あらすじ
次期戦闘機商戦に勝利し、中東戦争をめぐる商機を掴んで利益を挙げた壹岐は、社の経営方針転換を提唱。経営不振の千代田自動車への関与を深めようとした矢先、米巨大自動車企業フォークの社長が突如来日する。虎視眈々と日本市場を窺うフォーク社に対し、壹岐はアメリカ近畿商事の社長となって千代田自動車との提携交渉を進めるが……。国際経済戦争の過酷な現実に壹岐は苦悩する。
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初めて『不毛地帯』を読んだとき、圧倒的な感動が胸に押し寄せ、しばし呆然としてしまいました。けして、楽しいばかりの話ではありません。戦争の話、抑留の話、友の死、そして―。
“結局、古き良き昭和の話だよねー”と言う人もいるでしょう。でも、そんな陳腐な言葉は寄せ付けないほどのドラマがここにあると、私は声を大にして言いたい!!
また、私が山崎豊子さんの作品の中で一番『不毛地帯』を好きな理由は、途中はいろいろな困難と挫折に見舞われながらも最後に「救い」があるからです。油田がねえ…。彼女ともねえ…。いかん、ここからはネタバレ!!
さてさてどんな救いなのか?は、あなたの目で確かめてください。
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Posted by ブクログ
2024.11.27
妻を失ってそのありがたみをかみしみて生きるかと思いきや、の展開に私も含め男という生き物はしょーもないなと感じた。
Posted by ブクログ
突然の妻の他界、商社での力量を試されるようなニューヨーク赴任、秋津千里との一夜、さらには自動車業界の提携交渉と難題を抱える壱岐。里井副社長に忌み嫌われながらもどこまで登り詰めていくのか、最終話に続く。
Posted by ブクログ
湾岸戦争で成果を挙げ、アメリカの自動車会社と日本メーカーとの提携に奔走する主人公。
仕事が国際的になってくるにつれ、陸軍時代とはやり方は異なるが、常に国を背負って仕事に取り組む決意を固めていく。
そんな中で不意に起こる悲劇・・・
いったい、何のために働くのか、そんなことを考えさせられる第3巻でした。
Posted by ブクログ
奥さんが亡くなってしまうとは思わなかった。
商社のビジネスの中で、人間関係や、仕事感の違いが如実に出てくるようになって面白くなってきた。
Posted by ブクログ
不毛地帯、第三巻。
壱岐正は前巻にも増して、商社マンとして八面六臂の大活躍。
なんですが、この巻ではついに奥さんの佳子が交通事故で他界。悲しいです・・・川又が亡くなった時以来の衝撃。
佳子の初七日の後、家を出る誠、しのび泣きをする直子、そして、弔問に訪れた谷川元大佐に、自分の後悔と自責の念を吐露し、慟哭する壱岐・・・・。涙なしには読めません!
さてビジネスの方ですが、第三巻ではフォーク社と千代田自動車の提携が中心に物語が進みます。
壱岐の思うようにやれば、スムーズに事が運ぶのに~とやきもきしながら、エキサイト里井副社長の様子を伺います。エキサイト里井、略してエキサトイ。男の嫉妬が渦巻き、ますます面白くなってきました!人間関係のどろどろさも見物です。第四巻にさらに期待。
Posted by ブクログ
主人公が異例の出世を果たし、役員として活躍し始める。しかし、その待遇を良しと思わない副社長と何かとぶつかり合う。
そして、内助の功として献身的に主人公を支えてきてくれた妻が不慮の事故で亡くなる。しかも、主人公と喧嘩をしたあと、主人公の目の前で。
悲しみに暮れる主人公に対して社長は、心機一転も兼ねて、アメリカ支社長になる辞令を出す。
アメリカに渡ってからは、日本の自動車メーカー(いすゞがモデル)と外資自動車の資本提携に向けて奔走するが、またもや副社長と方針の違いでぶつかり合う。
そして、ずっと秘めてきた、かつての上司の娘と結ばれる。
それにしても、この時代は当たり前だったのかもしれないが、副社長の命より仕事を大切にする姿勢は見ていてイライラさせられる。
自分は無理をして仕事をしているつもりかもしれないが、振り回される周りはたまったものではない。
自己管理も仕事のうちというが、病を伏せて無理を重ねるのは非常に迷惑である。
それほどまでに社長の座が欲しいのか。
何のため、誰のための仕事なのか。
本筋とは関係ないが、こんな時代に生まれなくて本当に良かったと改めて感じた。