大地の子(三)

大地の子(三)

652円 (税込)

3pt

「あつ子、すまなかった、探し出すのが遅過ぎた」──陸一心こと松本勝男は、三十六年ぶりにめぐりあった妹・あつ子に泣いて詫びた。妹は張玉花という名で、寒村での過酷な労働の果てに、重い病いの床にあった。その夫は子どものような知能で、義母は病む張玉花を休まず畑で働かせようとする強欲な女。その頃、兄妹の実父・松本耕次は、生き別れた子どもたちの消息をつかめぬまま、奇しくも陸一心のたずさわる製鉄所建設に参加し、中国で苦労を重ねていた。

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大地の子 のシリーズ作品

1~4巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~4件目 / 4件
  • 大地の子(一)
    652円 (税込)
    松本勝男は、敗戦直後に祖父と母を喪い、妹と生き別れた。戦争孤児となった少年は、死線をさまよう苦難を経て、中国人教師に拾われ、中国人「陸一心」として育てられる。しかし、成人した一心を文化大革命の波が襲う。日本人の出自ゆえにリンチを受け、スパイの罪状で労働改造所送りに。終わりのない単調な重労働に明け暮れる日々、一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。NHKでドラマ化された山崎豊子の感動巨編。
  • 大地の子(二)
    652円 (税込)
    養父と友人たちの尽力により、労働改造所から釈放された陸一心は、恩人である江月梅と結婚。そのかたわらで、中国と日本共同のプロジェクト「宝華製鉄」建設チームに抜擢された。一方、プロジェクトに協力することになった日本の「東洋製鉄」からは、松本耕次が上海事務所長として派遣される。松本は戦前、開拓団の一員として満州にわたった。しかし敗戦時妻子の生死も不明となり、傷心のまま仕事に生きてきた。戦後三十年を経て、両国で残留孤児探しが始まる──。
  • 大地の子(三)
    652円 (税込)
    「あつ子、すまなかった、探し出すのが遅過ぎた」──陸一心こと松本勝男は、三十六年ぶりにめぐりあった妹・あつ子に泣いて詫びた。妹は張玉花という名で、寒村での過酷な労働の果てに、重い病いの床にあった。その夫は子どものような知能で、義母は病む張玉花を休まず畑で働かせようとする強欲な女。その頃、兄妹の実父・松本耕次は、生き別れた子どもたちの消息をつかめぬまま、奇しくも陸一心のたずさわる製鉄所建設に参加し、中国で苦労を重ねていた。
  • 大地の子(四)
    652円 (税込)
    「松本先生どうしてここへ?」「陸さんこそ、なぜ」実の妹の臨終を看取り、悲嘆にくれる一心の前に、東洋製鉄の松本耕次が現れた。松本は、娘の消息がわかって駆けつけたのだった。あまりに唐突な父子の再会に動揺し、わが眼を疑う二人。一方で、宝華製鉄建設は大詰めをむかえ、日本側は中国首脳に翻弄されていた。その中で頭角を現す一心に、更なる悪意が襲いかかる…。戦争孤児・陸一心の苦難に満ちた旅路、最後に選ぶのは祖国日本か中国か。血と汗と涙の傑作巨篇、完結。

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大地の子(三) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    第3巻は、一心が共産党員として道を切り開いていく一方で、周囲の人々の人生がゆっくりと崩れていく対比がとても印象的でした。特に、一心の妹が不当に扱われる場面は胸が痛く、読んでいてつらいシーンが多かったです。また、登場人物同士の激しい口論が続くことで、当時の中国社会の空気感や価値観の違いがより強く伝わっ

    0
    2025年12月04日

    Posted by ブクログ

    一心を取り巻く人間関係と、製鉄所建設の話とが入り混じり物語が進むにつれ引き込まれていく。
    国策としての開拓団、そして国が起こした戦争の被害者となった多くの孤児達の話は読むだけでも胸が苦しくなる。
    一巻の一心の時も辛かったけど、妹の話になるとさらに辛い。引き取られた養父母によっても境遇は大きく異なる。

    0
    2025年10月03日

    Posted by ブクログ

    戦争が引き裂いだ兄妹の絆と国策に翻弄される主人公ら残留孤児の物語に胸が締め付けられる。たとえそれが一方からは負の歴史であったとしても、歴史を知ることは必要であり、そのためにも意義のある小説を読んでいると感じている。

    0
    2025年02月16日

    Posted by ブクログ

    改めて戦争が残した残虐な歴史を感じさせられる。
    陸一心とその家族がどのような結末を迎えるのか次巻が楽しみ。

    0
    2024年08月11日

    Posted by ブクログ

    涙、涙。事実に基づく、色々な取材から、丁寧に何十年とかけて作られた作品と巻末にあったが、リアルさや感動が他の小説と違う。

    0
    2023年11月22日

    Posted by ブクログ

    圧倒的な取材量に基づいた叙事詩的な大河作品
    日本人の立場としては中国に対して嫌気がさすシーンも多く、ムカムカとすることも多かったが、それよりも戦争孤児の描写のリアリティが凄い

    0
    2022年03月13日

    Posted by ブクログ

    あつ子をはじめとした残留孤児の人生ってなんだったのか。日本政府は戦争責任として真っ先に解決に取り組まなくてはならないし、世界中の誰一人取り残してはならないという人権を尊重するために中国政府も尽力しなくてはならない。こんな事が戦後の昭和時代に起こっており、ある意味明治、江戸時代に遡って後退していた時代

    0
    2021年10月22日

    Posted by ブクログ

    親子と気づかないままでいる2人が歯がゆい。どうやって再会が果たされるのか気になる。
    中国の歴史、社会、そこから生まれる文化、人間性を知る上で、とても勉強になる。

    0
    2016年11月23日

    Posted by ブクログ

    父親が満州の実状を知る場面、兄の妹と再会する場面、涙がこぼれそうになった。この辺は大筋はドラマと変わりないが、妹の環境は更に深刻であった。
    政治的な問題も色々あり読み応えあった。

    0
    2016年01月25日

    Posted by ブクログ

    中国共産党の権力抗争に翻弄される製鉄所の建設、と、あたかも経済小説の様相を呈してきた第3巻。
    一方で、妹の消息がわかりその最期の場面で、ついにめぐり合う父と子。いよいよ佳境へと展開。

    第1巻のレビューで残留孤児と書いてしまったが、著者は「残留という言葉には、意思があり」、彼らに残留の意思はなかった

    0
    2015年09月01日

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