乾ルカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
連続性のある、短編集。分かりやすく言うなら、世にも奇妙な物語。
学生にアルバイトを斡旋する大学の奨学係。
ロクなバイトないんだよね。だけど…
「あなたは行くべきよ。」
「断らないでね。」
奨学係の職員である、少々怪しげな女性、ユウキさんに導かれるように…。
この1冊の中には、5話が納められているのだけれど、いくらでも物語は生まれてきそうな話し。
イメージ的には、土曜の21時から、ジャニーズの若手で連ドラいけそう。みたいな話し。
つまり、ものすごーく複雑でもなければ、ものすごーく感動するわけでもないし、ものすごーく涙をそそる話しでもないけど、少しミステリー、少しホラー、少しヒューマン、少しホット。
一人ひとりの〝僕〟が抱えるそれぞれの悩みや問題を半ば強引に行くことになったアルバイトによって、救われたり、再生や解決してくれる物語。
2016.0214
今年の4冊目 -
Posted by ブクログ
母に捨てられ施設で育った慶吾の孤独。ただ一人の友人香田の強引な明るさにも、なかなか心を開いていくことができない。もどかしく、切なく、ジリジリと心を煎られるような気持ちで、一気に読み終えてしまった。
「本の雑誌」で北上次郎さんが取り上げていた場面は、本当に素晴らしい。慶吾が、自分が施設育ちであることを香田に告げて、その反応を待ち受けるところだ。傷つくまいと心を固い鎧で覆っている慶吾が不憫で、また、あっけなくヒョイと壁を越えてくる香田がほんとにいいヤツで、何度も読み返したくなる。
そうなんだけど…。諸手を挙げて良かったーと言う気持ちにならないのはどうしてだろう。読み終わってしばし考え込んでしまった。たぶん私は、慶吾の母に引っかかっているのだと思う。その行動にどうしても納得がいかない。彼女が本当に慶吾を「捨てた」のだったら、わかる。そうでないならあまりに不自然じゃないだろうか。
彼女が再婚を告げる場面、また、慶吾の彼女北村さんが慶吾をなじる場面、あまりに残酷で、つらい。それだけ感情移入してしまったということだけど。