【感想・ネタバレ】不毛地帯 第五巻のレビュー

初めて『不毛地帯』を読んだとき、圧倒的な感動が胸に押し寄せ、しばし呆然としてしまいました。けして、楽しいばかりの話ではありません。戦争の話、抑留の話、友の死、そして―。
“結局、古き良き昭和の話だよねー”と言う人もいるでしょう。でも、そんな陳腐な言葉は寄せ付けないほどのドラマがここにあると、私は声を大にして言いたい!!
また、私が山崎豊子さんの作品の中で一番『不毛地帯』を好きな理由は、途中はいろいろな困難と挫折に見舞われながらも最後に「救い」があるからです。油田がねえ…。彼女ともねえ…。いかん、ここからはネタバレ!!
さてさてどんな救いなのか?は、あなたの目で確かめてください。

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Posted by ブクログ 2024年02月11日

『不毛地帯』第5巻。

近畿商事・副社長となった壱岐正。
商社マン最後の仕事として、イランでの油田採掘に奔走する。

先手を打つも、政界、競合からの巻き返しにより、独立系石油メーカー・オリオンオイルとの共同で入札に挑むことに…

なんとか、採掘権を得たものの、第4井まで石油の出る兆しはなく、窮地に…...続きを読む

一方、社長・大門は綿花相場で莫大な焦付きを抱えていた…

壱岐の見事な商社マンとしての生き様だった。
異例の昇進に対する周りからの嫉妬にも臆せずに自分を貫き通した、壱岐の強さ。

『国家のために』を判断基準とし、最初は大本営参謀として、第2の人生では、近畿商事の企業参謀として、常に戦いの中に身を晒してきた。
自らの人生も、家族との生活も犠牲にして…
最後まで、壱岐の心の内は誰もわからなかったのではないだろうか…
口下手なところも災いして…

大門に社長辞任を迫り、自らも副社長を辞任、近畿商事を退職。見事な自らの身の処し方であった。

第3の人生で、ようやく安らぎの時を迎えられるのか…

千里との人生が始まるのだろうか…

長かった…が、面白かった。
山崎豊子作品でNo.1だった。
まだ『華麗なる一族』は読んでいないが…

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月14日

田淵幹事長…一体誰がモデルなんだ…(笑)
5巻はずっとイランのサルベスタン石油の話、千代田自動車が後味悪かった(最終的にはめでたしになるんだけど)のに対してこちらは小気味よく進んでいく。裏のえげつない部分もFXと比べたら露骨でない(と言うか露骨に見せていない?)ので読みやすい。
でもせっかく苦労して...続きを読む掘り当てた石油も数年後にはイラン革命で全部おじゃんになっちゃうんだよね。山崎豊子がこれ書いていた時期もギリギリイラン革命前だしなんとも複雑な感情を抱く。

最終的に大門社長の引退と同時に壹岐も会社を去り、シベリアで物語は終わる。千里とはおそらく結婚したんだろうけど、安易なハッピーエンドにせずあそこで切るのが山崎豊子といった感じ。それでも華麗なる一族や沈まぬ太陽に比べたらずっと後味はいい。

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Posted by ブクログ 2023年08月08日

長編のラスト一巻。途中、ペースダウンして2ヶ月かかりました。モヤモヤした部分がすべて解決して、スッキリした。

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Posted by ブクログ 2023年06月08日

前半は戦争のためシベリアでソ連に酷使される悲惨な内容。後半はシベリアから無事帰還し、第二の人生として、商社マンとして、組織や国益を考えながらビジネスの世界に身を置く話。

前半は、読むのも辛く、ただただこんな残酷なことが本当にあったのかといたたまれなくなる。

後半は、主人公の実直な人柄が眩しく、大...続きを読む義の為に、こんなに身を削らなくてはならないのかと驚いてしまう。当然かもしれないが、人の上に立つポジションの人は責任と覚悟と志が必要なんだなと、感じ入った。

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Posted by ブクログ 2023年04月27日

素晴らしいの一言に尽きる。
彼女の作品は、読後の言葉にならない
高揚感に突き上げられる。
五味川氏の人間の條件とあい通じるものがある。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月11日

この小説を書くのに、著者はどれくらい取材したのだろう。 経済や石油開発の細かな情報は、正直ピンと来ない部分も多くあったが、その背後に膨大な取材、調査があったことが想像できる。いまいちわからない専門的な話があっても、全体として面白くて中盤以降は一気読みした。

登場人物のなかでは大門が一番魅力的だった...続きを読む。当初は豪胆な社長として壱岐を抜擢し会社を成長させるも、終盤は綿花相場にのめり込んで部下を発狂させてしまう。壱岐との関係が悪化すると、かつて自ら切り捨てた里井に本社復帰を要請するなど、なりふり構わない。壱岐が私情を排して淡々と仕事をこなすぶん、終盤に至って弱みや焦りをさらけ出す大門が魅力的に見えた。原作を読んだ上でドラマを思い返すと、改めて原田芳雄さんの演技はすごかったなぁと感じる。

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Posted by ブクログ 2023年03月05日

圧倒的なスケール感。これまで多くの作品を読んできたが壱岐正は1番かっこいい小説の主人公かもしれない。とても学ぶことが多い作品だった。

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Posted by ブクログ 2021年08月15日

5巻まで一気読み。読み始めたら止まらない面白さ。
あらゆる場面に於ける細かい描写から、著者が取材や文献を通して徹底した研究を行ったことが容易に読み取れ、各描写の詳細さに著者の小説に対する情熱的な姿勢が溢れてる気がする。
自分の人生を賭して成功させたいと思う仕事に出会いたいなと思う小説でした。

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Posted by ブクログ 2020年07月12日

再読完了。

舞台が総合商社であるだけに、スケールの大きさを感じる。サルベスタン鉱区で油を掘り当てた時の描写は感動的である。

物語上、どうしても主人公の壹岐の周囲にいる人物は、いわば“敵役”である。しかし、それぞれの人物の視点で見ていくと、彼らもまた正義のために戦っているのである。鮫島氏は言うに及...続きを読むばず、里井副社長は、社長の椅子を狙い自分を脅かす壹岐を追い落とそうと画策したものの(結局それが自身の首を絞めることとなってしまったのだが)、それは会社を盛り上げるためであり、壹岐とはベクトルが違うに過ぎない。

スケールの中にも人間というものを見事に表現した傑作だと思う。

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Posted by ブクログ 2020年01月26日

壱岐副社長の男っぷりに泣かされるサラリーマンは多いのでは。大企業から中小零細まで老害はびこる企業が多い日本社会。サラリーマンのカタルシス小説です。

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Posted by ブクログ 2018年01月09日

シベリア時代にも、文章を読んでいるだけでまるでそこにいるような錯覚を起こさせるくらいに精密な描写と、それを可能にさせる取材力に圧倒されたが、商社時代になっても、それは全く衰えていない、どころかさらに加速している。戦闘機や車、石油など、その時代を反映する様々な事件を題材に、主人公の壱岐は葛藤し、成果を...続きを読むだし、また苦悶する。出版から年月が経っていても、古さを感じさせず、壱岐の生き抜く人生に学ぶところは多い。

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Posted by ブクログ 2017年02月23日

入札で取ったはいいけど出なくてやばかった石油が遂に出て、くすぶっていた自動車提携も最後に話を進めて、相場でおかしくなった大門社長と一緒に退陣して終了。うっとうしかった恋愛ネタもほろ苦い感じで終わり、結局最初に戻ってシベリアの同胞のために第3の人生を生きていく、と。5巻はホントに怒涛の展開でめっちゃ面...続きを読む白かった。長かったけど。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年06月08日

 非常に良作。最後まで見事でした。
 油は出るのか出ないのか。このハラハラ感、ぐいぐい読ませること必至。「不毛地帯」というタイトル通り、不毛な結果に終わるのかーーそう思ってたところで、ついに出た時は思わず涙したほど。

 また有能な経営者が老害となっていく様は見苦しかった。
 大塚家具の会長を想起し...続きを読むたのだけど、時代に取り残される前に自分を客観視して、自らの身の振り方をちゃんとプロデュースする必要があるのだなと。
 壱岐正のように才能があって頭が切れても、罪悪感、背徳心を拭い去れない人間には熾烈な政財界で生きて行くのは難しい。
 でも潔くその世界から去れる者もなかなかいないと思う。
 壱岐正の生き様かっこよすぎでしょ。畏敬の念を感じる。どこまで実在したモデルの人物に則しているのか気になる。
 この作品もどんな取材量を持って書かれたのか。想像だにできない。
 全日空の旅客機選定を巡るロッキード事件、FXに絡むダグラス・グラマン事件をモデルに描かれたのかと思いきやこれらの事件が明るみになる前に描かれたそうで。。
もはや小説家の域を超えてるでしょうよ。。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年01月08日

石油採掘権の入札に成功するも、石油は出ない苦しい時期が続く。会社を長年引っ張ってきた社長も、その圧倒的な存在感が害をなすように・・・。

最後まで、主人公には厳しい状況が続くが、最終的には華々しい成果を挙げ、それでいて身を引くという潔さでもって物語が終わる。



全5巻。本当に大作でした。
不毛地...続きを読む帯というタイトルはひとつには当然シベリアの大地を指していますが、同様に、何も実るものがない熾烈な商戦を表しているはずです。
国のため、家族のため、自分の欲望のため、不毛地帯で闘い続ける人たちの物語でした。

主人公は、登場人物の中では、人間として理想的な書き方をされていますが、それでも黒い部分や闇とは切り離せない。決して救われることのないエピソードと、ひょっとしたら救いになる可能性を秘めたエピソードが混在する、さっぱりとは割り切れないものです。

ほかの登場人物も、清い面も濁った面もあり、これこそが人間であるというものを深く描いている。

正解は提示されていないけれど、不毛かも知れない闘いのなかで、自分はどう生きるか、それを強く問う名作でした。

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Posted by ブクログ 2014年11月04日

「戦争三部作」と聞き、今まで手に取るのを躊躇っていたが、読み始めると一気に読破。前半の哀しくも驚きに満ちたシベリア抑留の実態も想像を絶する内容であったが、最後の主人公の姿には、清々しさと同時に現代に生きる我々に勇気をももたらしてくれるストーリー展開であった。「組織とは、何か。」、山崎豊子氏が問い続け...続きを読むていたであろうこの命題は、この小説の中にも貫かれている。

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Posted by ブクログ 2014年06月25日

長かった物語もついに最終巻。
壱岐は泥沼のような商社の仕事にどっぷりと浸かってしまい、秋津千里との結婚にも踏み切れない中、商社マンとして最後の仕事に挑む。

この巻の最大の見どころはやはりラストシーン。
石油事業、自動車事業を成功させた壱岐がどうなるのか!?というのが気になるところだろう。

長い長...続きを読むい物語が終わった。

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Posted by ブクログ 2014年05月05日

この小説は、昭和48年から53年にかけて書かれている。シベリア抑留に続き、最初の商戦となるFXを巡った死闘を読みながら、これは全日空の旅客機選定を巡るロッキード事件、そしてまさにFXに絡むダグラス・グラマン事件を取り上げたものだとばかり思っていた。しかし、両事件ともこの小説の連載が始まって後に明るみ...続きを読むになったという。そうならば、巻末の解説にあるように、まさに事件の予見に違いない。著書が、社会の闇に隠されている問題をいかに正確に取材されていたかが伺い知れる。

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Posted by ブクログ 2013年05月15日

社会の、企業の商売における現実に出会う作品だった。泥臭い商売における駆け引きを通して、企業のコンプライアンスが蔑ろにされていることが浮き彫りになっている。特に、一度国を率いて戦い、その代償に身を捧げた壱岐が主人公である点が興味深い。企業の発展に黒い部分を残したのなら、それなりの責任の自覚と対処なくし...続きを読むて本当の繁栄はないのだろう。

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Posted by ブクログ 2023年10月26日

最終巻が一番おもしろかった。先が全然読めなかった。
それでいて、この巻が一番、読む前の期待に近いものが描かれていた。

でもやっぱり取材は大変だったんだな、とあとがきを読んで思った。こんな大舞台の小説、どうやって取材して書いたんだろうとずっと思っていたけど。
取材先は女の旅は不可能な国ばかりだった、...続きを読むみたいなことを書かれておられたが、そういう意味ではハンデ背負っての取材だったんだなぁ。

簡単にジェンダーでくくるのは物事を単純化するようでよろしくないけど、でも、この作品を大正生まれの女性が書いた、というのはやっぱり私には偉業としか思えないな。女なんて何も知らなくていいんだ、と言われて脇においやられていた時代によくまあ、ゴッドファーザー的苦渋に満ちた男の世界をこんなにもリアルに描き出したものだと思う。

でも、主人公に対して容赦ないところ(最後の仕事だけは悔いがないように清く仕事したい、という希望を簡単に打ち砕くあたり)、女性ならではの容赦のなさも感じるような。
男性作家はもうちょっと主人公に甘い気がするなぁ。

しかし、秋津千里は最後まで違和感ありまくりのキャラだった。なんでこの人は関西弁じゃないのかしらん。
あんな喋り方の京女はいませんよ。
っていうか、考えてみたら、大門と秋津千里のやかましい系のおじさんしか関西弁しゃべってない。
ガサツ系、KY系なおっさんにしか関西弁をしゃべらせてはいけない、みたいな謎ルールがこの時代の文壇にあったんだろうか。
この本に限らず、関西が舞台なのに、なぜかヒロインは標準語を貫く、みたいな昔の小説、わりとあるような気がします。

ちなみに、壹岐は最後まで彼氏としては最悪の男で、アンチ秋津千里な私もさすがに彼女に深く同情した。
山崎さんてば自分のキャラに厳し過ぎじゃね?と思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月08日

不毛地帯最終章。
長かった主人公の商社マンとしての第二の人生が終わりを告げる。

社運をかけた中東のオイルビジネスはどうなることかとハラハラさせられたが、結果的に物凄い量のオイルが見つかり、会社に多大な利益をもたらすことになった。
主人公は社内で更に評価を上げる。

他方で、大門社長は相場で莫大な損...続きを読む失を出す。
年のせいで判断能力は衰えているのに、本人は現役のままでいるつもりだから、周囲の意見に全く耳を貸さない。これぞ老害。

社長の存在は会社にとって、もはや邪魔であると判断した主人公は社長に辞任を迫る。
最初は納得しなかった社長も徐々に諦め、主人公と一緒に会社を去る。

オイルビジネスが成功した、まさに絶頂の時に会社を去った社長は、世論から高く評価され、結果的に会社のため、社長のためになった。
主人公は、誰のためでもなく、常に会社の利益になることを最優先に考え、行動してきた。

そして、社長とともに会社を去った主人公は、第三の人生をシベリアに求める。
シベリアで亡くなった同志たちの遺骨を日本に持ち帰ることを今後の活動にすると決意する。

ずるずると中途半端な関係になっていた恋人とも別れることになる。
この小説のモデルとなった人物は伊藤忠の会長まで登り詰めるから、現実とは異なるけど、あくまでも事実をもとにしたフィクションということで、これはこれで面白かった。

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Posted by ブクログ 2021年10月31日

終わりは意外と潔い(呆気ない)。組織の腹黒さというか、総合商社の熾烈な出世争い等のリアルな人間模様を描き切っている所が、この本が名著である故と思料。生馬の目を抜く───。

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Posted by ブクログ 2019年08月22日

まず時代が時代だからというのもあって、ほとんどどの登場人物にも完全には共感も感情移入もできなかった。男性の苦しさ、しんどさもわかるけれども、女性にはそもそも選択肢すら無かった時代。家庭に入って男と子ども(ともしかしたら親とか義理の親とか)の世話をするという「幸せ」という名の唯一の選択肢しか与えられて...続きを読むいなかった時代。でもそれはきっと裏返すと、男性にも、その人の能力や得意不得意に関係なく外で働くという(より広い意味では唯一の)選択肢しか与えられていなかったということでもあるんだろうとも思うが。
いくら母親が亡くなったからと言って何故娘が父親の出張の荷造りをせねばならないのか、私には本当に理解ができない時代だとあの部分でめちゃくちゃ感じた。(だいたいあそこまで丸投げでどうやって旅先で困らずに生活できるのか。荷造りなんて自分でしておかないと後々自分が困るものなのでは?逆にそういう特殊能力持ってたならすごいよね昔の男の人。って思うレベル。)
ただ、「昔はこれが当たり前だった」ということを知るためにという意味はすごくあるとは思った。
・・・と、これだけぶうたら言いながらも面白く最後まで読めたのはやっぱり物語の緻密さゆえだったと思う。考えられないほどの取材と、それに基づく考えられないほどよく練られた構成。すごかった。面白かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年02月25日

1~5巻までまとめて。

山崎豊子氏の綿密な描写により、躍動感溢れる内容となっています。読む側の専門知識が足り無くて何言ってるのか分からない所も多々有りましたが。
商社での最後のシーンに引き際の美学を感じた。自分もあのように生きれるだろうか...

スーパーマンのような主人公壱岐正ですが、男としては...続きを読む最低ですな。ビジネスマンとしては立派だけど下半身に人格がないキャラというのが山崎氏の企業トップの男性に対するイメージだったのでしょうか?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年10月14日

イランの油田問題に片が付き、自動車問題もおさまるところにおさまった。社長に引導を迫り、自分も退社。恋人とは別の道を行くことになり、朔風会の会長となりシベリアへ向かう。里井の病気はどうなるのか、恋人の兄は? そのあたりは解決されていないが、物語のケリはちゃんとついた。執筆前からここまでの落としどころを...続きを読む考えた上で書いたことは彼女のインタビュー内容から間違いないところだろうけど、毎回みごと。途中中だるみな感じがしていたが、スパイ小説のようなスリリングな展開には引き込まれた。ただ最後の最後まで主人公には感情移入できなかった。暗い影がつきまとっていすぎて、濡れ場のシーンは鼻白んだ。それに次々と登場人物が身体をこわすのにぞっとした。人生って辛いなあ。でも生きていかなきゃならない。

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Posted by ブクログ 2014年09月21日

会社の先輩に薦められて読んだ長編小説。
こういう小説は普段なかなか読まないから、新鮮だった。

シベリア抑留時代の暗くて凄惨な過去を背負いながら、第二の人生を商社マンとして生きることを選んだ主人公。
仕事に生きる男性の姿って、あまり身近に感じたことがなかったから、彼と、彼を取り巻く人々のストイックさ...続きを読むには驚かされるばかり。
商社の仕事の楽しさって理解できなかったけど、きっとこういう風にビジネスを作り出していく所にあるんだろうなぁ、というのが実感できた。
(共感はできないけど…)

最後のシーンは感動のひとことに尽きる。

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Posted by ブクログ 2023年09月19日

熱意が油を吹き上がらせ、恩人であるはずの社長に退陣を迫る最終巻。

シベリアの墓詣でを照らすオーロラは歓迎しているのかそれとも。

圧巻の計約3000頁。

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Posted by ブクログ 2023年05月27日

5巻連作の最終巻。流石の山崎豊子さん作品読み応えがあった。唯一物足りなく感じたのは、壹岐がキレイな人すぎて親近感は持てなかった点。
個人的には他の山崎作品である沈まぬ太陽の方が主人公の辛さ悩み抜く姿に引き込まれて好きだった。
他のシリーズも読みます。

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Posted by ブクログ 2020年12月05日

壱岐正。
彼の様に時には不器用ながらも実直に生きる現代人がどれほどにいるだろう。
自らが仕事や人生をこれ程に真剣に生きているのかと自問する。
命を燃やして何かに没頭する様な人生にしたい。

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Posted by ブクログ 2018年01月17日

懸案だった山崎豊子を読む。元大本営参謀将校がシベリア抑留を経て商社マンとして世界を相手に奮闘する物語。フィクションのような話だが、基本プロットは実在した伊藤忠商事の瀬島龍三氏。キャラクターは、著者がこれまで見てきた男性のイメージを合わせているという。
600ページ✕5冊。さすがに重厚な物語。シベリア...続きを読む抑留のくだりは、精神的にも肉体的にも、今では想像すらできないレベルの過酷さ。戦争が遠くなった昨今、こういう時代があったこと、ここから立ち上がってきた人たちが今の日本を作ったことを、息子たちに読んでほしい。まずは、机のそばに置いてみよう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年01月05日

ハッピーエンドで良かった。
白い巨塔も華麗なる一族も、主人公死にますからね。

壹岐正もちょいちょい人の恨みを買ったり、不正に手を染めたり、最後に転落するのかなというフラグがあったのですが、、、

里井や大門に退陣を迫るあたり、この人も除々に権力に取り憑かれてきたのかと心配になったが、やはり壹岐正は...続きを読む壹岐正だった。

優秀だった大門が老いとともに老害をまき散らすあたり、現実社会でもそうなのかな。。。

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