乾ルカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一言、すごく良かったです。
ホラーの女王降臨、とあり、確かにその方面のグロテスクな描写もありますから、苦手な方は苦手だろうと思いますけど、この本に限っていえばそれだけがこの作者の本懐ではないと感じました。
叙情豊かな描写から作りあげる情景描写の巧みさは時代を問わず、そのときどき場所それぞれの空気をつくりあげ、そこに生きる人々の風変わりな物語を見事に包んでいる。その大きなまとまりがなんともいえず好みで好きだと思えたのです。
表題作のラスト数ページの、大げさにいえば世界が転換する描写は衝撃的でした。そして最後の短編の救いのなさ、それなのに世界を美しくも感じえてしまうラストの素晴らしさも良かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ息子を愛せない父が
愛せるようになっていく序盤に
かなり引き込まれる
どんどん悪い方に向かっていく宙希が
切なすぎて、いったいどういう事?
結局、「光の真」がなんかしよる?
とか、あらゆる想像をしながら
読み続けたのに…
真星がメインの章から
急に下品な内容になっていき興醒め
教団に宙希が行くように仕向けたから
こっから清山が何がしてくれるのかと思いきや
手紙のみで終了
宙希が愛する人が死ぬのに
清山が生きているのは何故か
宙希はちゃんと手紙の意味を
理解したのか?
全てが明確にならないまま終了
尻切れトンボ状態で最後は
かなりガッカリした
現実なら、こんな中途半端に
終わるのもありがちだけど
小説なんだからこそ、ちゃんと
終わらせてほしかったなぁ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間関係がより複雑になっていって、自分の言動が相手にどのような影響を与えるか、わかりづらくなる世の中において、いかに人と関わるかということがきっとテーマなんだろうと思う。
それをよりくっきりとうかびあがらせるための設定として、「絶望するとショック死させるウィルス」をおくというのは面白いアイディアでした。
ただひとつひとつのお話自体は、それほど目新しくなくて、こういう感じだろうなあと予想されてしまう。
悪く深読みすると、一作一作まったく新しい新作を書くよりも、連作のミステリーにしておけば、書くのも楽だし、売れ行きも安定するし、みたいな出版社のアドバイスはあったかもしれないとは思ってしまう。最近はまって読んでいる岩井圭也にもそんな感じがあるし。 -
Posted by ブクログ
あるウイルスの抗体を持つ者が、絶望を感じることで死に至る
「HBD(Heart-Breaking Death)」。
日本政府はこの現象を利用した殺人を取り締まる法律の制定を目指していた。
新人の一ノ瀬美羽は、国の委託で
HBDと疑われる事件を追う調査鑑別室に配属される。
嬉しいニュースの発表中に倒れた女性。
賑やかなショッピングモールで急死した独居老人。
「空気が読めない」といじめを受けていた男子中学生――
何をもたらされ、何を奪われることが致命傷になるのか。
死因という名の絶望を探り、
人の尊厳を守るために働く人々を活写した
傑作エンタメ、誕生!
余命宣告されたがん患者だった甘野咲良「神の代役
」
離婚後、家族と縁を切り孤独に暮らす堀田正「まぶしさ」
いじめにあっていた中学生、井内颯風「僕はいい子」(←ラストの母の慟哭が鮮烈)
原因不明の体調不良により、何件ものクリニックで検査を受けていた会社員、小笠原健斗「名前はまだない」
思想団体内でおきた集団凍死事件の被害者の1人、林柾秋「雪の果て」
各章のタイトルで、それぞれの絶望の内容がうっすらわかってしまうかな。
何に絶望したのか、トリガーが何だったのか、本当にわかるのは神様だけで。
それでも神に代わってそれを追求していくという設定なのはわかるけど、やっぱり「それって結局状況から推測される1番納得できそうな(かつドラマティックみがある)推論にすぎないよね」感がある。
登場人物も、本当のところはわからないって何度も言ってるしね。
被害者が何に絶望したのかを、捜査によって明らかにしようっていう推理自体は面白く読めていけるんだけど、読み終わると「でもなぁ」と、そこに立ち返ってしまうのが自分でもひねくれてるなと思う。
でも、それが悪意だったかどうか、自分自身でもよくわからないケースでも、捜査結果で有罪と判断されたら罰せられるのか…、と思うと、それこそ人の気持ちなんて完璧にわかるわけないのにって思っちゃう。
トリガーとなった絶望が何だったのか、本当にわかるのは死んだ本人だけだよね。
絶望が人を死に至ららしめるという設定は興味を引かれる1冊です。 -
Posted by ブクログ
結論があるようでないような話。
そこは読み手の解釈に任されたのだろうか。
愛する人が悉く亡くなり、自分の孤独感を募らせる主人公。
でも実際は自分を愛してくれている人が近くにいるが、気づかずに相手を無意識に傷つけている。
そして自分が愛した人が亡くなってしまうのはジンクスでもなく、何の根拠もないことだった。
人は何か不幸なことがあると理由をつけたくなる気持ちはすごくわかる。
実際に何かのメッセージみたいなこともあるかもしれないが、あまり行き過ぎると自分や他人を知らぬうちに苦しめていることがあるのかもしれない。
何が起こっても自分の心を保つ強さが大事だと感じた。