乾ルカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
螺旋プロジェクトから、初めて著者の作品を読んでみて。
螺旋プロジェクトを知らずに、これを単作として読んだ場合、違和感を感じると思いました。
まず、顔を見る前から(出会う前から)、近づいてきただけで空気が刺してくるように不快になる人物、という設定に感情移入しにくい。
これは、螺旋プロジェクトの海と山の対立を知っていなければ、ただ不思議な設定に感じられます。
螺旋プロジェクトは、好きな作家から読み始めたことで、未来から逆に時代を遡る順で読み進め、本作で4冊目でしたが、プロジェクトの背景をなぞるだけの構造で、作者なりの内容や伝えたかったであろうことは、ただ表面をスルスルと滑っていくだけで、深くまでは浸透しませんでした。
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Posted by ブクログ
「螺旋」プロジェクトの6冊目。初読みの作者さん。今度は昭和初期、戦時中の児童疎開によって出会った二人の少女の物語。
蒼い目の清子ととがった耳のリツ。血の呪縛の宿命に理由も知らず互いを嫌悪するふたりの対立と微妙な心の変化が描かれる。
『螺旋プロジェクト』ではなく単品で読んだとしたらこの対立の背景が分かりにくい気がするが、訳もなくがっつり忌み嫌いあうふたりが螺旋のお守りをキーにして距離を縮めていく様にはこのプロジェクトの底流にあるものがしっかり描かれていたように思えた。
素直な筋立てにはちょっと物足りないところもあったが、言いたいことが言えない戦時下の状況や、それでも自分を律して生きることの美しさや、敵対する相手であっても自分の気持ちをそのままぶつけることなく自制することの大事さなども描かれて、佳い話になったようにも思う。なんとなく青少年向けという感じだったけどね。 -
Posted by ブクログ
難しい作品だと思いました。
ーあなたはまるで、人の死を自分の幸福に変えて生きているようだ。募金活動で得た1億5千万円で命を救われた少女・城石明音。その苛烈な半生を、周囲の人間の目を通して描いた社会派エンターテイメント!ー文庫帯より。
1億5千万円の募金で真面目に順番待ちをしていた人たちの列に割り込み、かわりに誰かを死なせたと明音はいわれます。
中学生の時、同じ境遇で募金が思うように集まらなかったため、手術ができなかった白村若葉の母が、学校に乗りこんできて、下校する明音を罵りながら殴り、明音のせいで若葉は死んだ。人殺しをしたという保護者のスタンスにより、中学時代の明音をいじめの標的へと導きますが、この保護者のスタンスはまるでおかしなものだとしか私には思えませんでした。
その後の部分も、正しい事と間違った事がごちゃまぜになって書いてある気がしました。
帯に書いてある「あなたはまるで人の死を自分の幸福に変えて生きているようだ」は、その後明音の婚約者の病死した元妻の両親から言われた言葉ですが、そんなことを言う方が、おかしいのではないかと私は思いました。
明音がいくらつらい思いをしても他人から心臓をもらっている以上死にたくても死ねずに葛藤するのはわかりますが、明音が死にたくなるような環境を作った周囲の人々は皆おかしい。
この話は本当にこんなことがあるのだろうかと思わされ疑問だらけの作品でした。 -
Posted by ブクログ
「あなたは行くべきよ。断らないでね」のセリフが懐かしかった。『メグル』の続編なんですね、知らなかった。
さて、ユウキさんに忘れ物センターでのアルバイトを強引に押し付けられた中辻恵麻。かなり引っ込み思案、というか自己肯定感が低い恵麻だが、社員の水樹さん・橋野くんと忘れ物の謎を解くうちに大切なことに気づく。
「妻の忘れ物」「兄の忘れ物」「家族の忘れ物」「友の忘れ物」「彼女の忘れ物」「私の忘れ物」6つの忘れ物と「エピローグ」から成り立っていて、続きが気になって読みやすかったです。
読みながら、そんなに都合良くいくのかモヤモヤしたところもありましたが・・・(水樹さんと橋野くんが遠い親戚だったという設定は必要あったのかな?)
ユウキさんはもちろん、只者ではない忘れ物センターの2人。どうして恵麻を受け入れてくれたのかは謎のままでした。