【感想・ネタバレ】沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-のレビュー

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ネタバレ

背帯の文言
「この国を覆う、おそるべき良心の不在。恩地元最後の闘い」
 今回も読んでいて、腹がたった。
国民航空、関連会社「国航開発」の政・官・財界との癒着、私腹を肥やす利権等、魑魅魍魎が蔓延するデタラメぶりがあまりにひどい。
 この物語が単なるフィクションであるなら、腹も立たないだろうが、登場人物の氏名は実在の人物の名前をもじったもので、実在する人物だからだ。
 ここで登場する自由党の竹丸副総理など、政界のドンとして君臨し、汚職事件で逮捕されたあの人だ。
現在も政治家の金権体質は、あいも変わらず変わらない。
 本書で、架空の人物である、常務にまで成った行天四郎の行動がひどい。
 客室乗務員と社内不倫をするわ、運輸省航空局の官僚に、その愛人とのマンションを提供するわ、そのなりふり構わない行動は人間としてどうかとおもう。
 『行天四郎』は国民航空に於いて、利権に群がる魑魅魍魎を具現化した人物なのだろう。
本巻では、地検から呼び出しを喰らう所で終わっている。
 国航開発の社長である岩合は、「岩合天皇」と呼ばれていた。その放漫経営により、私腹を肥やしていたが、ついに解任された。ここだけはスッとした。
 最後に会長の国見は解任。
 恩地は再び、ナイロビ支店長赴任を命ぜられ、本意ではないが、ナイロビへと向かう、残念な結果となっている。

 最後に作者の『あとがき』で、山崎豊子が述べている。
「今回は非常に勇気と忍耐のいる仕事であったが、その許されざる不条理に立ち向かい、それを書き遺すことは、現在を生きる作家の使命だと思った」
 偉大な作家の、この『あとがき』は重い。

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

全巻読み終えました。
当初、先入観無しに読み進めましたが、筆者の長きに渡る取材からの小説との事。
圧倒されました。
これが小説と言う設定なら、最後のくだりが無情すぎます。
しかし、忠実に再現した内容なら人の残酷さがよく分かります。
通勤時に読んでましたが、何度も泣きそうになりました。
おすすめの作品です。

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2024年04月18日

Posted by ブクログ

渡辺謙主演の映画、沈まぬ太陽を観て感動したため原作を読んでみた。
山崎豊子さんは十年に1作書かれるということで
すごく時間をかけられたのが、よくわかります。
印象に残ったこと葉
ニューヨークの動物園の鏡の間の鉄格子に埋め込まれた鏡があり、人間の上半身が映る仕掛けになっていて、その鏡の上には
世界で最も危険な動物
と記されていた。
そしてもう一つは最後に
何一つ遮るもののないサバンナの地平線へ黄金の矢を放つアフリカの大きな夕陽は荘厳な光にみちている。
それは不毛な日々にあった人間の心を慈しみ、明日を約束する、沈まぬ太陽であった。
なお、この小説に出てくる行天は白い巨塔の財前五郎の弟分として四郎としたそうです。

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2024年04月08日

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最後まで不遇で信念を貫く主人公と、野心と謀略にまみれたライバル。
山崎豊子作品といえばこの構図。

毎年、御巣鷹山の追悼登山のニュースを見るたびに、恩地元を思い出す。

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2023年11月07日

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最後まで、驚かされ胸を打たれる展開でした。これまでの仕打ちに対する報いの光が見えそうで、私自身、少し救われました。
事実を軸に展開される物語であるがため、一つ一つが重く説得力があり、その分重い気持ちになりました。
連載当時は関心がなく世の中の反応は分かりませんが、当時ここまでの本を書くのは、相当な覚悟と勇気、使命感があったと想像します。あとがきにもあったように。
少し前に新聞記者という日本アカデミー賞を受賞した映画が頭をよぎりました。
ひと言では言い得ぬ気持ちですが、とにかく読んで良かった。みんなに読んで欲しい。そう思います。

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2023年10月01日

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沈まぬ太陽を読んで。

 生きること、働くこと、誠実でいること。
 何にも背かず、自分の正義を貫いた人が、なぜ周りの人よりも苦労をしなければならないのか。なぜ日陰に隠されてしまうのか。
 山崎豊子さんの本で、初めて手にした「沈まぬ太陽」は、自分に「生きることの難しさ」と、「耐え難い仕打ちに耐えることの意義」を教えてくれました。
 自分に非のないつもりで生きていても、邪魔者と思われる。その誠実さが邪魔、優しさが邪魔、正義感が邪魔なのだ、と。社会に蔓延る無念の陰性感情は、輝かしく、引力の強い人に向けられる。それを跳ね除ける強さを、主人公はどのように湧き出していたのだろう。
 自分の人生を、人並みに謳歌することは、許されたものだけの特権であろうか。
 私は、私の、私だけの人生と命を、運命から見限られるまで、生きていこうと、強く思った作品だった。

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2023年08月03日

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沈まぬ太陽(一)~(五)を読んで

 航空会社の理不尽極まりない体制の中、一社員として立ち向かっていく主人公:恩地元の生き様が心を打つ物語。度重なる屈辱を受け続けた彼は自分の信念に対し、常に真っすぐであった。

 労働組合委員長時代は、従業員の為に会社へ向かって真っ向からぶつかっていった。
 カラチ、テヘラン、ナイロビという僻地での屈辱的な勤務にも屈することがなかった。むしろ、この地でできることを自ら考えて行動に移した。
 ご遺族係に任命された時、彼はご家族に対して真摯に向き合い、労いの言葉をかけ続けた。

 彼は組合長時代にストを決行してから、ずっとアカというレッテルを貼り付けられた。彼を邪魔者扱いする人々からすさまじく残酷な扱いを受け続けた。

 しかし、彼を慕っていた数々の人達がいた。旧労働組合の人々。ご遺族の方。会長の国見。妻のりつ子。彼には信頼という大きな宝物があった。どんなに大金を積んでも決して買うことができないかけがえのないものだと思う。真っすぐな信念には必ず共感してくれる人がいる。と温かいものがこみ上げてきた。

 恩地が出張先で訪れたニューヨークの動物園で目にした「鏡の間」。その鏡に移る人間こそ、この地球上で最も危険で獰猛な動物である。この場面は痛烈であった。複雑で理不尽な人間社会の核心をついたものだと強く心に刻まれた。

 著書を読んで、組織というものがさらに恐ろしくなった。数名の富と名誉の為に大多数の人間が犠牲となる慣習。現代でも尚、その様な組織が多数存在するであろう。
 しかし、互いの地位とお金の為に繋がる人間関係には、心が通う温かさは存在しない。これだけは間違いないと思う。

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2023年07月29日

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私はこの本をこの歳で読むことができてよかったと思います。まず、私は御巣鷹山の航空事故を知りませんでした。そして、昔は今ほど労基が浸透してなく、窓際族と呼ばれる人々の存在も知りませんでした。この話はフィクションとはいえ作者の多くのインタビューに基づいて作られているから戦後の日本の時代背景のようなものが学ぶことができたからです。

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2023年07月04日

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山崎豊子さんの本は描写が詳細で、徹底した取材と膨大な勉強量が本の記述からも伝わってくる。小説家としてのプライドというか、使命なるものが文字を通してここまで伝わってくる人って他にいないんじゃないかな。
主人公や会長といった、苦境の中で筋を通し続ける人達の姿に勇気をもらいました。面白かった。

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2023年06月16日

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最後の1ページまで捨てなかった想いは「救い」だった。
それは希望だったかも知れない。
「正義は最後には必ず勝つ」の想いだ。

何度胸糞悪い思いをしつつも、国見会長や恩地、旧労組、ご遺族係や御巣鷹山事故支援班など会社に僅かに残る良心が報われることを信じ、願い、読み勧めた。
その結果はもちろん伏せるが、これがただのフィクションではない、という事実には驚愕しかない。
事実を基にした小説だけに、事故後の経緯など、情報は出来るだけ遮断して読んでいたが、ようやく事実と向き合えることを今はただ喜ぶとする。

最後に、
全5巻、全く飽きずに楽しませていただいた山崎豊子先生、ありがとうございました。

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2023年06月06日

Posted by ブクログ

やっと読み終わった。現実にあった話とは思えないほど衝撃だった。最後に報われていたことが救いだったが、その後のどんでん返しも読みたかったかも。どこかで見たけど、人間の欲望はほんとうに怖い。でも欲望がないと成長できないので、自分のしてきたことに胸を張れる人になりたい。

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2023年03月10日

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日航の腐敗の酷さは怒りを通り越して呆れる限りです。こんな航空会社に搭乗し、命を預けるわけにはいかない。

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2022年11月09日

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【302冊目】会社に絶望し、人生のどん底近くにいたときに、フォロワーさんに教えていただいた本。海外の僻地をたらい回しにされ、家族と離れ離れの生活を強いられた主人公の労苦に驚愕と、共感と、そして自分も同じくらいの苦痛を感じているという気付きがあった。たぶん順風満帆のときには、まったく違う(主人公の恩地を嘲るような)感情を持ってしか読めなかっただろう。

とはいえ、中盤以降は日航機の御巣鷹山事故と、それに続く会社の更生のための努力を中心に描かれる。御巣鷹山事故は、涙無しには読めない悲しみと怒りを感じざるを得ず、なぜこの作品が今となっても有名で、多くの人に読まれ続けているのかよく分かった。

終盤に向かうに連れ、会社組織や政治家の醜悪さや、マスコミも含め結局みんな自己の利益を図ることしか考えていないという、政官財アッパー層への絶望を覚えさせるような展開。

恩地の子ども二人が、研究者と薬剤師という組織に頼らない生き方を選び、それが父親の背中を見て育ったからではないかと恩地が推測する場面が印象的。我が子もそうなるかもしれないし、私自身、我が子にはそう育ってほしいと願うな。

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2022年12月08日

Posted by ブクログ

御巣鷹山の慰霊登山のニュースを見て、再度読みたいと思い、実家に置いてあった本を持って帰ってきた。

主人公の熱い生き方が心を打つ。比較してみる私や現代人のぬるさを感じる。

著者山崎豊子さんの社会の問題をよく調査し、小説にしてくれるのはありがたい。航空会社の問題点、政府の問題点がわかりやすく頭に入る。それに伴い、個々が会社・政府と戦っても限界がある難しさも感じる。

私も御巣鷹山に慰霊登山に行ってみたいと思う、久しぶりに級友を誘ってみよう。

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2022年09月14日

Posted by ブクログ

結末はさらっとしてしまった感もあるが、日航の腐敗はひどいものがあったのは間違いないことがわかる。
政治の恐ろしさ、腐敗しきった組織を建て直すことの難しさを改めて感じることができる作品。

御巣鷹山に眠る皆様、そして著者の山崎豊子さんに改めて哀悼の意を表したいと思います。

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2022年08月24日

Posted by ブクログ

1.著者;山崎氏は小説家。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けました。19歳の時、学徒動員で友人らの死に直面。「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は、今でも幅広い世代から支持されています。綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢には定評があります。
2.本書;国民航空の労組委員長だった恩地(主人公)を通して、人命に係る航空会社の倫理観を問う社会派作品。恩地は会長室の部長に抜擢され、改革を進める。会社の腐敗構造が暴かれるという企業の暗部に迫る最終巻。山崎氏は、「御巣鷹山墜落事故の後も、ドルの十年先物予約を続け、膨大な為替差損を出しながら、閣議決定によって、経営責任を問わずという政治決着をつけた事は、企業倫理の欠如であり、事故に対する贖罪の意識の希薄さは言語に絶する」と結ぶ。
3.私の個別感想(心に残った記述を3点に絞り、私見と共に記述);
(1)『第9章 流星』より、「(和光監査役)無責任体質と派閥人事が横行している社内では、良心に基いて、監査を行う事は、非常に勇気がいる事であった。・・(そこで)“五シンの戒め”を自らの言葉で記し、座右銘とした。『①私心を捨てる ②保身を捨て使命に生きる ③邪心を捨てる ④野心を捨てる ⑤慢心を捨てる』、この“五シンの戒め”をもって、公正に職務を行おうとすると、周囲からそれとなく疎外され、孤立して、会社が抱えている重大な問題が真剣に議論されることはなかった」
●感想⇒監査役の役目は、会社が法令違反をしないように監視する事です。和光は“生え抜き”であり、監査役と言っても周囲の甘え(仲間意識)を払拭出来なかったと思います。日本の監査役は、“ポスト枠で役員になれない者”或いは“退任役員の褒美”という性格がありました。私が知る会社も、現在でもそうした慣習が続いていると聞きます。ここで言う、“五シンの戒め(①私心を捨てる・・)”は、非常に立派な考え方ですが、実践できる人はそれ程いないでしょう。従って、組織という人間集団で、目的を達成するには、根回しも必要です。自分で見えていない独り善がりでは賛同を得られません。
(2)『第10章 射る』より、「(主人公の恩地)日夜、骨身を削って再建に取り組んでおられる会長と、新設された会長室の在り方を、よくもここまで貶める事が出来るものです、『日本ジャーナル』という一応、硬派の雑誌の、しかも、記者の真面目な取材態度を信じた私の不明です。川田室長が直ちに、次週分の掲載中止を申し入れております、それにしても、ここまで意図的な記事になるのは、社内の一部派閥と、マスコミが繋がっている証拠に他なりません」
●感想⇒私は、マスコミをあまり信用していません。興味をそそる雑誌記事、テレビのワイドショー等は、その典型です。10年程前に、厚生労働省の女性局長逮捕の事件がありました。マスコミは挙って検察の筋書に乗り、彼女を犯人扱いしました。その後、主任検事の不正が暴露されるなど、無実が確定しました。逮捕当時は各社とも局長の不正関与を大きく報じたのに、無実後は鳴りを潜めました。ミスジャッジはあるとは言え、捜査を疑問視する視点がかけていたと言わざるを得ません。マスコミ記事を公正に判断する為に、多角的な分析力を養い、冷静な眼で見たいものです。思い込みは危険です。
(3)『あとがき』より、「多くの人の生命を預かり、何よりも人間愛を優先しなければならぬ航空会社であるからには、その非情さは許されない事であり、人間性の破壊である。この人間的な要素が複雑に絡み合って、事故を引き起しやすい素地に繋がっている」
●感想⇒会社を評価する時に、財務数値に眼がゆきがちです。企業の使命は、関係者(社員・株主・国家・地域社会・・)への貢献です。社会の公器なのですから、もっと多面的に定性的なモノサシでも測るべきです。そこで、会社を統率する経営者の資質は重要になります。経営者と言えども、所詮人間なので欲望もあるでしょう。しかし、前述の“五シンの戒め”をもって、役割に徹し、会社の存在価値を問い続けなければなりません。企業存続の条件は、財務でもなければ、品質・技術でもありません。お客様と社員の安全確保である事を、経営者は肝に銘ずる事です。命は何にも替え難いのですから。
4.まとめ;「沈まぬ太陽」全五巻の最終コメントです。読み応えがありました。第三巻「御巣鷹山篇」は涙無くして読めない程、胸を打たれました。山崎氏はあくまでも「フィクション」と言っています。それなのに、この作品の週刊誌への連載・映画化に対し、日本航空経営陣が強い不快感を示し、雑誌連載中は日本航空機内での、この週刊誌の扱いを取りやめていました。“火の無い所に煙は立たぬ”と言います。大人げない対応ですね。日本航空の浄化を期待します。山崎氏の言葉、「今回は非常に勇気と忍耐のいる仕事であったが、その許されざる不条理に立ち向かい、それを書き遺す事は、現在を生きる作家の使命だと思った」に感銘。後世まで読み継がれて欲しいと願います。(以上)

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2022年04月28日

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はぁ、、読み終えた。振り返ろ〜。
古書店で5冊セットが格安だったため、有名よなコレ〜と軽く買って見たがどハマりしてしまった、、

⑴⑵とアフリカ編。
壮大な自然と恩地の不遇に耐えながらも突き進む強さ。

⑶御巣鷹山編。
予備知識入れず手にし、御巣鷹、おすたか?ん??聞いた事あるね、、?あの飛行機事故か、、、?!と読み進める。
それまでに飛行機事故が多発してたストーリーの後であり、御巣鷹事故そのままのストーリーなの!?この作品フィクション!?ノンフィクション!?と困惑しながら読めば読むほど、この内容の緻密さや臨場感!?は作り話な訳がない!リアルな過去の事故はきっとこのままの状況だったんだろうなぁ、、と遺族や関係者の辛さや本音、さらには航空会社の人間もまたそれぞれ、辛い立場の中遺族に寄り添うもの、亡くなった機長や乗員の立場を理解する仲間、それに反して遺族に寄り添う気持ちの無い心無い経営陣の姿が頭を駆け巡った。

⑷⑸会長室編。
腐った航空会社にまさかの救世主現る!国見会長の人柄、存在にはほんと我が事のように嬉しくて恩地の立場を考えると救われる思いだった。それでも腐りきり過ぎた会社、利権政治、自分の利益しか考えない飽きれるほどのひどい人間が多すぎる事に驚愕。
少しずつその悪行の真相を掴みながらも揉み消されさらに窮地に立たされる国見と恩地だがその純粋さには応援したいと思わざるを得ない魅力が溢れる。
⑸の半分ほどを読み、まだドタバタしまくっているのに、残りのページ分でどれだけの展開があり、まとめあがっているのだろうと言う楽しみと読み終えてしまう寂しさで終わって欲しくない思いが交差した。

読み終えてしまいました(笑)

私は今までに良い出会いもあり良くない出会いもそりゃあった。良い出会いを引き寄せるためには自分を磨くのが1番の近道なのかもな、、と。恩地や国見、志方、他魅力的な登場人物を思うと芯のない私はまだまだ磨かねばならぬなとこの歳になって気付かされたのでありました。

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2022年01月14日

Posted by ブクログ

超大作やった。素晴らしかった。
しかし、まさかこんな終わり方とは・・・恩地報われなさすぎてつらい。でも、正義は貫き通したな・・・!
ここまで読むのに時間がかかったやつも久々や。
おもしろかった!

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2022年01月12日

Posted by ブクログ

私の誕生日は8月12日なので、この事故のことはとても気にかかっていて、誕生日はいつも浮かない気持ちになり、現地慰霊もした。この小説を読むのは2周目だが、人間とは?仕事とは?という人間が生きることについて考えさせられ、関係者、山崎先生の強い想いに心を揺さぶられずにはいられない。本当に多くの人に読まれてほしい本だと思っている。

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2021年06月11日

Posted by ブクログ

10年くらい前に買ってずっと読めていなかった。自分の今後を考えている中で、ふと目に留まり読み始めた。主人公が労組で社長と戦っていた年齢が今の自分と同じくらいだと思うと、すごいなと思ってしまう。海外僻地をたらい回しされながらも自分の芯を曲げずに生きていく強さと苦労を感じる。会長の真摯さに感動したが、それでも清廉さだけだと生き残れない世の中のつらさ。
日航の墜落事故は今でも話題になるし、日本人の記憶に刷り込まれているが、悲惨さや現場の状況だったりは全く知らなかった。かなり生々しく描写されている。
悪知恵を働かせ暗躍する上席者たちを見ていると、倫理観欠如はやばいが、ある意味思考停止せず生きていると言う点は見習うところがある。政治家、マスコミ、とことん根回しをして、不可能を可能にする、白を黒にするためあの手この手を使う強さは見習うところかなと。

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2020年10月23日

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・信念を持って仕事をすることのかっこよさと難しさ
・相手の欲しているものを常に考えながら行動することの大切さ
・(本当であるなら)権力とお金の結びつきの強さと人間の恐ろしさ
を感じた。


・常に課題と問題意識を持って仕事をする
・人によってお辞儀の角度を変えない

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2020年01月29日

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こんなに感情が相当揺さぶられた小説はありませんでした。腐敗に対する怒りと報われない主人公への同情。いい意味で疲れ果てました。
願わくば、もう少し復讐劇が欲しかったです。あまりにも苦労が長すぎませんか?最後の最後まで…。

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2023年10月11日

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実際のところはどうか分からないが、ここで書かれていることがもし事実だとしたら、モデルとされている企業は救いようがない状態だっただろう。だから相当な反発があった。

ただし、現実にモデルとされている企業は2010年に一度倒産している。ただしここに限らず、欧米の大手航空会社が相次いで破綻したのを見ると、そもそも航空業界は利益を出しにくい構造なのだろう。

山崎の作品はほぼアンハッピーエンドで終わるが、それは社会問題を題材にしているからである。

ただ本作を読むと、パターンがなんとなく『不毛地帯』に似ているような気がする。

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2022年02月14日

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結末にサプライズはなかったが、希望が持てるような終わり方であった。
計5巻のシリーズですが、御巣鷹山事故についてほぼ無知で読んだため、やはり第3巻御巣鷹山編は衝撃を受けました。
個人的に国見会長の真面目さ、真摯な人柄にとても惹かれました。読み応えのあるシリーズでした。

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2022年01月15日

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10年、いや20年近くぶりに読み直したが、ディテールどころか結末までまったく記憶になかった。勧善懲悪ではなく、こういう中途半端な終わり方だったのか。
多分以前に読んだ時は、普通の民間企業でも利権絡みの不正は多かれ少なかれあるので誇張ではあってもまったくない話ではないという印象であったが、時代の流れか今ならもうほとんどあり得ない話なんだろうと思う。それだけ民間のコンプライアンスが浸透したと言えるのかも知れない。しかし、政官の方はあまり変わっていないというか、更に巧妙に悪事が続いているのかもとか考えさせられた。
あ、これはフィクションだったな。

モデルになっている航空会社に稲盛さんが会長として乗り込んだのはこの小説が上梓されて10年以上先なので、この部分は山崎さんのまったくのフィクションだったのかと思うと、なんだか不思議さを感じる。

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2020年07月18日

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 組織の膿をを出し切るのは、かくも難しいものであることを痛感させられる。不正が不正と言えない会社体質、自身の保身と出世しか考えない役員の姿勢には呆れてものも言えない。
 自分の意見は認められず、会社に振り回され続ける主人公の精神力はどこから来るのだろうか。会社からコケにされても会社のために尽くそうとする。確かに辞めてしまえば会社の思惑通りだろうが、ここまでされても勤め続ける意志にはある種の恐ろしささえ感じる。こうした意志は現代では通用しないのかもしれないが、こういう気骨のある人がいるから会社として存在し続けていられるのだろうとも思う。そうでなければ、会社は潰れてしまいかねない。この作品のタイトル「沈まぬ太陽」には、そうした人達への思いも込められているのだろうかと思えてくる。
 本作は小説ではあるが、描写があまりに細かくほぼノンフィクションのように感じる。3篇5巻の大作である。

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2020年05月31日

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ネタバレ

誰も救われない感じは山崎豊子さんだからか、現実にそうだったから、どっちなのでしょう。
大企業は色んな人の思惑が入り込んで、綺麗事では済まないと思うけど、多くの国民、そして犠牲者にとっての正義を貫ける人に偉くなってもらいたい。そう思いました。

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2020年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結局権力には…
飛行機に乗るのが怖くなった

モデルとなった会社もライバル会社も飲酒の話がここ最近多く
またどこかで大きなミスをするのではないかと信用できない。

全五巻、知らなかったモデル会社の不祥事と腐った実態。
人の命を預かる仕事に利益を求めてはいけないのではと思う。

勉強になった。

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2020年01月25日

Posted by ブクログ

やっと昨日、「沈まぬ太陽」を全巻読み終わった。

全5巻、2500ページにもなるこんな大作はこれまで読んだことなかったかもしれない。
結局2ヶ月弱かかったのかな。ちょっと充実感。

でも、この本を読んだ感想は、惨憺たるものだった。
なんなんだこの人たち。

会社、政界、財界、取引先、グループ会社を巻き込んだ、組織に巣食う魑魅魍魎。
人が亡くなってるのに、臭いものに蓋をしようとするその腐りきった根性。
保身やさらなる儲け話にしか興味を示さなくなった組織に飼われる豚。
都合の悪い約束は守らず、明るみに出そうになると権力にすがるコバンザメ。
言う通り、思い通りに行かないとすぐキレたり、脅したり、権力を振りかざす長いモノ。

中には、主人公や会長みたいに組織の膿と真っ向から勝負する良心もいる。
でも、これだけの蛆虫がはびこってたらとてもじゃないけどやってらんない。

この本に書かれている話が全てホントかって言われると多分そうじゃないんだろうけど、ホントのとこもあると思うし、まだまだ汚職みたいなのはたくさんあると思う。
そして、今も続いてて甘い汁吸ってる連中はいんだろなって思います。

ただ、この話は航空業界特有の話ではない気がした。
それなりに大きい企業なら、どこにでもありそうな話かな、と。

天下り、ペーパーカンパニー、既得権、中小企業からの搾取、生協の選定、キックバック、クビ=他ポストへのすげ替え、、、いろんなとこで、汚いことが平然と行われてて、日本もどこの国も同じようなもんなんだろーなと思います。
アメリカなんてもっといろいろやってそうだし。

でも、そういう社会で俺は生きていかなきゃいけないと思うと、気が滅入ります。
偉くなれればいいや、とは思わないけど、自分が偉くなれば守れる人が増えるのも事実。
「踊る」じゃないけど自分の信念を貫きたかったら、思い通りにできることを増やしたかったら偉くなるしかない。だから、偉くなる必要があるなら、偉くなってもいいとか思ってたけど、これじゃちょっとな、、、「偉くなんかならなくていい」「お礼とかお願いとか調整とかめんどくさいから絶対やだ」って言ってた人の気持ちがわかります。
そりゃ腐るほどこういうの生で見てきたら、そう思うよな。。。仕事が人にこびへつらうことになって、好きな仕事してる気なんか絶対しなそうだし。
それでも、そういうバカな連中が接待受けちゃったり、お酒飲んじゃったり、女抱いちゃったりするもんだから、自分達もそういう括りで見られる、、、よくもまぁ我慢してられるもんだと思います。

既得権てのは、甘い汁だと思うけど、それだけの奪い合いなんて全然意味がない。
大事なのはお客さんにどう見えるか、誠実に接しているか、満足してもらえているか、もっとできることはないかを常に考えておくことだし、その為に働くからお金をもらえるってことを忘れないでいたいと思いました。

正直、読んでておもしろくはないし、へこむけど、いい勉強にはなりました。

最後に、読んでくれた人にお願いがあります。

俺が腐ってきたと思ったら、すぐ言って。腐んねぇけど。

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2020年01月11日

Posted by ブクログ

私利私欲にまみれてる人が多くて、
なんで会社のことを考えてる人があんな扱いを受けるのか。

組合とか、諸々、自分のイデオロギーを持ってるから
変えられないのかも。


まとまらん。


登場人物多すぎ〜

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2023年02月26日

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