【感想・ネタバレ】不毛地帯 第三巻のレビュー

初めて『不毛地帯』を読んだとき、圧倒的な感動が胸に押し寄せ、しばし呆然としてしまいました。けして、楽しいばかりの話ではありません。戦争の話、抑留の話、友の死、そして―。
“結局、古き良き昭和の話だよねー”と言う人もいるでしょう。でも、そんな陳腐な言葉は寄せ付けないほどのドラマがここにあると、私は声を大にして言いたい!!
また、私が山崎豊子さんの作品の中で一番『不毛地帯』を好きな理由は、途中はいろいろな困難と挫折に見舞われながらも最後に「救い」があるからです。油田がねえ…。彼女ともねえ…。いかん、ここからはネタバレ!!
さてさてどんな救いなのか?は、あなたの目で確かめてください。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年01月08日

湾岸戦争で成果を挙げ、アメリカの自動車会社と日本メーカーとの提携に奔走する主人公。

仕事が国際的になってくるにつれ、陸軍時代とはやり方は異なるが、常に国を背負って仕事に取り組む決意を固めていく。

そんな中で不意に起こる悲劇・・・
いったい、何のために働くのか、そんなことを考えさせられる第3巻でし...続きを読むた。

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Posted by ブクログ 2014年10月26日

新車種の製造・販売が裏目裏目にでる日本の弱小自動車会社。一方、日本進出の足がかりを求めるアメリカ巨大自動車メーカー。そんな矢先に、主人公の愛妻が突然の事故死。愛娘は、競合商社のライバルの息子と結婚。息子は、財閥系商社に入社し、インドネシアへ赴任。
傷心しきった主人公は、ニューヨークに転勤し、心機一転...続きを読むし、上記、日米の自動車会社の提携など尽力する。そして、主人公のプライベートも新たな局面が。

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Posted by ブクログ 2013年04月21日

千代田自動車との提携に纏わる話。
加速する提携談、それを妨げる動きの中で、副社長里井との確執、妻の死、ニューヨーク駐在など新局面を迎え、人間ドラマが色濃くなっていく。

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Posted by ブクログ 2013年01月03日

近畿商事を重工業化路線へ転向したい壹岐と、繊維部門の地位を保持したい里井副社長。
2人の溝はますます深まるばかり。

そんな中、近畿商事の取引先である千代田自動車に提携の話が持ち上がった。
相手はアメリカビッグ・スリーの1つであるフォーク(フォード?)。
アメリカの自動車が上陸すれば日本のメーカーは...続きを読む1たまりもなく食いつぶされてしまう可能性があり、交渉は容易に進まない。
当時(1970年代)、自動車産業の資本自由化について自動車メーカー、商社、ならびに通産省がいかに頭を悩ませていたかというのがよくわかった。

この巻では、壹岐の妻・佳子が交通事故のため亡くなってしまう。
しかもそれは、壹岐が秋津千里に対して心を揺らしていることを妻に見咎められたことが原因になった。
ドラマを見ていたとき、和久井映見さんの演技すごくいいなあと思っていたので、あまりに突然死んでしまったのがショックだった。

壹岐は、妻を失ったのを機にニューヨークへ駐在することを決め、アメリカ近畿商事に社長として赴任することとなった。
フォードと千代田の提携交渉は、フォードの出資比率を何%にするかで折り合いがつかず、難航を極める(フォーク側は、重要議案について発言権を確保し得る33.4%の持株比率を要求。一方の千代田は、そんなことをされると会社そのものをフォードに乗っ取られてしまうので、出資を20%までにとどめたい)。
しかし、交渉が最終段階に入ろうかというとき、副社長の里井が狭心症のため倒れてしまう。
出張の多い商社マンにとって病気に神経質にならなければならないことは大きなハンディキャップになる。
壹岐にナンバー・2(=次期社長)の座を奪われたくない一心から焦る里井副社長。
岸部四郎さんはこの里井という人間を本当に上手に演じておられたなあと改めて思った。

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Posted by ブクログ 2011年05月09日

どんどん話が加速していき、一気に引き込まれていきます。

仕事に打ち込む男たちの気概が素晴らしい。

己の全てをかけ情熱的に仕事をこなしていく姿は胸を打ちます。

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Posted by ブクログ 2010年09月13日

うわー、あの奥さんの死なれ方はきつすぎる…
そしてアメリカ相手に闘っていたのに、アメリカ相手に商売するってそう簡単に割り切れるものなのかね?
まぁ相当時間たっているんだけど。

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Posted by ブクログ 2024年02月04日

『不毛地帯第3巻』

近畿商事入社後、異例の昇進で、常務取締役業務本部長となった壱岐正。

近畿商事の重工業化路線を推し進めようと、脱繊維化を推進しようとするが、嫉妬から反発を受ける…

そんな中、アメリカ・ビッグスリーの自動車メーカー・フォークは日本市場への参入のため、日系自動車メーカーとの提携を...続きを読む模索する。

フォーク・千代田自動車の提携を推進しようとする壱岐。
千代田自動車と富国自動車との国内メーカー同士の提携を推進しようとする副社長・里井。
社内抗争へと…
そんな壱岐を憂いながら佳子は…

2年後、アメリカ近畿商事社長となった壱岐は極秘裏に、2年前に立ち消えとなった千代田自動車とフォークの提携を進めていた…

近畿商事の次期社長争いも絡み…

1970年代の外資流入に対する強い拒否反応…
当然と言えば当然で。
その後の日本はどんどん海外へ。
中国では合弁となったばかりに技術が…
キャッチアップされ、今が…

韓国もまだまだ工業化が進んでいなかったんだな…
この後、加工貿易へと。
そして今では日本を超える産業が…

もはや日本経済の歴史書のよう。

壱岐は、商社マンとしてどうなっていくのか…
フォークと千代田自動車の提携はどうなるのか…
近畿商事の次期社長争いは…
壱岐と千里との関係は…

ようやく第3巻まで終了。
長いが全く長さは気にならない。
終盤の第4巻へ。

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Posted by ブクログ 2020年07月04日

“自動車編”とでも呼べる話で、アメリカが主な舞台。

里井副社長は、壹岐を必要以上に意識しすぎているため、かえって自分の首を絞める方向へ向かっている。焦らず自分の仕事をしっかりやれば良いと思うのだが、そこはまぁ物語上必要なのだろう。

東京商事の鮫島氏は厄介な役柄だが、商社マンとして相当優秀な人物だ...続きを読むと思う。

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Posted by ブクログ 2017年04月17日

ドラマではフォークのプラット氏とのやりとりが短くなっていたが、原作では壱岐が理路整然と話し交渉していたことがわかる。官僚や千代田自動車との対談など、千代田自動車編は読みごたえあり。

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Posted by ブクログ 2014年09月26日

自動車業界との関わりが続き、退屈になってきた。相変わらず主人公は魅力的じゃないし。そんなことを思ってたらキタキタ濡れ場が。この話、単調にならないよう、ときどきそうしたイベントが発生する。巧妙というかなんというか。

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Posted by ブクログ 2014年05月28日

この長い長い物語もようやく三巻。元大本営参謀の壱岐正は商社マンとしてメキメキと頭角を現し、わずか7年で常務に昇格という異例の出世を遂げる。しかし、次期社長と目される里井副社長との軋轢など、急激な出世は周囲との摩擦を引き起こす。この巻で壱岐の手がけた仕事は千代田自動車とアメリカのフォーク社との提携の仲...続きを読む立ちをする事。商社マンにとっては人脈が大事で、壱岐と里井はそれぞれの人脈を駆使し、仕事をリードしようと競争する。

商社の世界は命がけで恐ろしい。この巻の後半で里井副社長が激務で倒れるのだが、それでも仕事をしようとする、その執念は何だろう? 壱岐にしても、24時間仕事の事を考え自らを酷使している。現在の商社マンもそうなのだろうか?

高度成長期の日本経済を写し出したような作品と言えるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2014年01月22日

「不毛地帯(3)」山崎豊子
社会小説。ビビッドなネイビー。

冷静辣腕、商社での地位を登り詰めて行くこの展開はなんだろうと思ったら、島耕作ですわ。読んだことないですが。
もちろん本作の方が先で毛色も違うでしょうが、サラリーマンの心を掴むビッグなストーリーにページを繰る手が止まりません。
しかし、それ...続きを読むに反するタイトルの「不毛地帯」に、商社マンの淀みを感じ始めていく…。(4)

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Posted by ブクログ 2012年09月17日

第3巻も圧倒されました。
主人公を支える妻が交通事故で亡くなる場面、その後母代りとなる長女の献身、自己の人生にどんどん進んでいく長男、などなど家族の大切さがじわ~っと感じます。
また、ビジネスの面では、アメリカ3大メーカーも登場しての日本自動車業界の再編成の話に迫力があり、自分の前職も思い出しながら...続きを読む興味深く読めました。
全部読んだ後、DVDでドラマも見てみたい。

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Posted by ブクログ 2012年08月16日

フォーク社と千代田自動車の提携交渉に当たる壹岐。
そんな中、悲しい出来事が起こる。
そして、単身アメリカへ渡っていく・・・

アメリカで社内外の争いはますます苛烈になっていく・・・
そして、秋津千里との関係は?
第4巻もきっと目が離せない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年12月31日

奥さんが亡くなってしまうとは思わなかった。
商社のビジネスの中で、人間関係や、仕事感の違いが如実に出てくるようになって面白くなってきた。

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Posted by ブクログ 2011年12月15日

一冊一冊が完結した本でもよいぐらいの完成度と厚みのある話!
それがまだあと二冊読めるというのがこれまた喜び

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年05月29日

不毛地帯、第三巻。
壱岐正は前巻にも増して、商社マンとして八面六臂の大活躍。

なんですが、この巻ではついに奥さんの佳子が交通事故で他界。悲しいです・・・川又が亡くなった時以来の衝撃。
佳子の初七日の後、家を出る誠、しのび泣きをする直子、そして、弔問に訪れた谷川元大佐に、自分の後悔と自責の念を吐露し...続きを読む、慟哭する壱岐・・・・。涙なしには読めません!

さてビジネスの方ですが、第三巻ではフォーク社と千代田自動車の提携が中心に物語が進みます。
壱岐の思うようにやれば、スムーズに事が運ぶのに~とやきもきしながら、エキサイト里井副社長の様子を伺います。エキサイト里井、略してエキサトイ。男の嫉妬が渦巻き、ますます面白くなってきました!人間関係のどろどろさも見物です。第四巻にさらに期待。

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Posted by ブクログ 2011年05月22日

すごい話だった。

抑留されたときの描写の迫力がすさまじく、脳裏に当時想像した映像がこびりついている。
著者の作品はどれも読んでいて絵が浮かぶ。
内容もボリュームもかなり読みごたえがあった。

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Posted by ブクログ 2010年11月05日

第3次中東戦争とフォート社・千代田自動車合併問題について。

壹岐の思い通りに物事が運ばないことが多くなってきて、それによって里井副社長との関係も悪化していく。

秋津千里との関係は、結局そうなるんかいって思った。

登場人物が増えたり、いつのまにか娘の直子が結婚してたりと、展開が早くて、読む...続きを読むのも一気に読み終えられた。

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Posted by ブクログ 2010年05月11日

面白い!
二巻も壮絶だったけど、こちらもなかなか。。。

今度は身内とバチバチ。
里井さん、どうなるんだろう。

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Posted by ブクログ 2010年03月18日

千代田自動車のモデルはどこ?
ラッキード、フォーク等の他の社名はイメージ出来るが
外資提携の話しと規模からすると
今はなきイ◯ズあたりかな?

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Posted by ブクログ 2010年03月14日

3/15

フォードとの提携がメインの話。
壱岐が商社マンとして活躍しているところが生き生き(シャレじゃないよ)と書かれている。

しかし、奥さんのところはびっくりした。。。

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Posted by ブクログ 2010年03月14日

5巻中、丁度真ん中あたりの話なので盛り上がっている。

やはり、ドラマもみたい。

奥様がなくなられるとはショックだった。

千里との関係が気になる私はなんなんだろう?

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Posted by ブクログ 2012年02月16日

「いや、神森君や水島君が、よく手伝ってくれるので助かる、この間も三人で会員たちの原稿を整理しながら、思えば、あんな心身ともに極限状態の生活をしていた時のことが懐かしく、今のように物資は豊かでも、精神的な不毛の中に生きる方が、生き辛いと話し合っていたんだ」

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Posted by ブクログ 2023年10月09日

なんだ、なんだ、なんだー!
壹岐に悪い虫が急接近!!!
寄るな、このどんくさい女め!
ゆるさーん!しっしっ!

・・・と、壹岐の「ばあや」にでもなったような気持ちで読んでいた。
この女がまったく気に入らない。婚約破棄しただとぉ???
なんて計算高い女なんだ。ワナワナ。
美人で、寄ってくる男がいっぱい...続きを読むいるのに、30過ぎてもバージンだなんて設定、非モテをこじらせたオッサン読者におもねり過ぎでしょ!

以上がこの3巻の感想のすべてです。
もう全部台無しだわよ。
ぷんすか。(←何をこんなに怒っているんだか 笑)

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Posted by ブクログ 2023年09月11日

FX次世代航空機絡みの社外政治から今度は妬み嫉みの社内政治に自動車産業と外資か。

しかし秋津中将の娘さんとのロマンスはいらない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月28日

主人公が異例の出世を果たし、役員として活躍し始める。しかし、その待遇を良しと思わない副社長と何かとぶつかり合う。

そして、内助の功として献身的に主人公を支えてきてくれた妻が不慮の事故で亡くなる。しかも、主人公と喧嘩をしたあと、主人公の目の前で。

悲しみに暮れる主人公に対して社長は、心機一転も兼ね...続きを読むて、アメリカ支社長になる辞令を出す。
アメリカに渡ってからは、日本の自動車メーカー(いすゞがモデル)と外資自動車の資本提携に向けて奔走するが、またもや副社長と方針の違いでぶつかり合う。
そして、ずっと秘めてきた、かつての上司の娘と結ばれる。

それにしても、この時代は当たり前だったのかもしれないが、副社長の命より仕事を大切にする姿勢は見ていてイライラさせられる。
自分は無理をして仕事をしているつもりかもしれないが、振り回される周りはたまったものではない。
自己管理も仕事のうちというが、病を伏せて無理を重ねるのは非常に迷惑である。
それほどまでに社長の座が欲しいのか。
何のため、誰のための仕事なのか。

本筋とは関係ないが、こんな時代に生まれなくて本当に良かったと改めて感じた。

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Posted by ブクログ 2023年05月13日

元日本軍参謀の壹岐正がシベリア強制労働を経て大手商社で商戦に挑む作品、5連作の3巻目。
日本と米国の自動車メーカーの厳しい提携交渉の中、秋津千里との関係にも事件が…。
絶賛一気読み中。30年以上前の作品と思えない位楽しませてくれる、次巻も楽しみ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月16日

 山崎豊子「不毛地帯 3」、2009.3発行、634頁。第3巻は、近畿商事に嘱託として入社して8年の壹岐正は常務に。スタンドプレーと揶揄するものも。第3巻は自動車産業の話。ところで、モデルの瀬島龍三氏の奥様は2007.621、老衰で90歳で没。瀬島龍三は2~3ヶ月後、妻を追うように老衰で95歳で没。...続きを読む著者はこのあたりは小説として脚色され、壹岐の妻桂子は交通事故で死亡。にわかに、秋津中将の娘で陶芸家の秋津千里の存在が大きくなってきます。婚約を解消し、ニューヨークに駐在の壹岐を訪ねてまっしぐらに迫る千里。

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Posted by ブクログ 2020年11月10日

家族や身体を壊してまでプライドのために商社マンとして働くことに一体どれほどの意味があるのか?幸せに過ごしてごとの人生ではないのだろうか。後悔のない人生であればそれはそれで良いのかもしれないが。

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