乾ルカのレビュー一覧
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過去や未来の「あの日」をテーマに6編を収録した短編集。
設定は各短編違うものの、展開は似たようなものが多いのでもう少し展開にバリエーションがあるともっと星は高かったかなあ、と思います。
そうは思ったものの、とても感動的で力のある短編もあります。地震にあった子どもが不思議なおばさんに遊んでもらう『翔る少年』
話のもとは1993年に起こった北海道南西沖地震らしいのですがやはり今読むと東日本大震災を思わずにはいられません。なんとなく先は読めたものの先が読めるからこそ、安心して感動できた、という一面もあると思います。
『夜、歩く』は雪の日だけ散歩をしているおばあさんと一人の女性の交流 -
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えー。なんか納得いかないー。
だから、星四つ。
最後に、健太郎が思い出せなかったのは貴希のこと。でも、それが大切な宝物であることは記憶してた。
その後、家について、覚えているのか、夢だったと思うのか。までは書かれていないから。でも、城を出たところでは、貴希のこと以外、関のことも天野さんのことも覚えていて…だから、貴希は考えすぎていたのか?
本当に全てを忘れてしまうのなら、門番が、ここのことは話すなと言うことは矛盾するし。
でも、気付いてしまったかとも。
なんか…希望。だったんだと思うけど、出城料は、なんか…ここまで、読者に希望を与えて、あの結末、そりゃないよって思うの。出て、2人かそれぞれ -
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ネタバレ<内容>
日本領海内にありながら、その存在を認められていない不気味な塔「四龍海城」。そこに閉じ込められた2人の少年同士が交わす友情とほの暗い冒険の物語。
<感想>
不穏な城、内部の町、感情を失った城人たちなど、細かい設定がなかなか面白いファンタジーだった。物語の鍵である「出城料」については結構早い段階で気付いてしまい、また、そこから最後の結末までもなんとなく予想がついてしまったのがちょっと残念。ただ、それでも貴希と健太郎の友情の描写が眩しく綺麗で、だからこそわかっていてもラストは切なかった。
読んでいて共感を覚えたのは、2人の少年よりも関という登場人物だった。貴希や健太郎よりも後から入城し -
Posted by ブクログ
海岸沖にたたずむ絡み合う龍を模した建物「四龍海城」に迷い込んだ少年が、そこで出会った少年たちとともに脱出への手がかりを探る。心をなくしたような「城人」、定時に鳴り響く社歌、そして城を出るための「出城料」とはなんなのか。底知れない不気味さと謎を織り交ぜつつ、少年たちの心の通うさまを微笑ましく味わえて、一風変わったSFチックな青春小説という趣でした。
ただそもそもの設定、この城そのものがもうひとつ不気味さが足りないというか謎が浅いというか、電気を発生させているという根拠ももう一押し欲しいし、終盤の城を出るときの(重要な)エピソードも悪くないんだけどファンタジックすぎるような…と思えたり、と、いろい