山崎豊子のレビュー一覧

  • 女系家族(上)
    五年位前に読んだ本だけど、今だに強い印象が残ってます。どろどろ、べたーっとした人間関係だけど、最後は爽快。山崎豊子さんの本で、唯一最後がスカッとした。
  • 不毛地帯 第四巻
    現在であってさえも、コレを巡って世界のあっちこっちで利権やら紛争やら何やらと大騒ぎの「石油」にお話が移行しました。  KiKi は外資系の会社でのお仕事が長かった関係で、米国とか西欧諸国、そしてアジア諸国(除く共産圏)とのビジネスっていうのはそこそこ関与する機会があったんですけど、さすがに中近東って...続きを読む
  • 花紋
    大地主の総領娘であり、大正時代に類まれな歌人として知られた御室みやじの波乱万丈で数奇な半生。

    旧い因習の中から飛び立つことを許されず、それによりさらに燃えたぎる情熱、冷徹さ、孤独が、痛いくらいの美しさと真っ直ぐさで迫ってくる。重厚で激しい美しさをもつ小説。短歌はまったくわからないけれど、御室みやじ...続きを読む
  • 二つの祖国(四)
    第二次世界大戦時の日系二世の話。両親がアメリカに移り住み、主人公はアメリカ籍を持つ。一方、幼少期は日本で過ごしたため、日本人の心も併せ持つ。日本、アメリカのどちらからも裏切り者と疎まれ、二つの祖国の間で揺れ動きながら、それでも誠実に生きていこうとする主人公の姿が描かれている。
    主人公の壮絶な人生。と...続きを読む
  • 運命の人(三)
    国家、司法、マスコミのみならず、登場人物一人ひとりの生き方、主人公の生き方にも、色々と考えさせられるところがある。
    「正義とは、何ぞや?!」。このあたりにも、現在、NHK白熱教室でマイケル・サンデル教授が脚光浴びている理由が潜んでいるのかもしれない・・・などと思いながら読んだ。
  • 運命の人(二)
    権力というものの怖さと醜さを、ヒシヒシと感じる巻。
    国家のみならず、あらゆる組織に内包される権力とそのあり方について、考えさせられる・・・。
  • 運命の人(二)
    いよいよ裁判が始まる。弓成の姿が痛々しい。プライドを傷つけられ、心休まる場所もなく裁判に臨む。妻・由里子は離婚を考え始める。事務官・三木はあまり登場しないが心神喪失状態?なのか。裁判での外務省の隠ぺい体質に驚いた。史実に照らせば証人達は偽証していることになるが、事実だとすればこれほど恐ろしいものはな...続きを読む
  • ぼんち
    面白かった!!!
    粋で華やかで人間くさくて嫉妬ぶかくて、どきどきした。
    芸妓のきのきいた振る舞いや戦前のしきたりが描かれてて読んでてたのしかった。
    ラストも素敵。女は強いなあ
  • 女系家族(下)
    女系家族と相続争い、まったく未知の世界を、リアルに描き出してくれるのは流石で、引き込まれました。面白い!
  • 運命の人(二)
    「イギリスの慣例法にクリーンハンドの原則というのがある、人をせめるものは自分の手がきれいなければならない」弓成の手がきれいであったかどうか、弓成の取材方法が適切であったかどうか、一方国民の知る権利は、ニュースソースを明らかにしないという新聞記者のモラルは、女性問題、女性の人権問題。渦巻く問題はそれぞ...続きを読む
  • 大地の子(一)
    最後に人を救うのは人の愛!ドラマが話題になり早15年。。。その頃読んでたら生き方違ったかも。中国の交渉事や会社組織の描写も堪能できたのは大人になって読んで良かった点。妹との再会と別れが一番辛く涙が止まらなかった。こんなにまるごと揺さぶられる小説はそうそうないと思う、本当に本当にすごい作品。(全4巻分...続きを読む
  • 仮装集団
    「労働者の音楽鑑賞団体」の内実は、左思想政党の支持者獲得装置。リアリティがすごくて、身近にこんな組織がごろごろしてそうでこわい。
  • 仮装集団
    組織がイデオロギーに動かされて次第に冷静さを失っていく姿がフィクションとは思えないくらいの現実感をもって描かれている。こんなことって、身近な組織でも容易に起こりうるのではないのだろうか(例えば目先の収益見込みをコスト度外視で追う、など)。いつもながらに主人公はcool(この表現まさにぴったりだと思う...続きを読む
  • 暖簾
    山崎豊子の処女作。
    大阪の昆布屋、「浪速屋」で丁稚奉公から暖簾分けをされるまでの吾平の努力、生きざまと、その息子の孝平の戦後の復興の模様を生き生きと描いている。

    処女作なのにクオリティ高すぎてびっくり。豊子天才だ!

    思ったのは、やはり時代を読める人間でないと、商売はできないということである...続きを読む
  • 運命の人(一)
    (一巻から四巻まで合わせたレビューです。)

    大好きな山崎さんの(もしかすると最後になるかもしれない)長編小説。

    沖縄返還時の機密文書漏洩事件(西山事件)をテーマに、
    相変わらずの取材力&構成力で読者をぐいぐい引っ張っていきます。

    この分野は完全に無知でしたが、小説を通じて、
    昔の自民...続きを読む
  • 暖簾
    社会人になったものの、へこたれそうな毎日を送っている人。ぜひ、読んでほしい。丁稚からたたき上げられた一人の人間が、いかに生きたかが長いスパンで描かれている。


    たたき上げ、という言葉がこの本を読んでから使いづらくなった。簡単にたたき上げと使うと、主人公に怒られそうだからだ。
  • 二つの祖国(一)
    山崎作品の中で一番好き。素晴らしい骨太歴史ドラマ。在米日系人の話、むしろ太平洋戦争事体、とても大切なことなのに学校では詳しく習わないので、誰もが学生時代にぜひ一読するべきと思う。それにしても賢治さんは優秀すぎる。
  • しぶちん
    長編が注目される山崎豊子作品。でも短編は、そのあまりの短さに(長編が本当に長い反動もあって)一気に読める。

    船場のごりょんさんを目指す女の生き方、婚約に大金が動くわけ、倹約とは、商売とは何か。人生の生き方の一例がちりばめられた一冊。
  • 不毛地帯 第四巻
    すごい。
    世界をまたにかける商社マンは格好良い!

    政治をまきこみ仕事をとる。

    これぐらいのスケールの仕事をしてみたいものだ。
  • 不毛地帯 第三巻
    どんどん話が加速していき、一気に引き込まれていきます。

    仕事に打ち込む男たちの気概が素晴らしい。

    己の全てをかけ情熱的に仕事をこなしていく姿は胸を打ちます。