乾ルカのレビュー一覧
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ネタバレ甘さや弱さから脱却するのって多分想像以上に難しい。人間ってよっぽどできた人間でないと逃げてしまうものだと思う(逃げが悪いかどうかは置いておいて)
そのなかで主人公がそこを乗り越えようとしたこと、それに周りが協力したことが本当にすごいと思う。多分これから先も彼は逃げるだろうし、嫌なことがあったら崩れると思う。人間の本質ってあんまりすぐには変わらないだろうし。でも、一度乗り越えた経験は味方をするんだろうって思う。
一つ気になったのは道下さんがどうしてあんなことを言ったのか。あまりにも一方的で理解できなかった。お礼だけを言おうと思ってたなかで、気に入らない発言があったからってああも態度を帰るものだろうか。言い分も一切わからなかった。そもそも何で主人公があの日のことで責められてるのかもあんまりしっくり来なかったし… -
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ネタバレ蒼はとにかく一人が好きな女の子。友達と一緒にいても何だか息苦しい。修学旅行も行かずに過ごした。そんな蒼の心の支えは夜に街の灯りを数える仕事に就くこと。そんな仕事、現実にはないけど子どもの頃の同級生から聞いたその職業にずっと惹かれていた。
登場人物のセリフが心に残るものが多かった。蒼の友達、冬子が本当にいい子でちょっとずるくて好きだ。蒼が一人でいるのが好きと聞いても、私は蒼ちゃんと一緒だったら嬉しいなと自分の気持ちも伝えられる強さ。でも押し付けじゃないところも良い。
あとは定時制に通っている看護師の関さんも良かった。最初はなんなんだこのズケズケ言ってくる人は!と思ったけど、自分は人とは違うって思ってるでしょという一言にグサっときたのは蒼だけではないと思う。 -
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作者はどうしてこんな話を書くのだろうと思う。
失うことで成就する、純粋な愛? 確かにその気持ちが描きたいなら、このラストしかないのだろう。若干ピンとこない感じは、もしかしたらこの話を異性愛に置き換えたら、違ったものに感じられたのだろうか? うーん、異性愛だったらより凡庸に見えるのかもしれない。上川さんと天野さんのエピソードのように。この年代の男の子同士の友情だから(女の子同士の友情でも良かったんだろうけど)より純粋に感じられるのかもしれない。
でもそういう「純粋さ」を、今の僕は求めていなかったように思う。それこそ彼らの同年代だったら感動したのかもしれない。あるいは、そういう純粋さだったら、短編でなら楽しめたかもしれない。
長編では、より具体的なものへの執着と戦いを見たい。
そういう意味では、最初に読んだ『水底のスピカ』で、作者が女の子たちに最後まで戦いぬくことを求めていたのは、この現実世界において彼女が大切にしていって欲しいと信じているものだったように思う。 -
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ネタバレ10人の作家さんが描く怪異の短編アンソロジー。多種多様な怖い話。一体、どこからこんなアイデアが出てくるのかと驚きながら楽しみました。
恩田陸『曇天の店』
北陸の料理屋。開けてはいけない勝手口。フェーン現象がつれてくるカワケが人を狂わせる。ラストの夫婦の会話が不穏で、余韻たっぷりで終わる。
米澤穂信『わたしキャベンディッシュ』
バナナの種って貴重なんだなあ。シゲルはどんな味なのかしら。
村山由佳『ANNIVERSARY』
小2のときの儀式が35歳で効果を発揮?
夫と息子と幸せに暮らしていたのに、少し違う世界で小2からやりなおし。新しい世界で新しい家族と幸せになっても、新旧、どちらも裏切っている気持ちになるのはしんどいですね。何回も繰り返すのかな。おかしくなりそう。
窪美澄『真珠星スピカ』
いじめられてる女の子。死んだお母さんが自分だけには見えている。空気の読めない担任(隣のお兄ちゃん)、いいお姉さん感がすごい保健の先生、不器用なお父さん。中学生の女の子の一人称で書かれていて、思春期のヒリヒリやヒヤヒヤが感じられてよかったです。ラストのお父さんのセリフ、泣いちゃいました。
彩瀬まる『マイ、マイマイ』
鈴白くんと別れることになるだろう。好きなのに。鈴白くんの落とした白い石には、彼の“恥”が入っていた。マイマイを戻さない選択をした主人公が偉いなと。
阿部智里『李果を食む』
兄弟で同じ現象を体験してるはずなのに、見てるものがまっっったく違う。怖い。スモモ?リカ?どっち!? 読み返しました。
朱川湊人『フクライ駅から』
友人が精神病院に入院した。彼の妹曰く、彼が都市伝説の生みの親だという。それがきっかけでおかしくなったと。しかし、友人は主人公にだけあるメッセージを送ってきて。人の裏の顔。そして、ラストは自爆していくのかな。疑心暗鬼のおまじないをかけられたのだろうか。こうなったらもう、戻れない。怖い。
武川佑『細川相模守清氏討死ノ事』
時代もの。幕府から追放された細川清氏と、彼に仕える小姓、孫七郎。彼らと烏天狗の因縁。時代ものは分からないところもあるのですが、アクションあり、情ありでおもしろかったです。烏天狗になるのは嫌なことかもしれないけれど、なってしまったら、それすら嘲笑うようになるのかな。
乾ルカ『かぐわしきひと』
自殺した双子の兄の遺品整理中に見つけた写真。そこに写っている美女に魅入られて…。そっちか!と見事にだまされました。残酷で美しい話。
小池真理子『喪中の客』
鳴らないはずのブザーが鳴った。訪ねてきたのは、妹の不倫相手の妻。終始、不穏な空気が流れていて、ゾクゾクしました。ラストは怖いからあんまり想像しないようにします。笑 -
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伊坂幸太郎さんの螺旋プロジェクトの一部な大戦末期が舞台の
こちらの物語コイコワレ
文庫本です。
企画を持ってきたのは伊坂さんで
数名の作家さんの中の1人。乾ルカさん。
数人の作家さんが同じテーマと違う時代の山の民族と海の民族の対立を描くという企画
てっきり
人も自然界の自然の一部に過ぎないぜ!的にまとめられてると思っていた(予測)
東京から疎開してきた子供達の中にいる蒼い目の少女
VS
山に捨てられた孤児の少女
互いに忌み嫌う
一目で憎しみあい
殺意まで芽生える、その歴史たるは何なのか?
その正体は?的に読んでいったんですが、
そんなことは、いっさいなく過ぎていきました。
少女たちが殺したいほどに憎しみ合う
その時、その時で
周りの大人たちが起こした行動にのみ救いがありました。
この大人たちの行動が
現代に成り立つだろうかと思いました。
好きな相手には自然と思いやれるもの。
嫌いな相手にこそ親切にしろと言って東京空襲で死んでいった清子の母親。
子供にはそう言っていたけど
清子の母親が相手にとった行動は親切よいうより
敬意だったと思います。
本当に憎い相手とは
ずっと接してはいられないので
一期一会のその時こそ背筋を伸ばし
ゆっくりと敬意を表す。
接客業の技にもありますよね。
乱暴な相手にこそ
わざと尊敬語をゆっくり話すと。
相手にひれ伏すとは、また違うやり方。
母親が娘に諭した
その指導により
清子の聡明さが
山の捨て子な彼女の生命力も伸ばしたという
そういう話でした。
あんまり
没頭できるような話ではないんですよ。
ずっと謎に憎しみ合うから共感できないし
(虐められたとか好きな人を取られたとかでないから)
一目惚れみたいに一目で憎しみ殺意を抱くって
到底、納得できないでしょ。
だから山と海の話が続くか思ったら
そうでもないし
山の子供らや爺さん婆さんは
おしん口調ですから読み辛いし。
でも今一度、自分の胸に問いかける問題提起としては
大事なことが書かれてありました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】近藤史恵 「ここにいるぼくら」/笹原千波 「宝石さがし」/白尾悠 「おかえり牛魔王」/雛倉さりえ「ダンス・デッサン」/乾ルカ 「モコさんというひと」
どれも舞台に引きつけられる人たちの話で悪意を持つ人が直接的には出てこないのがよかった。
演じるほうの覚悟も描かれていて、トップスターでないからこその葛藤と矜持がいい。トップスター側も、互いへのリスペクトと舞台への愛情が感じられる話ばかりで、これが現実ならいいのにね…… でも、舞台を見る側としては、そういう人間性を信じたいところもある。
「ここにいるぼくら」【2.5次元×俳優】メインキャラの一人が病気で無期限療養に入ることになり、代わりに2.5次元の舞台にでることになった琴平。2.5次元を知らなかったため、“キャス変”が、いかに大きな波紋を呼ぶか、気づかず引き受けたが、いつもと勝手が違い、なかなか舞台を自分のものにできないでいた。
「宝石さがし」【バレエダンサー×デザイナー】国際結婚し、義母の会社でデザイナーとして働く恵、その友人でバレエ教師のゆり、その娘で海外のバレエ団で挫折を経験したバレエダンサー美玖。美玖の日本での公演のため、恵が衣装をデザインすることになる。
「おかえり牛魔王」【派遣社員×アマチュア劇団】空気を読まず、定時で颯爽と職場から消える美しい派遣社員・桐ヶ谷。派遣社員のとりまとめ役となっている岩間は彼女の事情を知る。
「ダンス・デッサン」【ミュージカル×劇団員】劇団に所属し、日々ミュージカルの舞台に立つ瀬木。アンサンブルに満足していたが、名前のある役をすることになり、葛藤する。
「モコさんというひと」【2.5次元×観客】2.5次元の観劇を生きがいにする真美。モコさんという人とSNSで知り合ったが、コロナ禍を経て変わってしまったように感じる。
本筋とは関係ないが、「宝石さがし」で、美玖が選んだ曲が、ファニー・メンデルスゾーンのMelodie Op.4 No.2とあるのを見て、先日たまたまファニー・メンデルスゾーンの名前を耳にしたばかりだったので、不思議な感じを受けた。