【感想・ネタバレ】灯のレビュー

あらすじ

「なんて綺麗な灯りだろう。これが私の友達」。
わかり合えない母親や、うざいクラスメート。
誰とも関わらずひとりで生きたい。
人生の〝スヌーズ〟を続ける相内蒼、高校二年生。
その出会いは、彼女の進む道を照らしはじめた――。

北の街・札幌を舞台に、臨場感溢れる筆致で激しく記憶と心を揺さぶり、光溢れる傑作青春小説!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

弱くて強くて、子供のようで大人より物事をよく見ていて、鈍感なようで繊細な高校生。自分の個性を認識していく過程で生じる葛藤に共感した。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

元々読書は嫌いではなかったが、読書感想文を書くために選んだだけだった為、正直そこまで期待はしていなかった。しかし、読み終わった時この本を手に取って良かったなと心から思えた。
第十章あたりまでは夜間街調査官がテーマだと思い込んでいたため、灯という作品名にしたのだと勝手に解釈をしていた。しかし、蒼にとっての本当の灯とは米田や冬子などの存在自体だったということに気付かされた。
読書感想文には勿体無いくらい人生において気付かされることの多い作品だった。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

友達が良いね

自分の方が大人だって思っていたら、実は子供だったって気づかせてくれる、友達が欲しかったな。

あれ?自分にも居たのに、それにも気づかなかったのかな?

なんて、思いながら読んでました。

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2024年09月30日

Posted by ブクログ

人と関わる事う好まない蒼が、友人の話に影響され、夜間街光調査官という架空の職業に憧れていく様が興味深かったです。
信念を持つことも、人と繋がることも生きていく上では必要なことなのだと思いました。
明るい家の光が灯せますように

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2024年09月26日

Posted by ブクログ

この本の主人公蒼と、『成瀬は天下を取りにいく』の成瀬は、周りの人との共感力が小さいという意味では、よく似たキャラクターであるように思う。
周りを気にせず、「我が道を行く」という点でもよく似ているのだろう。
しかしあちらがベストセラーになって本屋大賞もとるのに、こちらがそうでないのは、成瀬が目指すものが、一般人の私たちにとってわかりやすく、ある意味「俗っぽい」からなんじゃないだろうか。西武の大津店の閉店セールに一月通い続け、ローカルテレビの撮影に写り続けるということは、蒼が「夜間街光調査官」になるために、無名大学に進学することと、自分なりのロマンとこだわりをかたちにする・・・という意味では変わりないし、その現実的な意味での不毛さもそう変わらないはずだ。しかし成瀬の行動は、ある程度の人の着目を浴びて、その後の「びわ湖観光大使」というよりオフィシャルな地位にもつながっていったのに対し、おそらく蒼のほうはもっとごくごく狭い範囲の友人の共感を得るにすぎない。

成瀬のほうは、おそらく「プロジェクトX」のように、人知れず自分の道を進み、ほとんどは誰にも知られずに終わる人々に、スポットライトがあたったら良いな という人々の希望と妄想に基づくファンタジーなのだろう。
一方、こちらは、世の中にそんな仕事があるわけないと知りつつも、その妄想にとどまろうとする、ある意味より現実路線が描かれているのだろうと言える。

それでもこの作品が単に、妄想にしがみつきながら、現実に押し殺されていくかわいそうな女の子というだけに終わっていないのは、自分の夢のために子どもを犠牲にしながら、子どもにそれをうまく納得させようとしてきた親からの自立を描いているからなのだと思う。その自立のために必要なファンタジーとしての「夜間街光調査官」を成り立たせようとする主人公と同じ位置に立ちながら、彼女をささえてくれている友人たちに、読者も支えられるという構図になっているように思う。

そうした友人の代表格が冬子さんだが、この子のありえないくらい「良い人」像のリアリティを支えてくれているのが、きつい言葉を向けてくる看護助手の関さんだ。

この本は終始、蒼の視点から語られるが、『水底のスピカ』のように、これらの友人の視点からの物語で補完されることによって、よりリアリティが高まるのかもしれないとも思う。

ぜひ続編が読みたい。冬子や米田の支えがなくなっても、彼女がどこまで強く生きていけるのか、見てみたい。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

個人個人がいいと思っていることでも、他人が同じとは限らない。親子だって。一人一人好きも嫌いも違うってことに気付かないとね。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

高校生のあどけなさと葛藤が忠実に描かれた作品だった。主人公蒼に共感したり、考え方の違いに驚いたり…高校時代のあの心許なく、でも未来が無限大に広がっている浮遊感を久しぶりに感じた。
あの懐かしい時代を教えてくれた本作に感謝!!

主人公蒼は、1人でいることを好む。彼女の親は会社が忙しく、蒼はそれもあって1人で何でもこなせ1人が苦ではないのだった。
そして小学4年生のとあるときに同級生の米田から『夜間街光調査官』の話を聞き、蒼はその調査官になりたいと強く思うのだった。
時が経ち高校生になった蒼は、学校で小学校時代の同級生冬子と同学校の定時制に通う米田に再会する。蒼は、母親めぐみとの間に考え方の違い等から違和感をずっと感じていて、モヤモヤした期間をずっと過ごしていたのだった。しかし彼らに接するうちに、野球部にも属し徐々に心を開き始めていく。それはまるで蒼の心のなかに、"灯"が灯っていくような温かいものだった…
果たして彼らの行く末はー。
蒼は、母親との軋轢にどのように向き合っていくのか。そして『夜間街光調査官』になれるのかー。

本作を通して自分を他人に理解してもらえる難しさを痛感した。その反面、自分を理解してもらえたからといって、むずがゆく居心地が悪くなることもある。
だから蒼の近くにいて寄り添ってくれた米田や冬子という存在は、とてもかけがえのないものだと強く思う。
そして蒼という自分を曲げず、自分の気持ちに素直な少女に出会えて、とても勇気をもらえた。

みんながこれからも迷いながらも、
自分の道を突き進んで行けますように…

p.218 灯り
「灯りがもし見られたら、私はその小さな輝きを一生大事にするのだ。二つとない宝物みたいに、生涯そばに置く。そして、いつまで続くか知れない私の時間の中で、迷った時、足が止まった時、疲れ切ってうずくまった時に、胸の中から取り出して眺める。そうしたらきっと、もう一度歩き出せる気がする。」

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2024年12月18日

Posted by ブクログ

感想
人とは違う自分。それを受け入れる友達の凄さ。何処に向かうのか分からない自分。見つかって良かった。


あらすじ
相内蒼は母子家庭で育った。他人と交わるのが苦手で子供食堂を経営する社交的なめぐみとは正反対の性格だ。

高校生になり、小学生の頃に一緒だった米田と再会する。米田は同じ高校の定時制に通っていた。小学生の頃、彼の父親が夜間街灯調査員をしていると聞き、蒼はそれになりたいと思っている。

蒼は米田の助けがしたくて超弱小野球部に入る。活動するうちに他の部員や女友達に、米田のことが好きだと勘違いされる。

蒼は、仲良くしてくれた冬子に、一人が好きなことを正直に伝える。理解ある良き母親でいたがる母にイラついていたが、ある日、母が乳がんであることが分かる。

地元ローカル番組に取り上げられた米田の放送を見て、米田が小さい頃に小児がんだったことが分かり、ショックを受ける。

蒼が3年になった夏の大会、米田がエースの創生高校は10数年勝っていなかったが、西川高校についに競り勝つ。

友達の助言もあり、何がやりたいか分からなくなっていた蒼は、夜景研究をしている大学に行こうと決め、必死の勉強で合格を勝ち取る。そこには米田の支えがあった。

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2024年11月11日

Posted by ブクログ

ページが進むにつれ、自分が蒼になったような気がして。
「でも、仲直りは私には必要なかった。
夜間街光調査員になるために必要じゃなかったからだ。」
そう!蒼は、自分の力でしたい事が、できる!

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2024年10月25日

Posted by ブクログ

普段、ミステリーとか警察小説、妖怪物ばかり読んでいるから、青春小説はなんとも言えない気持ちになって、自分の昔が過ったりして、思春期ってこんなだったわと思い出され、悶絶しました(笑)

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2024年10月19日

Posted by ブクログ

屋上から見渡す夜の街。家の灯りが一つひとつ灯る景色を一人眺める蒼。静謐さに満たされた空間で、日常の緊張を解くひととき。羨ましく思えた。人疲れを感じた時に読みたい一冊。

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2024年10月14日

Posted by ブクログ

初読作家さん(多分)。
すごーく、良かった。

蒼ちゃん、娘にしたい。
蒼ちゃんの人間嫌いでは無いけど、ドライな感じが私は大好き。
別の感覚で冬子ちゃんも好きだけど。

めぐみとめぐみの母親を足したような感性の母親に育てられた私は最後の蒼ちゃんの決断が大変気に入った。

関さん(わかってるようでわかってない人)の蒼ちゃんに対する、ズレた評価も私にはとても滑稽でよかった。

蒼ちゃんに目指す場所があって良かった。

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2024年09月29日

Posted by ブクログ

一人が好きな蒼。
周りにすごく恵まれている。
特に冬子ちゃんがいてくれたことは大きい。
この先彼女にどんな灯りがともるのだろう。

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2024年09月26日

Posted by ブクログ

読み始めはこんなに心を打つお話だとは思わなかった。

わかりあえない母親や何でも勝手に決めつけたがるクラスメート達とは関わりたくない相内蒼。1人でいる時間が好き。誰かとずっと一緒にいたら息が詰まる。唯一の楽しみは夜の街灯を数えること。

そんな彼女を少しずつ変えていく小学校の時のクラスメートでもあり、創生高校でもクラスメートとなった坂本冬子。そして創生高校の定時制に通いながら野球部で1勝を目指す米田君。蒼が憧れる「夜間街光調査官」の仕事の話を小学生の時に彼女に話した彼である。

冬子に誘われ仲良しの女子グループが出来てその上野球部に入部するのは大きな進歩である。そして小学校の時から気になっている米田君の試合に出て投げたい!という願いを叶えるべく部員の前で意見をするほどに変わっていく蒼。内心「めんどくさ〜」と思ったのは本音なんだろう。それでも米田君が投げて1勝を勝ち取った場面はウルウル。ザ・青春という感じですね。

母親の推す国立H大学を受けずに自分の勉強したい事を見つけて関西の大学を受験するのも、米田くんとのことも読みながら応援してしまった。


冬子も米田君も蒼の世界に灯をともしてくれた存在。冬子のようなお友達がいて蒼は世界が広がったはず。医師を目指す冬子、定時制だからあと1年高校に残る米田君。そして自分の夢を叶えるべく、関西の大学に進学する蒼の今後にエールを送りたい。

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2024年09月11日

Posted by ブクログ

小学4年のとき、同級生に「父親が“夜間街光調査官”として働いている」という話を聞いて以来、すっかりその謎の職業に魅せられてしまった蒼。母子家庭だが母親との関係は薄く、人と一緒にいるのが苦手で孤独を愛する彼女の高校生活を描いた作品だ。
ちょっとシゾイドパーソナリティ障害を疑う蒼の生きにくさと、街の灯に希望を見出す姿が痛い。米田と冬子という2人の存在が彼女にとてもよい影響を与えていた。ラスト1行で胸が一杯になった。
乾さんの高校生ものということで身構えてしまったが、いじめやスクールカーストは出てこない。続篇希望。

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2024年09月06日

Posted by ブクログ

高校生位の時に読んだらまた感想が違ったんだろうなって思いました
この主人公の友達も受け入れてくれてすごいなって思いました

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

一人でいることが好きで、誰かとずっと一緒にいると疲れてしまう主人公の蒼ちゃん。
高校生なのに、ちゃんと自分がしたいこととしたくないこと、したくなくてもやらなくてはいけないことがわかっていて
本当にすごいと思う。
高校生らしい視野の狭さや、少々危なっかしい所があっても
自分をちゃんと大切にしているから、不安なく読み進められて
どんどん蒼ちゃんの事が好きになってくる。
一人がいいと迷いなく言う蒼ちゃんが
本当に好きな人が出来て孤独を知った時、
どんなことを感じるのだろう。
大人になった蒼ちゃんに、いつかどこかで会いたいな。
(熱烈続編希望!)

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

なかなかに頑固だな、蒼。それでも友人たちに恵まれて、心に残る高校生活が送れたっぽい。自分の思うように生きてもいいじゃない。これから先が楽しみだ。

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

こんなに変わり者の女の子が、誰からも虐げられないでクラスでもいい友達に恵まれるというのはまさに奇跡だし、ちょっとおとぎ話に近いのではないか。母娘の確執も母親があまりにも独善的で読む側に主人公の肩入れをさせようとしているように思えてなんともかんとも。

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2025年01月08日

Posted by ブクログ

何だかスッキリしない。

母めぐみの愛し方は理解に苦しむ。
最後の雪かきで救われるが、それでこれまでの言動ごチャラになるとは思わない。

蒼には米田くんが居てよかった。

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2025年01月03日

Posted by ブクログ

ひとりが好きって強くていいな。
蒼が学びたいことを見つけられてよかった。この母親はおかしいと私は思った。子供に寄り添ってるふうで全然違う。虐待に近いと言ってもいいんじゃないか。自分の子供のこと、好きじゃないんじゃないかとさえ思えた。ま、最後に雪かきしてたのは認めましょう。米田くんが所々で救いをくれるのが良い。

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2024年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

蒼はとにかく一人が好きな女の子。友達と一緒にいても何だか息苦しい。修学旅行も行かずに過ごした。そんな蒼の心の支えは夜に街の灯りを数える仕事に就くこと。そんな仕事、現実にはないけど子どもの頃の同級生から聞いたその職業にずっと惹かれていた。

登場人物のセリフが心に残るものが多かった。蒼の友達、冬子が本当にいい子でちょっとずるくて好きだ。蒼が一人でいるのが好きと聞いても、私は蒼ちゃんと一緒だったら嬉しいなと自分の気持ちも伝えられる強さ。でも押し付けじゃないところも良い。
あとは定時制に通っている看護師の関さんも良かった。最初はなんなんだこのズケズケ言ってくる人は!と思ったけど、自分は人とは違うって思ってるでしょという一言にグサっときたのは蒼だけではないと思う。

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2024年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夜間街光調査官って自分も途中まで本気で実在する職業だと思ってました笑

灯ってタイトルは、目に見える物理的な灯ではなく、米田の存在そのものだったのかなと感じました。
蒼を確かに照らして支えになってくれた、道標となってくれた米田って良い奴やなと思いました!

蒼の1人が好きというところも含め、価値観にめっちゃ共感出来ました!

あと地元が本に出てくるのも嬉しかった笑

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2024年10月28日

Posted by ブクログ

受験日の前日に性交しようと誘われたら、どんなに好意ある相手でもクソだなって思いませんか?AセクAロマの話なのだと思って読んでしまった故(※そう読める余地は潤沢にあります)に、突っ込みをいれたくなってしまった。
某北海道大学のように、教授が退官してその憧れの准教授もクビになったりしない?等も心配になってしまう。

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

装幀を上下に開くと、屋上らしき場所で灯りを見つめる女性の姿が。

誰とも関わりたくない、一人で生きていきたいと願う主人公・相内蒼の凛とした想いが伝わって来るようだ。

シングルマザーで起業家の母と二人で暮らす蒼だが、家庭に温かみは感じられない。
自分の信念を貫く為、娘より仕事を優先する母親の姿に終始疑問が拭えなかった。

母親の行動は一種のネグレクトに思え、孤独を愛する様になった蒼の背景を想像し、切なさで胸が詰まる。

友人・冬子と、野球部の米田虎太郎の存在がいい。

この年代ならではの苦味と気付きが詰まった瑞々しい青春小説。

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2024年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人といるのが苦手な蒼、シングルマザーのめぐみの行動力に影響を受けながら少しずつ不満が育っていく。親子として母としてのめぐみの生き方の勝手さとそのあなたのため的な発言に呆れてしまった。
蒼は小学生の時の同級生米田の父の夜間街光調査官という仕事を心の支えにしていたが、それが結局大学進学の決め手になるのが良かった。他人に合わせることなく自分を貫く蒼、それでも心を通わせる友が出来たことがほんとうに嬉しい。

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2024年09月28日

Posted by ブクログ

人と関わることが苦痛で、出来るだけ一人でいたいと思う蒼。
その気持ちはなんとなくわかるんだけど、「周りの人にとても恵まれていることに気付いてる?」と聞きたくなってしまうような場面が多数。
学校や家庭でいつも気にかけてくれる人がいて、決して孤独になることはない状況なのだから。
同じ高校の関さんが同じような内容のセリフを言ってくれて、スッキリした。
主人公に共感しきれない物語は、やっぱりなかなか感情移入できないみたい。
その代わり、友だちの冬子や米田君は人間性が素晴らしくて魅力的。
蒼ちゃん、あなたは周りに恵まれているんだよ。



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2024年09月16日

Posted by ブクログ

感想
青さと臭さ。どれだけ爽やかに恋をしていても。僕たちは人間で、生き物。だからこそ魅力的だし立体的な人間になる。そこから始める。

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2024年08月24日

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