谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 細雪(上)

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    大阪の旧名家だった、四姉妹の日常を描いた始まりの本。 鶴子(長女、本家、既婚)、幸子(次女、既婚)、雪子(三女、未婚)、妙子(四女、未婚)で、主に出てくるのは、次女〜四女。 事件といえば、雪子の縁談が破談になるくらいで、あとはお金持ちの旧家らしく、優雅な京阪神ライフが描かれてるのだけど、人情味ある話なので、飽きなく読ませてくれます。 文章が綺麗で、いつの間にか自分も四姉妹と一緒に昔の京阪神にいる気持ちになってしまう。

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    2022年12月01日
  • 金色の死

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    ネタバレ

    解説によると、新しい思想、文化の出現、私生活での千代夫人をめぐるトラブルなど、谷崎にとって大正期(関東大震災まで)は試行錯誤の時期だった。

    理想の芸術の実現を目指す「金色の死」、撮った覚えのない映画にまつわる「人面疽」、学級を支配する生徒についての政治的な「小さな王国」、6ページに及ぶ足の描写にあっけにとられる美脚賛歌「富美子の足」、探偵との会話によって次第に真相が明らかになる「途上」など、いろいろなタイプの作品が収録されているが、どれも後の作品に通じる要素を含んでいる。(一見まじめに思える人物が、急に変貌する(正体を現す)というのもそのひとつ)

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    2022年09月20日
  • 細雪(中)

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    久しぶりに手に取り、一気に引き込まれた。戦前の芦屋の有産階級の日常が、芦屋の言葉で語られるさまがとても魅力的。

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    2022年09月08日
  • 細雪(下)

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    ネタバレ

    下巻は、雪子の二度の見合いと、妙子の赤痢と妊娠と死産が中心。控えめな雪子と行動的な妙子が対照的に描かれ、幸子はそれぞれに頭を悩ませる。子爵の一族に嫁いでいく雪子と、バーテンダーと夫婦生活を始める妙子の結末も対照的。

    大垣の親戚家族との蛍狩りのシーンが幻想的。

    見合いの世話をする井谷、丹生の両夫人の会話がテンポよく、見合い相手の橋寺、御牧との掛け合いも面白い。

    巻末の回顧では、刻々と変わる時勢のなか、自動車や列車の料金や芝居の場所や演目、映画のタイトル、大水害の様子などを調査し、あらかじめ時系列にあらすじをまとめ、だいたい予定どおりにいったと書いている。また、頽廃的な面が書ききれなかったが

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    2022年09月03日
  • 細雪(中)

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    ネタバレ

    中巻は妙子の恋愛事情を中心に、舞の会、阪神の大水害と写真師板倉の救出劇、隣に住むドイツ人シュトルツ一家の帰国、東京での台風、奥畑と板倉の確執、板倉の手術と死など。

    上流社会は世間体を非常に気にして少しでも悪い噂が立つのを恐れること、何事も本家、夫、両親の了解を得ないと事が進まないことなどがうかがえる。

    つらつらと人物の心情や事情が綴られるので、国語の授業的な解釈の必要がない。

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    2022年09月03日
  • 細雪(上)

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    ネタバレ

    大阪の商家・蒔岡家の四姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子の人間模様を描いた小説。日中戦争勃発前後の時代ながら、時局の影もほとんど感じさせず、幸子は二人の妹の結婚に頭を悩ませつつも、のんびりとした日々を送っている。

    長い小説ではあるが、なにかと事件が起きるので飽きずに読める。ときに可笑しく、ときに感傷的なホームドラマ。

    また、(上流社会のものではあるが)当時の風習や価値観などがうかがえるのが興味深い。昔の人はのんびりしていたらしい。見合いの前に興信所に頼んでかなり詳しく相手方の身元を調べていたり、引っ越しの見送りに百人近く人が来ているのに驚いた。新潮文庫の注釈が詳しいのも良い。

    「何しろ本家の連

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    2022年09月03日
  • 細雪(下)

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    ネタバレ

    雪子ちゃんの身が固まったようでよかった〜
    こいさんの出産シーン、短いけど最後に本当に悲しい気持ちになった

    蘆屋の3人姉妹の周りで起こるヒューマンドラマが楽しい3巻でした。

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    2022年08月19日
  • 刺青・秘密

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    腕利きの彫物師である清吉
    彼に見染められた娘は背に刺青を彫られていく
    そして、背の刺青が完成するに至り「娘」は幾多の漢たちを足踏みにしていくような「女」に変わっていく

    清吉が本当に女に望んだものとは…

    その妖艶さに惹かれて何度も読み返してしまう

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    2022年07月26日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    谷崎潤一郎の小説を読んでいると、最近の「私、○○フェチなんだー」というのがとても軽々しく感じます。
    フェティシズムとは元来こういう物だったのだとおもいしるというか。

    しっとりとした女性の色気、質感、姿形をパーツひとつひとつに着目しつつしつこい程に語っていますが、描かれる欲望と反して描写はなんとも上品で美しい。
    谷崎潤一郎の話はどれも好きですが、この本の中なら『富美子の足』が特に好きです。

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    2022年07月11日
  • 谷崎潤一郎犯罪小説集

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    収録作は「柳湯の事件」「途上」「私」「白昼鬼語」の4作品。女性が出てくると怪しくて美しい世界観に一気に引き摺り込まれる感じがする。

    「白昼鬼語」が4作品の中で1番長くて読み応えがあった。オチが予想外でびっくり。

    犯罪小説として1番面白かったのは「途上」。探偵がある男を追い詰めていく様が痛快だった。

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    2022年06月16日
  • 細雪(中)

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    細雪の谷崎潤一郎の描写はどれも読者が情景をイメージできるように書かれていて素晴らしいと思っていたが、洪水のシーンはそれが顕著で特に驚いた。
    自分は洪水の中を歩いたことがないのでイメージすることしかできないけれど、貞乃助が「どす黒く濁った、土用波が寄せる時の泥海」をかき分け進む様子がありありと想像できた。

    最後の方の板倉さんに関するバタバタは衝撃的だった。こいさんどんな人と結婚するのか、下巻が楽しみ。

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    2022年06月15日
  • 春琴抄

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    多分気持ち悪いのだけれど綺麗なのは何か。

    春琴も佐助も一貫しているから成り立つ究極さだと思う。いや、佐助の方がなのかもしれないけどまあいい。
    春琴は我が儘だけど才があって聡いから確かに疎まれるだろうが私みたいな人間は受け入れざるを得ない。

    所々の佐助の主観的誇大表現(恐らく)みたいなのが面白い。だよね、という笑

    そして年譜を見てもさっぱりなので時代がどうとかはわならないが、難しい単語(古語と言ったら怒られるのだろうか)が多い割に文脈と想像で補填できるレベルなので読みやすい。

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    2022年06月05日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    5年以上前に買った本を再読したので、この度感想を書くことにしました。
    これだけ「〇〇フェチ」という言葉が浸透した現代の日本ですが、谷崎潤一郎がいなければこうじゃなかったのかもしれないと思いました。(というか、きっとそうですよね。)
    まさにフェチ界のレジェンド。
    『富美子の足』では、足の描写に5ページ余りも使っています。そして、その描写のなんと艶かしいこと…。
    とても面白く、楽しい読書体験になりました。

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    2022年05月29日
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー

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    谷崎の作品に対する様々な視点が沢山あり、面白い。最近は近代作品ばかりで離れていたけど、また読もうかなという気持ちになりました。

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    2022年05月13日
  • 吉野葛・盲目物語

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    ある理由から谷崎潤一郎氏の吉野葛を読む必要ができた事から読んだのであるが、思いの外地元奈良を書き写すことに成功しており引き込まれた。
    国栖の紙漉きや義経千本桜の初音の鼓、津村の母が嫁いだ島之内と奈良を結び付けるのに暗がり峠が持ち出されたり、と奈良の歴史を理解する上でも重要な要素要素が上手に散りばめられており谷崎氏の才覚が遺憾なく発揮された所であることがわかった。地元奈良は何故にこれに触れぬのか理解しがたい。
    舞台、アニメにしても味わえそうだわ◎

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    2022年05月02日
  • 猫と庄造と二人のおんな

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    ネタバレ

    別れた女房から請われて愛猫を引き渡した男が、居場所のなさのあまりに現妻と元妻の目を盗んで愛猫に会いに行くという物語。大きな事件は起きないけれど、それぞれの登場人物の思惑と心の動きが描かれていて読まされる作品だった。

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    2022年04月29日
  • 細雪(下)

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    初めてまともに純文学というものを読み、その魅力に気づけた一冊。
    上中下と読むのは大変だったし、話自体も起承転結とかがあるわけじゃなく、蒔岡四姉妹の日常をつらつら描く、という感じなのだけど、読んでいて全然退屈しなかった。
    日本人、特に関西に住んでいる方はぜひ読んでみるべき。そして谷崎潤一郎の文体、何だかとても好き。男の人なのに何処か文に女性のようなたおやかさがあるからなのかな。他の作品もぜひ読んでみたいと思った。

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    2022年03月31日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    ネタバレ

    夫婦が互いの日記を盗み見ていたり、浮気を嗾けてみたり…寝取られるか寝取られないかのスレスレで興奮してみたり、夫に気持ち悪さを感じながらも欲を満たす妻、最後は全てが妻の手の内にあったようで何とも滑稽な感じだった。瘋癲老人日記は息子の嫁に性欲を覚える脚フェチの老人の話で、惚れられてるのをいい事に何百万もする宝石やバッグを買ってもらうし、その代わりに脚を差し出す…なんて、エロジジイが上手く弄ばれている感じが良かった。

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    2022年03月28日
  • 新装版 細雪 中

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    百年くらい前の話なのに、蒔岡姉妹の日常に起こる珍事件の数々が面白過ぎてスイスイ読めちゃう。
    谷崎潤一郎、すごいなあ
    下を読むのも楽しみ

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    2022年03月23日
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー

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    文豪物の漫画化アンソロジーは筒井康隆や星新一以来だが、面白いな。SFだとストーリーに重点が偏ってしまう。しょうがないこととは思う。純文学こそ漫画家本来の本領発揮で、ビジュアルでの表現や新解釈、デフォルメし放題。のびのびしているし、加えて括りが谷崎だ。良い企画にこだわりのセンスが光る編集。江戸川乱歩(これすでにありそう)梶井基次郎あたりだと作品が想像できてしまうので、坂口安吾や、はたまた思い切ってつげ義春リメイクとか出してくれないかな。音楽だとトリビュートって形があるし、鉄腕アトムの浦沢直樹リメイクという前例もあるにはあるわけだし。

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    2022年03月22日