乾ルカのレビュー一覧
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学校という狭い世界での暗黙のカースト制度が生々しく描かれていて、クラスで浮いていた者としては見事に心抉られるものがあった。
そしてカーストエラーと評されていた三井ちゃんみたい子、実際にいたなあと細い目しちゃった。個人的にカースト上位にいる子よりも彼女みたいに分け隔てなく接せれる人間に憧れを抱いていたのも思い出したのと同時に、いい歳こいた大人になった今でも憧れてる部分は大いにあるなって。それに対して今の私は彼女みたいになれてるかといったら全くもってそうじゃなくて。そんでもってやはり10代の時に感じるヒエラルキーならぬカースト制度って辛い思いをしていた人間の心にはどす黒くその後に残っちゃうものな -
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ネタバレ室井さつき
沢北町立沢北小学校。父親が実家の農家を継ぐため、札幌から沢北町に引っ越してきた。
小山内理子
「ねぇ、ジャンプ見ない?」とさっきを誘う。沢北町ジャンプ少年団。
桑原
担任の先生。ちょっとだけ俳優の上川隆也に似ている。
室井道憲
さつきの父。公務員を辞めて実家の農業を継ぐ。ドーケン先生と呼ばれている。
門脇圭介
クラス委員。わりと体格が良く、成績も一年生からずっとトップ。
室井一美
さつきの母。
永井
沢北町ジャンプ少年団のコーチ。道憲の二年先輩。
遠藤
沢北町ジャンプ少年団のコーチ。
小山内智子
理子の母。
甲斐玲奈
札幌市荒川山ジャンプ少年団のエース。
斉藤麻 -
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2023年、夏フェアの中で紹介されていて、気になって読んだ作品。
内容は、ざっくりいうと、
「引きこもりだった少年の復活劇」
叔父の誘いで北海道の離島の学校に行くことになった主人公、有人(ゆうと)。そこでの出来事や友達との触れ合いのなかから前を向けるようになっていく。
叔父さんが、診療所内の掃除を有人に頼むシーンがある。これをみて、梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」を思い出した。この話のなかで、おばあちゃんは不登校になったヒロインに役割を与えるのだ。
役割ってすごく大切なものだと思う。これがないと自分が自分を保っていられない気がする。
全体的には、離島に旅行に来たような気分が味わえて面白 -
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ある出来事がきっかけで不登校、ひきこもりになってしまった少年が、離島への移住をきっかけに同じ高校の仲間や島の人達との触れ合いを通じて、過去のつらい出来事を乗り越え成長していく物語。
ストーリー的には正直そこまでおもしろいとは思いませんでしたが、非常にメッセージ性は感じるものがありました。
人からどう思われているかなんて本当のところはわからない、勝手にこう思われているんじゃないかと妄想し傷つき、悪い方へ悪い方へ物事が進んでいく…そういうことって日常生活でもいろいろあるよなと。
そしてこの本の中で良く出てくる「過去は変えられない」という言葉。過去は変えられないけど、過去をどう思うかは変えられる…良 -
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この前読み終わった本の巻末に載っていた本の紹介(広告)を見て、ちょっと惹かれて買ってみた。
学生部の女性職員・悠木さんから紹介された(一人は止められた)アルバイトに足を運んだ学生たちの顛末。
お寺で寝るだけ、病院の売店での商品の入れ替え作業、犬の餌やり、食事を食べるだけ、とある家での庭仕事。
怖い話なのに何だかコミカルだったり、心温まる話だったり、不穏なミステリーだったり、ファンタジーっぽい死者との交流だったり、色んなテイストの話が楽しめる。
それぞれ面白い話だったが、ほっこり系の「モドル」と「タベル」が普通に良かった。
美しいながら無表情で人間離れした存在を思わせる悠木さんのキャラはちょっ -
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螺旋プロジェクトから、初めて著者の作品を読んでみて。
螺旋プロジェクトを知らずに、これを単作として読んだ場合、違和感を感じると思いました。
まず、顔を見る前から(出会う前から)、近づいてきただけで空気が刺してくるように不快になる人物、という設定に感情移入しにくい。
これは、螺旋プロジェクトの海と山の対立を知っていなければ、ただ不思議な設定に感じられます。
螺旋プロジェクトは、好きな作家から読み始めたことで、未来から逆に時代を遡る順で読み進め、本作で4冊目でしたが、プロジェクトの背景をなぞるだけの構造で、作者なりの内容や伝えたかったであろうことは、ただ表面をスルスルと滑っていくだけで、深くまで -
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「螺旋」プロジェクトの6冊目。初読みの作者さん。今度は昭和初期、戦時中の児童疎開によって出会った二人の少女の物語。
蒼い目の清子ととがった耳のリツ。血の呪縛の宿命に理由も知らず互いを嫌悪するふたりの対立と微妙な心の変化が描かれる。
『螺旋プロジェクト』ではなく単品で読んだとしたらこの対立の背景が分かりにくい気がするが、訳もなくがっつり忌み嫌いあうふたりが螺旋のお守りをキーにして距離を縮めていく様にはこのプロジェクトの底流にあるものがしっかり描かれていたように思えた。
素直な筋立てにはちょっと物足りないところもあったが、言いたいことが言えない戦時下の状況や、それでも自分を律して生きることの美し -
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難しい作品だと思いました。
ーあなたはまるで、人の死を自分の幸福に変えて生きているようだ。募金活動で得た1億5千万円で命を救われた少女・城石明音。その苛烈な半生を、周囲の人間の目を通して描いた社会派エンターテイメント!ー文庫帯より。
1億5千万円の募金で真面目に順番待ちをしていた人たちの列に割り込み、かわりに誰かを死なせたと明音はいわれます。
中学生の時、同じ境遇で募金が思うように集まらなかったため、手術ができなかった白村若葉の母が、学校に乗りこんできて、下校する明音を罵りながら殴り、明音のせいで若葉は死んだ。人殺しをしたという保護者のスタンスにより、中学時代の明音をいじめの標的へと導きま -
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「あなたは行くべきよ。断らないでね」のセリフが懐かしかった。『メグル』の続編なんですね、知らなかった。
さて、ユウキさんに忘れ物センターでのアルバイトを強引に押し付けられた中辻恵麻。かなり引っ込み思案、というか自己肯定感が低い恵麻だが、社員の水樹さん・橋野くんと忘れ物の謎を解くうちに大切なことに気づく。
「妻の忘れ物」「兄の忘れ物」「家族の忘れ物」「友の忘れ物」「彼女の忘れ物」「私の忘れ物」6つの忘れ物と「エピローグ」から成り立っていて、続きが気になって読みやすかったです。
読みながら、そんなに都合良くいくのかモヤモヤしたところもありましたが・・・(水樹さんと橋野くんが遠い親戚だったという設定