森博嗣のレビュー一覧
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久しぶりにS&Mシリーズの面々に出会えて嬉しかったですが、まさか大吾坊さん結婚するとは…!意外な一面を知れて良かったです。短編としては、「卒業文集」と「素敵な模型屋さん」の2作がとても印象的でした。特に後者は「分かる分かる!」って気持ちで読んでいく中でのラストの展開がお見事。個人的にプラモを良くつくるのでかなり胸にくるものがありました。
※以下、余談
毎回、意外な人があとがきを書くので楽しみに読んでいるんですが、今回の羽海野チカ先生のものはとても良かったですね。森博嗣作品の楽しみ方にも共感しましたし、素敵な模型屋さんの補完としても素晴らしかったです。
あと「ぶるぶる人形にうってつけの夜」の -
Posted by ブクログ
ネタバレ元大学教官・現作家の森氏による、仕事とは何か・仕事についての心構え、などを語る本。対象はおそらく学生~30代程度と思われます。
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ぼんやり感じたのは「私の(ようなミドル・シニアの)ための本ではない」ということ。
流石に世に出て30年近い歳月がたちましたので、うまい話はない・話がうまいとすれば仕事がキツイ・世の中トレードオフに満ちている、(それでも不公平だったり運不運に左右され例外もある)、ということは肌感覚として理解しています。
ただ、世の若者はそこまで割り切れない。
正直ものは報われるものと思いたいし、努力して探せば何かが見つかるものと思いたいし、要するに答えはあるものだと思い -
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※警報※作品の内容とは関係ない自分語りです(激痛
本作を読んで確信しました。
私は森博嗣ファンとしては割と古参の方だと自認していて、チェックできてないシリーズもあるけど、S&Mシリーズに連なる(と思われる)シリーズは割と網羅してるつもりです。
なんですが。
近年の著書、特にシリーズ外の小説に関しては、ほとんど手に取っていませんし、読んだところで「私が読みたい森博嗣はこれじゃないんだよな」と勝手に期待して勝手に裏切られたと思ってしまうと言う、身勝手な読者に成り果ててしまいました。
本作のストーリーも、主人公の女性も、彼女を取り巻く登場人物も、全てに魅力を感じられなかった。
かつて -
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短編集です。シリーズからの登場人物もあり、なかなか楽しめた。
解説でもありましたが、理系の作品が多いなか、今回は文系の短編集もあり、懐の広い作家さんだと思う。
また、言葉使いが上手い。
森ミステリィのこれまでとこれから。S&Mシリーズに続くVシリーズ主要人物も登場する傑作短編集! 「黒窓の会」。西之園萌絵を囲んで開かれるその秘密の勉強会にゲストとして招かれた犀川創平は、古い写真にまつわるミステリィを披露した。屋根飾りと本体が別々になった奇妙な石塔は、何のために作られたのだろうか。S&Mシリーズ2編を含む、趣向を凝らした10作を収録。『まどろみ消去』に続く第2短篇集。 -
Posted by ブクログ
長かった。
殺人事件の真相を追求するための背景が閉ざされた特殊な社会でありすぎるので、まるで宇宙人相手に地球の常識を押し付けて大立ち回りを演じているような空回りのドタバタ感を感じてしまった。
世界観や100年未来の科学文明に関する想像力は豊かでワクワクした。ゴーグルや銃など。
ミチルとロイディのやりとりや関係性(最後にわかった部分も)も良かった。
ミチルがかなり特殊な設定のキャラで、最後死んだのか死んでないのか微妙な終わり方なんだけど、続編が気になる…
「自分」とはなにか、「自分」とはどこに存在しているのか、「自分」とは一体どこまでが自分自身なのか…
作者が影響を受けた作家は萩尾望都だとか -
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ネタバレ加賀屋と小川令子の新シリーズ(?)1作目。
ホームレス青年の柚原の身辺調査を依頼された2人は彼に接触し、依頼内容について探るがまぁ彼の出生とか依頼者とかはこの際どうでもいい。
加賀屋にずっと海月くんを思い出させる柚原は、一見海月くんのように理知的で達観している印象を与える。
でも海月くんは同じ状況だとしてもこんなことしなかっただろうから、比較にすらならない。
選択して今の人生を歩んでいるのに、自分の境遇を世界のせいにして己が優秀な人間と勘違いしているクソガキだった。哲学をかじっているクソガキほど厄介なものはない。
「人は弓だ。
誰かに引かれ、精一杯撓って、解き放たれる。
その解放で満足する。 -
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こまめに読み進めている森さんのS&Mシリーズの8作目。典型的な密室を描いた事件に頭を悩ましながら、楽しく読むことができました。
本作は、ある山荘で起きた、双子の密室事件を描く。今回は主人公である西之園萌絵の視点ではなく、事件に巻き込まれた男性視点で描かれます。双子がなぜ亡くなってしまったのか、その男性と密室事件に2人で挑むことになるというストーリー。
この結末と論理組み立ての仕方は森ミステリーかなという気がします。あらゆる可能性の仮説と検証を考えながら、ベターな案に迫っていくという科学的なアプローチだからこそ、この結末は納得できるのかなと思います。個人的に他のミステリーでこの結末を