山崎豊子のレビュー一覧
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ネタバレ背帯の文言
「この国を覆う、おそるべき良心の不在。恩地元最後の闘い」
今回も読んでいて、腹がたった。
国民航空、関連会社「国航開発」の政・官・財界との癒着、私腹を肥やす利権等、魑魅魍魎が蔓延するデタラメぶりがあまりにひどい。
この物語が単なるフィクションであるなら、腹も立たないだろうが、登場人物の氏名は実在の人物の名前をもじったもので、実在する人物だからだ。
ここで登場する自由党の竹丸副総理など、政界のドンとして君臨し、汚職事件で逮捕されたあの人だ。
現在も政治家の金権体質は、あいも変わらず変わらない。
本書で、架空の人物である、常務にまで成った行天四郎の行動がひどい。
客室乗務員と -
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渡辺謙主演の映画、沈まぬ太陽を観て感動したため原作を読んでみた。
山崎豊子さんは十年に1作書かれるということで
すごく時間をかけられたのが、よくわかります。
印象に残ったこと葉
ニューヨークの動物園の鏡の間の鉄格子に埋め込まれた鏡があり、人間の上半身が映る仕掛けになっていて、その鏡の上には
世界で最も危険な動物
と記されていた。
そしてもう一つは最後に
何一つ遮るもののないサバンナの地平線へ黄金の矢を放つアフリカの大きな夕陽は荘厳な光にみちている。
それは不毛な日々にあった人間の心を慈しみ、明日を約束する、沈まぬ太陽であった。
なお、この小説に出てくる行天は白い巨塔の財前五郎の弟分として四郎と -
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ネタバレ本の背帯の文言
もう一度闘う決意をした恩地。企業を蝕む「闇の構図」を暴くことはできるのか
利根川総理のたっての願いで、新会長に関西紡績の国見正之会長が国民航空の会長を兼務することになった。
恩地は国見会長に説得され、会長室の部長に抜擢される。
新生国民航空の会長である国見が以下の新役人事を発表した。
社長に、前の運輸事務次官で顧問の海野昇、副社長に、もと常務の三成道夫を指名した。
はじめは国見の意見に同調していた社長、副社長も、やがて、厳格な国見から離れていく。
今回も読んでいて非常に、むかむか来た。
国民航空の関連会社である国航開発のワンマン社長の岩合宗助は、ゴルフ、夜のク -
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ネタバレ恩地が去ってからの本社には、会社の御用組合である第二労働組合ができる。
第二労働組合は第一労働組合から人員を引き抜いた為、第一組合へ残る組合員はわずかな人員となった。
恩地が後を託した第一組合の委員長の沢泉からの郵便メールで、現在の第一組合の実情を知らされる。
かつての労働組合の幹部は劣悪な環境の売却資材倉庫や資料管理室へ追いやられた。第二組合に移籍しない、第一組合員は、第二組合の人間の監視のもと、支店に日がな一日椅子に座らせられて、無為に過ごすことを強制されていた。
話を聞かされた恩地は憤り、本社への不当人事に対抗する憤りを募らせた。
パキスタンからイラン、そしてケニアへと、僻 -
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ネタバレようやく再会した妹だったが、重い病に臥せっており間もなく亡くなってしまう。
そして、妹臨終の場で実の父と再会する主人公。
お互いに、仕事の立場の違いからすぐに打ち解けることはできない。
出張で日本に行った際、主人公は父の自宅を訪れ、母や妹達の仏壇に手を合わせることで父と打ち解けることができた。
しかし、このことが原因でライバルに足を引っ張られ、主人公は左遷されてしまう。
1年あまりを経て主人公の冤罪は晴れるが、その窮地を救ったのが元カノというのが意外だった。
悲願であった日中共同の製鉄所もようやく稼働することができ、終始仲の悪かった日中間も和解する。
そして、物語の終盤、主人公と日本の -
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年始の羽田空港での事故をきっかけに読んでみようと思った作品。御巣鷹山の123便墜落事故が起こったことは知っていましたが、詳細は知りませんでした。
123便がレーダーから消え、墜落、炎上するところから、事故地点の確認、ボイスレコーダーやフライトレコーダーの捜索、機体の残骸の回収、原因究明。一方で、生存者の有無や救出、遺体の検視、遺体確認、遺族の方のお世話、お通夜や葬儀の手配、補償まで細かく描かれいます。
直接的な原因は整備不良ですが、その背景にある企業体質も大きな問題だと感じました(責任を感じていないようなJALの態度に苛々)
520名の命を一瞬にして奪うだけではなく、遺族の人生も狂わせる -
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『不毛地帯』第5巻。
近畿商事・副社長となった壱岐正。
商社マン最後の仕事として、イランでの油田採掘に奔走する。
先手を打つも、政界、競合からの巻き返しにより、独立系石油メーカー・オリオンオイルとの共同で入札に挑むことに…
なんとか、採掘権を得たものの、第4井まで石油の出る兆しはなく、窮地に…
一方、社長・大門は綿花相場で莫大な焦付きを抱えていた…
壱岐の見事な商社マンとしての生き様だった。
異例の昇進に対する周りからの嫉妬にも臆せずに自分を貫き通した、壱岐の強さ。
『国家のために』を判断基準とし、最初は大本営参謀として、第2の人生では、近畿商事の企業参謀として、常に戦いの中に身を -
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ネタバレ田淵幹事長…一体誰がモデルなんだ…(笑)
5巻はずっとイランのサルベスタン石油の話、千代田自動車が後味悪かった(最終的にはめでたしになるんだけど)のに対してこちらは小気味よく進んでいく。裏のえげつない部分もFXと比べたら露骨でない(と言うか露骨に見せていない?)ので読みやすい。
でもせっかく苦労して掘り当てた石油も数年後にはイラン革命で全部おじゃんになっちゃうんだよね。山崎豊子がこれ書いていた時期もギリギリイラン革命前だしなんとも複雑な感情を抱く。
最終的に大門社長の引退と同時に壹岐も会社を去り、シベリアで物語は終わる。千里とはおそらく結婚したんだろうけど、安易なハッピーエンドにせずあそこで -
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ネタバレ第4巻目は東京裁判の後半部分が展開される。
天羽賢治は東京裁判の言語調整官として、日々の裁判に臨んでいた。
裁判が進むにつれて、勝者が敗者を裁く様相が明確に成っていった。
最初は公正な裁判を望んで、その一助になればと思い、臨んだ賢治であったが、
裁判が進むにつれて、その実相は裁判という体裁を整えただけの、勝者が敗者を裁く不正な内容だった。
賢治は裁判が進むにつれて、煩悶する日々が続いた。
日本に来ている賢治の妻エミーとも夫婦喧嘩が絶えなかった。
かつての同僚の椰子との付き合いにだけ、心が癒される賢治だった。
椰子は広島での被ばくが元で白血病になる。
日々衰えていく椰子を、裁判が忙しく見舞いにも