あらすじ
松本勝男は、敗戦直後に祖父と母を喪い、妹と生き別れた。戦争孤児となった少年は、死線をさまよう苦難を経て、中国人教師に拾われ、中国人「陸一心」として育てられる。しかし、成人した一心を文化大革命の波が襲う。日本人の出自ゆえにリンチを受け、スパイの罪状で労働改造所送りに。終わりのない単調な重労働に明け暮れる日々、一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。NHKでドラマ化された山崎豊子の感動巨編。
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どこまでが事実なのか分からないけど、中国残留孤児と、日鉄の製鉄所合弁事業の現実にやっぱり中国嫌いとなったが、日本も日本だったのよね…
最後の主人公の選択がとてもよかった!大地の子!!
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山崎豊子『大地の子(一〜四)』
現在の日中関係を考えるうえで、本作は中国という国の性質を理解するための格好の教材だと言えます。中国共産党の中枢まで克明に描写できたのは、胡耀邦元総書記による取材協力があったからこそでしょう。これほど深く内情に踏み込んだ著作は、今後二度と現れないのではないでしょうか。
かつてNHKでドラマ化された際や、山崎豊子さんの著作であることは以前から知っていましたが、どこか暗いイメージを抱き、敬遠していました。そんな私が本書を手に取ったきっかけは、2024年7月の日経新聞の記事です。「中国宝山との合弁解消」というニュースに接し、「『大地の子』半世紀に幕」という言葉に強く惹かれました。
文庫版全4巻という長編に圧倒され、しばらく後回しにしていましたが、読み始めると一気に引き込まれました。主人公・陸一心と実の妹が再会するシーンでは、通勤電車の中にもかかわらず、思わず涙が溢れそうになりました。
来年2月下旬には明治座で舞台化されるとのこと。観劇に行こうかどうか、真剣に迷っています。
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『大地の子』を読んでみました。
『華麗なる一族』に続いての山崎豊子作品でしたが、中華人民共和国という国の恐ろしさ、そして知識人に向けられる異様な圧力が印象深く描かれていたと思います。読んでいて胸が締めつけられるような場面も多く、ここから物語に救いがあるのか気になっています。
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大地の子といえばすぐに上川隆也を思い浮かべるくらい印象深いドラマだった。
この作品を舞台化すると知り、そういえば小説は読んだことがなかったと思い、今回audible で聞いた。
audible の朗読は声も速さもちょうど良く聞きやすかった。
時節柄、映画も戦争関係作品を目にする機会が多い。
こういう時代があったのだと刻んでおかなければならない。
中国残留孤児のニュースは子供の頃、よく目にしていた。
記憶の片隅にあったその言葉を小説で思い出す。
日本軍の大陸での行い、残された子供達がたどったその後。
小説だけでも辛すぎる。
山崎豊子さんの凄さが身に沁みる。
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文化大革命の言葉は知っていても具体的に何が行われていたか詳細には知らなかったので冒頭から衝撃的だった。読み終わってこれからまだあと3巻もあるのかと思うと、これから待ち受けている一心の運命の過酷さが想像できて辛くなるが、読み進めたくなる面白さで名著だと実感した。早く次も読みたい!
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日本人残留孤児とはどのような存在だったのか深く考えさせられる。残留孤児という言葉すらほとんど聞くことすら無くなった現代において、自分達の歴史を認識する意味でも価値のある小説である。主人公の人生に寄り添うことや共感することすらおこがましい平和な現代に生まれ生きる自分にとって大きな学びを与えてくれる。
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日本人であるが故に様々な苦難が待ち受けている。
そんな中でも味方になってくれる人は必ずいる。
中国と日本の歴史観、歴史教育も違う、日本人も酷いことをしてきたこと、歴史観は双方からみて初めて理解できるのだと感じた。
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読んでいてとても精神的に辛い話だ。しかし、それよりも山崎さんがどれだけ歴史的背景や製鉄の知識を勉強してこれほど壮大な話を構築できたのかと想像すると、頭が下がる思いだった。
とにかく作者の熱量に圧倒された。
これほどこれまでの日本と中国の関係性、中国人のものの考え方を理解するに適した小説があるだろうか。
ドラマを観た時は感動する話として受け止めていたが、小説を読んだ印象は違った。
感動なんて言葉で表現するのは作者に対して失礼だ。
日本と中国のこれからの関係性をはかるうえで日本人は皆読むべき小説なのではないだろうか。
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すごい小説だと思います。
約30年前にNHKのドラマで見た時も面白かったですが、原作も時代の残酷さが伝わってきて、一気に読み終えることが出来ました。
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実は本よりも先にNHKのドラマを見てしまいました。上川隆也のデビュー作!もちろん若い!そして涙なしでは見られない感動巨編。満州での悲惨な歴史を知らない人も多いと推測するが、本かドラマに是非とも触れてもらいたい。最近は漫画版まであるそうで。でも、やはりドラマが素晴らしい。中国の父がとにかく泣ける。
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序盤では、文化大革命によりインテリに対する激しい弾圧が行われる中、出自が日本人であるというだけで濡れ衣を着せられ、吊るし上げられ、労働改造所に強制送還させられるという、陸一心の身に起こったあまりに理不尽で不条理な出来事に頭がついていかなかった。
ただ、日本軍に見捨てられ中国で戦争孤児として生き抜いてきた陸一心の子供時代を読み進めていくにつれ、戦争や革命という凶暴な力により、人の運命はこうも容易く歪められてしまうものなのだという厳しく冷酷な現実をようやく受け止められるようになってから、陸一心の身の上に同情し、一刻も早く労働改造所から脱することができることを願うばかりだった。
暗闇の中を出口があるのかさえわからないまま、養父に対する恩義を支えにして、必死にもがき続ける姿は痛ましい限りだったが、最後の最後で徐々に一筋の光明が見えてきて第二巻が楽しみになった。
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業界に携わるものとして読んでおけと言われて読み始めている。残虐な状況が目に浮かぶ…これが史実にそっめ描かれているのだから余計に震える。
日本人はよく平和ボケしていると言われるが、山崎豊子の戦争三部作は必読と痛感(あとの2作は「二つの祖国」と「不毛地帯」
続きが楽しみ
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社会人になって久しぶりに読んだ山崎作品。残酷な話から前を向く話への起承転結がすばらしい。悪者を偏って悪者に描く嫌いはあるものの、丹念な取材と構築力はよむものを唸らせる。
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81/100
秒で吸い込まれる
理不尽さ、そしてやるせなさのもと少しの希望や幸せを見いだして生きることへの執着が伝わってくる
何がいいって日本人を美化せずに中国人と日本人の関係性を忠実に書いてくれるからこそしっかりと作品に向き合うことができる
中国行く前に読み始めたからドキドキしながら旅行スタートした笑
陸先生まじいい人
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中国を侵略した日本は満洲国を建設するにあたり日本から開拓団を募集して100万人以上の移民を派遣したのだが、終戦時には多くの移民を取り残して関東軍は無責任にも帰国してしまうのだ。その撤収にあたり関東軍は敗戦の2ヶ月も前から司令部を日本に近い朝鮮半島付近に移し、橋を爆破して破壊したというのだから驚きだ。
しかも数十万人の規模で残された戦争孤児たちを救出する動きは日中国交回復するまでは全く起こっていないのだから呆れてしまう。ドイツ人は東ドイツに残された棄民を5年以内に全て救出したというのだから、日本人はどうなんだろうと思ってしまう。考えてみれば、インパール作戦や太平洋の離島で飢餓死した多くの日本兵の遺骨さえほとんど収拾していないのは周知の事実だ。モンゴルやシベリアにも多くの日本人の遺骨が散逸したままになっている。
この作品は山崎豊子の著作の中でも日本人として必読の書であると思った。
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『不毛地帯』に続く山崎せんせの大作にチャレンジ!『不毛地帯』でのシベリア抑留シーンもえぐかったのですが、今回舞台の中国ではあの産業革命に次ぐ、画期的な大改革と謳われる文化大うんこ革命真っ只中、そして噂の収容所シーンもやっぱりえぐかったですね。私なら耐えられずに〇〇してます。
主人公である中国残留孤児のルー・イーシンくん、モデルとなる方がいらっしゃるとの事ですが、当時現地での日本人への扱い方は地獄であったようで、あらためて戦争は憎しみしか生まないと、戦後80年の今、熟読するべき小説ではないでしょうか。
そう言えば昨日家族で盛り上がった例のユーチューバー『バッパー翔太』氏。新疆ウイグル自治区取材後音信不通となり、2ヶ月後無事帰国しましたと動画をアップするも、どうみても中国なんですがね・・・・^^;右目の青タンの後もうっすら確認され、そして目も死んでおりました。いかがお過ごしでしょうか。
翔太くんもまずこの作品を熟読していたらそこに行かなかったのではと、中国の怖さもあらためて感じる秋の夕暮れでございます。早く日本に帰られるといいね。
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読んでいて辛いけれど、北京にいる今この空気を吸いながら読んでおきたい。中国の近代史を学ぶ一つの手段でもあると思っている。
一心がどうなっていくのかとても気になる。
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私がルーイーシンならこんな生きることに頑張れるのかなってなった。最後、義父からの手紙がルーイーシンの元に届いた時、込み上げるものがあり泣けた。中国の名前が分かりづらいことがあった。
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山崎豊子先生の戦争シリーズ。
不毛地帯は、日本とソ連。二つの祖国は日本とアメリカ。本作は日本と中国が舞台。
毎回そうだが、本作でも主人公の置かれた境遇はかなり過酷なもの。
冤罪で労改送りになり、謂れのないリンチや暴力、過酷な労働はシベリア拘留を彷彿とさせる。
一巻では、戦争孤児の主人公が小学校教師の父に拾われて養子となり、大学進学、就職、労改送りになったところまでが描かれている。
歴史背景は、日本の敗戦、中国において共産党が国民党に勝利し、中華人民共和国を建国。
毛沢東の大躍進政策、失敗、そして文化大革命までの話。
この後、中国と日本を取り巻く環境は大きく変わるが、そこに主人公がどう関わってくるのか楽しみである。
そして、生き別れになった妹と再会することができるのかも気になるところ。
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第二次世界大戦直後に中国で家族と生き別れになった日本人孤児の壮絶な人生。背景には日本人が中国で行ってきた悪行があることは明確であるが、あまりにもひどい仕打ちに読んでいて辛くなる。果たして生き別れた妹との再会は叶うのか。
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何十年に渡る1人の男の人生を描いているから、いろいろなことが次々と起こり、シーンも次々と変わり、小説としての面白さがある。
これだけ中国人として生きてきても、生まれた国の日本に惹かれていく主人公や中国残留孤児の方々の描写が興味深かったなぁ。
無心になって読み進めた一冊。
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日本人・松本勝男。幼少期に満州の日本開拓村へ家族とともに移住する。
1945年8月9日、ソ連軍の満洲への進軍により、祖父と母を失い、妹・あつ子とは生き別れとなり、戦争孤児となる。
さまよっていた勝男を救ったのが、小学校教師・陸徳志。勝男は徳志と妻の淑琴の子、陸一心として育てられる。
文化大革命時に、北京鋼鉄公司で技術者として働いていた一心は、自己の出自の故に、造反派の労働者から糾弾され、冤罪の上、労働改造所に収容される。
小日本鬼子という出自。
中国人として、懸命に生きようとする一心に過酷な運命を与える…
学校での暴力、文化大革命のリンチ、労働改造所での強制労働…
過酷すぎる…
これでもか、これでもかと、一心に襲いかかる。
過酷な仕打ちな負けることなく懸命に生きる一心。
一心の冤罪を晴らそうと懸命に訴える父・徳志。
そこまでできるのか、という、徳志の一心への想い。
一心の命を救い、徳志に一心の居場所を知らせた、看護婦・江月梅。
陰ながら、一心を助けようと動く、親友・袁力本が。
従兄弟・秀蘭が。
一心のために…
懸命に生きる一心…
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読んでいる途中、
気持ち悪くなり吐いた。
それだけ、リアリティがあり、
「門が開くまで」
がしんどかった。
中国という国を知りたくて読んだほんだけど、
よけいわからなくなった。
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敬愛する俳優の上白石萌歌さんが、2026年2月からの舞台『大地の子』に出演するということで、読み始めた。彼女の役柄は“江月梅”。公演の発表が2025年8月で、当時彼女は舞台『震度3』に、まだ出演中だったと思う。今年、2025年の彼女は映画に舞台にTVドラマやバラエティ番組などの他に、adieu名義での歌手活動としてライブ開催、写真集の発売など、それはそれはめまぐるしい大活躍を遂げた年だった。フォロワーとしても、大いに喜ばしい限り。折しも2025年の年末である。
上白石萌歌さま。今年は、もとい今年も、よくがんばりましたね。なにとぞ年末年始くらいは、ごゆるりとお過ごしください。
舞台『大地の子』ぼくは早々にチケットを入手することができた。2026年3月に観劇の予定。舞台上の彼女を観るのは初めての機会なので、悔いの残らないよう、しかと彼女の存在感を確かめてくる所存。舞台は演者と観客の共犯関係の芸術という。ぼく自身、気の引き締まる思いがしている。
さて。
『大地の子』である。
なんとも苦しさばかりの物語。五感をもって陸一心の境遇を想像した。生命にすら直結する試練の連続で、乗り越えても乗り越えても、乗り越えても襲いかかるケダモノのような運命。よくぞ心折れずに生への希望を捨てなかったものだと。生命力や精神力の強さで表すことは容易いけれど、ぼくはどうしても「もし自分だったら」との考えを避けることができなかった。あくまでも想像の域を越えないけれど、実感までには至らなかった。もし、一心に襲いかかる運命の一端でも実感しようものなら、ぼくは生命の危機への恐怖で、どうにかなってしまったのではないか。あまりにも過酷。あまりにも理不尽。耐えることなどできただろうか。
行きつ戻りつしながら、ようやく読み終えた第一巻。さて、次巻の試練とは。
心して表紙を開く所存。
これだけの物語を舞台で、演劇で表現するというのだ。いったいどのような演技が繰り広げられるのだろうか。江月梅役の上白石萌歌さん、役柄のイメージにぴったりだと思う。
たのしみで仕方がない。
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序盤、中国のことがスッと入ってこなくて読み進まないが、中盤からサクサク読める。
時代背景も中国のこともあまり知らなかったが、描写が素晴らしいので、想像しながら読めた。
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1991年第39回菊池寛賞受賞作。「不毛地帯」「二つの祖国」と共に著者の戦争三部作と呼ばれている。本書は全4巻の1巻目。
中国で日本人戦争孤児となった陸一心(ルー・イーシン)が主人公。働いていた鋼鉄工場からスパイの容疑で労働改造所に送られ使役の日々を送る。中国では毛沢東政権下の文化大革命の嵐が吹き荒れていた。
本書では、自分がなぜ戦争孤児となったのか、そんな自分を救ってくれて大学まで送ってくれた養父・陸徳志(ルー・トウチ)の温情、容疑をかけられ使役の日々をいかに耐えてきたかを中心に歴史的背景と共に描かれている。
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ぐいぐい引きこまれる すごいドラマだった
すごい取材と執念が伝わってくる
中国人として育った日本人が、40才になって本当の父親と巡り会える
戦争での中国残留孤児が主人公だ
著者は正式に中国共産党中央委員会の許可を得て、中国国内で3年間の取材の後、1987年から連載を始めたものだ
満州のソ連国境近くでの開拓団の農家の息子として7才の時に終戦を迎える
奇跡的にも生き残ったが為に想像を絶する凄惨な日々を送ることになる
周恩来首相と田中角栄総理との会談で日中国交回復が果たされるものの、中国人民感情は日本を信用していない
国交回復後、上海に最新鋭の製鉄所を日本製鐵が受注する
この建設現場で主人公と本当の父親が対峙する
中国側と日本側の立場に分かれて
父親だと判明するのは数年を経てから偶然だった
家族を引き裂いた戦争があり、犠牲になった孤児がいて、日本に帰れた日本人もいる
著者も1,000人もの方々の取材をしたというが、凄まじい執念の取材だったろうと思う
読者でもライフステージや経験などの違いで涙を流す場面は異なるとは思うが、生々しい人の生き様に触れて誰もが感動するとは思う
そして、日本人として気が付かなかった中国から見た日本、日本人像、反感を持つ訳が伝わってくる
逆に中国の方には、日本人が中国のこと中国人のこと、中国の政治体制に対する不信感がどういうものなのかも理解してもらえるのではないだろうか
主人公は日本に帰ることは選ばなかった
戦争被害孤児である主人公は中国の大地で育まれた自分を、大地の子として表現した
等身大の表現ではあるが、読み終わるとしばし呆然としてしまった
気持ちとしては、巡り会えた父親と日本で暮らして欲しかった