森博嗣のレビュー一覧
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"一度しか読むことができない物語を旅する悪戯王子と猫。彼らが出逢う20の物語は、ときには優しくときには残酷、ロマンティックでしかもリアリスティック。無垢と頽廃を同時に内在する、ささきすばるのイラストと、詩的な森博嗣の文章とが呼応し、次々と展開するイメージ。観念の世界を揺蕩う大人のための絵本。"
森博嗣・ささきすばる夫妻の初コラボレート作品。絵本というよりは、小説と詩の中間の文章に挿絵がついているといった印象です。文章とイラストが絶妙にマッチしており、2者が作品世界をより崇高なものにしています。物語の内容は哀愁を感じるものからクスッとくるものまで幅広くありますが、全体的に儚い -
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我々はなぜ「偶然」に「意味」を見出そうとするのか
Vシリーズ三作品目は何か屋敷ものを彷彿とさせるミステリであり、そこで起きた凄惨な事件に対してまた紅子さんが迫っていく。トリックについては伏線は張られていたとされているが紅子さんの専門性とも関連づいたある種奇天烈感を感じた。全ての現象にはそれが起こるきっかけやそれが起こったことによる結果があるが、我々はそこにある種の理由を求める。今作品は「動機」にフォーカスを当て、作品によっては賛否両論となる森ミステリの中でもよりその「動機」とは、「筋道」とは、といった「ミステリの骨格」に迫ったものであるように感じた。
S &Mシリーズとの大きな違い -
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25 大人たちが支配されている観念が覆ると
こどもたちは大人を見放すことになる。
戦時中は戦う人が偉い、経済成長期は働く人が偉い、
現代は人の絆、友達の輪を大事にする人が偉い、と
価値観が時代ごとに大きく変わっている。
そしてこの価値観が崩壊したとき、こどもたちは
今の世代の大人を信用しなくなるかもしれない。
下の世代と意見が合わなくても、こちらの価値観を
押し付けすぎないように気をつけよう。
31「やっていけない」と「やってはいけない」の
微妙な違いについて。
32「鉄道模型」と「模型飛行機」、前後関係に意味が?
名詞が並んで複合された言葉は、一般に、前の語が
形容で、後ろの語がその本 -
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私を操る、見えざる糸とは
Vシリーズの2作品目はミステリ作品にありがちな伝統文化のお家騒動。操り人形の舞台で起こった連続殺人の謎を追いつつも、作品全体に流れる悪魔じみたオカルトの世界観にも触れていた。
作品としてのトリックはシンプルで事件が進むにつれて誰が犯人なのか、どのように犯行に及んだのかは分かり易い。ただこの作品の本質はそこでは無いような気もする。それが最後の一行に込められた「見えざる糸」の種明かしなのかなとも思いつつ、もうここまで来るとそれはどちらかというと読み手を驚かせる衝撃を超えたオカルトとかそちらのゾワっと感の強さを感じてしまった。
登場人物の深掘りも段々とされていく中で未 -
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表紙のきれいな写真に惹かれて手に取りました。
工学博士の著者が、森の中の静かなお家で自分の好きなことだけして過ごす日々と、世の中や人生についての考えなどを語る随筆集。
合理的で共感できる部分もたくさんあった。ちょうど世の中の同調圧力(圧をかけている方は気付いてないけど)に疲れていたので、そんなの知らんがな!やめたらええやん!的な論調は(著者にそんなこと言ってないって怒られそう)スカっとすることもあった。
ただ、そんなに頑なに拒否らなくても…もうちょっと寄り添ってもいいんじゃ?と思う箇所もあり。
でも飼い犬がとても懐いているし、奥様を大切にされてるし、良い人なんだなあと思いました。
小説を書かれ -
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ネタバレp42-43
11文章を書き写すことが作文ではないように、
人の観察を観察しても意味がない
絵でも文章でも、何故そんなものを描いたのか、という点に作者のオリジナリティがあり、作者の創造力が宿っている。
つまり、人の目を通したものでは、「着眼」という最も大事な行為が抜けている、ということ。
p131
55 好きでやっているわけではない、
ということが理解してもらえないけれど……。
好きとか嫌いとか決めない、が一番僕の状態を示している。
p153
66小説を書く以前に、何冊か本を書いた。
コンピュータと力学に関するものだった。
「AI」と「文系」をテーマにすると良い
コンピュータ -
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子供のころからの読書体験を綴って、所々に読書についての考えを入れている。したがって、読み物としては面白い。小説家だからであろう、文章もうまい。著者がどのような人物かわかる。ほとんどの物書きは、たくさんの本を読んでいるものだが、著者の森氏はほとんど読んでいないようだ。35歳を過ぎてから読書をする時間が増えたといい、それでも毎月1冊か2冊だという。これには驚いた。
ただし、実践的な読書術、選書術など、何かしらのテクニックを得たいのなら参考になるところはほとんどない。著者の考え方はユニークで、一般化できるものではないからだ。
本で一度読んだことは、ほとんど忘れない。二回読むことはない。一度読めば