乾ルカのレビュー一覧

  • 心音(しんおん)
    好きな作品
    初めなのに終わりを感じて、小説を読んでも考えたりする時間が長引かない私にとっては珍しくずっと心に残り考えてしまう作品。
    読む前と途中、読んだ後で考え方が変わりました
  • 明日の僕に風が吹く
    有人(ゆうと)は幼い頃、機内で急病人が発生した際に、医師として名乗り出た叔父の姿に憧れを抱いて、医師になる夢を持っていたが、中二の時に起こったある出来事がきっかけで、引きこもりになってしまう。
    北海道の離島、「海鳥の楽園」と呼ばれる照羽尻(てうじり)島の診療所で働く叔父の勧めで、有人は照羽尻高校を受...続きを読む
  • 水底のスピカ
    舞台は札幌のある高校、東京から容姿端麗にして頭脳明晰の女子が転入してくるところからストーリーが始まる。
    もしかして白麗ってあの高校がモデルなのかしら?と思いつつ読み進める。

    修学旅行や文化祭、真冬の吹雪の中、新港まで海を見に向かった美令を自由行動組の4人+藤宮先生が必死で探しに行ったり、春休みに夏...続きを読む
  • 明日の僕に風が吹く
    その人にはなれなくても、その人の生き方や考え方に憧れて、自分の在り方を決めたり変えたりすることはできるのかもしれませんね。
  • 花ざかりを待たず
    父のどうも身体の調子がよくないからと検査入院してから癌が発覚。
    余命一年と言われたが、あまりにも進行が速い。

    いつもちょっとした冗談を言っておちゃらけるところも変わらず、心配はさせまいとする父。
    母もセカンドオピニオンを受けたらどうかと言うほどであったのだが、一気に腹水が溜まり入院。

    結婚もせず...続きを読む
  • 向かい風で飛べ!
    スキージャンプという競技がよくわかる。競技者の喜びと苦悩が重層的に描かれ、読後感も心地よい。舞台は架空の町だが、土地勘のある者にはそれが下川町や名寄市であることはすぐわかるようになっている。気候や風景、生活感などのリアルな描写が嬉しい。

    ドーケン先生のキャラが魅力的。スピンオフで「ドーケン先生の事...続きを読む
  • 花ざかりを待たず
    最初の方は、乾さんらしくない内容でつまらないと思ったけど、最後の方の数十ページは大感動。乾さんの新境地に立った作品だった。ありきたりの状況をこんなにも上手く表現しており、流石ですね。
  • コイコワレ

    読後、タイトルにハッとした

    螺旋プロジェクト7作目。
    乾ルカの作品は初めてだったが、とにかく文体や表現方法が綺麗、と言うより最早“美しい”といった印象。ストーリーも然る事ながら、まず描写力に感銘を受けた。特に重要な人物の台詞は訛りが激つよの言い回しだが、何故だか読み易くスッと入ってくるのは、著者が言葉の響きや一文字一文字にかな...続きを読む
  • 四龍海城
    「四龍海城」という北海道近海の謎の城に拉致されてきた男子中学生2人、城を出て日本に戻るには「出場料」が必要で、それが何かを探るうちに、2人の間に友情が生まれる。

    いよいよ城を出られるときの2人のやりとりが切なかった。なんでああなるのよー!という思いでいっぱい。違う結末が見たかった。
  • コイコワレ
    螺旋プロジェクト
    第二次世界大戦末期の話のため、悲しさは避けられないけど、二人の少女の成長を感じた。
  • コイコワレ
    螺旋プロジェクト(私の中で)6冊目。

    今まで読んだ中で一番海族と山族の対立に対する心の葛藤に焦点を当てた作品だと思う。先が気になり一気読みした。
    対立する2人の少女が、それぞれ互いへの憎悪に苦しみながらも、それを乗り越えて自分を律していく様がとても丁寧に描かれていて感動的だった。螺旋プロジェクトの...続きを読む
  • 心音(しんおん)
    心臓移植で助かった子の周囲の人視点で描かれる物語

    メインの章六つと、プロローグ的な「終焉」とエピローグ的な「誕生」

    終焉
    第一章 若葉のころ
    第二章 なぐさめ
    第三章 気の毒な子
    第四章 幸福の対価
    第五章 バイオリニスト
    第六章 私の音
    誕生


    第一章は、同じ時期に同じ病気で救う会を立ち上げ...続きを読む
  • コイコワレ
    螺旋プロジェクト第5弾。

    昭和初期の戦時下の物語。

    海族の個人と山族の個人がぶつかる話でした。螺旋プロジェクトのこの作品より前の時代を描いた作品はどちらかと言えば、一族としての海族vs山族であったり、血統としての海族vs山族であったりしていたので、これまでの時代の話とはちょっと違うな、と感じまし...続きを読む
  • てふてふ荘へようこそ
    乾ルカさんを読んだことがない人に一冊薦めるなら間違いなくこの作品。「プロメテウスの涙」「蜜姫村」も面白いけど、怖いのが苦手な人にはハードル高そうなので…。
    10年ちょっと前にNHKでドラマ化されていたそうで(知らなかった…)、出演者のお顔を思い浮かべながら読むと没頭できた。

    二号室 遠藤さんの「〜...続きを読む
  • コイコワレ
    螺旋シリーズ4冊目。

    裏表紙とかのネタバレあらすじは極力読まないようにしてるけど、帯にある「相剋するふたりの美しい少女が目覚め、祈るとき、新しい世界の物語が始まるーー」だけは目が行ってしまったので、そこから女の子たちのあら〜、な展開かと思いきや、普通に山と海の対立バチバチで憎しみ合う上に、舞台は大...続きを読む
  • 六月の輝き
    田舎の町に住む小学生の女の子2人の話。
    2人は誕生日が同じ、生家が隣り合わせ、名前が「み」から始まるところも同じという「まるで双子?!」みたいな関係だけど、性格は正反対。

    美耶のお母さんの気持ちが最後までよくわからず、母性本能がない人なのか?美耶が不思議な力を持つ子だからって事情なのか?(不思議な...続きを読む
  • 水底のスピカ
     北海道札幌市内の高校に通う3人の女子高生の成長を描く群像劇。

          * * * * *

     スポットは美令、和奈、更紗の女子3人に当てられていますが、ヒロインは和奈で美令と更紗は準ヒロインという位置づけ。時おりクラスメイト男子の萌芽の視点が挿まれるのは、彼が和奈との淡い恋の相手だからでしょ...続きを読む
  • 森に願いを
    この森を散歩してみたいと思った。
    なんでもない日と悩んでどうしようもなくなった日と歩いてみて森の景色がどう見えるのか。
    そして森番の彼にも会いたい。挨拶をして、彼が教える森の話を聞き、その時間を味わいたい。
    たぶんサッと現れて、木々やバラの世話を手伝ってくれませんか?と言われそうです。
  • 水底のスピカ
    高校生青春ものか〜、と思って読み進めましたが、さすがは乾先生。得意の神を少しだけ入れ、ありきたりの青春ものをちょっと違った雰囲気にしています。あっというまに読んでしまいました。
  • 水底のスピカ
    人には言いたくない秘密、トラウマ、劣等感を抱えた女子高生 美令、和奈、更紗の青春物語。

    人は誰しもが心に何かを抱えていて、他人とどちらが不幸か比べながら生きている。
    その中でも、海、空、星等を感じて晴れやかな気持ちになれることもあるし、秘密を預けられる存在に出会えたり、人生なんだかんだ楽しいなって...続きを読む