのか。底知れない不気味さと謎を織り交ぜつつ、少年たちの心の通うさまを微笑ましく味わえて、一風変わったSFチックな青春小説という趣でした。
    ただそもそもの設定、この城そのものがもうひとつ不気味さが足りないというか謎が浅いというか、電気を発生させているという根拠ももう一押し欲しいし、終盤の城を出るときの(重要な)エピソードも悪くないんだけどファンタジックすぎるような…と思えたり、と、いろい

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    2012年02月26日
  • 四龍海城

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    予想どうりとはいえあまりにも切なく哀しいラストに、フライデーナイト・ファンタジーの旋律がはまりすぎて、しばらく鳴り響いていました。二人とも外に出て、何も無いところから出会いなおすというような、そういう物語ではいけなかったのでしょうか?

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    2012年01月20日
  • 夏光(なつひかり)

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    乾ルカさんのデビュー作。スティーブン・キング風あり、ゴシックあり、怪物ものありのホラー見本市のような短篇集である。
    特に表題作は、込められたタイトルの意味が最後の頁で明かされ、驚きとともに作者のただ者でなさを知ることになる。
    作風の引き出しの多さに、今後の飛躍を期待させる。

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    2011年10月18日
  • 夏光(なつひかり)

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    無垢な心と念が生み出す世界のひずみとでもいうのだろうか・・・

    作者はホラー作家らしい。
    あまり好きな感じの話ではない、最後の作品はおもしろく読んだけど、最後の作品はホラーではなかった。
    ただ純粋にホラーな感じが好きじゃなったのかな。

    全体的に暗い感じがなじめなかった。
    奇想天外な話をうまくリアリティをもたせてるのは、さすがホラー作家なのかなと思う。

    最後の作品の、においと感情を結び付けるあたりの感性はおもしろい。

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    2011年01月12日
  • 夏光(なつひかり)

    Posted by 読むコレ

    後半はてふてふ荘のイメージに近いね。死を見つめる優しさかな?

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    2012年11月21日