乾ルカのレビュー一覧

  • モノクローム

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    ネタバレ

    え棋士を目指す話じゃないんだ、しかも暗いよとかツッコミながらもぐいぐい読ませるリーダビリティはなかなか、なかでも香田との友情シーン(ちとホモくさもあったが)は良かったです。

    ただ母親の方がだな。

    いやまこの母親が自分が母親になる資格がないと思ったかどうか知らんが慶吾を捨てるところまではまだいいんだよまだ、でも何の社会的制裁も受けずにその後結婚して幸せですってのが意味がわからない。

    別に不幸になってればいいってもんじゃないとはいえだ、一人で暮らしてるならまだそれなりに納得できたのだけどなー。

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    2014年11月24日
  • メグル

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    「ヒカレル」「モドル」「アタエル」「タベル」「メグル」の5編を収録。『ばくりや』も読んで、乾さんの世界が少し分かった気がします。不思議で、ちょっとグロテスクな部分もあるけど不快さはない。「アタエル」の真相はちょっと・・・でしたが。読んでいくうちにユウキ(悠木)さんの過去も分かり、最後はしんみりしました。

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    2015年01月06日
  • ばくりや

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    全7編収録。どの話も面白かった。能力を交換したことでブラックな結末を迎える人もいれば命拾いをする人もいて、オチにひねりがあった。「ついてなくもない」は展開が予想外で、ラストの「きりの良いところで」に繋がっているのも上手い。

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    2015年01月06日
  • モノクローム

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    囲碁に魅せられた母親に捨てられた少年の物語。とても繊細に生きているせいか自分を抑えている姿がもどかしい。会話一つでそこまで考えるのかというくらい考えてから発言するなど小説では成立するかもしれないが何だかテンポが良くない気が。面白さはあるのだが肝心の母親の状況と心情がよくわからずラストは共感しづらかった。

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    2014年09月30日
  • 四龍海城

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    中学生男子の友情が読みどころ(?)とにかく、ひた向きで直視出来ない。だからこそ最後の「誰だっけ」が切なすぎる…。関さんのくだりからそんな気はしてたけど。

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    2014年09月29日
  • モノクローム

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    母に捨てられ施設で育った慶吾の孤独。ただ一人の友人香田の強引な明るさにも、なかなか心を開いていくことができない。もどかしく、切なく、ジリジリと心を煎られるような気持ちで、一気に読み終えてしまった。

    「本の雑誌」で北上次郎さんが取り上げていた場面は、本当に素晴らしい。慶吾が、自分が施設育ちであることを香田に告げて、その反応を待ち受けるところだ。傷つくまいと心を固い鎧で覆っている慶吾が不憫で、また、あっけなくヒョイと壁を越えてくる香田がほんとにいいヤツで、何度も読み返したくなる。

    そうなんだけど…。諸手を挙げて良かったーと言う気持ちにならないのはどうしてだろう。読み終わってしばし考え込んでしま

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    2014年09月09日
  • メグル

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    学生部の女性職員・悠木さんから「あなたは行くべきよ。断らないでね」「あなたは行くべきじゃないわ。後悔しないでね」などと言われて紹介されたバイトをすることになった大学生達の5つの出来事。
    それぞれの物語の中に、人の悲しさだったり優しさだったり毒々した黒い感情だったりが溢れていて、行ってよかったー!な体験だったり、行かなきゃよかった…な体験だったり。行くべきか行くべきじゃないか、それはまさに悠木さんの言う通り。
    もし自分が悠木さんにバイトを紹介されたとしたら、一体どんな体験をすることになるんだろう。

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    2014年09月03日
  • モノクローム

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    冬の日に、母親に見捨てられた少年。彼は、施設で暖かく見守られて育ちながらも、そのわだかまりの記憶を胸中に抱え続けていた。やがて彼は信頼できる友達と出会い、ゆっくりと一歩ずつ前に踏み出していき、過去の自分、そして母親の真実と向き合う覚悟を抱いていく、とう物語。
    囲碁を話のキーとしてはいても、物語の重心は息子と母親の間の葛藤。
    一人称で訥々と繰り返される主人公である彼の独白は、きりきりと痛ましいのだけれど、少しばかり、重すぎるように感じました。敵が周りにいるのではなく、自分が高い壁を作っているというのは、彼の境遇を思えば理解はできるのですが…。
    エピソードほとんどが「壁を作る」「自覚する」「内省す

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    2014年08月30日
  • メグル

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    大学の学生部の不思議な女性が斡旋するアルバイト5つの話。

    1番目の話がなかなかホラーで印象的だった分、その後の話はややインパクトに欠けた。でも、最後のメグル、が1番綺麗な余韻があった。

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    2014年08月03日
  • モノクローム

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    母親に捨てられた経験から、人を信じることができず、何事もネガティブな捉え方をする青年が、天真爛漫な友人と過ごすうちに少しずつ成長していく。碁石と写真のモノクロームがタイトルの由来。
    主人公が引きずっていた突然捨てられた理由は、最後に明かされる。が、やはり母親の行動は安易な責任放棄にしか見えない。もう少し、母親の立場を掘り下げて描いて欲しかった。

    作者の作品では、「夏光」と「四龍海城」がいい。

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    2014年07月18日
  • モノクローム

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    2014.7.15.三月半ば過ぎの寒い日、沖田慶吾の母親は五つばかりのパンを置いて出て行ったきり帰る日を一日過ぎても戻って来なかった。寒さとひもじさに我慢ならず、慶吾は寒い日によく撫でに行っていた犬の小屋にもぐりこみ、犬の餌を食べ老犬の暖かい毛の中で一晩を過ごした。翌日、その家の人に見つかり、児童相談所に連れていかれ、そのまま施設で育てられることになった。施設で18まで育ち、優秀なことから地元の信金に採用された慶吾だが、ずっと孤独な境遇のままだった。一人の風変わりな友人香田をのぞいては…。母はなぜ、自分を捨てたのか、いろいろなことを乗り越えるうちに、その疑問に真正面から向き合おうとする慶吾の成

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    2014年07月16日
  • モノクローム

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    乾ルカ作品初読み。
    初読み作家が増えております(笑)
    囲碁のことはよくわからないけれど捨てられた子供と捨ててしまった母親がお互いに相手と自身に赦しを与えるストーリー。
    幸せでなければ赦し合うことなどできないのかもしれない。

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    2014年07月16日
  • あの日にかえりたい

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    人生の分岐点
    そんな過去の『あの日』に色々な角度から触れ合う物語

    忘れてしまいたい『あの日』
    やり直したい『あの日』
    懐かしい『あの日』
    楽しかった『あの日』

    現実ならば心の中でしか思い出すことのできない『あの日』
    戻ることなど絶対に叶わない『あの日』へ旅立ちます

    ファンタジーならでは
    とっても温かい物語の数々

    あなたも忘れていた『あの日』を思い出すかもしれませんよ

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    2014年06月17日
  • プロメテウスの涙

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    原因不明の奇行をする女の子、何の病気なのか。そして、死なない死刑囚、なぜ全身ガンに冒されて死臭を放っても生き続きるのか。

    女性医師二人の固い絆が、日本とアメリカでそれぞれ起きている奇怪な現象の謎を解いていきます。なかなか面白かった。

    ホラーに属する作品のようで、S16の描写がエグいのだけは、ちょっと苦手。

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    2014年06月14日
  • あの日にかえりたい

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    変幻自在な作風が特徴の作者らしい、日常と非日常が絶妙に交差する「あの日」をテーマにした短編集。
    お気に入りは表題作。まさしく「あの日、あの時」が強烈な印象を残す。誰もが思い浮かべるが、誰も実現できないのが「あの日」に帰ること。小説の表現が自由に広がるテーマだけに、作者の力量も試される。本作の余韻は清々しい。

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    2014年06月01日
  • あの日にかえりたい

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    第143回直木賞候補作。
    なるほど候補作。惜しい。
    短編集であり、2つほど素敵だなと思うものがあったが、あとは退屈だった。
    文章はうまく、好きなので、長編を読んでみたい。

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    2014年05月04日
  • メグル

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    ヒカレル、タベルは綺麗にオチがついて面白かったなー。それ以外は読み物として退屈はしなかった。ただ、「短編連作」という触れ込みと「メグル」というタイトルから全話通してのストーリーがあるものだと思っていたのだけど、なんてことはない、ただの「短編集」で、少し拍子抜け。

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    2014年03月25日
  • メグル

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    うーん、不思議な世界。ヒカレルは半身浴しながらなのに寒くなるような話。モドルは現実にありそうな大切な話。アタエルは誰もが持ってしまいそうな毒の話。タベルは最後に救われた話。メグルは不思議な話。すごいなーこんな話書けるの。感想書くのは難しいけれど(笑)

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    2014年03月04日
  • メグル

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    思っていたより全体に暗く重たい。第1話の恋愛要素は引き継がれないし。で、面白かったのは唯一の「行くべきじゃないわ」回でした。予測はなんとなくつくけれど、イヤな感じが嫌ーなまま締められていっそ小気味いい。

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    2013年12月02日
  • プロメテウスの涙

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    遠く離れた日本とアメリカで起こる不可思議な事象。偶然、関わった女性医師が奇跡を呼ぶホラーサスペンス小説。
    非科学的で非論理的だ。某ガリレオ先生なら、この現実をどう推理して解決に導くのだろう。

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    2013年09月30日