山崎豊子のレビュー一覧

  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    今の労働環境が、いかに恵まれているものなのかを改めて実感しました。会社による不当な人事や、労働組合への露骨な圧力といった描写は、現代ではなかなか想像しにくいものです。

    また、「昔のJALは事故が多かった」と漠然と聞いたことはありましたが、本作を通してその背景がよく理解できました。訓練が不十分なパイロットを、人手不足を理由に採用していた事実、そしてその原因の一つが労働組合への圧力にあったという点が、非常に具体的に描かれていたのが印象的でした。

    後半では恩地の活躍が描かれますが、弾劾裁判での証言以外は比較的控えめで、その分、家族が少しずつ崩壊していく様子が胸に刺さりました。読んでいて辛い場面も

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    2025年12月30日
  • 大地の子(一)

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    山崎豊子『大地の子(一〜四)』

    現在の日中関係を考えるうえで、本作は中国という国の性質を理解するための格好の教材だと言えます。中国共産党の中枢まで克明に描写できたのは、胡耀邦元総書記による取材協力があったからこそでしょう。これほど深く内情に踏み込んだ著作は、今後二度と現れないのではないでしょうか。

    かつてNHKでドラマ化された際や、山崎豊子さんの著作であることは以前から知っていましたが、どこか暗いイメージを抱き、敬遠していました。そんな私が本書を手に取ったきっかけは、2024年7月の日経新聞の記事です。「中国宝山との合弁解消」というニュースに接し、「『大地の子』半世紀に幕」という言葉に強く

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    2025年12月30日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    ネタバレ

    面白いの一言に尽きる。ページをめぐる手が止まらなかった。恩地のカラチ勤務の過酷さが想像を超えており自分がその立場だったら逃げ出してていたと思う。そのくらい劣悪な環境だった。当時の大企業の雰囲気や団交の激しさ、容赦ない左遷人事がリアリティに描かれており大企業の人事は非情なものだと痛感させられる。一方で恩地についてはもう少し上手く立ち振る舞いが出来れば風向きを変えられたのではないかと思ってしまう部分もある。正しさだけでは組織では生きられないことを説得力を持って描かれている。
    八馬のように経営者側と持ちつ持たれつで関係を築きながら出世していく委員長が多い中で組合員のために自我を犠牲にして闘う姿は何度

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    2025年12月26日
  • 白い巨塔(一)

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    友人に薦められて読み始めました。
    山崎豊子さんの作品は初めて読みましたがかなり面白いです!!
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    時期教授と誰もが認める才能をもつ外科助教授 財前五郎さん。彼の手術の腕はマスコミや世界も注目する高い技術を誇ります。

    しかし、現教授の東さんは傲慢な性格や自分より脚光を浴びる彼に嫌悪を抱き、時期教授の他学移入を考えます。


    表面上では財前助教授の能力を認め、人の良さを演じる東教授。
    東教授の機嫌を取りながら裏では教授選の画策を練る財前助教授。

    この闘いはどうなる…?!
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    人間の欲深さと醜さがこれでもか!!と描かれた作品でした:( ;˙꒳˙;):

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    2025年12月25日
  • 大地の子(四)

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    「理不尽の教科書」だこれは。
    フィクションではあるものの、リアルで、理不尽とはこういうものかと勉強になった。

    とにかく壮大すぎて圧倒された。
    読み進めていくにつれて、想定以上に壮大になっていくので、途中からは諦めて傍観するしかなくなる感じ。
    まさに運命とはこういうものか。

    歴史の根深さが突き刺さってくる。
    と同時に、自分も強くならなければ(強くなれる)と言う気持ちにさせてくれた。

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    2025年12月14日
  • 大地の子(四)

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    読み終えてまず感じたのは、「ここまでのすべてが無駄ではなかった」という深い充実感でした。一心のような過酷な人生を自分が歩むことはありませんが、それでも彼の姿勢は、自分も前向きに生きようと思わせてくれます。

    最終巻でも一心には次々と苦難が襲いかかり、罠にはめられ、ついには左遷まで経験します。それでも折れず、絶望に沈まず、生き続ける。その強さには本当に胸を打たれました。そして、今まで生きてきた事がようやく報われていく場面には、読んでいる自分まで救われたような気持ちになります。

    タイトルの「大地の子」が回収されるのは本当に最後の最後。一心が中国に残ることを決断した瞬間、彼の歩んできた道と、その先

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    2025年12月12日
  • 白い巨塔(五)

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    柳原の証言
    江川の電報
    身震いした。鳥肌が立った。ゾワっときた。

    でも、こんな終わり方はあんまりだよ。
    財前教授。還ってきてくれよ。
    憎まれても嫌われても、やはり君は主人公だよ。

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    2025年12月07日
  • 大地の子(三)

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    第3巻は、一心が共産党員として道を切り開いていく一方で、周囲の人々の人生がゆっくりと崩れていく対比がとても印象的でした。特に、一心の妹が不当に扱われる場面は胸が痛く、読んでいてつらいシーンが多かったです。また、登場人物同士の激しい口論が続くことで、当時の中国社会の空気感や価値観の違いがより強く伝わってきました。こうした文化の差異をリアルに描き出すのは、やはり山崎豊子作品ならではだと思います。

    重苦しい展開もありますが、その中で一心がどう成長し、物語がどこへ向かうのか――次の第4巻がますます楽しみです。

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    2025年12月04日
  • 白い巨塔(四)

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     財前が窮地に立たされる次巻を想像して、ワクワク。こんなに主人公が追い詰められてる事に楽しみを覚える小説って珍しい。
    急ぎ最終巻を読みます。

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    2025年11月30日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    こんな作品を書くなんて、山崎豊子さんは本当にものすごい人だな。
    毎年、8月にニュースで、御巣鷹山に登る遺族の方のことが、取り上げられるけど、過去に他の小説で日航機事故を題材にしたまのを読んだこともあるけれど、改めて、大事件だったんだなと、今この歳になって読んだからなのか、感じる。
    一気に、520名の人が亡くなったこと、現場の混乱、警察、自衛隊(特に空挺団)の奮闘など、当時の情景が、ありありと思い起こさせられた。※小説だから、現実全てを描ききれることはないのかもしれないけれど。
     
    主人公恩地の、労使交渉と、会社の利益追求?の方針と、ハインリッヒの法則を仄めかすような、アフリカ編の際の、世界各地

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    2025年11月29日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    主人公はじめ物語の舞台である国民航空で働く人々の仕事っぷりが読んでいて清々しい。昭和の働き方の良し悪しは置いておいて、仕事ができる人とはこういう人であり、大企業にはこういう人がごろごろいるのか..と驚嘆した。

    自分自身も正義感が無駄に強い頑固者なので、個人的に恩地さんが自分の信念を曲げず貫こうとする姿にすごく勇気づけられたし、恩地さんには報われて欲しい。
    会社というか堂本の策略にまんまと嵌ってしまった行天は、素直すぎるやろ、と思った。ボタンのかけ違いで正反対の立場になってしまった2人、だけど行天は簡単に信念を曲げる要領のいい性格なので、堂本の罠がなかったとしてもいずれどこかで仲を違えていたの

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    2025年11月26日
  • 大地の子(二)

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    第一巻の一心の辛い過去を読んでいて本当に良かったです。日本人の血筋ゆえに辛い思いをしてきた一心が、ここからどのように運命を逆転させていくのか楽しみです。また、松本との実の親子関係がどのように深まっていくのかも気になり、続きがますます楽しみになりました

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    2025年11月26日
  • 大地の子(一)

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    『大地の子』を読んでみました。
    『華麗なる一族』に続いての山崎豊子作品でしたが、中華人民共和国という国の恐ろしさ、そして知識人に向けられる異様な圧力が印象深く描かれていたと思います。読んでいて胸が締めつけられるような場面も多く、ここから物語に救いがあるのか気になっています。

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    2025年11月25日
  • 大地の子(四)

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    ネタバレ

    とても素晴らしく、一気に読んでしまった作品だった。
    何度も作中の言葉を調べ読み進んだが、自分が日中戦争やその後取り残された人々、また中国での文化大革命について全く知識がないことについて恥ずかしく思った。
    現代を生きる自分には全く想像もできない理不尽さと苛酷さが焼きついて離れない作品だった。
    個人的には一巻の陸徳志が、餓死覚悟で一心を守る姿、一心の疑いを晴らすために全てを投げうって北京へ直訴する姿が心に残った。

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    2025年11月24日
  • 白い巨塔(五)

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    ネタバレ

    現代においても同様かはわからないが、大学病院の封建的な風土や選挙における金の動きに対する衝撃を受けた作品だった。
    同作者の他作品と異なり、物語の初めから最後まで、読み手からの主人公の財前五郎、それを取り巻く登場人物への好感、嫌悪の気持ちが正負に揺れ動くところに新しさを感じた。
    田舎の貧乏な家庭から医者になった苦労と自負、婿入りした環境と名声欲強い舅や妻から自分への要求、自分の上司に努力を反故にされるような人事、医学部長や医師会・同窓会の損得で繋がった関係、自信を裏付ける手術の才能…それらが絡まり合い生まれた財前五郎という人物に、もちろん嫌悪する部分が大きいが、環境やプレッシャーでそうならざるを

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    2025年11月24日
  • 白い巨塔(一)

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    ドラマがかなり面白かった。放送当時、オーストラリア人の友達に「白い巨頭って、どんなドラマなの?それを観たいからって友達が帰ってん

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    2025年11月22日
  • 白い巨塔(一)

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    私の会社のボスが雑談で話題に上げた「白い巨塔」は思ったより、いや想像以上に人間社会の醜聞を見事に描き表している。
    一巻では財前五郎助教授が国立大学病院の教授ポストを巡り政争に挑む。。。ドロドロ。。主人公を含め各者が自己の利益の為だけに頭と身体と金と人脈を使う。

    東教授の退任に伴う、後継教授の選任なのだけれども、若手花形外科医として注目される財前助教授に退任後の自分の地位を脅かされかねないと、東教授は直属の部下であるはずの財前の変わりに他大学からの移入教授を画策する。

    その心の内側が生々しい。
    一 人事なんてものは、所詮、こんなつまらぬ些細なことで決まるものなんだ、何もこの場合だけじゃない、

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    2025年11月23日
  • 不毛地帯 第五巻

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    この本は読んで10年以上経つが
    壱岐の男としてのカッコ良さに今でも羨望の眼差しを向けている。きっと山崎豊子さんの理想の男像だったんじゃないかなぁ

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    2025年11月18日
  • 運命の人(四)

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    取材力がすごい。
    最初は裁判に負けてしまった記者の話で終結していくのだと思ったら、最終巻で思っていた展開と違う形になっていた。
    歴史は好きなので読書などを通じて色々勉強してきたつもりだったが、まだまだ知らないことが多いなと思う話であった。

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    2025年11月16日
  • 白い巨塔(三)

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    話は、ドイツ、ベルリンの壁が存在する西ドイツから話が始まり、東西で分断された壁で医学も分断されていた。

    時代を色濃く反映したシーンでした。

    財前が不在の病院で、がん患者が息を引き取り、数時間前まで生きていたのに解剖され臓器ごとに分けられるシーンは、考えればそうなのだが、実際に物語の上で流れを追って認識すると命の重さと命が失われた後の肉体がただ存在するのを実感した。

    財前は本当に名声と自分の技術を振るうことが好きなんだなと、オペラ座近くのレストランのシーンで思う

    何も知らない財前が帰国して、訴えられていることを空港で知りその足で、すぐに鵜飼教授に会いに行く様は、教授選さながら、
    裁判では

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    2025年11月06日