乾ルカのレビュー一覧

  • モノクローム
    母に捨てられた過去を持つ少年が、自分の生きる意味を模索する物語。囲碁がテーマになっているけれど、囲碁に関する知識がまったくなくともそれなりには読めます。でも知っていたらもっと味わえたのかな、という気も。棋譜を見てもどっちが勝ったのかすら分からなかったので私。
    何一つ苦しみを持たない人生などありえない...続きを読む
  • モノクローム
    囲碁は全然わからないので、棋譜の話になるとサッパリ。
    それでも雰囲気は味わえた(と思う)。
    親に捨てられたと思っていたから、そこが慶吾の弱点でもあり他人を判断する際に利用しようとする。
    臆病になっているけど、そこは他人に悟られたくはない。
    香田くんはそこも含めて慶吾についてまわるところが可愛いという...続きを読む
  • プロメテウスの涙
    解説にもあったけれど、メールのやり取りがもどかしいのなんのって。

    だって、緊急という件名のメールに対して、返すのはまた明日でいいかって、そりゃないでしょう。しかも次の日にしたところで別になにもおこらないのね。あのくだりいるのかしら。
    そういう、伏線かと思いきやまったく意味のない描写が多くて、焦らさ...続きを読む
  • 六月の輝き
    美耶と美奈子はお互いひとりっこ、誕生日も同じで家も隣家の大親友
    ふたりの友情は途切れることなく永遠に続いて行くものと思われた
    だがある日美耶がフシギな力を発揮したことをきっかけに友情にも陰りが見え始め・・・

    全7章から成り、2章目から6章目までは主人公を変えて短編綴りになっているこの小説、1章目か...続きを読む
  • メグル
    表紙の感じから、心が温まるほっこりした小説だと思っていたので、読み始めてびっくりした。「タベル」が一番好き。でも先が気になって夢中で読んだのは「アタエル」。
  • プロメテウスの涙
    タイトルと表紙に惹かれて購入。
    医療もの。サイコ?ホラー?ミステリー?サスペンス?
    暗めのお話だけど、先が気になって一気読み。
    日本とアメリカで、交互に物語が進むが、それぞれの物語が興味深い。
    物語がリンクしていく展開も面白い!
    個人的な好みとしては、最後に何か一つどんでん返し的な展開が欲しかった。...続きを読む
  • 四龍海城
    不思議な始まり方で、
    どんな風に入り込めばいいかわからなかったけど、読み進めていくうちにいつの間にか作品の世界にしっかり入り込んでた。

    わかりにくい描写もないし。

    この作品の出だしに感じた不思議さが、この作品の印象そのものになると思う。
  • 四龍海城
    一気に読んでしまった。
    同じ作家のものを3冊連続で読んだけど、これが一番おもしろかったかな。自分自身の何かが変わったとき、そこから抜け出せるっていうのは、「てふてふ荘」と同じ。
    最後がね…彼がどうするかが分かっちゃったから、主人公に「気づいて〜」って願ったけど……ああ、切なかった。
  • 四龍海城
    闇にのまれる不安の中抗い
    育まれる本当の友情。

    不思議な世界。
    存在する理由も意味も不明ながらなんとなく納得してしまう。

    ラストが切なすぎる
  • 四龍海城
    ■もうめちゃめちゃキテしまった。最後は号泣。(笑

    ■いや、途中でなんとなく分かってしまったんだけど、でもそれでもやっぱりグッときて、堪えられなかった。

    ■読み終わったあとで「心を洗われた」気持ちになりたいときに読むといいと思う。(笑
  • 四龍海城
     感情を持たない城人たちの奇妙な生活ぶりと、だんだん城人化していく大和人の様子がじわじわと怖いです。だから余計、健太郎と貴希の友情を深めていく様子が微笑ましかったし、そんな二人に何かとアドバイスしていく関も、とても頼もしく感じました。
     出城料が何かがうっすらとわかってきたときは、複雑な心境でした。...続きを読む
  • 四龍海城
    日常の延長にある異世界に紛れ込んでしまうローファンタジー?
    純粋に冒険譚としても楽しめるし、
    ちょっと不気味な城の世界観も面白い。

    ラストは、物語のエンディングとしては
    爪痕を残すような終わり方で印象深い。
    でも、なんともやるせない。
    ハッピーエンド至上主義というわけじゃないから、
    こういうのも好...続きを読む
  • 四龍海城
    プロローグは静かに…徐々に引きつけられエピローグで涙する…そんなストーリー展開ですね。

    発想も面白いです。

    特に、四龍海城の中が町になっていることとか妙に笑えます。

    健太郎と貴希の友情がもっとハッピーにエピローグに繋がってくれたらベストだったのですが…

    作家さんの作風からそれは無いで...続きを読む
  • 四龍海城
    切ない……。
    きれいだけど切ない。
    得るために失う城、ってなんだかKHみたいだ。
    いや、得るのが本来の目的じゃあないけど。

    でも最後に彼はどんな気持ちでトランペットを吹いていたのかと考えると、やっぱり切ない。
  • 四龍海城
    閉じ込められた城の中で見つけた、自分にとっていちばん大切なものの記憶と引き換えに城から出ることができる。見つけられなければ虚ろな「城人」となって一生を城内で暮らすことになる…閉じ込められた人にとっては理不尽極まりない話。その閉塞感の中で懸命にもがく二人の少年がすごくいじらしくて、陽気な大学生・関じゃ...続きを読む
  • 夏光(なつひかり)
    感覚器官をテーマにしたホラー短編集。どこかしら美しい光景を感じさせられる作品が多いです。
    お気に入りは表題作「夏光」と「百焔」。「夏光」の展開はなんとなく読めたけれど、ラストでああそうくるか、と思いました。きっとこの後は……なのだけれど、どこか爽やかで優しい読後感です。
    「百焔」は悲しくも美しい物語...続きを読む
  • 夏光(なつひかり)
    一言、すごく良かったです。
    ホラーの女王降臨、とあり、確かにその方面のグロテスクな描写もありますから、苦手な方は苦手だろうと思いますけど、この本に限っていえばそれだけがこの作者の本懐ではないと感じました。
    叙情豊かな描写から作りあげる情景描写の巧みさは時代を問わず、そのときどき場所それぞれの空気をつ...続きを読む
  • アンソロジー 舞台!
    舞台にかける役者たちの情熱が美しく微細に書かれて、芸術的な短編集だった。
    個人的には2.5次元の裏話のようなエピソードが興味深かった。
  • アンソロジー 舞台!
    【収録作品】近藤史恵 「ここにいるぼくら」/笹原千波 「宝石さがし」/白尾悠  「おかえり牛魔王」/雛倉さりえ「ダンス・デッサン」/乾ルカ  「モコさんというひと」

    どれも舞台に引きつけられる人たちの話で悪意を持つ人が直接的には出てこないのがよかった。
    演じるほうの覚悟も描かれていて、トップスター...続きを読む
  • コイコワレ
    太平洋戦争中、東京に食堂を営む父、母と暮らす蒼い目を持つ清子。
    父は突然不慮の事故で死んでしまう。

    食堂は母が一人で切り盛りする中、戦争が激化し清子の小学校は宮城に疎開する。

    疎開先の寺で地元のリツという少女と出会う。リツは存在自体が清子をざわつかせる。リツも同様に清子の存在を明らかに意識してし...続きを読む