山崎豊子のレビュー一覧

  • 女系家族(下)

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    ネタバレ

    再読。
    やった!この気持ちのいいい終わり方。代々続いた女系家族が音を立てて崩れるこの瞬間。すっきりー。
    人の欲望ってのは怖いもんだ。そして欲を出しすぎると痛い目に合う。やっぱり山崎豊子は面白いなー。

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    2014年08月08日
  • 女系家族(上)

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    ネタバレ

    再読。
    すごく生々しい。人間の欲望ってこんなに汚いものか。さすが豊子先生。描写が細かいなあ。
    古い関西弁?のせいもあって、より一層、登場人物がネチネチいやらしく思える。。せっかくお金持ちのお家に生まれたお嬢さまなのに、遺産相続争いで感情剥き出しとか、ほんと台無し。。上品さのかけらもない。普通の家に生まれてよかった。。
    面白くって一気読み。再読だし先日のドラマ再放送も見たから結果は知ってるんだけど、やっぱり下巻が楽しみ!!

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    2014年08月06日
  • 不毛地帯 第四巻

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    壱岐正の勤める近畿商事はいよいよ石油開発に挑む。
    壱岐は専務に昇格し、社内での地位をますます高めてゆく。しかし昇進すればするほど周囲との確執も大きくなり、里井副社長と激しく対立する事になる。
    石油開発ではイランの油田の開発権を得るために、日本の商社グループを抜け、アメリカの会社と組んで落札を狙うという、ある意味日本を裏切ったとも受け取られかねない決断をする。一方、千代田自動車とフォードの提携では東京商事の鮫島の暗躍もあり、敗れる。そこでもすぐに次の手を打ち、千代田自動車とユナイテッドモーターズの提携を画策する。

    この巻でもっとも印象に残ったのは、中東の不毛地帯での石油利権を巡る争いだ。五菱商

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    2014年06月25日
  • 運命の人(三)

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    外務省機密文章漏洩事件の公判がすすむ。一審で弓成は無罪、三木は有罪。新聞記者を辞めた弓成は家業の青果商を継ぐが事業は衰退、さらに再審では有罪判決を受け控訴するが棄却され有罪が確定する。妻子とは別居が続く。
    キャリアが閉ざされた弓成はどん底に落ちていく。

    複雑な裁判の経過だけど、すっきりと読ませる筆力がすごい。

    【同僚Tさんから拝借】

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    2014年06月01日
  • 運命の人(二)

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    公判開始。

    主人公「弓成=西山」が外務省女性事務官「三木」と男女の関係にあったことから、公判の争点が検察側と弁護側でずれていく経由を描写。くどい説明をせずに登場人物の台詞で状況を進めていく著者の筆力はさすが。

    政府は自らの施政に都合の悪いことは虚偽の説明をしてでも隠したい。しかしそのことを新聞記者が公務員から知り得た場合、それは犯罪なのか。入手方法によって扱いは変わるのか。

    2013年末に特定秘密保護法案が成立し、同法の施行を待つ現在だからこそ考えさせられた。

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    2014年05月30日
  • 不毛地帯 第三巻

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    この長い長い物語もようやく三巻。元大本営参謀の壱岐正は商社マンとしてメキメキと頭角を現し、わずか7年で常務に昇格という異例の出世を遂げる。しかし、次期社長と目される里井副社長との軋轢など、急激な出世は周囲との摩擦を引き起こす。この巻で壱岐の手がけた仕事は千代田自動車とアメリカのフォーク社との提携の仲立ちをする事。商社マンにとっては人脈が大事で、壱岐と里井はそれぞれの人脈を駆使し、仕事をリードしようと競争する。

    商社の世界は命がけで恐ろしい。この巻の後半で里井副社長が激務で倒れるのだが、それでも仕事をしようとする、その執念は何だろう? 壱岐にしても、24時間仕事の事を考え自らを酷使している。現

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    2014年05月28日
  • 大地の子(三)

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    相変わらず中国が、がしがしやってくる。メインにあるのは残留孤児問題なんだろうけど、その話がかすんでくるくらいの中国のぶっ飛びっぷりがすごい。しかも鉄鋼の話を熱く語るし。ビジネスエンターテイメントなのか。

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    2014年05月27日
  • 運命の人(一)

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    第1巻は、沖縄返還の外交交渉を新聞記者の視点から俯瞰。

    当時の自民党内の派閥政治のパワーバランスが書かれており、興味深い。

    昭和時代の東京の風景が脳裏に浮かぶ。

    主人公の新聞記者「弓成」と外務省事務員「三木」の間に何があったかは詳述がされず、読者の想像に任される形となっている。

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    2014年05月27日
  • 大地の子(二)

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    ともかく中国恐るべし、の一言。何故か第二巻は中国とのビジネスの厳しさを語りきっていて、1980年代にして既にチャイナリスクというものが当然のようにあった事にびっくり。一般時には知られざる世界があるんだなぁ、と。

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    2014年05月25日
  • 不毛地帯 第二巻

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    11年のシベリア抑留から帰国した壱岐正は、商社の世界にドップリと浸かってゆく。2巻では、防衛庁の発注する航空機の受注に関する攻防が中心になっている。壱岐は日本国のためを思い、もっともふさわしいと思われる航空機を防衛庁に納入しようとするが、利権がらみの問題で別の航空機を納入しようとする東京商事・鮫島と鋭く対立する事になる。
    商社、内閣、防衛庁、アメリカの航空機メーカーを巻き込んだ泥仕合は本当に凄まじい。防衛庁の極秘資料を持ち出して逮捕者が出るなど、皆すさまじいまでの執念を見せる。商社の仕事は本当に命がけだな、と思った。

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    2014年05月20日
  • 花紋

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    ネタバレ

    『大地の子』『沈まぬ太陽』で知られる作者だけに、ヒューマニズムあふれる救いを期待したのだが、救いようがない。旧家の総領娘でありながら歌人としての才をもつ貴婦人の半生。てっきり初恋の学者に懸想して家を傾けた内儀の話かしらんと思っていたが、そっちの淡い想いは軽く、むしろ夫との泥沼の愛憎劇がとにかくひどい。女性の権利が制限されていた時代の悲劇なのだろうなと思う。解説では養子婿に同情的であったけれど、いちばん人間として外道なのは、この人だろう。

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    2014年03月27日
  • 大地の子(三)

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    ネタバレ

    陸一心はついに妹のあつ子・張玉花と再会する。父の松本耕次もすぐ目の前で同じ仕事に関わっているというのに、なんという運命。
    製鉄所建設の話が長くてちょっと読み疲れてたけど、妹の手がかりが出てきたところから気になってどんどん読み進んだ。

    元恋人の趙丹青夫婦の動きも気になる。松本氏から見たことで少し丹青の印象が変わったかも。「高慢で派手好み」との噂はあるが「行動力のある仕事熱心な女性である」と。
    その後の一心との会話の中でもそういった件は出てくる。
    さてあと一巻。

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    2014年03月17日
  • 女系家族(下)

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    巧みな駆け引きで登場人物たちが遺産相続で自分が損をしないように交渉を進めていきますが、最後はどんでん返しになります。

    ラストに向かって大きくなる高揚感を裏切らない痛快な結末でした。

    時代劇じみた語り口調とお金の怖さが印象的な作品です。

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    2014年03月08日
  • 女系家族(上)

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    山崎豊子ここにあり。

    女性ならではの豊かな情景描写で登場人物の感情の機微を巧みに描いてます。強欲、憎しみ、嫉妬、色欲など人間のギトギトした生々しい本性を遠慮なく盛り込んでいてぐいぐい物語りに引き込まれました。

    登場人物のキャラも立ってるし、物語りも骨太で文句なしです。

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    2014年03月08日
  • 運命の人(一)

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    交渉上の機密と報道による軌道修正、いずれの機能も必要ではあるが、両立させるためには信用と不信用のバランスか。それ以上の仕組みはないのか。

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    2014年02月15日
  • 暖簾

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    山崎豊子さんの処女作

    昆布に命をかける商売人の話
    本書には一人前の昆布職人になるのに11年かかると書かれている。
    今の時代からしたら昆布だけで11年も?馬鹿げてると思ってしまう。
    昆布と職人の奥の深さに脱帽せざるを得ない。

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    2014年01月29日
  • 女の勲章(上)

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    ぬらぬらとした人の情念の描き方がすごい。3人の女とその間を飛び回る1人の男。愛欲、金欲、出世欲、とあらゆる欲情でぎっとぎっとになりながら話が進んでいきます。
    女性のくらい情念の描写が凄まじい。
    早く続きが読みたいです。

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    2014年01月25日
  • 不毛地帯 第四巻

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    「不毛地帯(4)」山崎豊子
    社会小説。黄色。

    舞台はアメリカ自動車産業から中東の石油掘削ビジネスへ。
    ハイリスク・ハイリターンの事業に挑む心の裏には、先の戦争におけるエネルギー政策の失敗という苦い経験があるのだった。

    仕事とは、何のために為るのか?
    会社員の使命感とは何なのか?
    (4)

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    2014年01月25日
  • 不毛地帯 第三巻

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    「不毛地帯(3)」山崎豊子
    社会小説。ビビッドなネイビー。

    冷静辣腕、商社での地位を登り詰めて行くこの展開はなんだろうと思ったら、島耕作ですわ。読んだことないですが。
    もちろん本作の方が先で毛色も違うでしょうが、サラリーマンの心を掴むビッグなストーリーにページを繰る手が止まりません。
    しかし、それに反するタイトルの「不毛地帯」に、商社マンの淀みを感じ始めていく…。(4)

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    2014年01月22日
  • 不毛地帯 第二巻

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    「不毛地帯(2)」山崎豊子
    社会小説。濃紺。

    大本営参謀の頭脳をもって熾烈な商社の争いにどっぷり漬かっていく壹岐正。
    昭和戦後の日本商社、今で云うところのCSRのシの字もない、泥沼の金仕合、出し抜きあいの世界です。
    本当にこんなんだったのかな。昭和って。

    物売りってなんだろう。利鞘稼ぎってなんだろう。(4)

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    2014年01月22日