山崎豊子のレビュー一覧
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オーディブルで拝聴。
石油・自動車と、主人公以外の後輩方の話が続き、少し飽きてしまう場面もあったのだけど。後の5巻に続く伏線だったわけです。隠されていた訳ではないけど。
石油の話は、特に専門的な単語も多くて何となく想像して読み進めていたけど、よくもここまで詳細に描けるものだと思った。あとがきから、多数の方に377名?取材をされたとの話で、さすがと感じた。
千里の関係性からは、仕事で見せる男振りはどこへやら、情けなく溺れてしまう主人公の一面が見えて、少し幻滅。
里井社長や鮫島の汚い男っぷりは聞いていて笑えてしまうほどひどかった。
朝方、家に勝手にあがられるような親戚関係は嫌だよね。ほんと。 -
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敬愛する俳優の上白石萌歌さんが、2026年2月からの舞台『大地の子』に出演するということで、読み始めた。彼女の役柄は“江月梅”。公演の発表が2025年8月で、当時彼女は舞台『震度3』に、まだ出演中だったと思う。今年、2025年の彼女は映画に舞台にTVドラマやバラエティ番組などの他に、adieu名義での歌手活動としてライブ開催、写真集の発売など、それはそれはめまぐるしい大活躍を遂げた年だった。フォロワーとしても、大いに喜ばしい限り。折しも2025年の年末である。
上白石萌歌さま。今年は、もとい今年も、よくがんばりましたね。なにとぞ年末年始くらいは、ごゆるりとお過ごしください。
舞台『大地の子』ぼくは早々にチケットを入手することができた。2026年3月に観劇の予定。舞台上の彼女を観るのは初めての機会なので、悔いの残らないよう、しかと彼女の存在感を確かめてくる所存。舞台は演者と観客の共犯関係の芸術という。ぼく自身、気の引き締まる思いがしている。
さて。
『大地の子』である。
なんとも苦しさばかりの物語。五感をもって陸一心の境遇を想像した。生命にすら直結する試練の連続で、乗り越えても乗り越えても、乗り越えても襲いかかるケダモノのような運命。よくぞ心折れずに生への希望を捨てなかったものだと。生命力や精神力の強さで表すことは容易いけれど、ぼくはどうしても「もし自分だったら」との考えを避けることができなかった。あくまでも想像の域を越えないけれど、実感までには至らなかった。もし、一心に襲いかかる運命の一端でも実感しようものなら、ぼくは生命の危機への恐怖で、どうにかなってしまったのではないか。あまりにも過酷。あまりにも理不尽。耐えることなどできただろうか。
行きつ戻りつしながら、ようやく読み終えた第一巻。さて、次巻の試練とは。
心して表紙を開く所存。
これだけの物語を舞台で、演劇で表現するというのだ。いったいどのような演技が繰り広げられるのだろうか。江月梅役の上白石萌歌さん、役柄のイメージにぴったりだと思う。
たのしみで仕方がない。
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浪速大学第一外科の教授選の行方は最後まで絡れにもつれ、内部候補である主人公の財前がポストを手にした。←ネタバレっぽいけど裏表紙に書かれている内容なのでご容赦頂く。
良心がどこにあるのか、目の前の患者を結果として犠牲にしてまでも『権威』を求める財前の姿は大学病院の組織体質が産み出したモンスターだ。
肺に影があり呼吸困難で苦しむ患者を、自信たっぷりに誤診し国際学会へ旅立った財前の今後やいかに。
この失態も他者になすりつけるのか。里見助教授が責任とらされたらやるせないなぁ。。
サイドストーリーだが、私が思う理想のお医者さん、里見助教授と財前の前任教授だった東の娘との関係がどうなっていくのかが気になる。 -
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山崎豊子作品の好きなところは、「綿密な取材に基づいた、リアルな社会の描写」だと思っています。
『不毛地帯』や『大地の子』『沈まぬ太陽』など、実際に起こった事件を題材にして、フィクションとは思えないほどリアルに作り上げられた登場人物の活躍と、お互いの「正義」のために血で血を洗うような激しい戦いを繰り広げる様に、読む手が止まらなくなるくらい作品世界へ引き込まれます。
本作もそのような山崎作品の世界に浸ろうと思っていたのですが、いまいち世界観に入り込むことができませんでした。都市銀行を中心とした財閥と政治家の汚職を軸に描いた作品なのかなと思いきや、金に物を言わせる「上流階級」と勘違いした登場人物たちのセリフの一つひとつが鼻につき、読者である「一般庶民」には彼らの趣味嗜好や考え方が理解しづらいまま話が進んだように思います。
昼ドラのような愛憎劇の要素を入れているからでしょうか、もう少し硬派な作品だと思っていたので、終始違和感を拭いきれませんでした。 -
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大門社長が70歳をすぎて、老醜を晒すようになり、油田開発の成功を花道に引退させるにあたり、壹岐も退社することになる。中小企業でも同じであるが、かつて凄く頑張っていた経営者が70を過ぎてその地位に固執する姿はあまり見たくないものである。
第五巻まで読み終わって、軍国教育を受けて戦争を戦って悲惨な目に遭った軍人が、戦後の日本において経済競争を戦う姿はどこにでも多くあったのだと思う。そして彼らの大変な努力が、日本の経済復興を支えたのは事実だ。しかしそんな彼らの世代さえ晩年はなかなか後進に道を譲らず、次の世代がうまく育たなかったことが今日の日本の低迷を招いているのだと思う。彼らの基準からすると戦後生まれで飽食の世代を頼りなく思った側面もあったであろうが、ポストに固執する人も多かったと思う。そんな人間が運営するのだからどんな企業もどんな名家もきっと衰退するようにできているのだ。高いところまで上り詰めれば詰めるほど、衰退の坂道の傾斜は深くなるのだと思いました。