乾ルカのレビュー一覧
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海と山で始まりやっぱり海と山で終わるんだ。何か経緯とか歴史が出るのかと身構えたが、それはもう理屈じゃない大昔からあるもの そういう事なんだって事。お互いが嫌悪感に気付きそこにいるのが分かる理解したって凄い でもあってもいい筈。どれもこれも不思議だけど、老木を見つけて掘るのと光のと邪念で割れるのと興味大、清子母が亡くなったのが残念 電車に乗らず命を守るリツと教師になって会いに行く清子 あー良い話だな ちゃんとしてるな 不思議だけで終わらせないなあーって乾ルカさんの守備範囲の広さ。順番付けれんけど、心音 花が咲くとき あの日に帰りたい メグル
わたしの忘れ物 明日の僕に風が吹く 良い凄くいい -
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有人(ゆうと)は幼い頃、機内で急病人が発生した際に、医師として名乗り出た叔父の姿に憧れを抱いて、医師になる夢を持っていたが、中二の時に起こったある出来事がきっかけで、引きこもりになってしまう。
北海道の離島、「海鳥の楽園」と呼ばれる照羽尻(てうじり)島の診療所で働く叔父の勧めで、有人は照羽尻高校を受験し、叔父と二人で暮らし始める。
家族のように屈託のない態度で接してくれる島民の人たちや、たった4人の級友たちに、しだいに心を開いていく有人だったが、突然の別れが彼を襲う。
「引きこもり」「離島」そんな言葉から想像される単純なストーリーではなかった。
高校生が5人しかいなくても、日々の暮らしの中で -
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スキージャンプという競技がよくわかる。競技者の喜びと苦悩が重層的に描かれ、読後感も心地よい。舞台は架空の町だが、土地勘のある者にはそれが下川町や名寄市であることはすぐわかるようになっている。気候や風景、生活感などのリアルな描写が嬉しい。
ドーケン先生のキャラが魅力的。スピンオフで「ドーケン先生の事件簿」とか書いていただけたら是非読みたい。
もちろん物語はフィクションであるが、ドーケン先生だけは実在のモデルがいる。作中にある「ドーケン先生が開発した小麦」についても、実際に『はるきらり』という品種が北海道で栽培されている。農業試験場について描かれた小説としても貴重である(と個人的に思っている -
購入済み
読後、タイトルにハッとした
螺旋プロジェクト7作目。
乾ルカの作品は初めてだったが、とにかく文体や表現方法が綺麗、と言うより最早“美しい”といった印象。ストーリーも然る事ながら、まず描写力に感銘を受けた。特に重要な人物の台詞は訛りが激つよの言い回しだが、何故だか読み易くスッと入ってくるのは、著者が言葉の響きや一文字一文字にかなり気を遣って言葉選びをしているからなのだろうと思う。
それに話の大筋から細かな部分にまで、螺旋プロジェクトのルールが巧みに落とし込まれていて、というかむしろ、一瞬その企画性みたいな部分を忘れさせる程の馴染ませ方が凄まじいと感じるほどだった。
現在、螺旋プロジェクトを通して読んでいる中で、TOP1、2 -
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心臓移植で助かった子の周囲の人視点で描かれる物語
メインの章六つと、プロローグ的な「終焉」とエピローグ的な「誕生」
終焉
第一章 若葉のころ
第二章 なぐさめ
第三章 気の毒な子
第四章 幸福の対価
第五章 バイオリニスト
第六章 私の音
誕生
第一章は、同じ時期に同じ病気で救う会を立ち上げたにもかかわらず、寄附金額が集まらずに助からなかった子の母親視点
助かった子と自分の子は何が違ったのか?という問い
初っ端からして重い……
募金活動中に聞こえる声
もう1回作った方がコスパ良くね?という言葉
私が子供の頃も似たような事を考えてたなぁ
まぁ今でも、そのお金を他の事に使えばもっと多 -
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ネタバレ乾ルカさんを読んだことがない人に一冊薦めるなら間違いなくこの作品。「プロメテウスの涙」「蜜姫村」も面白いけど、怖いのが苦手な人にはハードル高そうなので…。
10年ちょっと前にNHKでドラマ化されていたそうで(知らなかった…)、出演者のお顔を思い浮かべながら読むと没頭できた。
二号室 遠藤さんの「〜〜だよぅ」という話し方、おじさんなのになぜかかわいく見える。おじさんなのに。
三号室 石黒さん 生前タレントだった女性だけど、関わった仕事が次々ダメになりつくづく運がない。同居する長久保さんとの掛け合いが、長年連れ添った夫婦のようで楽しい。長久保さんが道を外れそうになったときは真剣に怒るし、資格取 -
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田舎の町に住む小学生の女の子2人の話。
2人は誕生日が同じ、生家が隣り合わせ、名前が「み」から始まるところも同じという「まるで双子?!」みたいな関係だけど、性格は正反対。
美耶のお母さんの気持ちが最後までよくわからず、母性本能がない人なのか?美耶が不思議な力を持つ子だからって事情なのか?(不思議な力がなければいいの?)なかなか感情移入できなかった。
逆に美奈子のお母さんの闘病末期の気持ちが切なかった。美奈子が成長していくところを見たかったよね…本当に切ない。
乾ルカさん作品を読んだことがない人におすすめするならこの本かな…と思っている。
(「プロメテウスの涙」「蜜姫村」もおすすめしたいけ -
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中学のときのある出来事がきっかけで目指していた目標も持てなくなり、家に引きこもって外に出ない生活をするようになった主人公の川嶋有人は、離島で医者をやっている叔父の雅彦の計らいで、北海道の島にある高校に通うようになる。
離島での仲間との生活や、離島の人々との関わりの中で一度閉ざした心がだんだんと開かれて行く様子がこの小説を通して描かれています。
高校の同級生や先輩とのやりとり、島に住む家族との交流には人間の温かさがあり、実に高校生らしいなぁと思う場面が多いです。
島に住む4人の高校生の友人たちもそれぞれ何かしらの事情を抱えていたりする中で、それらをお互いに理解するまでの過程とか、高校生の青春なら -
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あくまでも私の解釈となりますが。
生田羽中学校の生徒5人、+人生負け組新任教師の心の苦悩から『星』を見つけ出す小さな物語。
何も無い田舎。だけど
『生田羽は星を見つけやすい環境にあります。』
各生徒たちの悩みがリアルで、本当に幼い頃の自分も同じ感情を抱いていたような気がして当初の気持ちが蘇ります。
周りより自分は大人だ。周りの子は子供っぽい。
そう思っていること自体、子どもらしさなのに気付かず威勢を張ってみたり。
自分はなにか特別でありたい。
と思い周りとの違いを探してみたり。
はたまた大人になっていく友達の変化について行けず、一人心焦ったり。
今思えばその全ての経験のおかげで今 -
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人と比べてしまい、自分のことが見失ってしまいそうになるときに読みたい一冊。
全ての話が人間の醜くて、目を逸らしたくなる自分の姿と重なる。森番の青年の言葉は、救いの言葉ではなく、人を立ち上がりやすくする言葉選びがとても染みる。そして立ち上がるのは自分の意志だと気付かされる。
“生きなさい、そうしなければ今度は友達があなたを殺すことになってしまいます”は残された者には厳しい言葉だが優しさも含まれていて、早く次のページを読みたいと思えて、すごく面白い作品だった。何か理由をつけて逃げたい、でも実際は囚われていて自分が抜け出そうと思えないと逃げられない、その状況が今の自分と重なり胸が痛くなりながら読む手