あらすじ
「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった……。不屈の闘いを描く第四巻!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
国見正之会長がカッコ良すぎる。こういう上司の下で働きたい。
三顧の礼と云われ、国見は応えようがなかった。あくまで就任に反対した、上杉社長の顔が思い浮かび、なお躊躇った。だが、同期の中で、戦場へ出ず、生き残った者としての負い目がある。もはや、辞退は許されない。
「二度目の召集を受けたと考え、お引き受け致します」
国見は、万感の思いに押されるように、決意した。(p50)
国見は、内閣総理大臣の利根川総理からの要請として、その陰の参謀である龍崎一清から、未曾有の大事故を引き起こした国民航空会長になるよう懇請される。元々、国見が会長を務めていた関西紡績は、「国家社会への奉仕」を社是にしており、彼自身「労使運命共同体論」を説いて、関西紡績の労使関係を改善した実績があった。そんな国見を、「使命感を持ってい」て、「経営再建に実績があり、特に労務に明るい」人材で、「六十五歳以下で、実際に自分で仕事が出来る人物」と見て、龍崎は、国民航空再建のトップとして選んだ。
はじめは固辞した国見だったが、それを引き受ける決意をした理由は、「お国のためにという一言に背けず(p51)」だった。
「お国のため」、「国家社会への奉仕」といった言葉は、令和に生きる日本の人々にどう響くだろうか。おそらく、かつて大本営参謀として戦争に加わり、戦後十一年間のシベリア抑留を受けた龍崎や、学徒出陣で召集されたものの、教官要員として国内に残されたために、戦地で散った同期の中で生き残った国見たちへの響き方は、今の自分たちには、想像し難いものがあるように思う。国見の姿を見ていると、「お国のために」という志が、単なるナショナリズムや右翼のようなものではないことがよくわかる。
おそらく、国見のような人間は、これからの時代に二度と現れないであろう管理職のあり方だと思う。こうしたトップのあり様は、ある意味、昭和の時代から受け継ぐべきものだったんじゃないかとすら思わせる、物語の説得力を感じる。
小説のラストは、御巣鷹山事故から一周忌を迎えたところで終わる。しかし、なおも日本航空の組織体質が変わる兆しはまだ見えない。
読めば読むほどに、この時代の会社に勤めたいとは思わないが、現代人が何かを学ぶべき昭和の遺産に溢れた物語だと思う。何よりも、読めば読むほどに、御巣鷹山の事故が、すでに過去の出来事になりつつあることを、ものすごく感じる。ここに描かれているほどの解像度ですら、この事故のことを、現代のほとんどの人は知らないように思う。
何というか、小説だから書けることの一つの答えを、ものすごく突きつけられる小説のような気がする。
Posted by ブクログ
御巣鷹山事故のその後の経過記述の中にも、新会長以前の腐敗した経営体制とその御用組合の真っ黒な人間関係の緻密な描写に気分が悪くなるほど。
不毛地帯を読んでいるときにも感じたが、どうか結末に救いがありますようにと願わざるを得ない。
Posted by ブクログ
本の背帯の文言
もう一度闘う決意をした恩地。企業を蝕む「闇の構図」を暴くことはできるのか
利根川総理のたっての願いで、新会長に関西紡績の国見正之会長が国民航空の会長を兼務することになった。
恩地は国見会長に説得され、会長室の部長に抜擢される。
新生国民航空の会長である国見が以下の新役人事を発表した。
社長に、前の運輸事務次官で顧問の海野昇、副社長に、もと常務の三成道夫を指名した。
はじめは国見の意見に同調していた社長、副社長も、やがて、厳格な国見から離れていく。
今回も読んでいて非常に、むかむか来た。
国民航空の関連会社である国航開発のワンマン社長の岩合宗助は、ゴルフ、夜のクラブ遊びに飽き、クルーザーを購入し、会社の接待や自分に必要な「客」だけを乗せ、オーナー気分を楽しんでいた。
国民航空本社の秋月専務、甘粕秘書部長、新生労組が出資している旅行会社の専務の轟などをクルーザーに載せ、そこで密談をしていた。
新生労組の幹部は、組合員が毎月払う会費(一ヶ月五千円、年間七億二千万)を使い、高級ホテルのスイートルームで酒を飲みながら定例会を行う。
甘粕は国民航空の優待券・割引券を轟に横流しする。
轟は裏地にドラゴンの地紋が入った派手なスーツを着、ブランド靴を履いている。新生労働組合の副委員長だった轟は、組合員時代に潤沢な組合費を使い高級レストランやバーで飲み食いし、女遊びをした。
国民航空から吸った甘い汁で永田町の政治家に献金する、これら悪徳幹部達。
魑魅魍魎が跋扈する国民航空の描写を読んでいると、こんな嘘のような事実が、現実にあったのだろうと思うと、むかむか来た。
最後は御巣鷹山事故の一周忌の描写で終わるが、一周忌に参加した遺族の慟哭の様子を読んでいて涙が出るおもいだ。
以下、恩地の決意で終わる。
「今なお、航空会社の使命を忘れ、贖罪の意識の欠片もない社内の魑魅魍魎の輩を、はびこらせてはならない。
会長室に対する反駁は、さらに強まるだろうが、屈してはならないと、恩地は心に誓った」
次巻「会長室篇・下」も楽しみだ。
Posted by ブクログ
腐り切った会社が520人もの命を奪う事故を起こし、その再建のために全く異業種から送り込まれた国見会長と恩地元の立ち回りが興味を引く。ここまで腐った組織ではトップをしがらみのない外部の人間とすげ替えなくては無理なのであろう。それでもトップとはいえ1人の人間だけで再建するのは不可能であり恩地をはじめとする会長室が一丸となり膿を出し切るの最終巻のメインストーリーであろうが、敵の多い恩地の活躍に期待したいところだが、正義と矜持を真正面からぶつけてきた彼がどう振る舞うかに注目しながら最終巻を楽しみたい。
Posted by ブクログ
国見会長という素晴らしいリーダーがいてくれて、ホッとしました。ようやく恩地さんが認められて、力を発揮できる時がやってきました。ここまで読んできて、リアルな世界の出来事のように感じ、思わず人に話してしまいそうです。どこまでも腐り切っている上層部をどのように切り崩して行くのか、切り崩せるのか、最後まで気が抜けない、改めて後世に残すべき大作です!
Posted by ブクログ
会社再建のため、総理の後押しを受けて会長就任した国見、
現場を大事とする、その人格と経営力は社員を変えていこうとするが、、
待つのは想像以上に腐敗した会社の蛆共だった。
520人の尊い命を奪った責任など露とも思わず、尚も利権を貪り食う魑魅魍魎
そして初めて会社からの不当な扱いから解放され、会長室の一員となった恩地元
前巻で事故の悲惨さ、遺族の悲しみと怒りをまざまざと見せつけられたが、今回は余りに腐敗した一部社員に違う意味で顔を歪ませられた。
果たして組合統合は成るのかーーー
続きが気になる!!!
Posted by ブクログ
華やかにみえる航空会社でも、機長は髪が1週間で白くなることがあったりと、どの仕事にも想像を絶する大変なことがあるのだと感じた。正論だけを言ってもまかり通らないこともあるのかもしれないが、自分の信念をもって自信と責任を持って発言・行動できるようになりたいと思った。今の社会にもこのように頑張ってくれている人がいるのだと思うと自分がぬくぬくしすぎだと思わさせられる。
Posted by ブクログ
「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった……。
Posted by ブクログ
ジャンボ機墜落事故の後、国民航空再建のため、国見会長が就任。恩地は会長の依頼を受け、部長として会長室で働くことに。その一方で私服を肥やす魑魅魍魎たち。まだ悪役が悪事のしたい放題。次回、最終巻でスッキリ解決を期待。
Posted by ブクログ
前作の事故から会社の在り方から建て直すために、恩地をはじめ、総理から指名され、戦時中の仲間を守れなかった思いがあり、第二の出兵として引き受ける国見
もう無理なのではないかと思うくらいに、どす黒く淀んだ社内の組織に辛くなります。
次の最終巻のクライマックスに向けての前段という感じで、面白いというよりは、そこにいる恩地、会長、恩地のかつての友である行天が置かれている状況に、どこの立場であっても大変なことに変わりないと思ってしまいました。
犠牲者の遺族や、組合など寄り添うことの難しさにフィクションには出せない底のない沼を感じる一作です。
10年間海外でたらい回しにされ、組合長を経験している恩地でなければ、こなせないであろう役職を全うして欲しいと願うばかりです。
Posted by ブクログ
2001年(発出1999年) 512ページ
読んでいて本当に胸糞悪くなるような人物が次々と登場する第4巻です。性根の腐った人間がこれでもかというくらい出てきます。バブル時代の象徴のように、巨額な金が右から左へと動きます。もちろん、小説としての脚色もあるとは思いますが、金の亡者ばかりで反吐が出そうになる。不正ばかりのそのやり方は、腐敗という言葉がまさにピッタリ当てはまります。とにかく読んでいてムカムカします。今の政治家もまったく同じです。国民航空は、上層部が私腹を肥やし、末端の社員は蔑ろ。政治家や官公庁役人は、自分たちが甘い汁を吸うためには、国民の生活をまったく顧みない。
そんな中で新たに国民航空会長に就任した国見正之と会長室部長に抜擢された恩地元が、この腐敗した体制にどれだけ切り込んでいけるのか? 後半の5巻に期待です。
Posted by ブクログ
JALが嫌いになるような作品。
いい意味でも悪い意味でも昭和ってやりたい放題の時代だったんだなとは思う。
もちろんフィクションも混ざっているのはわかるが、ある程度事実に基づいているであろう山崎さんの作品であるがゆえにショックも大きいように思う。
Posted by ブクログ
この物語の中で最も面白いと思うのがこの「会長室編」。表と裏のせめぎ合いが凄まじい。一見“表”に見えても、実は“裏”だったりする。
もっとも、話の通りであれば(過分にフィクションは入っているであろうが)、モデルとなった会社は相当腐敗しているだろうが(その後の顛末を見るとやはりそうだったのかもしれない)。
Posted by ブクログ
1.著者;山崎豊子さんは、小説家。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けています。19歳の時、学徒動員で友人らの死に直面。「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏側に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は、今でも幅広い世代から支持されています。綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢は有名です。
2.本書;国民航空の新会長として関西紡績・国見会長が就任。国見は、恩地(主人公)を会長室部長に抜擢。次々と白日の下にさらされる不正・乱脈・腐敗の構造。「今なお航空会社の使命を忘れ、贖罪の意識の欠片もない社内の魑魅魍魎の輩を、このままはびこらせてはならない。会長室への反発は、さらに強まるだろうが屈してはならないと、恩地は心に誓った」と物語は、“会長室篇・下”に続きます。
3.私の個別感想(心に残った記述を3点に絞り込み、感想と共に記述);
(1)『第1章 新生』より、「関西紡績では、大卒の新入社員は必ず、地方工場の舎監になり、女子従業員の指導に当たる事になっていた。国見が、富山工場の舎監に赴任して、眼にしたものは、ごうごうと音をたてる紡織機を前に、千五百名もの女子従業員が糸切れを紡ぐために、綿ぼこりにまみれながら、こまねずみのように動き回っている姿であった。一日八時間乃至十時間働き、夕食を済ませてから、女学校並みの学力をつけるために、補習教育を受ける。・・・昼間の疲れで、つい睡魔に襲われる十代の少女たちに、いかに興味を持たせて学ばせるか、苦心したことが、懐かしく思い出された」
●感想⇒寮生活をしながら、仕事と学業を両立させてきた人達には頭が下がるばかりです。今でも同じような環境で頑張っている人がいると思います。しかし、大抵の人は親の庇護のもとで、学校生活を送っているでしょう。親への感謝の心を忘れてはなりません。私事です。異動で、調達部に変わった時の事です。調達(購買)の仕事には、経理知識が必要にも拘らず、若い人は知識不足かつ学ぶ場がありませんでした。そこで、私が講師になり、自主勉強会を企画し、在籍期間3年までの人を対象に希望者を募りました。かなりの人数が集まりました。その時に、女性中堅社員が「私も参加させてほしい」と直願してきたのです。理由を聞くと、「夫が零細企業を経営。経理の人を雇う程の余裕がないので、私が勉強したい」との事でした。給与も出ない自主勉強会でしたが、参加を了承しました。共働きだけでも大変なのに、その意欲に感銘しました。自前のテキストで、1年間ほど研修しました。終了した時に聴講者から数々のお礼の言葉を貰いました。今でも私の大切な宝物です。
(2)『第2章 朝雲』より、「国民航空が今日のような姿になったのには、・・・その根源は「人事」にあると考えます。不正人事が、全ての部門に影響を与え、会社全体を活力のない、しらけた状態にしてしまったのです。これは歴代の社長はじめ、役員が、自分の子弟や親族を縁故入社させ、これにより役員が、私的に人事を左右する環境が社内に生まれました。そして、自分を中心とした閥を作ることに専念し、その派閥に属した特別なグループの社員のみが昇進昇格出来るようにしています」
●感想⇒縁故採用はどこの会社でもあります。縁故は最大限に活用すべきだと推奨している先生もいると言います。しかし、縁故採用は就職希望者の門戸を狭くするので、機会均等の点で好ましくありません。一歩譲ったとして、問題なのは、実力がない縁故者を採用するという事です。ある会社では、縁故者を優先的に受験させていますが、企業向きでない人はブランド大学でも不合格にしているそうです。それはそれとして、縁故のない人は不利な条件の中でも、勝ち抜ける力を養いたいものです。会社側も真に実力あるものを採用する事が企業の将来に資すると考えてほしいと思います。それは企業の社会的責任の一端です。
(3)『第6章 狼煙』より、「恩地君(主人公)は常に弱い者の立場に立って考え、行動する、言うならば人道主義者です。・・・彼のように組織の中で、悲惨な立場に置かれ続けてきた人間を用いることで、差別されてきた者に希望を持たせ、・・・陽の当たる職場で働く姿が、組合員の差別撤廃の旗印になると信じている」
●感想⇒主人公・恩地のような人に出会った事がありません。物語のように、差別されてきた人に活躍する場を提供する人がいれば拍手喝采です。私事です。私は幼少の頃に、人道(主義)について、祖母から色々と言われました。「他人からの恩を忘れたら犬畜生と同じだ。他人が困っていたら助けてあげなさい。お百姓さんが大事に育てたお米に感謝し、米粒一粒残してはいけない。食べ物で美味しいと思うのは誰もが同じ、先に人にあげて自分は後にしなさい、・・等」と教えられました。振返ると他人からそのような事を言われた事がありません。至極当然な言葉ばかりかも知れませんが、私には言霊です。
4.まとめ;国民航空の腐敗構造に言葉がありません。例えば、①派閥を作るための手段を選ばぬ人事考課の仕方、遊び人・政治家の子弟ばかりが昇進していく実態 ②労働組合の副委員長は、一日たりとも出社せずして、査定は最高の評価をずっと受け続けている ③生協理事は納入業者に商品の伴わない架空領収書を書かせる・・・等、枚挙に遑がありません。国民航空には、真面目に正直に真摯に働いている人が大勢いると思います。フィクションとは言え、憤慨遣る方無い思いに駆られます。この会長室篇は下に続きますので、そこで再度“会長篇”をまとめます。(以上)
Posted by ブクログ
御巣鷹山航空機事故を受けて、後任人事として全く業種の異なる会社に会長職を要請した。世間の風当たりが強い会社の会長職に就くというのは、爆弾飛び交う戦場に突如派遣されるようなもので、受けた人間の覚悟も相当なものに感じる。抜本的な社内改革のために政府主導で依頼されたものではあるが、当然旧体制化で甘い汁を吸ってきた輩からはきつい反発があり、事故から1年経っても改革は進まない。
自分の身を案じること(地位など)に一番の人間、そのためには他者のことなどお構いなしという風潮は今の世の中でも変わることなく、特に組織の中でいい地位にいる人たちに多く存在し続けているように思う。それを変えようとすると異端とも捉えられかねない。会社再建の道のりは果てしなく遠い。
Posted by ブクログ
"正義感だけでは、世を正すことがとてつもなく困難な様が描かれている。不条理がまかり通る世界で過ごさざるを得ない状態に身を置くことを考えてみた。賢い人は、その組織を去るのだろう。残るにしても気持ちを曲げてまで組織に残らざるを得ない人は病んでいくほかない。清く動けばつぶされる。
今2012年にこの小説を読みながら、過去にありえたことなのか疑いたくなるほどの世界がここにある。"
Posted by ブクログ
御巣鷹山事故の後の国民航空再建のために、指名された国見会長が人格者すぎて痺れます。
この物語は善人と悪人の描き方がハッキリしているけど、悪人側のクズっぷりが凄まじくて。。
己の利権にのみ固執し、裏金・賄賂なんでもアリ。
どの程度事実に基づいたストーリーなのか不明だけど、かつての日本航空がこんなんだったとしたら、本当に衝撃。
組合同士の対立もひどくて、ひとつの会社でこんなになってしまうのか?!と。
とにかく最終巻でスッキリできる終わり方になることを望むのみです。
Posted by ブクログ
日本に帰ってきて良かったと思ったのに御巣鷹山の事故。御巣鷹山の事故は何度かテレビで見ていたけど私が生まれる前のことで、こんな事態になっていたのかと詳しく知り、また事故があってものうのうと暮らす上層部の人たちに嫌気が差した。
Posted by ブクログ
登場人物が増えて誰の目線で描かれてるか少し理解に苦しんだ。
会社のトップが私利私欲に走るのが信じられなかったけど、これが事実に基づくフィクションだと思うと
会社の腐った感がすごい。
今の時代もあんな考えの人がいるのかな。
御巣鷹の事故を考えると涙がら出るし、
乗客の恐怖や、ご家族の無念さや深い深い悲しみを考えると辛いものがある。
Posted by ブクログ
2018/11/6-11/18
この話って本当にあったの?!って読みながら何回も思う。早くJALについて詳しく調べたい衝動に駆られているが、全て読んでからにしようかと。
今のようにコンプライアンスもなければ、アナログでの処理が当たり前の世界では抜け道だらけだったんだろうなと思う。関係会社にもいるけど、上の人しか見ない体質、気持ちが悪い。彼らの仕事に対する意欲などは本当にあるのかと聞いてみたくなる。単なる自己満足、ステータスが上がればいいのかなぁ??
訳の分からないスジだったり、交友関係など、本当に邪魔なだけ。今思えば、今の働き方ってだいぶ良くなったってことなんだよね。今も意味分からないことは多いけど、この時代に比べればマシ。
Posted by ブクログ
御巣鷹山事故後、利根川総理(中曽根)は国民航空(JAL)の立て直しを図るために新会長を国見に依頼する。会長就任から時を経て国見と、利根川総理、影の参謀といわれている龍崎との新橋料亭での会話(P396~)この龍崎とは、山崎豊子の小説『不毛地帯』に壱岐正としても登場する人物である。
後もう一つ、賄賂で腐敗しきった会社の上層部に億の金を用意する格安旅行代理店の風雲児フランクこと永井藤夫ってHISの創立者、澤田秀雄のことか・・・ネットで調べてみるがヒットでず。なにやらきな臭いにおいが(あくまで小説のはなし)
Posted by ブクログ
だんだん、嫌になってきたなぁ……。
だって、あんな事故を起こしておいて、それを深く反省する様子もなく、国民航空の偉い人たちは、自分の保身とか金儲けのことばっかり考えてるんだもん……。
もちろん小説だから、全部が全部実際に合った事…ではないだろうけど、こんな航空会社、ホントに信用できん。
出てくるやつの8割くらいがみんな悪い奴で、なんだか疲れた。
某航空会社が映画化をよく思ってないというわけがよくわかるわ。
国見さんの頑張りはすごいけど、この航空会社、一筋縄じゃいかないよ〜、潰されそうだよ、国見さん!!