山崎豊子のレビュー一覧

  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-
    背帯の文言
    「この国を覆う、おそるべき良心の不在。恩地元最後の闘い」
     今回も読んでいて、腹がたった。
    国民航空、関連会社「国航開発」の政・官・財界との癒着、私腹を肥やす利権等、魑魅魍魎が蔓延するデタラメぶりがあまりにひどい。
     この物語が単なるフィクションであるなら、腹も立たないだろうが、登場人物...続きを読む
  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-
    全巻読み終えました。
    当初、先入観無しに読み進めましたが、筆者の長きに渡る取材からの小説との事。
    圧倒されました。
    これが小説と言う設定なら、最後のくだりが無情すぎます。
    しかし、忠実に再現した内容なら人の残酷さがよく分かります。
    通勤時に読んでましたが、何度も泣きそうになりました。
    おすすめの作品...続きを読む
  • 大地の子(一)
    読書会の課題本

    否応なしに引き込まれる。第一巻は、「もうそんなにまでして一心をいじめないで…」と祈りながら読み続けた…
  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-
    渡辺謙主演の映画、沈まぬ太陽を観て感動したため原作を読んでみた。
    山崎豊子さんは十年に1作書かれるということで
    すごく時間をかけられたのが、よくわかります。
    印象に残ったこと葉
    ニューヨークの動物園の鏡の間の鉄格子に埋め込まれた鏡があり、人間の上半身が映る仕掛けになっていて、その鏡の上には
    世界で最...続きを読む
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-
    本の背帯の文言
    もう一度闘う決意をした恩地。企業を蝕む「闇の構図」を暴くことはできるのか

     利根川総理のたっての願いで、新会長に関西紡績の国見正之会長が国民航空の会長を兼務することになった。
    恩地は国見会長に説得され、会長室の部長に抜擢される。

     新生国民航空の会長である国見が以下の新役人事を発...続きを読む
  • 白い巨塔(五)
    最後泣けた
    呆気なかった
    財前が権力へなびきながらも、時折不安になったりするところが細かく描かれていて、里見派か決め難かったな
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-
     恩地が去ってからの本社には、会社の御用組合である第二労働組合ができる。
     第二労働組合は第一労働組合から人員を引き抜いた為、第一組合へ残る組合員はわずかな人員となった。
     恩地が後を託した第一組合の委員長の沢泉からの郵便メールで、現在の第一組合の実情を知らされる。
     かつての労働組合の幹部は劣悪な...続きを読む
  • 白い巨塔(五)
    今も何度もテレビで再放送されており、以前買ってあった原作を読みたくなり手にとった。
    やっと5巻まで全て読み終えた。
    財前が主人公だが、里見のどんな困難があっても
    自分の信念を曲げない生き方が好きです。
    特に4巻からは夢中になって読みました。
    なお4巻5巻は読者の声によりできた続編だそうです。
    題名の...続きを読む
  • 大地の子(四)
    ようやく再会した妹だったが、重い病に臥せっており間もなく亡くなってしまう。
    そして、妹臨終の場で実の父と再会する主人公。
    お互いに、仕事の立場の違いからすぐに打ち解けることはできない。

    出張で日本に行った際、主人公は父の自宅を訪れ、母や妹達の仏壇に手を合わせることで父と打ち解けることができた。
    ...続きを読む
  • 大地の子(四)
    ひたすら心に重く、戦争への怒りでいっぱいで、読むのがつらかったです
    これが今からそう遠くない昔のこととは。

    運命の過酷さを受け入れられない、納得できないと思いながら読み続け、最後の最後でもう全身に衝撃なほどの納得と涙が
    この世から戦争がなくならない限り、今もどこかの紛争地...続きを読む
  • 白い巨塔(五)
    五巻に及ぶ長い小説が遂に完結。
    胸が締め付けられる。なんとも言えない辛い気持ち。
    気づいたのですが、財前教授に感情移入し過ぎて、もっと活躍して欲しい。もっともっと困難に打ち勝って自信に満ちた物語を見せて欲しい。そう願いながらこの小説を読んでいたようです。
    最期まで誇り高い態度で人生を駆け抜けた財前五...続きを読む
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-
    年始の羽田空港での事故をきっかけに読んでみようと思った作品。御巣鷹山の123便墜落事故が起こったことは知っていましたが、詳細は知りませんでした。

    123便がレーダーから消え、墜落、炎上するところから、事故地点の確認、ボイスレコーダーやフライトレコーダーの捜索、機体の残骸の回収、原因究明。一方で、生...続きを読む
  • 不毛地帯 第五巻
    『不毛地帯』第5巻。

    近畿商事・副社長となった壱岐正。
    商社マン最後の仕事として、イランでの油田採掘に奔走する。

    先手を打つも、政界、競合からの巻き返しにより、独立系石油メーカー・オリオンオイルとの共同で入札に挑むことに…

    なんとか、採掘権を得たものの、第4井まで石油の出る兆しはなく、窮地に…...続きを読む
  • 女系家族(下)
    上巻の終わり方から、最後に妾のほうから逆襲があるとは思っていたが、こんなにも鮮やかなどんでん返しになるとは、、遺産相続を舞台に、相続される側の骨肉の争いの中で、自分だけは損したくないという醜さとともに、相続する側の積年の恨みの深さ、関係者もすべて自分の利得のために動き続ける醜さを、これほどまでに生々...続きを読む
  • 白い巨塔(三)
    前半に描かれている、ドイツの風光明媚な自然、城、街並み、レストランと財前教授の感性にはうっとりとさせられた。羨ましいほど絶頂期を迎えた男の姿が活き活きと描かれていた。
    変わって、後半はドロドロの裁判戦。流石にもうダメか、と思われるところまで追い詰められ、ドキドキがとまらないまま一気に読み切ってしまい...続きを読む
  • 白い巨塔(二)
    教授になり益々政治力を身につけた財前が魅力的。著者は他の作品でもそうですが、権力に魅せられ翻弄される人物を本当に活き活きと描かれる。
    面白い一冊。
  • 白い巨塔(一)
    かなり以前にテレビドラマでやっていたので、なんとなく手を出さずにいた本。
    己の欲望によくもまぁこんなにも正直になれるものだと半ば呆れてしまうくらい濃いキャラクターが続々と出てきます。
    改めて顔をしかめるとともに、著者のリアリティへのこだわりに心底感心してしまいます。
    いや、すごい小説です。
  • 不毛地帯 第五巻
    田淵幹事長…一体誰がモデルなんだ…(笑)
    5巻はずっとイランのサルベスタン石油の話、千代田自動車が後味悪かった(最終的にはめでたしになるんだけど)のに対してこちらは小気味よく進んでいく。裏のえげつない部分もFXと比べたら露骨でない(と言うか露骨に見せていない?)ので読みやすい。
    でもせっかく苦労して...続きを読む
  • 二つの祖国(四)
    第4巻目は東京裁判の後半部分が展開される。
    天羽賢治は東京裁判の言語調整官として、日々の裁判に臨んでいた。
    裁判が進むにつれて、勝者が敗者を裁く様相が明確に成っていった。
    最初は公正な裁判を望んで、その一助になればと思い、臨んだ賢治であったが、
    裁判が進むにつれて、その実相は裁判という体裁を整えただ...続きを読む
  • 不毛地帯 第一巻
    15年ほど前にドラマ化された事もあるので知っている人も多いと思うが、この1巻だけでも原作を読んでほしい。シベリア抑留の壮絶な内情が見て取れる。
    戦争はしてはいけないものだが、それ以上に負けてはいけないものということを強烈に認識させてくれる。
    ウクライナは早くロシアに降伏した方が被害が少ないとか言って...続きを読む