山崎豊子のレビュー一覧
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「もし戦争が起れば、油の価格は非常な高騰を来たしますから、この際、油の井戸元を自分の手で握っておくことは、必須のことと考えます」
現在、ホルムズ海峡が封鎖され、物流、エネルギーの問題が国民の生活を脅かそうとしている最中に、昭和から令和に投げられている言葉の正確さに慄きながら読み進めた。
「これは架空の物語である。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない。」
緻密な取材に基づいた作品は未来を予言するのかもしれない。
総合商社の仕事の働き方も縁がなく知らないことが多かったが、戦後行動経済成長を支えた働き方と実績なんだと分かった。小説以外で -
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ネタバレ読み終えてから、どんよりとした読後感に覆われてうまく言葉にできず、しばらく感想を書くことができなかった。
最終巻でスカッとする展開を期待していたからだと思う。
この物語の背後にあるものの大きさに圧倒され、どう受け止めればいいのか戸惑う。
それが現実なんだと思うとさらに辛い。
信念を曲げずに生きる恩地と、組織の中でどう動くべきかを見極めながら戦略的に立ち回る行天の対照的な二人。
個人的には、恩地よりも行天の方が気になる存在だった。なぜ行天が気になるのか。
読み終えてからもずっと、ふとした時に考えていてやっと気づいた。
恩地はどこまでも真っ直ぐで、その信念もわかりやすい。
一方で行天は、本 -
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ネタバレついに組織に新しい風が入る。
奥深くに溜まった膿に真正面から向き合おうとする新たな存在によって、物語の空気が大きく動いたように感じた。
長いあいだ翻弄され続けてきた恩地の立場も、新たな局面へ。
ここまで苦しい思いをして、なぜ恩地は会社を去らないのか…何度もそう思ったけど、貫き通したことに意味があったのかもしれない。
それにしても、思っていた以上に闇は深く、きちんと解決するのか不安になってきた。
小説なのですべてが事実ではないけど、組織の裏側を知ると複雑な気持ちになる。
いよいよ次で完結。
最後はどうなるのか。
5巻へ続く。
Audibleにて。 -
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520名もの命が奪われた日本航空123便墜落事故。
恩地の存在は薄く、この巻だけは小説を読んでいるというより、記録を読んでいるような緊張感がある。
出来事そのものと、その後に残された人たちの現実が描かれていく。
決して感情を煽るような書き方ではなく、事実を一つずつ積み重ねていく。
被害者の名前が実名で記されていることにも強い重みを感じた。
出来事を正確に残そうとする山崎豊子の強い意志を感じる。
突然家族を失った遺族たち。
その悲しみや苦しさがあまりにも生々しく、
正直なところ今の自分の心には辛すぎて、深く沈み込まないように、申し訳ないけれど2倍速で聴いた。
混乱、怒り、後悔、やり場のない -
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露骨な報復人事により、過酷で孤独な僻地での日々に、精神的にも限界の恩地。
あまりの不条理さに、読んでいるこちらも辛くなる。
信念を貫きたいのはわかるけど、恩地はもう少し家族のことも考えてほしい。
犠牲になっている奥さんや子どもたち、そして母親のことを思うと胸が苦しくなる。
さすがに彼があまりにも真っ直ぐ過ぎて、不器用な人に思ってしまう。
東大出身のその賢さをもう少し戦略的に違う形で生かせないのか…
でも曲がったことができないのが恩地なんだろう。
読み始めると止まらない。
どんなに気持ちが沈んでいるときでも、続きが気になってしまう。
次は御巣鷹山篇。
未曾有の悲劇と遺族の苦悩が描かれると -
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この作品は、山崎豊子さんが約8年かけて取材・執筆し、300人もの中国残留孤児への聞き取りを重ねて生まれた小説です。
戦前戦後の混乱の中で中国に取り残された残留孤児の過酷な運命を背景に、主人公の陸一心が歴史や政治に翻弄されながらも尊厳を失わずに生き抜く姿が描かれ、強く心に残りました。
入院中に読み、退院後に時間が空いても即物語に入り込めるほど引き込まれ、私の人生で「過去イチの作品」になりました。主人公の苦難に満ちた人生を知り、人生への向き合い方に深く感化されました。
舞台化もされていますが、まずはNHKのドラマを観て、感動をもう一度味わいたいです。取材の軌跡を記した本も読んでみたいと思いま -
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この作品は、山崎豊子さんが約8年かけて取材・執筆し、300人もの中国残留孤児への聞き取りを重ねて生まれた小説です。
戦前戦後の混乱の中で中国に取り残された残留孤児の過酷な運命を背景に、主人公の陸一心が歴史や政治に翻弄されながらも尊厳を失わずに生き抜く姿が描かれ、強く心に残りました。
入院中に読み、退院後に時間が空いても即物語に入り込めるほど引き込まれ、私の人生で「過去イチの作品」になりました。主人公の苦難に満ちた人生を知り、人生への向き合い方に深く感化されました。
舞台化もされていますが、まずはNHKのドラマを観て、感動をもう一度味わいたいです。取材の軌跡を記した本も読んでみたいと思いま -
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この作品は、山崎豊子さんが約8年かけて取材・執筆し、300人もの中国残留孤児への聞き取りを重ねて生まれた小説です。
戦前戦後の混乱の中で中国に取り残された残留孤児の過酷な運命を背景に、主人公の陸一心が歴史や政治に翻弄されながらも尊厳を失わずに生き抜く姿が描かれ、強く心に残りました。
入院中に読み、退院後に時間が空いても即物語に入り込めるほど引き込まれ、私の人生で「過去イチの作品」になりました。主人公の苦難に満ちた人生を知り、人生への向き合い方に深く感化されました。
舞台化もされていますが、まずはNHKのドラマを観て、感動をもう一度味わいたいです。取材の軌跡を記した本も読んでみたいと思いま -
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この作品は、山崎豊子さんが約8年かけて取材・執筆し、300人もの中国残留孤児への聞き取りを重ねて生まれた小説です。
戦前戦後の混乱の中で中国に取り残された残留孤児の過酷な運命を背景に、主人公の陸一心が歴史や政治に翻弄されながらも尊厳を失わずに生き抜く姿が描かれ、強く心に残りました。
入院中に読み、退院後に時間が空いても即物語に入り込めるほど引き込まれ、私の人生で「過去イチの作品」になりました。主人公の苦難に満ちた人生を知り、人生への向き合い方に深く感化されました。
舞台化もされていますが、まずはNHKのドラマを観て、感動をもう一度味わいたいです。取材の軌跡を記した本も読んでみたいと思いま -
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『華麗なる一族』が面白かったので、こちらも読み始めた。
全5巻にわたる長い物語。まずは第一巻から。
組織の理不尽や人事の闇に、読んでいて苦しくなる場面も多い。
それでも、読み始めたら止まらない。
圧倒されるのは、その取材の厚みと覚悟。
作中の航空会社「国民航空(NAL)」は、どう見てもJALをモデルにしている。
ノンフィクションとして書かれているだけに、どこまでが事実なのか気になり、調べたくなる。
組織の体質にここまで切り込む勇気に、作家としての強い意志を感じる。
小説としての面白さと、単なる物語では終わらない重みがある。
この長い物語の続きが気になる。
二巻へ続く。
Audibleに -
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1958年、第39回直木三十五賞受賞作。『白い巨塔』『大地の子』『華麗なる一族』など代表作がたくさんある山崎豊子さんの出世作であり、傑作小説。大阪に生まれ、若くして夫に先立たれ、商売に命を捧げた女性・多加のど根性の生涯を描いている。
明治末期、堀江の米問屋の次女として生まれた多加は、お見合いにより船場の呉服問屋・河島屋に嫁ぐ。義父が急死してしまい、夫の吉三郎が二代目の店主となったが、商売に身が入らず、多加が店を切り盛りしていた。吉三郎は「借金返済のための金策に行く」などと言って常に外出し、寄席を見に行っていた。寄席小屋で落語を見て笑い、終わると芸人を連れて飯を食いにいく生活。しだいに借金が返 -
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白い巨塔の最終巻です。
沈まぬ太陽に続き、2作目にこちらを読みました。
山崎豊子作品の人生の複雑に絡み合った思惑を堪能できました。
読者にも寄り添った結末なんだろうなと、沈まぬ太陽よりは後味が良かったです。
前巻では、財前側の弁護士が証人の夫を賄賂で丸め込もうとしたところで、証人になることを躊躇していた元看護婦長が出廷する流れになり話後終わった。
今回も財前は選挙と裁判を掛け持ちして戦うことになるが、度重なる心労に、柳原医師に責任を押し付ける発言をしてしまうことで、新たな証拠を引き出すことになる。
裁判は異議と正当な理由があれば、最高で3回まで行えることを知った上でどのような結末になるの -
Posted by ブクログ
人は差別する生き物、人の争いは全て支配欲から生まれる、というのは宮部みゆきさんの中でも、ネガティブながら私の大好きな言葉です。
その言葉を墨汁たっぷりででかでかと書いたような作品。これが巨人の筆なのね。
Switchを子どもに買い与えて幸せ〜なんていう私の生活は、作者の表現を借りれば「塵芥」なるものです。でも出世や権力、利権なんていう怖いものから遠ざかろうとすると、究極ブッダやガンジーやマザーテレサみたいな清貧に身を置かなければ一生何か欠けたまま終わるんでしょう。
もしくは死と隣り合わせの極限の冒険とか?
悲しいかな。一兵卒マインドよ。
いくら蓋をしても避けがたく支配と羨望とにまみれる私に