山崎豊子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
山崎豊子さんの最後の小説。
執筆途中で亡くなってしまったので、物語は終わっていないが、それでも読む価値ある1冊。
山崎豊子さんは人間の心象描写がすごくわかりやすく、自分もその場にいるような感覚になります。
この小説は戦艦乗り、海上自衛隊が舞台。
日本で自衛隊というと陸上の方が目立っているが、地政学的にシーパワーである日本において海上自衛隊の重要さを改めて実感。
戦争と正義がテーマになっているが、その正義は何か、手探りで自分の正義とは何か向き合いながら生きていく主人公。
自身の正義も何か非常に考えさせられる。
山崎さんの作品は今後も読み続けたいと思いつつ、最後まで読んでみたかったと、、今 -
Posted by ブクログ
ネタバレ背帯の文言
「この国を覆う、おそるべき良心の不在。恩地元最後の闘い」
今回も読んでいて、腹がたった。
国民航空、関連会社「国航開発」の政・官・財界との癒着、私腹を肥やす利権等、魑魅魍魎が蔓延するデタラメぶりがあまりにひどい。
この物語が単なるフィクションであるなら、腹も立たないだろうが、登場人物の氏名は実在の人物の名前をもじったもので、実在する人物だからだ。
ここで登場する自由党の竹丸副総理など、政界のドンとして君臨し、汚職事件で逮捕されたあの人だ。
現在も政治家の金権体質は、あいも変わらず変わらない。
本書で、架空の人物である、常務にまで成った行天四郎の行動がひどい。
客室乗務員と -
Posted by ブクログ
渡辺謙主演の映画、沈まぬ太陽を観て感動したため原作を読んでみた。
山崎豊子さんは十年に1作書かれるということで
すごく時間をかけられたのが、よくわかります。
印象に残ったこと葉
ニューヨークの動物園の鏡の間の鉄格子に埋め込まれた鏡があり、人間の上半身が映る仕掛けになっていて、その鏡の上には
世界で最も危険な動物
と記されていた。
そしてもう一つは最後に
何一つ遮るもののないサバンナの地平線へ黄金の矢を放つアフリカの大きな夕陽は荘厳な光にみちている。
それは不毛な日々にあった人間の心を慈しみ、明日を約束する、沈まぬ太陽であった。
なお、この小説に出てくる行天は白い巨塔の財前五郎の弟分として四郎と -
Posted by ブクログ
ネタバレ本の背帯の文言
もう一度闘う決意をした恩地。企業を蝕む「闇の構図」を暴くことはできるのか
利根川総理のたっての願いで、新会長に関西紡績の国見正之会長が国民航空の会長を兼務することになった。
恩地は国見会長に説得され、会長室の部長に抜擢される。
新生国民航空の会長である国見が以下の新役人事を発表した。
社長に、前の運輸事務次官で顧問の海野昇、副社長に、もと常務の三成道夫を指名した。
はじめは国見の意見に同調していた社長、副社長も、やがて、厳格な国見から離れていく。
今回も読んでいて非常に、むかむか来た。
国民航空の関連会社である国航開発のワンマン社長の岩合宗助は、ゴルフ、夜のク