森博嗣のレビュー一覧
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「努力や根性で集中し続けなければ良いアイデアは生まれない」という、ビジネスやクリエイティブの現場にはびこる根深い呪縛を軽やかに打ち砕いてくれる良書である。多くの人が勘違いしている「集中」の役割を正しく再定義し、真のブレイクスルーがどこで起きるのかを構造的に暴いてみせる。
本書の核心は、インプットの段階で徹底的に頭に負荷をかけた後、意識的にその対象から離れる(分散させる)ことの重要性を説いている点にある。四六時中一つのことだけを考え続けるのではなく、他の日常的な動作や別の思考に没頭している間に、脳のバックグラウンドプロセスでアイデアが勝手に醸成されていく——このメカニズムを理解しているか否かで、知的生産の効率や精神的な消耗度は劇的に変わってくる。
「集中力はいらない」というキャッチーな看板の裏には、思考のプロセスを客観的に管理し、最も効率よく脳を働かせるための冷徹なまでの合理主義が横たわっている。常に時間に追われ、一つのタスクに縛り付けられがちな現代のビジネスパーソンにとって、焦燥感を和らげ、より高次で持続可能なクリエイティビティを取り戻すための強烈な処方箋となる一冊。 -
Posted by ブクログ
時が過ぎても、あの日の思い出は永遠
今作品はとある研究会が行われている中で起こった殺人事件。今作品もこれらしき犯行方法や動機は明らかになる一方で、事件の全体像は謎のまま。ただ次の話で大きく全体像が見えるようになるらしく、この作品は下ごしらえといったところだと思われる。背後にある真賀田氏の影はどのような意味合いを持っているのかは次回の作品といったところか。
じゃあ今作品はどんな意味合いが?といったことに対しては色々な登場人物たちがまた集う一種の同窓会的な要素が強い。その中でもまずは気になる犀川西之園ペアの行く末。描かれている描写にはあまりにも余白が多いのだけど、その余白を埋めるのには十分な読書経験がシリーズを読んできた読み手にはあるのである。ちょっとしたやり取りや見え方にニヤニヤしながらも、とあるシーンでは関係性にメスを入れる投げかけをされるところもありその時の反応もまた面白い。
また海月くんと加部谷さんとの関係性にも注目したい。この関係性は逆に余白があまりないほどにシリーズで思いが描写されている中で、加部谷さんの海月くんへの思いがここまで大きくなっているんだなと感じることもできる。物語の終わり方とかすごい青春の甘酸っぱさ感じました。
また海月くん×犀川先生といった推理役の描写とか、久しぶりで相変わらずの国枝女史など思わずニヤニヤしてしまう描写はまるで殺人事件なんて起きていないのではないかといった幻影を私たちに見せてくれる。どんなにおおごとが起きても関係性に乏しかったら、そのように感じ取れてしまうのか、そういった新たな描写の可能性に触れつつ、交わっているようでこれから先少しずつ離れていく登場人物たちの邂逅を楽しむことができる。ただ一つ、これが読み手にとっての一冊めではないことを祈っている。 -
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ネタバレ天才科学者・真賀田四季をめぐる密室殺人。コンピュータを使ったトリックや事件の真相には驚かされた。
しかし、読み終えても疑問が多く残った。
四季と新藤所長はどのようにして結ばれ、どれほど強い関係にあったのか。なぜ四季は自身が両親を殺した体験を娘にも再現させようとしたのか。計画が失敗すると娘を殺し、自らの死を偽装して逃亡を図ったのはなぜか。
四季が天才であることは分かるが、彼女の常人離れした発想や哲学が十分に描かれていないように感じ、一連の殺人計画の動機には納得できない部分が多かった。シリーズの他作品を読めば、彼女の思想や行動をもっと理解できるのだろうか。
一方で、30年前の作品でありながら、現在のAIやVRにも通じる技術的な発想が登場している点は興味深かった。飄々としながらも謎を解き明かしていく犀川のキャラクターや、萌絵とのやり取りも楽しかった。
謎解きの面白さは感じられたものの、人物の心理や動機に腑に落ちない部分が残り、少し消化不良な読後感となった。 -
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ネタバレS&Mシリーズ4作目
今のところ一番合わなかったかなぁ…
とはいえつまらないわけでは無い
山荘や館のような皆集まってスタイルではなく、刑事ドラマ的な事件が起きると集まるスタイル
■密室
確かに密室ってそれなりの工具やら材料があれば作れるものってあるよなぁ
今回は解かせるための密室が最後の密室のカモフラージュになるという構造が面白かった
■入れ替わり
さすがに男女で服の交換してるとは思わないわな
読者への挑戦的な作品だったら文句言いたくなるかも(笑)
終盤の犀川先生の概念の語りがなかなか理解が追い付かなかった
そもそも感性が違うと理解もできないのだろうが、、、
人間を突き詰めて考えて答えはでるのか?
自分も所詮人間なのに
『二人は数字の11より接近した』とか
『今はできないね。酔っぱらった君を送っていかなくちゃいけないから』とか
言い回しやジョークがクスッとさせられる
自作は面白いらしい?のでまたそのうち買って積んでおこう