山崎豊子のレビュー一覧

  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    エリート社員だった主人公が、思わぬ不本意な形で労働組合の委員長を引き受けることになる。元来の真面目さ、誠実な性格で、末端の社員の賃金引き上げなどの処遇改善を掴み取るが、一本気な進め方が災いし、また、たまたま首相フライトを交渉の材料に使ったということで、経営陣との対立が決定的となる。その報復人事とばかりにパキスタン、イラン、ケニアの駐在として10年間のいわば流刑に処される。この間、良い出会いもあるのだが、家族も疲弊、出世もおぼつかず、さまざまなハードシングスで発狂寸前まで追い込まれる。大企業や保身に走り自分のことしか考えない役員の嫌なところを煎じ詰め、煮詰めて、かたまりにしたような話。現代であれ

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    2025年08月27日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    主人公の強い正義感に対し、会社や周囲がそれを抑え込もうとする姿勢から、現代の日本社会にも通じる闇を強く感じました。

    物語は何十年も前の出来事を描いていますが、今もなお変わらない企業文化が根付いていることを痛感させられます。

    主人公のまっすぐな信念は会社には疎まれ、結果として海外転勤が延長されるという理不尽な扱いを受けます。

    その姿に胸が締め付けられる一方で、現実にも似たような構造が存在するのではないかと考えさせられました。

    企業の事業の裏に潜む矛盾や不条理を描き出す描写はとてもリアルで、社会を鋭く切り取った小説であると強く感じました。

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    2025年08月24日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    第1巻は壮絶な物語の幕開けでした。
    主人公が直面するのは、10年に及ぶ海外転勤という過酷な運命です。
    現代の価値観から見れば非人道的とされるような人事異動ですが、彼はその不条理に抗い、不屈の信念を持って挑み続けます。
    その姿は私の想像をはるかに超えるものであり、強い感銘を受けました。
    さらに、主人公には家族がありながら、アフリカで長期滞在を強いられるという厳しさも描かれており、読んでいて胸が締め付けられる思いがしました。
    なぜ周囲が止めることもなく彼を送り出したのかと疑問に思いましたが、それは当時の時代背景や価値観に深く根付いているのだと感じました。
    この章は単なる導入ではなく、壮絶な試練の序

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    2025年08月24日
  • 大地の子(一)

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    大地の子といえばすぐに上川隆也を思い浮かべるくらい印象深いドラマだった。
    この作品を舞台化すると知り、そういえば小説は読んだことがなかったと思い、今回audible で聞いた。
    audible の朗読は声も速さもちょうど良く聞きやすかった。

    時節柄、映画も戦争関係作品を目にする機会が多い。
    こういう時代があったのだと刻んでおかなければならない。
    中国残留孤児のニュースは子供の頃、よく目にしていた。
    記憶の片隅にあったその言葉を小説で思い出す。
    日本軍の大陸での行い、残された子供達がたどったその後。
    小説だけでも辛すぎる。

    山崎豊子さんの凄さが身に沁みる。

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    2025年08月21日
  • 白い巨塔(五)

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    イッキ展開の最終巻。
    あんなに憎たらしいと思ってた財前が何故か愛らしく感じられるラスト。
    自分の身体も定期的にしっかりと点検しなければと思う。

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    2025年08月18日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    『沈まぬ太陽』全5巻の中の3巻。だがこの1巻だけでも、読んだーという感じ。御巣鷹山篇である。作中では国民航空となっているが、記載されているのは、あの日航ジャンボ機墜落事故の全貌である。

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    2025年08月17日
  • 不毛地帯 第一巻

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    シベリア抑留という言葉しか知らなかったが、この不毛地帯第1巻を読んで、その過酷さに驚く。小説ではあるが作者の取材力を考えれば実際に起きたことを再現していることは理解できる。

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    2025年08月16日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    小説内では、1巻から20年も経っているのかと言う衝撃もさることながら

    前作とは打って変わって、事故の悲惨さに焦点を置いている
    墜落事故後、家族が生きていると信じてる人、亡骸をなんとしても弔いたい遺族

    問題になっていたコストカット、利益重視が積み重なり
    防げたかもしれない災害(墜落事故)

    悲しみを抱える遺族の世話役として遺族と向き合う主人公恩地の直向きさは言わずもがな

    甲子園を見るために1人で飛行機に乗った健ちゃんの話は辛すぎる…
    スチュワーデスさんが居たとしても、家族のいない状態で30min墜落まで体験したと思うと胸が痛い

    二度と同じ事故を起こしてはいけないという思いで、アメリカに向

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    2025年08月07日
  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-

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    ついに読み終わったという感が否めない。内容が重厚で、読めば読むほどに楽しいものでないだけに、ずいぶんと読み終えるのに時間がかかってしまった。そのため、序盤の方とかは、かなり記憶から薄れ、語れるほどに覚えていない。
    まさに、こうして重大な事故の記憶は、過去の話になっていってしまうのだろう。

    国見の「更迭」から、恩地のナイロビへの赴任。事故の真実、会社の腐敗の是正に尽力した二人の主人公の結末は、まったく希望を見せず、いかに正義を突き通すことが絶望的であるかを物語っているように見える。
    物語の中でたびたび利根川総理らが、「国見には政治ができない」ということを言うが、正しいことをするためには、正しい

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    2025年08月02日
  • 運命の人(四)

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    (ネタバレあり)怒涛の一気読み。沖縄返還に係る日米交渉と米側への補償金の支払いにかんする密約を暴いた記者。政府から機密漏洩教唆で訴えられるが国民の知る権利を掲げて真っ向から対立する。その記者に機密文書を漏洩した女性事務官との不倫関係なども取り沙汰され、泥沼の裁判となる。国家機密といえば正当性あるが、中身は米側に忖度し日本国民の税金から不当に支払われる迂回資金であり、国民を欺く裏金。国家(というか、そのときの権力者)が記者を潰しにかかる様子は、権力の恐ろしさを物語っている。元ネタは実際に起こった「西山事件」。小説を通じて、権力や官僚の腐敗や事勿れ主義、不都合な事実を握りつぶそうとする傲慢さや忖度

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    2025年08月04日
  • 不毛地帯 第五巻

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    壮大な大団円。

    読みながら次はいけるのか、どうにか成功してくれ、と願っていました。

    戦地は敵だらけ。

    タイトルの通り、どこかしこも草一本も生えてない不毛地帯。

    希望も救いもないがそれでも信念に向かって突き進む主人公の生き方に一縷の望みを感じ得ずにはいられなかった。

    壱岐正の美学、生き方を少しでも学んでいきたいと思った。

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    2025年07月24日
  • 白い巨塔(五)

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    完読!!傑作ですよ!
    この作品が描かれたのは昭和中期。癌という病が一般的にまだ不治の病として恐れられており、医学もまだ未発達で現代のような緩和治療がない時代。大学病院の在り方として研究の学会発表とあらゆる症例のレポートがメインとなり、少なからずとも患者の扱いが現代とは異なり、悪い言い方をすれば研究材料だったのだろう。本書裁判における国が捉える『医師』の定義付けとしては『人の命を扱う重要な立場故に可能な限りの手段を用い治療努力をすべき』といった医療現場への警笛。そして、日進月歩である医療現場への尊重がある中での医師の立場と責任感の追求。医師である前に一人の人間であることを忘れるなかれ、といった現

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    2025年07月23日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    日航機墜落事故の悲惨さを初めて知った。
    被害者、そして被害者の遺族の描写に時々涙が出そうになってしまった

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    2025年07月20日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    前半は主人公の恩地がアフリカでどのような状態で頑張っているかが書かれて、
    ひたむきに業務をこなす姿に心打たれました。
    後半は日本航空が抱える問題が浮き彫りになり、自分が手配したチケットが原因で問題の渦中へ。
    前巻で出てきた登場人物がそれぞれの思いを胸に、問題に向き合う姿は心動かされました。

    アフリカで過ごす中で、自分と同じく日本への思いを抱えながら、帰国できない孤独な思いを秘めた人の心中が語れるシーンに
    解決した訳では無いが、恩智の孤独が少し和らぐのを感じました。

    ハンティングの描写や、剥製を壊すシーンは、作品に吸い込まれるような描写でした。
    次巻も楽しみです。

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    2025年07月08日
  • 華麗なる一族(下)

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    ミステリーであるかのように次の展開が気になり、ページを捲る手が止められなかった
    その後を暗示させる結末は、理不尽さに身悶えした一読者として多少、溜飲が下がった

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    2025年07月07日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    過酷過ぎる僻地での年月。読んでいて辛かったです。
    恩地さん、お疲れ様でした!
    でもきっと、まだまだ恩地さんの戦いは続くでしょう。
    次巻楽しみです。

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    2025年07月03日
  • 白い巨塔(五)

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    読んだ本 白い巨塔5 山崎豊子 20250518

     後書き読んだら、やっぱり4巻以降は続編だった。しかも、財前勝訴への批判の声から続けたとのこと。やっぱりな。正直、裁判の行方としては、色々あったとしてもあんな難しい手術をして誤診って言われたら堪んないだろうって思ってしまう。そこだけで言うと、3巻で終わってた方がリアルだった気がします。
     と言いつつ、夢中で読んじゃいましたね。今日だけで300ページ。財前の破滅を描いて溜飲を下げるってだけじゃこうはならないんだと思う。そもそも財前の独善も医者としてのプライド、人の命を救うってところから始まってて、それも難しければ難しいほど悦に入るってのは、悪じ

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    2025年06月18日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    自分の知らない時代の航空業界にまつわる話

    史実を元にした小説ということでおすすめしていただきました。

    とても読みやすく、主人公の真っ直ぐさ故に茨の道を進むことが最初からわかっている分、救われてほしいと思いながらも、救われるわけではなく、本書の書き出しのアフリカに左遷された途中まで記載された本

    この一冊で、アフリカの匂い、大企業での労働組合が向き合う問題、ストライキ、海外左遷、カラチの過酷さ、戦争による空港閉鎖、胃が痛くなるような体験が記されていますが、読み進めたくなります。

    戦争を経験した人たちのセリフに、私と世代が違うからこその尊さを感じました。

    なぜアフリカに至ったのかはまだ書か

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    2025年06月17日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    組織は怖い。上司を敵にすると流刑にあうという恐ろしさ。パレスチナのカラチでの生活が過酷過ぎて、読んでいてゾッとしました。恩地さんの運命や如何に!正義は勝つ!…よね?
    二巻目に突入します。

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    2025年06月12日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

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    国見正之会長がカッコ良すぎる。こういう上司の下で働きたい。

    三顧の礼と云われ、国見は応えようがなかった。あくまで就任に反対した、上杉社長の顔が思い浮かび、なお躊躇った。だが、同期の中で、戦場へ出ず、生き残った者としての負い目がある。もはや、辞退は許されない。
    「二度目の召集を受けたと考え、お引き受け致します」
    国見は、万感の思いに押されるように、決意した。(p50)

    国見は、内閣総理大臣の利根川総理からの要請として、その陰の参謀である龍崎一清から、未曾有の大事故を引き起こした国民航空会長になるよう懇請される。元々、国見が会長を務めていた関西紡績は、「国家社会への奉仕」を社是にしており、彼自

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    2025年06月10日