山崎豊子のレビュー一覧

  • 二つの祖国(一)
    どの選択肢も正しくもあり、正しくなくもある。そんな時の意思決定は、自分自身が一番何を大切にしているかに尽きるのだろう。
  • 大地の子(四)
    頭の中が壮大なスケールの物語でいっぱいなった。にあたりまえと思っている家族のつながり。こういった戦争に端を発した悲惨な出来事は、反省すべき日本の歴史として後世に語り継いでいかなくてはならない。
  • 大地の子(三)
    あつ子をはじめとした残留孤児の人生ってなんだったのか。日本政府は戦争責任として真っ先に解決に取り組まなくてはならないし、世界中の誰一人取り残してはならないという人権を尊重するために中国政府も尽力しなくてはならない。こんな事が戦後の昭和時代に起こっており、ある意味明治、江戸時代に遡って後退していた時代...続きを読む
  • 大地の子(二)
    ストーリーが急展開、一心が母国との接点となるプロジェクトに参画することに。
    「鉄は国家なり」またもやプロジェクトの規模もウン千億円と、とてつもないスケール。
  • 大地の子(一)
    あっという間に第一巻完読。過酷な情景が目に浮かぶ。
    わずかな時代、出生地の違いでこんなに悲惨な目に遭う運命。
    今日も世界中でこう言った理不尽な偏見、人種差別がどこかで起こっているのだろうか。
  • 華麗なる一族(下)
    華麗なる一族は本当に華麗でおぞましかった。2007年のTVドラマでは一途で好青年風だった鉄平も、小説ではたしかに他の一族に比べて実直で技術屋らしさはあるが、経理に疎くて見通しは甘く、家族もほったらかしで息抜きは料亭で若い女を呼ぶなど、やはり一族の人物には違いない。でもお約束の箇所ではやはり痛ましかっ...続きを読む
  • 運命の人(四)
    温故知新という言葉通り、過去の沖縄を知っていきながら主人公は少しずつ沖縄問題と再度向かい合い、自分自身と向かい合い、妻と向かいあいながら、話が進んでいきます。

    沖縄の戦争がどうだったかは本、ニュースなどでの特集から知っていることはあったが、それ以上にこの本から勉強させてもらいました。今までは裁判が...続きを読む
  • 運命の人(三)
    「知る権利」を争うの裁判で一時は勝訴したが、逆転敗訴。敗訴する前から主人公は新聞記者としての自分を亡くしていました。それ以上に大切な家族とも絶縁状態になっていました。

    ペンと紙を武器として戦ってきた主人公にとって記者以外の仕事は仕事ではないのだと思いました。本当にわずかの人かもしれないが、自分の好...続きを読む
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-
    いうまでもなく山崎豊子の作品は膨大な資料と
    念密な取材の上に成り立っていますが
    実在の人物を超える芯に迫る迫力があり
    取りつかれたように読み進むうち
    作者も取りつかれたように筆が止まらなかったのだと実感します
    社会を動かすのは組織ではなく
    一人の志であってほしい あるべきだと背筋を伸ばしました
    全巻...続きを読む
  • 不毛地帯 第二巻
    やたらとリアルな情景が目に浮かぶのは最近観た映画のせいではなくて作家さんの力量のおかげだと実感

    川又さんの最期が忘れられない
  • 大地の子(一)
    心に残る名作です。何度も、何度も、読み返し、DVDも拝見いたしました。皆様にも、是非一度お読みいただくことをおすすめします。
  • 運命の人(二)
    ペンと紙を武器とする新聞記者の主人公が逮捕されペンを折られたところから2巻は始まります。

    知る権利を掲げて戦うジャーナリズムと国家公務員法の守秘義務を破ったことで起訴した国家権力との熾烈な法廷での争いが描かれています。少しばかり難しい部分もありますが、昔も今も変わらない「○○の権利」について勉強に...続きを読む
  • 運命の人(一)
    「西山事件」をもとに書かれた作品です。山崎さんの作品はどれを手にとっても非常に勉強になります。日本のこと、日本人のことを知らなさ過ぎる自分には刺激的なものばかりです。この「運命の人」もそんな感じを受けました。

    新聞記者の主人公が公文書、とくに極秘文書を手に入れながら記事を書き、世の中に伝えていく・...続きを読む
  • 花のれん
    あらすじ
    第39回直木三十五賞受賞作
    船場の呉服店に嫁いだ多加(たか)は、家業に関心を持たず、芸事にうつつを抜かすばかりの頼りない夫・吉三郎に、いっそ道楽を本業にしてはどうかと勧める。二人は店を廃業して寄席を始めたが、吉三郎は妾宅で急死。幼い子どもとともに残された多加は覚悟を決め、なりふり構わず人気...続きを読む
  • 大地の子(一)
    あらすじ
    太平洋戦争の敗戦によって、満州で残留孤児となった主人公・陸一心(中国名)が、中国人養父母への愛情と日本の実父との愛憎に揺れながらも、文化大革命の荒波を越え、日中共同の製鉄プラント事業を完成させるまでの物語。
    感想
    これが山崎豊子かって感じがした。
  • 白い巨塔(五)
    医事裁判では、新しい証言が語られ、徐々に真実に迫っていく。患者の家族が苦労を乗り越えて戦う姿を通して、命を蔑んだ医者に対する家族の怒りが伝わってくるようだった。
    庶民こそ、命の重さを知っているのかもしれない。白い巨塔の後半は「生命の尊厳」が大きなテーマだと感じた。
    しかし、患者の命が失われた後の争い...続きを読む
  • 不毛地帯 第五巻
    5巻まで一気読み。読み始めたら止まらない面白さ。
    あらゆる場面に於ける細かい描写から、著者が取材や文献を通して徹底した研究を行ったことが容易に読み取れ、各描写の詳細さに著者の小説に対する情熱的な姿勢が溢れてる気がする。
    自分の人生を賭して成功させたいと思う仕事に出会いたいなと思う小説でした。
  • 大地の子(一)
    NHKのドラマだけでも過酷で目を覆いたくなったけど原作を読んで(まだ読んでいる途中ですが)、ドラマは随分端折っているんだと驚きました。読みながらドラマの場面、場面が脳裏によみがえるのですが、「えっ⁉︎あのシーンの背景にはここまで酷い事があったんだ。」と驚きとショックでいっぱいです。でも、最後まで読ま...続きを読む
  • 白い巨塔(五)
    なかなか読み進みるのが厳しい展開でしたが、最後はさすがの読み応え。白い巨塔、というと、医者に対する悪イメージが先行しがちですが、そんなのではない人間の生き様、プライド、色んなものが迫ってくる、そんな読書体験でした。
  • 華麗なる一族(下)
    初めての上中下の三部作にチャレンジしたのがこの作品。上巻を読んで、この作品なら読んでみたいと思わせてくれた。

    本作は1960年代を舞台に描かれており、現代とは時代背景が異なりお硬い家柄や世襲が根っこにある作品となっている。
    題名に通り、財閥系の一族が資本力と人脈を駆使して、その地位を強化なものにし...続きを読む