山崎豊子のレビュー一覧
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医学部教授選の選考委員会を経て、最終候補は助教授の財前五郎、金沢大学の菊川教授、徳島大学の葛西教授の3人に決まる。
五郎を勝たせるため、舅の又一は「まるで汽車の切符を買うように」(p.32)金をばら撒き、票固めをする。
医師会の岩田を通して鵜飼医学部長を味方に付けている財前陣営は、31票のうち「臨床の票は、ごっそり取れる」(p.46)との見通しをもつ。
(岩田)「大学の教授選での金の出し方は、ちょっと演技がいるのや、金が金と見えんような品位のある演技がな」
(又一)「ほう、品位? そんな一銭にもならんものまで、欲しがりますのんか」
一方の東は菊川を後任に、また娘の佐枝子の配偶者としても、と -
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山崎豊子さんの最後の小説。
執筆途中で亡くなってしまったので、物語は終わっていないが、それでも読む価値ある1冊。
山崎豊子さんは人間の心象描写がすごくわかりやすく、自分もその場にいるような感覚になります。
この小説は戦艦乗り、海上自衛隊が舞台。
日本で自衛隊というと陸上の方が目立っているが、地政学的にシーパワーである日本において海上自衛隊の重要さを改めて実感。
戦争と正義がテーマになっているが、その正義は何か、手探りで自分の正義とは何か向き合いながら生きていく主人公。
自身の正義も何か非常に考えさせられる。
山崎さんの作品は今後も読み続けたいと思いつつ、最後まで読んでみたかったと、、今 -
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ネタバレ背帯の文言
「この国を覆う、おそるべき良心の不在。恩地元最後の闘い」
今回も読んでいて、腹がたった。
国民航空、関連会社「国航開発」の政・官・財界との癒着、私腹を肥やす利権等、魑魅魍魎が蔓延するデタラメぶりがあまりにひどい。
この物語が単なるフィクションであるなら、腹も立たないだろうが、登場人物の氏名は実在の人物の名前をもじったもので、実在する人物だからだ。
ここで登場する自由党の竹丸副総理など、政界のドンとして君臨し、汚職事件で逮捕されたあの人だ。
現在も政治家の金権体質は、あいも変わらず変わらない。
本書で、架空の人物である、常務にまで成った行天四郎の行動がひどい。
客室乗務員と -
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渡辺謙主演の映画、沈まぬ太陽を観て感動したため原作を読んでみた。
山崎豊子さんは十年に1作書かれるということで
すごく時間をかけられたのが、よくわかります。
印象に残ったこと葉
ニューヨークの動物園の鏡の間の鉄格子に埋め込まれた鏡があり、人間の上半身が映る仕掛けになっていて、その鏡の上には
世界で最も危険な動物
と記されていた。
そしてもう一つは最後に
何一つ遮るもののないサバンナの地平線へ黄金の矢を放つアフリカの大きな夕陽は荘厳な光にみちている。
それは不毛な日々にあった人間の心を慈しみ、明日を約束する、沈まぬ太陽であった。
なお、この小説に出てくる行天は白い巨塔の財前五郎の弟分として四郎と