山崎豊子のレビュー一覧

  • 二つの祖国(四)

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    アメリカと日本という二つの祖国の間で揺れ動く日系人の物語。実話を元にして、作者の丹念な取材の成果がその筆致により十分に現れている重厚な作品。色んな考え、選択をする日系人が描かれており、同じ収容されている日系人の間にも考え方の対立がある。生き方や選択にきっと正解なんてなかっただろうし、当事者ではない人間があれこれいうべきものでもない。ただ、これは山崎作品全般に言えることだけれども、真実とフィクションを渾然一体に著すのはどうか。僕は、法律家なので、終盤の東京裁判の場面で、例えば横田喜三郎をモデルにしたと思われる横井という法学者なんかが描かれているのには違和感があり、興ざめした。きっともう山崎作品は

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    2014年01月05日
  • 運命の人(三)

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    一人の人生を真実に程近い形で切り抜き、心情まで顕に描写する。山崎豊子は天才だし、努力の人だとも思う。しかし、マスコミと政府。この関係性におけるベストな距離感とは一体どこにあるか。悩まされる。

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    2013年12月27日
  • 運命の人(一)

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    特定秘密保護法案に触発されて。知る権利と秘密保護法の対立。バランスは難しいが、しかし、メディアすら公平ではないという真理。

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    2013年12月20日
  • 運命の人(三)

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    最高裁の上告棄却により、弓成の裁判での戦いは、ついに敗北に終わる。
    密約漏えい事件は、ここで世間の話題から消え去るが、小説は、主人公のその後を、描いている。
    続けて第4巻を開く。

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    2013年12月12日
  • 暖簾

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    気張って気張って、耐えて、凌ぐ。
    体力、技術、気力、全て使って貫く。

    (以下抜粋)
    ○せっかく土産にしたその昆布を神棚と、
     亡父の仏前に供えたまま黴にしてしまった。(P.31)
    ○損も資本(もと)や(P.36)
    ○店には惜しい者やけど、お前はもう一人前やと暖簾を分かたれた。(P.37)
    ○国会や、箱根の山で、なんぼまともそうなこというともあかん。
     経済復興は一人一人が汗みどろになって働くことや。(P.172)
    ○客の目に見えない倉庫に多額の金をかけなければならなかった。(P.225)
    ○自分のレッテル貼ったもんは、
     自分が作り、自分が眼を通して売るのが当たり前やないか(P.226)

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    2013年12月08日
  • 運命の人(二)

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    沖縄返還に伴なう密約を暴く取材行為を、己の保身、名誉欲のため、男女関係の問題に矮小化し、すり替えようとする時の総理=権力のあざとさ。

    弁護団と、検察側との丁々発止、佳境に入り、ますます目が離せない第2巻。

    当時から世論を沸かせたこの問題に、渾身を込めて本書を著した著者なら、今問題にされている、特定秘密保護法にどう対応するだろうか。

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    2013年12月07日
  • 暖簾

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    ネタバレ

    2代にわたる大阪商人の話。商人にとって暖簾がこんなに大事なものとは。とても感銘を受けた。

    これが処女作とは思えない、さすが豊子先生。当初から念入りな取材をされていたのが分かる。昆布の話も面白い。昆布を使った料理をしようかな。

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    2013年11月13日
  • 女系家族(下)

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    遺産相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説。
    格式ある船場の老舗の相続をめぐる色と欲と駆け引きが最後にどんでん返しがある。

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    2013年08月26日
  • 女系家族(上)

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    遺産相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説。
    格式ある船場の老舗の相続をめぐる色と欲と駆け引きが最後にどんでん返しがある。

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    2013年08月26日
  • 花紋

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    ネタバレ

    あれ?これ、山崎豊子?彼女の本を読んだことがあればあるほど、そう思ってしまうだろう。いつもは社会の腐敗について考えさせられるが、今回はある女の一生を通して人生というものを考えさせられた。

    今の時代でも、自分で選んだ結婚相手を親が気に入らず、別れを選ぶカップルがいる。しかし花紋を読むと、それが正しい選択なのかわからなくなってしまう。

    自分の意思を尊重する現代的な女性であった郁子が、保守的な結婚をする。保守的な女性ならそれを受け入れ徐々に順応するだろうが、郁子は最初から受け入れず徐々に拒絶を強める。

    保守的な家系、意地の悪い継母や妾腹、腹黒い夫が郁子の不幸を一層際立たせるが、郁子自身にももう

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    2013年06月12日
  • ぼんち

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    今は存在しないであろう船場商屋の厳しいしきたりの中でのお話。
    船場の世界観は現在では無くなってしまっているだろうが、女性のしたたかさや我が儘などは何時の時代でも変わらず。男性は男性で、こんな風に放蕩してみたいなぁーなんて気持ちを少なからず誰しもが持っているのではないだろうか。
    だいぶ前に書かれた作品だが、読み応えがあった。

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    2013年06月11日
  • 華麗なる一族(中)

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    鉄平に対する仕打ちが酷すぎる。自分の子かどうか調べる手段はなかったのかと思う。この一族の歪みがどこへ向かうのか気になるところで下巻へ。

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    2013年05月26日
  • 女系家族(上)

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    えげつなく面白かったです(笑)
    大阪を舞台にした小説を大阪にいるうちにもうちょっと読んでおこうと思って、手にとった本です。
    (電子書籍なんで手には取れないんですが)。

    1960年代と思しき大阪。老舗の木綿問屋が舞台。
    代々女子ばかり生まれ、能力のある男を婿にとって続いてい女系家族。
    つまりは女性が権力を持っているわけです。
    冒頭、当主の葬式から。奥さんはもう死んでます。
    という訳で相続争い勃発。
    ①わがままで婿取りを嫌がり嫁に行ったのに離婚して出戻ってきて長女として惣領のプライドを持つ長女。
    ②長女の割を食って婿取りし、家に残っている次女。
    ③若くてまだまだぶらぶらしている三女。
    ④その三

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    2013年04月26日
  • 不毛地帯 第四巻

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    油田の入札についてがメイン。これまでの戦闘機受注や自動車会社提携において企業の利潤追求して来た主人公が、国の資源安全保障のためと掲げ石油に注力する。
    企業のためから国のためへ、参謀であった原点へと回帰する姿は納得できる。

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    2013年04月17日
  • 運命の人(三)

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    ネタバレ

    引き続き国家権力の恐ろしさが描かれる。裁判が進行するにつれ、主人公や周辺人物の生活が壊れ、人間の嫌な側面も見えてくる。

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    2013年03月31日
  • 二つの祖国(四)

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    なんという結末!なんという救いのなさ!

    モデルとなった人物がいたようだが、
    脚色しているとはいえ、なんとも切ない・・・

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    2013年03月20日
  • 二つの祖国(三)

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    物語の舞台は極東軍事裁判へと移る。

    モニターの仕事がここまでプレッシャーのかかるものとは・・・

    日本側の被告が実名ばかりなのは驚いた。

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    2013年03月20日
  • 女系家族(下)

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    ドラマを見ていたので結末は知っていましたが、最後のどんでん返しが見事で痛快な気分になりました。
    遺産を取り上げるだけでなく、女系に終止符を打たせるところに嘉蔵の怨念の深さを感じました。
    文乃や、生まれてくる子供への愛のための行動ではなく、ある意味彼女らをも利用して矢島家に復讐を遂げた嘉蔵はさぞかし爽快な気分でしょう。。

    番頭やお師匠などある意味実は男たちの駆け引きで話が進む様は、気が強いとはいえやっぱり3姉妹は愛すべきお嬢様よね、とちょっとお気の毒でした☆

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    2016年01月12日
  • 二つの祖国(二)

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    兄弟が戦場で相見える場面は何とも言いえぬ・・・

    日本軍と米軍の双方からの視点がわかるので、
    読者は絶えず、ヤキモキさせられると思う。

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    2013年03月02日
  • 二つの祖国(一)

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    やはり、山崎豊子作品に外れはない。

    日系移民の二世が日本とアメリカの狭間で苦しむ物語。

    それにしても、主人公のルーツが鹿児島とは・・・

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    2013年03月02日