山崎豊子のレビュー一覧

  • 不毛地帯 第四巻

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    舞台が中東になって、話がどんどんデカくなり、かつ、これまで以上に利権も複雑で厄介になり、信念やモラルに野心と政治とお金と個人的感情とがグデグデに絡み合っている中をなんとかして出し抜こうとするお話。まあ言ってみればオスの縄張り争いの延長なんだけど、とにかくタイヘン。各方面の意見調整の様子は、渋いタヌキじじい的工作とアクロバティックな離れ業とのミックスで、しびれます。
    こんな仕事してたら、ワークライフバランスとか、男女平等とか子育てがどーとか絶対言ってられないね~。ハハ。(←完全に他人事)

    商社の人たちって、1泊3日でヨーロッパ出張とか行って、朝日本に戻ってきてその足で出社とかのハードスケジュー

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    2023年10月16日
  • 不毛地帯 第三巻

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    なんだ、なんだ、なんだー!
    壹岐に悪い虫が急接近!!!
    寄るな、このどんくさい女め!
    ゆるさーん!しっしっ!

    ・・・と、壹岐の「ばあや」にでもなったような気持ちで読んでいた。
    この女がまったく気に入らない。婚約破棄しただとぉ???
    なんて計算高い女なんだ。ワナワナ。
    美人で、寄ってくる男がいっぱいいるのに、30過ぎてもバージンだなんて設定、非モテをこじらせたオッサン読者におもねり過ぎでしょ!

    以上がこの3巻の感想のすべてです。
    もう全部台無しだわよ。
    ぷんすか。(←何をこんなに怒っているんだか 笑)

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    2023年10月09日
  • 不毛地帯 第二巻

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    個人的な必要に迫られて読んでいるので、いまひとつノレないのだけど、1巻よりはおもしろかった。

    2巻はロッキード事件をベースにした話なのかと思っていたけど、読み終わってから確認してみたら、ロッキード事件とつながっている別の事件、ダグラス・グラマン事件なるものが元ネタと知った。

    こんな複雑な話をよく小説にできるなぁ、と超人を見るような気持ちで読んだ。すごい筆力。
    国や、国の歴史を作っていくのは政治家だけじゃなく、商社もけっこうな役割を果たすんだな、などと子供の感想のようなことを思う。

    ちなみに、小学校の頃、何かで聞きかじり、母に「ろっきーどじけん、って何?」と聞いたら「ピーナッツをな、一粒1

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    2023年10月01日
  • 花のれん

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    山崎豊子文学忌 1942.1.2〜2013.9.29 豊子忌
    直木賞受賞作
    大阪商人の気迫と根性で大阪一の興行師となった女性の一代記。
    主人公の多加は、吉本興行の創業者・吉本せい。
    愛人の上で死んだ夫の借金を背負うマイナスからのスタート。そこから、創意と工夫と根回し。そして、気配り、心付け。使うところには、惜しまず使い、興行でしっかり稼ぐ。
    次々と繰り出される興行は、安来節の芸能化、真打落語家への采配、漫才への変革と、大阪の芸能の歴史の一端を担っていた様。
    東京空襲の後、大阪から人を雇い毛布や食料を運び、落語家への見舞いに回るなど、思いたったら、行動しないと気がすまない。
    最後は戦争により、多

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    2023年09月28日
  • 不毛地帯 第一巻

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    極めて個人的な理由があって、今更ですが読むことに。実は初山崎豊子。
    まず、1巻はシベリア抑留の話、という背表紙の解説を読んで、いきなり読む気をそがれてのスタート。
    というのも、シベリア抑留から帰還、と聞いただけで、過酷な環境で理不尽に耐え続ける重苦しい話だと想像できてしまうから。できればこの巻は飛ばしたい気分なんだけどな、などと思いつつ読み始めた。単純に、辛い話に対する耐性が年を取るにつれどんどん弱くなっているからなんだけど。

    右翼っぽいナレーションにややゲンナリ。
    この時代の話を日本人が描くと、どうしてこうなっちゃうのかしらん。

    将校クラスが捕虜となった時の待遇が一兵卒より優遇されて当然

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    2023年09月24日
  • 不毛地帯 第五巻

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    熱意が油を吹き上がらせ、恩人であるはずの社長に退陣を迫る最終巻。

    シベリアの墓詣でを照らすオーロラは歓迎しているのかそれとも。

    圧巻の計約3000頁。

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    2023年09月19日
  • 不毛地帯 第三巻

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    FX次世代航空機絡みの社外政治から今度は妬み嫉みの社内政治に自動車産業と外資か。

    しかし秋津中将の娘さんとのロマンスはいらない。

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    2023年09月11日
  • 不毛地帯 第二巻

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    人一人死に至らしめてまでなさなければならない防衛産業商戦か。
    シベリアから月日を経て、中東戦争、スエズ運河と才覚を発揮しつつも染まっていく壹岐参謀。

    最後の松本大佐の言葉がしみる。

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    2023年09月11日
  • 白い巨塔(四)

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    浪速大学医学部第1外科教授・財前を医療ミスで訴えた裁判は、被告側の勝訴に終わった。

    医師として、財前に不利となる証言をした里見は浪速大学を追われることとなる。

    原告側は控訴することを決める。

    同時に、学術会議選挙に出馬することとなった財前。

    裁判で再度勝ち、選挙にも勝てるのか…

    そこまでしなくても…
    里見の医師として、正義を貫く姿勢には頭が下がるが…
    すべての患者にそこまでできるのか⁇と思ってしまう…
    自分はいいとして、自分の家族のことは考えないのだろうか…三知代や好彦のことを。

    佐枝子もなぜそこまでするのか…

    確かに財前の診療には問題があったかもしれない。
    財前だけの誤診とはい

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    2023年08月17日
  • 運命の人(四)

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    沖縄に移住した弓成は、沖縄の人々から
    第二次世界大戦中の沖縄の惨状を聞き、彼らが終戦後も米国による支配により苦難を強いられ続ける姿を見て徐々に物書きとしての使命を思い出していく。
    重たいが明るさを感じたエンディングでした。

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    2023年07月16日
  • 運命の人(一)

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    新聞記者弓長は政治家、官僚と巧みな人脈を持つ敏腕記者。沖縄返還交渉の取材中密約に関わる文書漏洩疑惑により告発されてしまう。
    山崎豊子さんの作品としては1冊づつのボリュームが少なめで読みやすい。

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    2023年07月10日
  • 運命の人(二)

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    新聞記者弓長が公文書漏洩問題で告発されてしまう。逮捕、起訴され離婚の危機にも立たされてしまう第二巻。全4巻の作品だが山崎豊子さん作品にしては1冊のボリュームが少なめで読みやすい。

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    2023年07月10日
  • 運命の人(一)

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    ネタバレ

    新聞記者が外務省とアメリカの密約を知り、野党議員に情報を明かして、追及してもらうが、それが原因で逮捕起訴されてしまう。その背後には…という話。最近モデルとなった人が亡くなったことで本作を知った。ドラマチックな話ではあるが、主人公がどうしても好きになれず。

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    2023年06月26日
  • 女の勲章(上)

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    服飾学校を立ち上げた式子と三人の若い女性の弟子たち、マネージャーの八代銀四郎が妬み合い裏切りあってのしあがろうとする物語。
    女ってやだなあと思いながらのめり込んで読んでしまった。何十年前の作品とは思えないリアルでドロドロした人間関係に引き込まれる。

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    2023年06月19日
  • 不毛地帯 第四巻

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    自動車メーカーの資本提携は、ライバルの東京商事に持っていかれ、主人公の会社は辛酸を舐める。
    そして、次なるビジネスは、中東における石油開発。第二次世界大戦は石油に始まり石油に終わったため、主人公は会社の利益ももちろんのこと、国益のために石油開発に積極的に携わる覚悟を決める。
    そして、開発のために国内の機関とは連携せず外資と資本提携を組む。
    成功すれば青天井の利益が出るが、失敗すれば莫大な損失となり、会社の屋台骨を崩しかねないため、社運、命をかけた、まさにビッグビジネスである。

    主人公は、これが商社での最後のビジネスと覚悟を決める。

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    2023年05月31日
  • 不毛地帯 第三巻

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    ネタバレ

    主人公が異例の出世を果たし、役員として活躍し始める。しかし、その待遇を良しと思わない副社長と何かとぶつかり合う。

    そして、内助の功として献身的に主人公を支えてきてくれた妻が不慮の事故で亡くなる。しかも、主人公と喧嘩をしたあと、主人公の目の前で。

    悲しみに暮れる主人公に対して社長は、心機一転も兼ねて、アメリカ支社長になる辞令を出す。
    アメリカに渡ってからは、日本の自動車メーカー(いすゞがモデル)と外資自動車の資本提携に向けて奔走するが、またもや副社長と方針の違いでぶつかり合う。
    そして、ずっと秘めてきた、かつての上司の娘と結ばれる。

    それにしても、この時代は当たり前だったのかもしれないが、

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    2023年05月30日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    理不尽極まりないが、恩地の立廻り方にも問題はあるのではないだろうか。。。それにしても現場の人間を大事にしない会社は嫌だなぁ。

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    2023年05月28日
  • 不毛地帯 第五巻

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    5巻連作の最終巻。流石の山崎豊子さん作品読み応えがあった。唯一物足りなく感じたのは、壹岐がキレイな人すぎて親近感は持てなかった点。
    個人的には他の山崎作品である沈まぬ太陽の方が主人公の辛さ悩み抜く姿に引き込まれて好きだった。
    他のシリーズも読みます。

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    2023年05月27日
  • 不毛地帯 第二巻

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    2巻からは、主人公が商社で活躍し始める。
    小説のモデルとなっている商社は伊藤忠。
    そして、主人公のライバル会社は現在の双日のこと。

    本作はロッキード事件をもとにしているのかと思っていたが、対象が戦闘機のため、現実にあった事件は、ダグラス・グラマン事件のこと。
    しかし、ロッキード事件、ダグラス・グラマン事件が発覚する前に、この小説は連載されていたらしいから、山崎豊子先生の先見の明には驚かされる。
    もしくは、本作の取材の過程でこれら事件の前兆を掴んでいたのか。

    現実には、ロッキード事件は丸紅、ダグラス・グラマン事件は、双日だから、伊藤忠は検挙されなかった。

    当初は、自分の軍歴を商社の仕事に利

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    2023年05月25日
  • 不毛地帯 第四巻

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    元軍人参謀の壹岐正が復員後巨大商社でのし上がっていく話のシリーズ4巻。
    日米自動車メーカーの合弁交渉を経て石油商戦へと突入して行く。壹岐も専務へ昇進し近畿商事No.3となりニューヨークから東京本社へ転勤する。

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    2023年05月22日