乾ルカのレビュー一覧

  • 水底のスピカ

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    ネタバレ

    東京への修学旅行の自由行動にて、大半は遊園地や街中へ繰り出すところを、美令の案でプラネタリウムに行って楽しんでいる姿に好感が持てた。また、各々が土産物などを買う中、清太は星系の写真や豆知識が載っている日替わりカレンダーを買うところなんか微笑ましい。

    同じ匂い袋でも、持つ人間によって匂いが変わるという話が素敵だなと思った。そんな同じ匂い袋を持つ友達というのがいかにも学生時代の青春で羨ましい。


    「スピカさんは、誰もが認める特別な人だから、好きになったり友達になったりするんですか?」
    「他の誰もがつまんない普通の人だと言ったとしても、自分にとっては特別なんだって胸張れる人のことを、友達って言う

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    2024年12月21日
  • 灯

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    高校生のあどけなさと葛藤が忠実に描かれた作品だった。主人公蒼に共感したり、考え方の違いに驚いたり…高校時代のあの心許なく、でも未来が無限大に広がっている浮遊感を久しぶりに感じた。
    あの懐かしい時代を教えてくれた本作に感謝!!

    主人公蒼は、1人でいることを好む。彼女の親は会社が忙しく、蒼はそれもあって1人で何でもこなせ1人が苦ではないのだった。
    そして小学4年生のとあるときに同級生の米田から『夜間街光調査官』の話を聞き、蒼はその調査官になりたいと強く思うのだった。
    時が経ち高校生になった蒼は、学校で小学校時代の同級生冬子と同学校の定時制に通う米田に再会する。蒼は、母親めぐみとの間に考え方の違い

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    2024年12月18日
  • コイコワレ

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    文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい
    その他◯

    螺旋プロジェクト。
    二人の少女の心理戦というべきか。
    なぜか憎み合い、決して心通わせることのない二人の物語。
    読み応えありました。

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    2024年12月13日
  • 灯

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    感想
    人とは違う自分。それを受け入れる友達の凄さ。何処に向かうのか分からない自分。見つかって良かった。


    あらすじ
    相内蒼は母子家庭で育った。他人と交わるのが苦手で子供食堂を経営する社交的なめぐみとは正反対の性格だ。

    高校生になり、小学生の頃に一緒だった米田と再会する。米田は同じ高校の定時制に通っていた。小学生の頃、彼の父親が夜間街灯調査員をしていると聞き、蒼はそれになりたいと思っている。

    蒼は米田の助けがしたくて超弱小野球部に入る。活動するうちに他の部員や女友達に、米田のことが好きだと勘違いされる。

    蒼は、仲良くしてくれた冬子に、一人が好きなことを正直に伝える。理解ある良き母親でいた

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    2024年11月11日
  • コイコワレ

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    螺旋プロジェクト6冊目。
    「コイコワレ」というタイトルの意味が分からないまま読み始めた。読み終えると、このカタカナの5文字の意味が分かった気がした(正解は分からないけれど)。私もどうしても好きになれない人はいたことがある。でも気になって不器用にお互いが近づこうとしたこともあった。でも結局本当に理解できない理由で去っていった。憎い相手にほど親切にしなさいという清子の母の教えは普段「全員に好かれる必要はないよ」と娘に声かけている私をハッとさせた。

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    2024年11月04日
  • 灯

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    ページが進むにつれ、自分が蒼になったような気がして。
    「でも、仲直りは私には必要なかった。
    夜間街光調査員になるために必要じゃなかったからだ。」
    そう!蒼は、自分の力でしたい事が、できる!

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    2024年10月25日
  • 灯

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    普段、ミステリーとか警察小説、妖怪物ばかり読んでいるから、青春小説はなんとも言えない気持ちになって、自分の昔が過ったりして、思春期ってこんなだったわと思い出され、悶絶しました(笑)

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    2024年10月19日
  • 灯

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    屋上から見渡す夜の街。家の灯りが一つひとつ灯る景色を一人眺める蒼。静謐さに満たされた空間で、日常の緊張を解くひととき。羨ましく思えた。人疲れを感じた時に読みたい一冊。

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    2024年10月14日
  • 灯

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    初読作家さん(多分)。
    すごーく、良かった。

    蒼ちゃん、娘にしたい。
    蒼ちゃんの人間嫌いでは無いけど、ドライな感じが私は大好き。
    別の感覚で冬子ちゃんも好きだけど。

    めぐみとめぐみの母親を足したような感性の母親に育てられた私は最後の蒼ちゃんの決断が大変気に入った。

    関さん(わかってるようでわかってない人)の蒼ちゃんに対する、ズレた評価も私にはとても滑稽でよかった。

    蒼ちゃんに目指す場所があって良かった。

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    2024年09月29日
  • 灯

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    一人が好きな蒼。
    周りにすごく恵まれている。
    特に冬子ちゃんがいてくれたことは大きい。
    この先彼女にどんな灯りがともるのだろう。

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    2024年09月26日
  • 灯

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    読み始めはこんなに心を打つお話だとは思わなかった。

    わかりあえない母親や何でも勝手に決めつけたがるクラスメート達とは関わりたくない相内蒼。1人でいる時間が好き。誰かとずっと一緒にいたら息が詰まる。唯一の楽しみは夜の街灯を数えること。

    そんな彼女を少しずつ変えていく小学校の時のクラスメートでもあり、創生高校でもクラスメートとなった坂本冬子。そして創生高校の定時制に通いながら野球部で1勝を目指す米田君。蒼が憧れる「夜間街光調査官」の仕事の話を小学生の時に彼女に話した彼である。

    冬子に誘われ仲良しの女子グループが出来てその上野球部に入部するのは大きな進歩である。そして小学校の時から気になってい

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    2024年09月11日
  • 灯

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    小学4年のとき、同級生に「父親が“夜間街光調査官”として働いている」という話を聞いて以来、すっかりその謎の職業に魅せられてしまった蒼。母子家庭だが母親との関係は薄く、人と一緒にいるのが苦手で孤独を愛する彼女の高校生活を描いた作品だ。
    ちょっとシゾイドパーソナリティ障害を疑う蒼の生きにくさと、街の灯に希望を見出す姿が痛い。米田と冬子という2人の存在が彼女にとてもよい影響を与えていた。ラスト1行で胸が一杯になった。
    乾さんの高校生ものということで身構えてしまったが、いじめやスクールカーストは出てこない。続篇希望。

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    2024年09月06日
  • コイコワレ

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    螺旋プロで小生初、乾ルカさん。こんな温かい話が書ける方なんですね。昭和初期の女子小学生同士の海と山の戦い。苦手な人にどう接したら良いか、大人になって読んでも、ハッと気づかされました。

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    2024年08月12日
  • コイコワレ

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    ネタバレ

    苦手な人とは距離を置く。挨拶と最低限の会話はするけれど、必要以上に近づかない。笑顔を見せない。それが最善だと思っていた。

    物語の中で源助老人はリツをこう諭す。
    「本当に強い者は、憎しみを相手さ向げね。その、自分の憎しみど戦う。」と。
    清子の母親はこう語りかける。
    「嫌いな相手には特に意識して、誰よりも丁寧に、親切になさい。」と。

    この二人の言葉を肝に銘じたい。

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    2024年08月05日
  • アンソロジー 舞台!

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    【日常の中にいる、クララとドロッセルマイヤー】

    ミュージカル、2.5次元、バレエ、ストレート・プレイ……様々な舞台を題材に描かれた5編が収録された短編集である。

    ただ、「華やかで遠く感じる『舞台』というその空間は、自分という役を生き、誰かの人生に思いを馳せる私たちにとって、意外に身近な場所なのかもしれません。」という扉に書いてある触れ込みって、読んでみたら結局、3編目の白尾悠「おかえり牛魔王」だけの話なんとちゃうのん?と感じた。

    毎日定時で退社する、社内の人付き合いも忖度もへったくれもない後輩の派遣社員、桐ヶ谷を探るうちにその演劇の指導者しての並々ならぬ実力に触れ、自らも演劇に助けられた

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    2024年07月15日
  • アンソロジー 舞台!

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    舞台をテーマにした5作の短編。
    舞台を見る人なら、いろいろとわかる!と思うことあって楽しく読めると思う。

    『ここにいるぼくら』
    2.5次元舞台に出演することになった主人公。しかし、その役はシリーズもので、彼はいわゆるキャス変だった。
    いやー、2.5のキャス変は私も経験あるからわかるなー。(見る側だよ、もちろん)演者側からの立場として読んでて面白かった。

    『宝石さがし』
    バレリーナと衣装デザイナーの話。
    舞台の衣装って、いろいろなことを考えて作られているのと同時に、演者にとってはその役になるために、舞台に立つ上ですごく大切なんだなって感じた。2人の関係性がとても素敵だった。

    『おかえり牛魔

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    2024年05月16日
  • 妖し

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    〈怪異〉をテーマに描く、奇譚アンソロジー。アンソロジーって色んな作家さんの話を読めるからお得感がある
    不思議な話もあったけど、一番最後の小池真理子の話は強さがぶっちぎりだった…
    背筋がぞぞーっとして鳥肌がすごかった。
    不思議と恐怖というのはグラデーションで、たぶん私がそんなに怖くない、特に不思議ではないというような感想をもつ話も他の人からすればすごく怖い!不思議すぎてわからん!ってなる話もあるんだろうな
    色んな人に読んでもらって一番好きな作品とか語り合うのが楽しい本だと思う

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    2024年05月11日
  • てふてふ荘へようこそ

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    ずーと長い間積読だった本。
    ようやく手にとって読みました。
    が、読み進み始めて何処かで知っているような、見たことがあるような気がして検索してみたら、10年以上前にドラマになっていたではありませんか。
    それで、ようやく自分の既視感に納得が出来ました。
    このドラマ、見ていました。好きだったんですよね。面白かったし。

    てふてふ荘
    家賃、月一万三千円
    間取り、2K
    敷金·礼金、無し
    管理費、無し
    トイレ、風呂、玄関が共同
    そんな古いアパートが舞台の物語。
    面白かったし、じんわりと優しい気持ちにさせてもらいました。
    ちょっと特殊な大家と住人も素敵でした。

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    2024年05月05日
  • コイコワレ

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    私にとっての螺旋プロジェクト第一弾最後の作品!!!

    長かった、実に長かった・・・

    伊坂幸太郎さんや朝井リョウさんの作品はサクッといけたのにその後少しテンポが悪くなり、今に至ります。(全部私の不徳の致すところです)

    第二弾もあるようですが、もちろん其方も読みたいと思います!!!

    実に、8巻は長かった!!!



    時代は大戦末期!
    東京から宮城の田舎へ疎開する事になった浜野清子は運命の相手、那須野りつと出会う・・・

    螺旋プロジェクト既読の人はわかると思いますが,この二人が今回の海と山!

    今回はこの二人が物語のダブル主人公!!
    そんで、螺旋プロジェクト屈指の対立度合い!!!

    偶々ですが

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    2024年04月10日
  • おまえなんかに会いたくない

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    ネタバレ

    高校時代のカースト最下層の意識過剰気味な女子が同窓会で一軍に復讐する話。
    コロナと遺言墨っていう都市伝説が絡んで皆んなおかしくなっていく。結果反省する人は反省して、追い詰められて宗教にハマる人もあり。
    私の身近でイジメはなかったと思ってるけど、もし仲間外れにされたと思っている子がいたとして、ずっと同級生を恨んで生きていたら、それは時間の無駄でしかないと思う。やった方はそんなこと忘れて生きている。すぐに転校とかするのがいいのかな…
    学生のカーストは見た目でほぼ決まるけど、結局1番強いのは皆んなに分け隔てなく明るい人。明るい人には勝てん。

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    2024年03月27日