森博嗣のレビュー一覧

  • どきどきフェノメノン A phenomenon among students

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    爽やか青年の後輩、人形オタクの後輩、ダンディな指導教官、謎の怪僧と女装のホームレス、決して多くないけれど個性豊かな登場人物たち。
    人生イロイロ、恋にドキドキ、お酒を飲むと記憶を喪失する主人公・窪居佳那の趣味は起き抜けのシャンプー。
    佳那を一番どきどき現象(フェノメノン)にさせるのは誰か?
    佳那を驚かせるような奇跡(フェノメノン)は起きるのか?
    一風変わった理系ラブコメディです。

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    2026年07月10日
  • MORI Magazine

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    《出版年月日 2017/07/23》
    そこまで自分の定義での雑誌という形態を感じなかったが、本当にどこから読んでも問題ない内容で、その点が雑誌だ。
    刊行物の数が半端ないこの作家を今から追いかけるのは非常に厳しい。その点、今までの趣向を幅広く網羅しているこの本はビギナーに最適だ。
    「100分deわかる森博嗣」みたいな感じ。
    一つのトピックが短いので適当に開いて時間を潰すのにも向いている。類いまれな理屈屋と向き合う貴重な体験や、深刻な相談をカジュアルに次々切り捨てるスピード感も楽しめる。「モノタロウなら知っています」は笑った。表紙が良い。

    著者によると小説とその他の刊行物の読者層は割と分かれているらしい。特にエッセイは自小説のセルフライナーノーツとなっているので、純粋に小説を楽しみたい人には不向きかもしれない。

    表舞台に姿を見せることがなく森の隠者みたいなイメージがあるが、著者ほど自分のことを――少なくとも自分の考えを公開している作家はいないのではないだろうか。
    勿論詳細なパーソナリティーなどは解らないが、思考の方向性はかなり掴める。だからわざわざ質問しようとする読者の行動が謎だ。

    意見自体は賛否ありダメージを食らうのもあるが、概ねなるほどと納得できる。回復はしない強化魔法みたいな内容。そして本人の公言通り指摘が世間より相当早い。

    一部を抜粋してみると、

    “野性の動物でも群れを成す場合は、ボスに服従する。そのボスも、自分に餌を持ってくる奴を引き立てたりはしない。自分に迫る力の持ち主を恐れ、いずれは地位を明け渡すことになる。この習性は、もちろん人間でも同じだ。世話になったり、借りのある人間に従うわけではない。むしろその逆で、そういった対象には、尊敬の念を抱かない、憧れない、言うことをきかない、というのが普通だと考えた方が良い。”
    ――生き物は世話をしてくれる人に懐くわけではない。

    冷徹な洞察力。

    “「甘えられる人がいなかった」という言葉を理由に、カウンセリングでそれが解決できると考える。そこが既にメジャの価値観といえる。仲間がいること、大勢で楽しく騒ぐこと、家族や地域の絆、それらの「押しつけ」がストレスになる人がいる。”
    ――まずは人に甘えろ、話をしろ、という押しつけ

    極論を言えばこのような考えは流行小説の大半を否定しているか、テーマの無力化になっている。
    著者が小説に興味が無いことも納得する。
    または面倒なマスコミや業界人を近付けさせないための戦略的メッセージであるかもしれない。
    軽薄な印象を持つかもしれないが、自分が著者に同意するのはこういった世間の調子に都合を合わせない部分であり、そこが最大の魅力だと思う。
    しかしアンチ流行小説、ノートレンド的な特徴を前面に出すとやはり小説好きには受け入れられないのか、収益性の都合によりそこを調整したせいで小説が微妙になっているのであれば難儀なところだ。

    “プロだったら、華麗な結果だけを披露してくれれば良い。そうすることで、その人の名前にすべての輝きが集約されるだろう。苦労とか精神力ではない。ただ、その名前の属性としての凄みが出る。「こんな凄いものを、どうやって作ったのだろう?」というのが、つまりは神の業なのだ”
    ――苦労話ほど格好の悪いものはない。 まして仕事だったら、絶対にしない。

    一見大したことなさそうだが、これもすごいことを言っている。華麗な結果の無いケースで考えてみても――例えば匿名性を有するインターネット時代のインフルエンサーなどに応用すると、かなり面白い。迷惑行為でも名前の刷り込みに成功すれば、やがて名前は強力な実在性を持ち始め、そこに人々が集まり収益化できるようになる。これは理論的にはその主体など無くても成立する。中身などない名前だけの存在についてアリかナシの論争が起き、名前の持つイメージだけで支持、不支持に分かれるという滑稽で奇妙な状況が発生する。これは名前が概念としてランクアップした状態と言える。
    代表的な例が〈政治家〉だ。選挙に出馬して名前を連呼して、あわよくば当選する(しなくても可)。そしてカメラの前で出鱈目な政策をでっち上げる。もうこれで大体のタスクは完了だ。すると否定的にも肯定的にも反応が起きる。反発力はあればあるほど良いのでなるべく弾力性の高い発言を多くする。これを繰り返せば最終的に大多数に名前が刷り込まれて概念になれる。
    その政治家が「アニメ産業とAIダイバーシティの一体化が作る未来のネオガラパゴス都市構想」みたいな意味不明な発言をしても、そのイメージ――虚像に周囲は反射的反応を示し、本来なら《第3木曜日の日に回収に出されていたに違いない邪魔な置物》めいた人物であっても、なにか《捨ててはいけない貴重品》だと勘違いした者が支持を表明するのだ。更にその表明に対しても反応は起き続け、名前の力を補強する。この過程における唯一の成果物はある属性を持つ概念化した名前だけだ。
    裏返せば個人的な関係性を除く名前自体の価値は、元々なにもない。周囲が偶像を作り崇拝したり、否定するために必要な意味である。人命救助をしても名前が無かったら、偶然的な機能か感動的な逸話だ。こんな単純な原理に意外と誰も気付かない。こんなことを先回りして指摘しているのは著者くらいだ。

    名前についてもう1つ抜粋。

    “こういった無差別殺人については、まえから言っていることですが、報道を控える対応が効果があると思います。今回は、被害者の名前も出なかったのですが、これは良かったと思います。被害者についても、加害者についても、どんな人物だったかを公開しないこと、つまり、物語にしてしまわないことに、抑止効果があるはずです」
    西園寺「つまり、物語を作ろうとして、ああいった異常な事件を起こす、ということでしょうか?」
    森博嗣「全部がそうだとは言いませんが、それがあるだろう、と考えています。みんなが知っている物語の登場人物になりたい、しかも主人公になりたい、という欲求に近いでしょう”

    そういえば物語化がどうのこうのという本を最近目にしたような……著者にとって今更なテーマを売り物にしている。やっぱりこの先見性はすごい。明らかに唯一無二。

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    2026年07月06日
  • つくねもハンバーグ The cream of the notes 14

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    当たり前ですが、共感できるものもあればそうでないものもありました

    面白いです!
    ボヤーっと思ってたことをうまく言語化してくれます!

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    2026年07月01日
  • 暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kiss

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    シリーズ名はない(よね?)けれど『ゾラ〜』の続編。
    …なんていうのかな、他のシリーズもののミステリィたちとは違うね。途中まではGシリーズ(+ほんの一部のみZシリーズ)っぽい印象を受けたんだけど…帯の惹句通り瀟洒でビターな作品でした。事の真相や背景よりも「…えっ。森先生、最後にこれを持ってきますか?!」というまさかのオチに、事件やいろんなことがどっかに飛んでいきました。笑。星三つ半。

    (※読んだ"当時"の感想です)

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    2026年06月28日
  • 黒猫の三角 Delta in the Darkness

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    動機もトリックもパッとしない。ミステリーと思って読むと物足りなく感じた。これは個人的に事件の解決で納得するのが好みであるからだと思う。
    瀬在丸と保呂草のかけ合いやキャラの立ち方は気に入った。
    面白い、面白くないは置いておいてとりあえず次を読んでみようかな

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    2026年06月28日
  • 封印再度 WHO INSIDE

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    ネタバレ

    萌絵の嘘は許されるものでは無い。
    犀川が最終的に許すのは良いとしても周囲の大人がそこについて何もしないのが理解できない。
    萌絵自身も賭けに勝ったとか考えていて反省もしていない。この部分だけでシリーズ読むのを辞めようかと思うレベル。
    すべてがfになるを読んで全巻購入した為、完走時に期待。

    事件やトリック(事象)?自体は誰でも知っているはずなのに気づけないという発想が面白く、最後のクリスマスの真相をオチに持ってくるのも微笑ましくはある。萌絵の嘘が無ければもっと評価が高くても良い作品。

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    2026年06月26日
  • 魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge

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    不可能を可能へと導く、組み立てた机上の空論とは

    Vシリーズの今作品は空の上での密室殺人、空を飛んでいる二人乗り飛行機の一人が殺されるという状況の中で、いつ、どうやって、誰が殺人を行ったかを考えていく。

    殺したタイミングにばかり考えの殆どを持っていかれていた私でも、段々と読み進める中で物語の真相に関わる大切な関係性がわかると、それに続く真相も受け入れやすくはなったが、いかんせんその大きなトリックが大きすぎるが故に再現性はあるのかと考えてしまったところはある。

    一つ目の殺人と二つ目の殺人とがどのような意味合いでつながりがあるのか。そしてそのつながりを見出している関係性はどのような人物像に生じているか、言われてみればわかる、ただそれは真相が明らかになったのちにといったところか。

    前作に続いて練無さんのフォーカスに当てられ方、紫子さんの心理描写など、物語をより楽しませてくれる仕掛けがたくさんあり、そういったたくさんの人間模様を楽しめる側面もシリーズの中でより際立っている。

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    2026年06月25日
  • θは遊んでくれたよ ANOTHER PLAYMATE θ

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    不可解な事件と、理路整然とした謎解き。いうなれば背理法のように淡々と、かつ鮮やかに解を提示する森博嗣らしさ。一方で、はっきり言ってムダな登場人物が多い。事件の登場人物と同じだけ探偵側の人物がいるのは異常である。また、筆者のクセなのか言葉の綾を捉えたり揚げ足をとったりする描写も多く、まあある意味で理系の人間らしくはあるのだが、鼻につく。

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    2026年06月21日
  • 新装版 スカイ・クロラ The Sky Crawlers

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    クサナギが後半嫌いになる、破滅的で。世界観と達観してるキャラクター達が悩みすぎてなくていい。主人公の生立ち?が分かってくる辺りで楽しい。

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    2026年06月20日
  • 赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE

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    率直に言うと、何が何だかよく解らない。
    前作、前々作の百年シリーズとは趣が違いミチルやロイディは出て来ないので、前作までのファンは落胆してしまうかも知れない。
    ただ、今作に登場する人物(人形)たちは当然の事、世界観も魅力的なので一読の価値はあるかと思う。

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    2026年06月18日
  • つむじ風のスープ The cream of the notes 13

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    森さんのいい読者ではないが、考えが似ていて共感すること多し。

    そんな人たちは多いのではないか?

    成人式も大学の卒業式に出席しなかったのも同じ。
    成人式は、次の日に試験があったのを理由に行かなかった。一人暮らしをしていたので地元の人から電話はあったものの…。しかし、出ないからと言っていたが親が素敵な紬の着物を作っていてくれた。「二十歳」の記念を親に見せるのはすべきではなかったかと引っかかってはいる、成人式に出なくとも。

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    2026年06月15日
  • 月は幽咽のデバイス The sound Walks When the Moon Talks

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    我々はなぜ「偶然」に「意味」を見出そうとするのか

    Vシリーズ三作品目は何か屋敷ものを彷彿とさせるミステリであり、そこで起きた凄惨な事件に対してまた紅子さんが迫っていく。トリックについては伏線は張られていたとされているが紅子さんの専門性とも関連づいたある種奇天烈感を感じた。全ての現象にはそれが起こるきっかけやそれが起こったことによる結果があるが、我々はそこにある種の理由を求める。今作品は「動機」にフォーカスを当て、作品によっては賛否両論となる森ミステリの中でもよりその「動機」とは、「筋道」とは、といった「ミステリの骨格」に迫ったものであるように感じた。

    S &Mシリーズとの大きな違いをVシリーズを読みながら考えていたが登場人物という側面に焦点を当てると「三角関係」と「対極の存在」があげられる。S &Mシリーズでは犀川先生と西之園女史の2人の関係性が西之園からの矢印多め、段々と犀川からも見たいなティーンズ系の恋愛描写、そして2人は犀川が支えつつも同じ方向を向いて事件に関わる協力体制。一方でVシリーズは別れた元旦那と元旦那のパートナーとの三角関係、特に女性陣がバチバチといった昼ドラ系の恋愛描写、そして紅子と保呂草はある種、異なる立場から事件に向き合う同盟体制。こういった違いは読み手の年齢層や書き手の表現したいこととも関わっているのかなと思うとこれからの深掘りに注目したい。

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    2026年06月13日
  • つむじ風のスープ The cream of the notes 13

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    25 大人たちが支配されている観念が覆ると
    こどもたちは大人を見放すことになる。
    戦時中は戦う人が偉い、経済成長期は働く人が偉い、
    現代は人の絆、友達の輪を大事にする人が偉い、と
    価値観が時代ごとに大きく変わっている。
    そしてこの価値観が崩壊したとき、こどもたちは
    今の世代の大人を信用しなくなるかもしれない。

    下の世代と意見が合わなくても、こちらの価値観を
    押し付けすぎないように気をつけよう。


    31「やっていけない」と「やってはいけない」の
    微妙な違いについて。
    32「鉄道模型」と「模型飛行機」、前後関係に意味が?
    名詞が並んで複合された言葉は、一般に、前の語が
    形容で、後ろの語がその本質を示している。
    鉄道模型は鉄道ではなく模型、模型飛行機は
    空を飛ぶことができるもの。プラモデルなどは
    「飛行機模型」である。
    33「足して2で割ったような」という形容は、
    ほとんどの場合、褒めていない。
    優れたものなら、足すだけでいい、
    わざわざ2で割るのは二番煎じであったり、
    中途半端であるということだ。

    この辺りは言葉についてのお話が続いていて、
    普段深く考えないことに着目していて面白かった。

    41 「ゆるキャラ」とは、何がゆるいのか?
    ゆるくなければ「きつキャラ」か?
    ゆるいとはなんだ?だいたい、頭がデカくて
    とぼけたような顔をしている。
    そして日本はサイズにあまりこだわらないのか、
    リアルで登場するととにかくでかい。
    西洋はリアリティ主義だから、セサミストリートで
    デカいのはビッグバードとスナッフルくらいだ、
    と書かれていて、スナッフル?と思って検索したら
    マンモスみたいなのが出てきて、うげっ、となった笑
    これは、確かにゆるキャラには入らないな。

    50 小学生の頃、「漢字って感じ悪いやつだな」
    と心底思っていた。
    漢字は読み方がさまざまで、法則が見出せない。
    書き順も何の意味があるのか、
    送り仮名も意味不明で、現在はルールが変わり、
    僕が習った当時のものと異なっている。
    いちいち辞書を引かなければならないのか、
    と途方に暮れ国語から離脱する決意をしたのは四年生。

    森さんはよく、国語が苦手な子どもだったと書いていて
    その度に、文章を書く仕事がこれだけ出来ているのに?
    と不思議に思っていたけど、
    出来ない、のではなく納得いかない、ってことかい!
    理屈で説明できないことが、嫌いなのかもなあ。

    ワープロで文が打てるようになり、苦手な要素が
    解消したことで、作家さんになれたのね、と納得。

    ——
    全体的に、言葉に関するお話が多めだった気がする。
    着眼点が面白いな〜。
    そろそろエッセイシリーズも終わるような雰囲気。
    私はまだ未読が12作あるので、
    しばらくは大丈夫そう^^

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    2026年06月08日
  • 人形式モナリザ Shape of Things Human

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    私を操る、見えざる糸とは

    Vシリーズの2作品目はミステリ作品にありがちな伝統文化のお家騒動。操り人形の舞台で起こった連続殺人の謎を追いつつも、作品全体に流れる悪魔じみたオカルトの世界観にも触れていた。

    作品としてのトリックはシンプルで事件が進むにつれて誰が犯人なのか、どのように犯行に及んだのかは分かり易い。ただこの作品の本質はそこでは無いような気もする。それが最後の一行に込められた「見えざる糸」の種明かしなのかなとも思いつつ、もうここまで来るとそれはどちらかというと読み手を驚かせる衝撃を超えたオカルトとかそちらのゾワっと感の強さを感じてしまった。

    登場人物の深掘りも段々とされていく中で未だあまり明らかにならない紅子さんの子ども、そして語られているんだけどなんだか人となりに愛着をもてない元夫の林。ここの要素はS &Mシリーズとの大きな違いのため、このシリーズの核にもなると思いつつ、今はあまり自分の読みにプラスに働いていないため、これからの描写に期待したい。

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    2026年06月07日
  • 新版 お金の減らし方

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    必要なことではなくて、欲しいものにお金使おう。
    周りの人の評価は関係なく、自分がやりたいことにお金使おうね。

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    2026年05月27日
  • 静かに生きて考える Thinking in Calm Life

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    表紙のきれいな写真に惹かれて手に取りました。
    工学博士の著者が、森の中の静かなお家で自分の好きなことだけして過ごす日々と、世の中や人生についての考えなどを語る随筆集。
    合理的で共感できる部分もたくさんあった。ちょうど世の中の同調圧力(圧をかけている方は気付いてないけど)に疲れていたので、そんなの知らんがな!やめたらええやん!的な論調は(著者にそんなこと言ってないって怒られそう)スカっとすることもあった。
    ただ、そんなに頑なに拒否らなくても…もうちょっと寄り添ってもいいんじゃ?と思う箇所もあり。
    でも飼い犬がとても懐いているし、奥様を大切にされてるし、良い人なんだなあと思いました。
    小説を書かれたりして多彩な方なんだなあー、と、本書の内容よりも著者の人柄に大いに興味をそそられました。

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    2026年05月27日
  • 今はもうない SWITCH BACK

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    森さんの作品は初めて読んだが、なかなか読み応えがあり、飽きずに読めた。理屈のくだりはなかなかコテコテで、頭に入らなかったけれど…

    作品内とは関係ないが、土屋さんの後書きが面白かった。笑

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    2026年05月17日
  • つむじ風のスープ The cream of the notes 13

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    ネタバレ

    p42-43
    11文章を書き写すことが作文ではないように、
     人の観察を観察しても意味がない

    絵でも文章でも、何故そんなものを描いたのか、という点に作者のオリジナリティがあり、作者の創造力が宿っている。
     つまり、人の目を通したものでは、「着眼」という最も大事な行為が抜けている、ということ。

    p131
    55 好きでやっているわけではない、
    ということが理解してもらえないけれど……。

    好きとか嫌いとか決めない、が一番僕の状態を示している。

    p153
    66小説を書く以前に、何冊か本を書いた。
    コンピュータと力学に関するものだった。

    「AI」と「文系」をテーマにすると良い

     コンピュータの本は、すべて理系の学生や技術者向けだったが、これからは文系の人の方がむしろコンピュータは使うはずだ、と考えた。

    p174-175
    77 「人間」とはどのようなものか。
      人間はどこにいるのか。どこから来たのか?

    「人」のことを何故「人間」と書くのかというと、これは調べればすぐわかる。もともとは、文字どおり「人の間」の意味であり、社会、世の中という場所の意味だった。ようするに「この世」のことであり、生きているうちは、ここにいる。ここで生きている者が「人間」になったのだ。では、そうでない場所とはどこか? それは天とか地獄とか、いろいろ想像されていたようだ。宗教的な言葉として「人間」があった。

     古来の宗教では、だいたい天には神が住んでいて、人は「人間」に住んでいた。山々や海は「人間」ではなく「天」になるから、人が住むところではない。だから、自然の中に人がいる、という感覚はなかったようだ。

    日本では、どちらかというと自然の中に人が住んでいる、といったフィーリングが古くからあるように想像するが、日本以外、たとえば中国や欧米などでは、人がいるのは社会、街、つまり都会であって、自然は別世界だと認識されている感じがする。


    同エッセイシリーズ13作目。
    作家本人も言ってるようにどのエッセイでも同じことを話している。けど、ここ数作で時事関連のテーマも増えてきているし、年末に出すというのがルーチンなので毎年の楽しみにしている人も多そう。
    大好きな作家なので計画的に積読状態にしてるけど、もうすでに小説を書くのはほとんど辞めてるっぽいので(引退宣言済み)追いつきそう。これからも大事に読みたいです。
    77からだいぶ引用してしまいましたが、この作家の好きなところ、着眼点でもあり、核に近い考え方なのかと想像する。思想や創造力を垣間見る。私が成長したというより森博嗣の微調整によってそう思わされているのかもしれないけど楽しい読書時間でした。

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    2026年05月17日
  • 読書の価値

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    子供のころからの読書体験を綴って、所々に読書についての考えを入れている。したがって、読み物としては面白い。小説家だからであろう、文章もうまい。著者がどのような人物かわかる。ほとんどの物書きは、たくさんの本を読んでいるものだが、著者の森氏はほとんど読んでいないようだ。35歳を過ぎてから読書をする時間が増えたといい、それでも毎月1冊か2冊だという。これには驚いた。

    ただし、実践的な読書術、選書術など、何かしらのテクニックを得たいのなら参考になるところはほとんどない。著者の考え方はユニークで、一般化できるものではないからだ。

    本で一度読んだことは、ほとんど忘れない。二回読むことはない。一度読めば、もう読む必要がない。読んだら、そのまま捨てる。(p30)
    ずっと読まずに持っている本(積読)は1冊もない。(p110)

    こういう特殊な人のアドバイスなので、一般人には適用しにくい。

    たとえば、「本選びのたった一つの原則」という小見出しに書いてあるのは、「とにかく、本は自分で選べ」ということだけである。「もう本書のテーマはこの一点だけとおもっていただいてもかまわない」(p82-83)と書いている。

    世に数多ある読書論・読書術の類は参照せず、あくまでも著者の考えだけで書かれているので、広がりはない。

    繰り返しになるが、読書論や読書術としては得るところはない。しかし、エッセイとして読むのであれば、ほかの読書術の本とは一線を画すユニークなものなので、面白い部類に入る。

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    2026年05月16日
  • 君が見たのは誰の夢? Whose Dream Did You See?

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    ネタバレ

    ロジが体調不良なんて、きっとそうだと思ったよ!
    ナクチュの感染率が高いとなって確信。
    最後、ちゃんとネタバラシがあってホッとした。

    え、これあと1冊で終わるの?
    終わってないの??

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    2026年05月15日