山崎豊子のレビュー一覧

  • 不毛地帯 第一巻

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    シベリア抑留の悲惨さをこれでもかとしつこく描かれています。寒さ、日本人同士の妬み、尋問、社会主義、重労働。こんな環境で11年も暮らせるとはとても思えません。

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    2024年11月23日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    2001年(発出1999年) 484ページ

    2巻を読み終わって感じたことは、モデルである日本航空の御巣鷹山墜落事故、そして、日本航空経営破綻をニュースで見聞きしていた過去の経験から、ナショナル・フラッグ・キャリアにはこの先も暗雲が待ち構えているのだと教えてあげたくなるような気持ちです。この小説が書かれた頃は倒産はしていないけど、さもありなんと思わせるような中身の濃い2巻でした。3巻の御巣鷹山編は心して読もうと思いました。
    私事ですが、風邪をひいて小説を読むのも辛かったのですが、この2巻目は途中をAudible で聞きました。Audible といっても聴き流しでは内容が入ってこないのである程度

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    2024年11月17日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    2001年(発出1999年) 410ページ

    『この作品は、多数の関係者を取材したもので、登場人物、各機関・組織なども事実に基き、小説的に再構築したものである。』

    小説の冒頭にあるとおり、この物語は日本航空と日本航空社員・小倉寛太郎氏をモデルとした作品です。山崎豊子さんの小説は初読みですが、綿密な取材によるリアリティ、スケールが大きくまた美しい自然の描写、しっかりとした人物造形、骨太な文章で、1冊目でとても好感を持ちました。
    モデルとなった時代背景や登場人物も古風な趣きを感じさせますが、魅力的な人物が多かったです。

    主人公の恩地、私は大好きです。確かに、立ち回りは下手くそで家族・親戚を悲し

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    2024年11月17日
  • 大地の子(四)

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    ネタバレ

    まさかの父松本として分かり合えるのがあつ子の死を見届けた直後だとは心が痛んだ。そしてようやく父と再会を果たしたその後も、僻地に飛ばされたりそれでもなおルーイーシンは結果を残し真面目に働く姿に胸が打たれた。
    何より最後に、父が日本へ帰ろう、このままここにいても安全は一生確保されないとお互いで分かっていながらも、大地の子である、と中国残留を決めた結末により心が痛み、この本を次の世代の人にも進めて知って欲しいなと思った。

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    2024年11月12日
  • 華麗なる一族(下)

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    上、中、下巻の感想です。
    作品名のとおり、華麗なる一族の話。
    途中で想像した結末とは大分違う終わり方でした。
    豪華な世界も良いけど、ドロドロとした部分も多くあり、自分は庶民がたまに贅沢するくらいがあってるなと。

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    2024年11月11日
  • 華麗なる一族(中)

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    上、中、下巻の感想です。
    作品名のとおり、華麗なる一族の話。
    途中で想像した結末とは大分違う終わり方でした。
    豪華な世界も良いけど、ドロドロとした部分も多くあり、自分は庶民がたまに贅沢するくらいがあってるなと。

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    2024年11月11日
  • 華麗なる一族(上)

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    上、中、下巻の感想です。
    作品名のとおり、華麗なる一族の話。
    途中で想像した結末とは大分違う終わり方でした。
    豪華な世界も良いけど、ドロドロとした部分も多くあり、自分は庶民がたまに贅沢するくらいがあってるなと。

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    2024年11月11日
  • 不毛地帯 第五巻

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    ネタバレ

    副社長となった壹岐が参謀としての自身の経験を活かし、商社での最後の仕事と決めていた油田開発を成功に収めたが、それを機に社長の大門とともに綺麗さっぱりと退く。それにしても著者の原油採掘の手順の詳細な記載はすごいの一言。あとがきには377名への取材をもとにしたとの著者の言葉があるが、だからこそ小説とはいえ真に迫る描写が可能なのであろう。

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    2024年10月26日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

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    御巣鷹山事故のその後の経過記述の中にも、新会長以前の腐敗した経営体制とその御用組合の真っ黒な人間関係の緻密な描写に気分が悪くなるほど。
    不毛地帯を読んでいるときにも感じたが、どうか結末に救いがありますようにと願わざるを得ない。

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    2024年10月24日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    御巣鷹山事故の詳細な記述は迫力があり胸に迫る。
    精巧な筆致は本当に読むものの心を掴んで話すことがない。
    主人公自身の話とは少しずれているが、今後の主人公の人生に救いはあるのか、次巻が気になる。

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    2024年10月22日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    やっと帰国が叶い、ホッとする結末。とにかく一気に読ませる筆致。母なるアフリカの大地に守られた主人公だったのであろう。

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    2024年10月20日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    組合活動華やかなりし時代を知らない世代に理解はしにくいと思いつつ、企業の組合対策に恐ろしいものを感じた。
    これでもかと海外を流浪する主人公には同情の気持ちばかり。

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    2024年10月20日
  • 不毛地帯 第五巻

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    まさかの大門社長の老いに感慨深かった。素晴らしい経営者であっても、いつかは老い、そして迷走するというところに残酷さを感じつつも、現実とはそういうものと実感させられた。
    最終的には主人公が救われる形に昇華されたことで気持ちも落ち着いた。
    名作

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    2024年10月20日
  • 不毛地帯 第一巻

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    今の多くの日本人が知らないシベリア抑留の話。もちろんこれは小説ではあるが、今を生きる日本人が是非とも知っておくべき事柄。

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    2024年10月20日
  • 不毛地帯 第一巻

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    ネタバレ

    シベリア抑留が過酷さ、いつ帰れるかもわからない希望がない状況で、寒さと飢えに耐え忍んできたかを実感した。一人だけで他の場所に移動させられ取り調べを受けたり独房に入れられたりと、そんな時も途中で会った日本人に気遣うところは、なんと人間のできた人だと感心した。途中、堀が自死するところはなんともいたたまれず、若いが故の咄嗟の判断なのか、もっと泥臭く生き抜いて欲しかった。
    人間は、ある意味どんな時も最後は精神力の強さが必要だと平和ボケしている普段の生活を考えさせられた。

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    2024年10月20日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    ネタバレ

    一巻読破からすぐに二巻開始。パキスタンからイラン、ケニアへ赴任させられ、約十年に及んだ僻地勤務が恩地の心情の変化とともに描かれている。
    あと少しで日本に帰ることができる、と思い続け目の前の仕事に励むものの、本社から裏切られ続け、最後のケニアでは精神的に限界を迎える恩地。子供がいる身として、10年間子どもと日本で安心して暮らせなかった恩地の身になれば、これほど辛いことはないだろう。
    会社に人生を踏み躙られたのだ。会社とは従業員を幸せにすることに存在意義があり、一部の経営陣のためにあるものではない。そんな経営陣に靡かず戦い続けた恩地の信念の強さに感服した。ただその信念を曲げなかった故に家族を巻き込

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    2024年10月17日
  • 華麗なる一族(上)

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    やっぱり面白いなー。昭和の時代のパワフルさ、空気感、必死さ。ガツガツしていて、ライフワークバランス完全無視な感じ。山崎豊子さんの作品はどれも仕事というものの、面白さが凝縮されていると思う。今の時代だとなかなかないですよね… 古い考えなのかな… 元気が欲しい時に読み返す本。

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    2024年10月12日
  • 約束の海

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    山崎豊子さんの未完の遺作。
    三部作になるはずだった物語の第一部。

    海自の潜水艦「くにしお」と釣り船の衝突により民間人30人の命が奪われる。
    世間の批判の目に晒される自衛隊。
    海軍内での居場所を失う「くにしお」の乗組員たち。
    若き士官、花巻の目線からストーリーは展開していく。

    深い海の中でひっそりと、日々命懸けで国防に携わっている彼らの任務。
    行間から、彼らの任務の息詰まる緊張感を感じる。

    この物語は単なる裁判ものではない。
    巻末に作者の没後、プロジェクトチームがまとめたその後のストーリーがおおまかに掲載されている。
    真珠湾攻撃にまで遡る壮大なスケールに圧倒され、もはや読むことが叶わないの

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    2024年09月01日
  • 白い巨塔(二)

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    医学部教授選の選考委員会を経て、最終候補は助教授の財前五郎、金沢大学の菊川教授、徳島大学の葛西教授の3人に決まる。

    五郎を勝たせるため、舅の又一は「まるで汽車の切符を買うように」(p.32)金をばら撒き、票固めをする。
    医師会の岩田を通して鵜飼医学部長を味方に付けている財前陣営は、31票のうち「臨床の票は、ごっそり取れる」(p.46)との見通しをもつ。
    (岩田)「大学の教授選での金の出し方は、ちょっと演技がいるのや、金が金と見えんような品位のある演技がな」
    (又一)「ほう、品位? そんな一銭にもならんものまで、欲しがりますのんか」

    一方の東は菊川を後任に、また娘の佐枝子の配偶者としても、と

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    2024年08月19日
  • 大地の子(四)

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    本来巻き込まれるべきではない国民が戦争により「大地の子」になってしまった。
    全四巻を通して、戦争というのは本当に誰を幸せにするのかということを感じさせられるし、真の犠牲者は兵隊だけでなく国のためを考えて行動した一般市民ではないかと思う。
    中国に残された孤児たちの凄惨な歴史、人生。日本がしてきたこと、中国がしてきたこと、それぞれについて考えるきっかけを与えてくれた小説であった。

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    2024年08月14日