乾ルカのレビュー一覧
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題材の1つに、将棋や囲碁が関わっているとつい読みたくなる。将棋や囲碁はルールが分かる程度のド素人で、詳しい事はよく知らないのだけれど。将棋や囲碁を扱う小説の多くは、対局場面など緊張感があり、棋士同士の駆引き、思考の深淵に沈み究極の1手を探すと言った展開など、少なくても私を惹き付けるストーリーがある。
ただこの小説では囲碁はストーリー上、重要な要素ではあるが、ストーリーの根幹をなす「メインテーマ」は「孤独」或いは「育児放棄」であり、囲碁は添え物にすぎない。
この小説を読み進んでいけば、この「育児放棄」が、世間一般に言われている育児放棄と違い、己れ自身の生き方を貫くための己れと息子に対してのギリギリ取れる最後の境界的行為だったのだろうと言うことが分かる。
これが最後!という行為は、しかし思わぬ事態が起こり、母と息子の致命的なすれ違いを招く。他人は母を「無責任」と言い、息子である主人公は母を求めながらも怨みそして憎む。主人公「沖田慶吾」の、この母請いとそれが叶わない怨み辛みが、主人公自身を1人「孤独」に追いやる。そしてその「孤独」が、周囲の人の優しさを撥ね付け、恋人を去らせ、親友を傷付ける。
親友「香田純隆」と喧嘩して暫く会わなかった時の慶吾の行動が悲しい。慶吾の部屋の冷蔵庫の中の大量のコーラは、香田がまた来てくれるかもしれない期待の表れ。自分から謝りに行けない不甲斐なさ情けなさの象徴。
慶吾の人生が、無意味なものから有意義なものになるには、真っ正面から「母」そして「囲碁」と向き合わなければならない。
慶吾の背を押したのも香田!慶吾は母と「自分を捨てた」時そのままの碁を打つ。ただ途中から当時の自分の手ではなく、今の自分が考え感じた手を打つ。それが慶吾の成長、そして母への思いを語っている。
私的には、けっこう面白く一気に読めた作品だった。 -
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ネタバレ職場で、最近の中高生は大変だという話を聞きリサーチ気分で本書を読んでみました。
スクールカーストの話です。
気分のいい話ではありませんが、現実的には中高生のクラス内でこういうのあるんだろうなーと。
ただ、本書のように、何年も前に卒業しているのにいまだ当時のカーストを引っ張っているというのは??と思ってしまった。
大学デビューとかあるし、社会人になれば世間も知るし、そんな幼い考え方をいつまでもしているものですかねえ。
ま、イヤミスで終わらなかったあたりが、(読み物としては中途半場だったけれど)土壇場での彼らの成長、なのかもしれませんね。
あ、あと、登場人物については誰も好きになれなかったけれど、唯一現在の磯部君には同情しました。。三井は他意がないだけにある意味罪が重いわ。 -
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今年読み納めの一冊となりました。
沖田と香田の関係。高校生で学年が違うのに、同級生みたいな友達づきあいができるものだっただろうか。香田(後輩)が沖田(先輩)に初対面からバリバリタメ口きいているので、不思議な感じでした。
二人が喧嘩した後も、メールや電話で許しを乞う香田に対し、不注意から携帯が電池切れとなった結果、香田の電話を受けそびれた沖田が、それでもなお自分から連絡しようとせず、ひたすら香田からの連絡を待ち続けるところがモヤモヤポイントでした。「喧嘩はさておき電池切れはお前が悪いんだからさっさと電話してあやまれ!!」と沖田に対して思っていました。
囲碁がわかる人だと、もっと楽しんで読むことができるのだろうなと思います。
ストーリー中の囲碁の対局シーンも、ルールがわからないので、「なんとな〜く」の文字を追うだけの読み方になってしまった。 -
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ネタバレ林武史
社会科教師。生徒総数がたった五人の村立生田羽中学校生田羽分校に着任。三浪の末、教員採用試験に合格。法曹を目指している。
久松良蔵
林が下宿先として紹介された久松医院の主。六十四歳。
後藤主任
五十手前。国語と英語担当。
佐々原
三十半ばの男性教師。数学と理科担当。
松本
村長。
白石弥生
中学三年生。なかなかの美少女。スタイルもいい。
江崎学
中学一年生。ひょろりと背が高く、整った顔を隠すように黒縁の眼鏡をかけている。
柏木亮介
中学一年生。プールから上がった直後みたいに血の巡りの悪い顔色。
手塚みなみ
中学一年生。にきびで顔全体が赤らんでいる。
松本憲太
中学一年生。一番体格が良く、若干太り気味。村長の孫。
真里
林の元彼女。二股をかけていた。
三木
真里と付き合っていた。法科大学院を主席で卒業し、新司法試験にも一発合格した。
今村桐子
弥生の一年先輩。
宮川
本校の教頭。
高瀬
本校の男子生徒。
愛
本校のリーダー格の女子。
稲本
本校の男子生徒。 -
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ネタバレヒカレル
高橋健二
H大学四年生。
彼女
ユウキ。学生にアルバイトや家庭教師を斡旋する奨学係唯一の女性職員。
大林スミヲ
高橋が付き添う亡くなったお婆ちゃん。
美香
スミヲの孫娘。お祖母ちゃん子。
モドル
飯島涼子
H大学法学部。
ユウキ
桑田真澄
飯島が紹介された付属病院の売店の店員。
飯島の父
銀行の副支店長。脳出血で右半身の麻痺と言語障害。
アタエル
高口康夫。
ユウキ
小田
高口の二歳年長。K寮自治会の副会長。
根竜川
高口が犬の餌やりのバイトをする。
工藤
小田がロード練習中に低血糖を起こした時に助けた。
タベル
橋爪啓太
アルバイトをしたことがない。
小泉
ユウキ
佐藤総一郎
橋爪のアルバイトの雇用主。
メグル
悠木
大橋冬樹
学寮係。
三瀬みゆき
大橋のアルバイトの雇用主。H銀行本店渉外営業部。
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学校という狭い世界での暗黙のカースト制度が生々しく描かれていて、クラスで浮いていた者としては見事に心抉られるものがあった。
そしてカーストエラーと評されていた三井ちゃんみたい子、実際にいたなあと細い目しちゃった。個人的にカースト上位にいる子よりも彼女みたいに分け隔てなく接せれる人間に憧れを抱いていたのも思い出したのと同時に、いい歳こいた大人になった今でも憧れてる部分は大いにあるなって。それに対して今の私は彼女みたいになれてるかといったら全くもってそうじゃなくて。そんでもってやはり10代の時に感じるヒエラルキーならぬカースト制度って辛い思いをしていた人間の心にはどす黒くその後に残っちゃうものなんだなって。再度痛感させられました。そんな私は岸本ちゃんに脱帽。 -
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ネタバレ室井さつき
沢北町立沢北小学校。父親が実家の農家を継ぐため、札幌から沢北町に引っ越してきた。
小山内理子
「ねぇ、ジャンプ見ない?」とさっきを誘う。沢北町ジャンプ少年団。
桑原
担任の先生。ちょっとだけ俳優の上川隆也に似ている。
室井道憲
さつきの父。公務員を辞めて実家の農業を継ぐ。ドーケン先生と呼ばれている。
門脇圭介
クラス委員。わりと体格が良く、成績も一年生からずっとトップ。
室井一美
さつきの母。
永井
沢北町ジャンプ少年団のコーチ。道憲の二年先輩。
遠藤
沢北町ジャンプ少年団のコーチ。
小山内智子
理子の母。
甲斐玲奈
札幌市荒川山ジャンプ少年団のエース。
斉藤麻美
理子が準優勝した大会で四位だった。
鈴木
連盟の関係者。
イナ・イビレンコ
フィンランドの女子ジュニア。理子と同じ歳。 -
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2023年、夏フェアの中で紹介されていて、気になって読んだ作品。
内容は、ざっくりいうと、
「引きこもりだった少年の復活劇」
叔父の誘いで北海道の離島の学校に行くことになった主人公、有人(ゆうと)。そこでの出来事や友達との触れ合いのなかから前を向けるようになっていく。
叔父さんが、診療所内の掃除を有人に頼むシーンがある。これをみて、梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」を思い出した。この話のなかで、おばあちゃんは不登校になったヒロインに役割を与えるのだ。
役割ってすごく大切なものだと思う。これがないと自分が自分を保っていられない気がする。
全体的には、離島に旅行に来たような気分が味わえて面白かった。
序盤で、有人が忘れられない事件?を起こす。それがきっかけで不登校になってしまう。でも、最後は、その事件を乗り越えて前をむく。マイナスなことがプラスに引っくり返される瞬間だ。そのシーンが良かった。
人生にはマイナスなことばかりだ。でも、これをプラスに引っくり返したとき、人は大きく成長しているのだと思う。
勇気をもらえる作品で、良かった。 -
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ある出来事がきっかけで不登校、ひきこもりになってしまった少年が、離島への移住をきっかけに同じ高校の仲間や島の人達との触れ合いを通じて、過去のつらい出来事を乗り越え成長していく物語。
ストーリー的には正直そこまでおもしろいとは思いませんでしたが、非常にメッセージ性は感じるものがありました。
人からどう思われているかなんて本当のところはわからない、勝手にこう思われているんじゃないかと妄想し傷つき、悪い方へ悪い方へ物事が進んでいく…そういうことって日常生活でもいろいろあるよなと。
そしてこの本の中で良く出てくる「過去は変えられない」という言葉。過去は変えられないけど、過去をどう思うかは変えられる…良い言葉だなと思いました。
結局物は考えようなんですよね、ピンチをそのままピンチと捉えるか、逆にチャンスと捉えるか。
悲劇のヒーローを気取る暇があったら、何でも良いから動いてみる。そんなことを改めて考えさせられた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
この前読み終わった本の巻末に載っていた本の紹介(広告)を見て、ちょっと惹かれて買ってみた。
学生部の女性職員・悠木さんから紹介された(一人は止められた)アルバイトに足を運んだ学生たちの顛末。
お寺で寝るだけ、病院の売店での商品の入れ替え作業、犬の餌やり、食事を食べるだけ、とある家での庭仕事。
怖い話なのに何だかコミカルだったり、心温まる話だったり、不穏なミステリーだったり、ファンタジーっぽい死者との交流だったり、色んなテイストの話が楽しめる。
それぞれ面白い話だったが、ほっこり系の「モドル」と「タベル」が普通に良かった。
美しいながら無表情で人間離れした存在を思わせる悠木さんのキャラはちょっと微妙かも。