山崎豊子のレビュー一覧

  • 白い巨塔(四)

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    前巻に引き続き法廷闘争。第二審へ。中小企業のワンマン社長が癌で死亡し、そこに医療過誤があったかどうかが争われる。
    市井の人と大権力との戦いは池井戸潤作品にも通じるかと。
    一方で被控訴人の財前教授は学術会議会員という更なる権威獲得のため選挙に打って出る。裁判、選挙の双方をシーソーゲームとなぞらえ、そのどちらにも勝ってみせるという不敵さ。
    けれど控訴した側の関口弁護士が必死に医学知識を身に付けて、財前側の手落ちを証明してくれる人を求めて日本中を駆け巡り、彼の元に強力な証人が揃ってゆく。
    裁判の決着が着く最終巻へ。

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    2020年09月02日
  • 白い巨塔(三)

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    財前のドイツ外遊、そして帰国後は一気に法廷闘争へ。展開が早い。
    財前側ひいては大学病院側に不利になっても「無名でも患者の生命を大切にする医者」でありたいとの信念で真実の証言を行う里見。自らの助教授職の椅子が危うくなると医学部長から示唆されても、里見は信念を曲げなかった。こういうところはやはり格好いい。
    一方の、名声のためなら患者の命を軽く扱っているように思える財前、この巻でも悪を貫く。嘘、はったり、脅迫等々、清々しいほどの悪さ。
    裁判の結果は色々考えさせられた。先が気になって一気に読んでしまった。第四巻へ。

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    2020年08月31日
  • 不毛地帯 第五巻

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    再読完了。

    舞台が総合商社であるだけに、スケールの大きさを感じる。サルベスタン鉱区で油を掘り当てた時の描写は感動的である。

    物語上、どうしても主人公の壹岐の周囲にいる人物は、いわば“敵役”である。しかし、それぞれの人物の視点で見ていくと、彼らもまた正義のために戦っているのである。鮫島氏は言うに及ばず、里井副社長は、社長の椅子を狙い自分を脅かす壹岐を追い落とそうと画策したものの(結局それが自身の首を絞めることとなってしまったのだが)、それは会社を盛り上げるためであり、壹岐とはベクトルが違うに過ぎない。

    スケールの中にも人間というものを見事に表現した傑作だと思う。

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    2020年07月12日
  • 不毛地帯 第二巻

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    舞台が商社であるだけに、日本国内に留まらず世界レベルで話が展開される。それゆえスケールの大きさを感じる。特に、第三次中東戦争を巡る商社同士の戦いは展開もスピーディで面白い。

    東京商事の鮫島は、主人公の壹岐の視点で見れば悪役だが、鮫島の方から見れば壹岐はこれまで長年苦労して築き上げてきたものを一気に掻っ攫いかねない存在で、だからこそ壹岐をライバル視し必死で戦っているのである。

    そういう意味では、鮫島もまた正義なのだ。

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    2020年06月11日
  • 華麗なる一族(中)

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    200505.上巻に引き続き。
    案の定苦境に立たされる鉄平。苦境への道筋がうまい。
    多方面に気を配っているつもりでも、さらに大きなコングロマリットや、事故といった災害など、力及ばない角度から突いてくる。
    大介側も、いろいろと苦慮しつつも状況を踏まえた上での一手を打ってきた感じが、ちゃんと物語をして積んできているなーという感じ。
    次が最終。どんなどんでん返しの結末になるのか楽しみ。

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    2020年05月06日
  • 白い巨塔(四)

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    一審の判決後から学術会議選の序盤、控訴審の始まりまで。

    一件すると一審に勝った財前はいまだ絶頂期にあるようだが、徐々に綻びが出てきているさまが描かれている。

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    2020年05月05日
  • 華麗なる一族(上)

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    200501.面白い。文書がうまい。引き込まれる。
    ボリュームはかなりあるが、読まされる内容。
    描写に言葉遣いに、多種多様な格式に対してもよくここまで表現できるなーと。
    登場人物は多いが、一族の名前が分かりやすいのも良い。鉄平に銀平、女性の扱いは軽いのか、一二三。このまま王道路線で行くなら、銀平の嫁なり、美馬なりからのスキャンダル漏れから、大介銀行は三雲さんに取り込まれの、鉄平は二転三転苦行を超えながらの成功。祖父と母の関係発覚からの葛藤なんたら。二子は幸せ結婚。銀平は円満離婚か円満エンド。
    どうまとめるのか、どんでん返しはあるのか?

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    2020年05月02日
  • 約束の海

    ネタバレ 購入済み

    物語が完結しなかったのが残念

    読み手を惹きつける話の展開で、最後まであっという間に読みました。第一部で絶筆になってしまったのが残念です。この後、主人公を含めた登場人物がどのように生きていくのか、とても気になるところでした。一方で、自衛隊の存在意義をあらためて考えてみる機会になりましたし、自衛隊について、国防について知らない事が実はたくさんあるということに気がつき、不安にもなりますが、自分の知らないところで、平和の維持のために頑張っている人がいるということを、時々感じることも必要だということを感じさせる本でした。

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    2020年03月26日
  • 女系家族(上)

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    (上下巻合わせてのレビューです。)

    久しぶりの山崎豊子。やっぱりテッパンです。

    姉妹3人の遺産相続にからみ、その周囲も巻き込んだドロドロ劇に
    読み手である自分もあっという間に飲み込まれていきます。
    山崎豊子のやり口が分かっているだけに、何となく先の展開が読めてしまいますが、
    それでも面白い小説であることには変わりありません。
    眠い目をこすって、あっという間に読んでしまいました。

    残念なのは、著者がもう亡くなってしまっていて、
    こんなにも素晴らしい小説にも作品数が限られているということ。
    もっともっとたくさんの小説を生み出して欲しかった。。
    全ての作品を読み切るのがあまりにもったいないので

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    2020年03月05日
  • 不毛地帯 第五巻

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    壱岐副社長の男っぷりに泣かされるサラリーマンは多いのでは。大企業から中小零細まで老害はびこる企業が多い日本社会。サラリーマンのカタルシス小説です。

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    2020年01月26日
  • 運命の人(四)

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    時だけが許容するものがある。
    時が過ぎても許容できないものもある。
    それを伝える人がいる。

    (以下抜粋)
    ○娘が「アメリカーがやってくるよ、早く殺して」と何度も言い募る、お母はその通りにしてやったよ、ザーッと血しぶきの雨だった、ガマ一面に飛び散った血は、おしくら饅頭のようになっていた人の上に降り注いで‥‥(P.52)
    ○リサーチしたい文書にすぐ辿り着けるとは限らない。何度も文書の請求を繰り返し、勘を養うことが大切だった。

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    2020年01月01日
  • 沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-

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    長編は苦手なのですが、ノンフィクションに近い内容で読み応え凄く、あっという間に読破してしまいました。

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    2019年11月25日
  • 二つの祖国(四)

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    長かった…。3月末にドラマが放送され、原作がすごく気になりちょこちょこ読み進めてました。
    読んですごくよかった。長いけどおすすめ。特に若い人へ。

    日米開戦と同時に、12万人の日系人が強制収容所へ入れられたのは事実。
    この小説に出てくる主人公やそれを取り巻く人々はフィクションだけども、
    著者の相当に膨大な取材、調査による事実を織り交ぜた歴史小説です。

    日系二世の主人公は、アメリカ人として生きるべきなのか、日本人として生きるべきなのか、痛烈な問いを突きつけられます。
    米国籍を持つ主人公は、収容所に入れられながらも語学兵としてアメリカ人の立場で戦い、最後は東京裁判で言語調整官として法廷に臨み

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    2019年07月09日
  • 女系家族(上)

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    ネタバレ

    なかなかなホラーです。
    予習で米倉涼子主演のドラマのさわりだけみて、怖いなあと思ったけど、原作はもっと凄味が。
    (上巻)ラストの3姉妹&叔母さんが神ノ木に押し掛ける場面なんて、もう尋常じゃないですよ。忠実に映像化したら、地上波じゃ流せない。

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    2019年06月09日
  • 花のれん

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    素晴らしの一言
    大阪商人の根性と笑いで元気がわき出る一冊と言っても過言ではない。
    人生迷ったら再読すべし。

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    2019年05月30日
  • 白い巨塔 2巻

    登場人物が今風

    登場人物が今風ですがそれはそれでいいですよ。里見准教授が小腸癌の患者の検査にカプセル内視鏡を使う所は感動ですね。オリジナルなら造影剤を飲ませてXray photoで小腸内の通過障害を突き止めるところだけど。花森ケイ子もきっとかなり色っぽいお姉さんとして描かれると思ってたが現代受けすると思うw

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    2019年05月12日
  • 二つの祖国(四)

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    東京裁判は判決を迎える。
    賢治の愛した梛子にも不幸な運命が待ち受ける。

    3巻から引き続き東京裁判に翻弄されました。
    判決の重さ、その判決を通訳として言い渡すことになった賢治の苦悩。
    梛子との別れ、家族との不和、そして東京裁判、それらが賢治を壊していく。
    日系二世としてアメリカに忠誠を尽くすも、日本人としても心を強く持ってしまった賢治には、余りにも酷な運命でした。

    衝撃のラスト、賢治の選んだ最後が悲しい。
    まだ幼いアーサーが心配です。

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    2019年04月15日
  • 二つの祖国(二)

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    収容所を出た賢治は、教官として米陸軍日本語学校の教官となった。
    一方、両親と娘は、忠誠テストに背きツールレイク収容所に送られた。
    父が夢を見、努力してきたアメリカでの暮らし、日米開戦により家族はバラバラとなり、不幸な形で再会することとなる。


    物語だから、賢治とその家族の元にばかり色々なことが起こるのは仕方がないこと。
    でも、どれもあちこちで起こっていたことと思うと胸が苦しくなります。
    エミーもなんで自分で不幸を呼んでしまうのか。賢治の奥さんなのだから、幸せになれたはずなのにと歯がゆい思いでいっぱいです。

    終戦を迎え東京裁判へ。
    三巻に続きます。

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    2019年04月11日
  • 二つの祖国(一)

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    日本の真珠湾攻撃から太平洋戦争が始まり、アメリカに住む日系二世天羽賢治らの周囲に大きな波が起こり始めた。

    ドラマを見て、さらに深く知りたくなり、原作を手に取りました。
    ドラマは原作にかなり忠実でした。

    日系人にとって、父祖の国と今住む国との戦いという悲劇がどんな不幸なことなのか、恥ずかしながら数年前まで知らずにいました。ナチスのユダヤ人迫害にも次ぐような事実に驚かされます。


    「父祖の国日本に殉じるような生き方をするもの
    アメリカ人として生きようとするもの
    絶えず日系二世としてのアイデンティティを模索し苦悩しながら生きるもの」

    一世と違い日系二世だからこその苦悩。
    一巻は賢治がマンザナ

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    2019年04月09日
  • 白い巨塔 1巻

    現代版ですか

    オリジナルの財前助教授(准教授じゃない)は確かにこんな感じだったと思います。是非最後まで描いて欲しいな。

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    2019年03月10日