山崎豊子のレビュー一覧

  • 大地の子(三)
    国民にとって国家とは何かを考えさせられる。中国人の徹底した気質はちょっと相容れない。戦後中国での日本人に対する仕打ちひどいが、戦後日本での朝鮮人に対する対応も考える視点が必要。
  • 不毛地帯 第二巻
    次期戦闘機決定がメイン。
    技術に携わる私としても、製品を見る視点は性能という壱岐や川又と近い。しかし、そこには商社だけでなくメーカーや省庁の利権が複雑に絡み合い、性能の良し悪しの一筋縄では上手く行かない。各々が譲れないところ、妥協できるところを提示し合う歩み寄りが大事だと思った
  • 運命の人(三)
    綿密な取材、細かな描写、読んでいくと、今そこで起こっている出来事のような文章に、読み進めていくにしたがって引きこまれていきます。
    完結に向かって、長年離れていた夫婦が再び引き寄せ合うところは、感動的であり、そしてどこか残念な気持ちにさせられました。
    真実とは何であるのか、生きかたとはどういうものか、...続きを読む
  • 運命の人(二)
    沖縄返還での地権者への土地原状回復費に関する密約の外交文書漏えい事件を描いた小説。第二巻。
    情報を得た記者が、情報ソースの事務官と不倫関係だったことから、争点は「知る権利」の問題からから一転して醜聞に。権力という虎の尾を踏むと怖いですね。少し違うのかもしれないですが、外務省がらみという事もあり、佐藤...続きを読む
  • 運命の人(三)
    沖縄返還での地権者への土地原状回復費に関する密約の外交文書漏えい事件を描いた小説。第三巻。
    一審から最高裁までほとんど裁判で終始。その意味ではやや盛り上がりに欠けるかも。
  • 大地の子(二)
    ドラマチック。釈放からあっさり話が進み過ぎたようにも思ったが、第二部(釈放後は第二部だと思う)の流れを考えると納得。はやく続きを読みたい。
  • 運命の人(一)
    実話をもとにした小説。沖縄返還時に、米国が支払うことになっていた地権者への土地原状回復費400万ドルを、日本が肩代わりするという密約外交文書を、新聞記者が国家議員に漏えいした事件。第一巻は政治部敏腕記者である主人公の漏えいが発覚し、警察に拘留されるまで。ここから先、最高裁判決が出るまで法廷闘争が続く...続きを読む
  • 運命の人(二)
    1巻に続いて内容が気になるのでスピード感を持って読みました。小説はおもしろいと読むスピードも早くなりますね。テレビドラマのシーンを思い出しながら、内容に引き込まれていきました。
  • 華麗なる一族(中)
    まさしく華麗なる一族。
    ただ、華麗さは見た目。
    見た目の華麗さを保ち続ける事、その中で人間らしく生きていく事、そんなのが面白かった。
    華麗じゃなくていい、そんな思いで読み終わる。
  • ムッシュ・クラタ
    まだ読んでないこんなに面白い山崎作品があったことが嬉しい。
    壮大な作品よりこれくらいの短編や大阪商人もの、面白いなー、うまいなーー。
    表題作のムッシュクラタはおそらく、他にあまりないタイプの作品。
    フランスかぶれ、おしゃれすぎてかっこつけすぎてまわりに疎んじられていたような主人公の、知られざる半生、...続きを読む
  • 不毛地帯 第二巻
    壹岐がいよいよ本領を発揮。
    しかし、社内政治の理不尽さはいまも昔も変わらず、本質を見失うものなんだな、と思った。
  • 不毛地帯 第二巻
    3月11日、ドラマ「不毛地帯」が最終回を迎えた。
    サブタイトルは「約束の地」。

    難航を極めたサルベスタン鉱区の石油開発は、五号井でようやく石油の採掘に成功。
    これを機に、壹岐は大門社長に勇退を勧める。
    「そこまでして社長の椅子に座りたいなんて血も涙もない奴だな」と思っていたら、壹岐は辞表を提出し、...続きを読む
  • 不毛地帯 第四巻
    千代田自動車とアメリカ・フォーク社との資本提携は、フォークからのたった1枚のビジネス・レターで交渉の打ち切りが決定された。
    そこにはライバルである東京商事・鮫島の暗躍があった。

    新規合弁会社の設立を強引に押し進めようとする里井副社長と、あくまでも千代田の利益を損なわないよう交渉を行う壹岐。
    商社の...続きを読む
  • 不毛地帯 第三巻
    近畿商事を重工業化路線へ転向したい壹岐と、繊維部門の地位を保持したい里井副社長。
    2人の溝はますます深まるばかり。

    そんな中、近畿商事の取引先である千代田自動車に提携の話が持ち上がった。
    相手はアメリカビッグ・スリーの1つであるフォーク(フォード?)。
    アメリカの自動車が上陸すれば日本のメーカーは...続きを読む
  • 二つの祖国(四)
    父なる国日本と母なる国アメリカ。
    二つの祖国の架け橋となるべく、愚直なまでに誠実な天羽賢治。
    信念を貫いた東京裁判が、神聖な裁きの衣から、勝者の裁きの鎧を見せた後、賢治の心は墜ちていった…。
    ヒロイン梛子の最期の問いかけが重い。
    ライバルのチャーリー、弟の忠と勇の対比で賢治の苦悩が良く分かります。
    ...続きを読む
  • 二つの祖国(四)
    山崎豊子さんの作品は悲劇的なものが多いなぁ・・・・・。  「白い巨塔」しかり、「華麗なる一族」しかり、そしてこの「二つの祖国」しかり・・・・・。  なまじこれらの作品の主人公たちが途中までは強靭な精神力の持ち主として描かれているだけに、最後が・・・・。  

    個人的にはこの作品に於いて、賢治と梛子さ...続きを読む
  • 二つの祖国(三)
    20年以上前、この本を初めて読んだ時の衝撃はこの「東京裁判」のシーンでした。  戦後教育の中でこの東京裁判に関しては学校でほとんど学んだことがなく、端的に言ってしまえば「大戦後、アメリカの占領下の日本で戦犯を裁く『東京裁判』が行われ、A級戦犯とされた28名のうち7名が絞首刑に処せられた」ということぐ...続きを読む
  • 二つの祖国(二)
    この巻でもっとも心に残るのは、やはり天羽家三兄弟のあまりにも酷過ぎる運命ではないでしょうか??  日系2世というまさに本書のタイトルどおり、「二つの祖国」を持つ三兄弟が、たまたま太平洋戦争突入時に何歳でどんな教育を受けどこにいたのか?という偶然性も手伝って、1人は米軍兵士として、もう1人は帝国陸軍兵...続きを読む
  • 二つの祖国(一)
    この本も「不毛地帯」同様に約20年余りの年月を経ての再読本です。  初読当時の KiKi は英国文化に憧れ、必死になって英語を学び、その延長線上で米国にも興味を持ち始めていた時期で、どちらかというと「羨望のまなざし」をもって米国を眺め、手前勝手に美化したイメージに憧れていた時代でした。  当時の K...続きを読む
  • 女系家族(上)
    五年位前に読んだ本だけど、今だに強い印象が残ってます。どろどろ、べたーっとした人間関係だけど、最後は爽快。山崎豊子さんの本で、唯一最後がスカッとした。