山崎豊子のレビュー一覧

  • 二つの祖国(四)

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    全巻を読んでみて
    在米2世でアメリカ国籍を持ちながら日本の精神を学んできた主人公が太平洋戦争という時代に差別や偏見と家族との関係に葛藤しながら開戦〜日本への国際軍事裁判までを綴った小説。
    戦争とはなにか・国とはなにか・家族の在り方とはなにか・法とはなにか・幸せとはなにか等の本当に答えのない問題を問いかけていて、こんなに考えさせられる小説はないし、日本人として戦争について考えるなら必ず読んだほうがいい本だと思う。

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    2022年06月06日
  • 二つの祖国(四)

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    正義とは、忠誠心とは、国籍とは、、、

    不幸な結末、最後は報われて欲しかったと思うが、そんな単純に整理ができない作品。

    日本人の精神ならではの意味を持つ、肚 。
    翻訳モニターとしての苦悩が凄く伝わる描写でした。

    そして、山崎豊子さんの作品は葛藤や苦悩の心情を分かりやすく解説してくれるのが、作者さんの魅力の一つだと思います。

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    2022年05月13日
  • 暖簾

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    山崎豊子氏の処女作。

    大阪商人を主題にした小説はほかにもいくつか読んでいるが、一番ベースになるような基本のストーリーに接した気がする。

    がむしゃらな商人根性が、暖簾に裏打ちされた恥じない商いとしっかり通じているところが、純粋でまっすぐで読んでいて快適だった。

    生きる力を裾分けしてもらえるようなパワフルは作品だった。

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    2022年05月13日
  • 大地の子(四)

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    ネタバレ

    中国側のミスが発端となり、一台1億円もする精密機械を日本に送り返して検査し直しすることになってしまい、中国相手のビジネスの難しさをこれでもかというくらい思い知らされた。
    日本滞在中に長幸の策略にまんまとひっかかってしまい、僻地の工場に左遷させられた時はまた振り出しに戻ったとがっかりしたが、丹青の活躍により返り咲いてからは多少のトラブルはありつつも、ついに呪縛から解けた感じがあり、トントン拍子で進んでいった。
    全巻通して製鉄技術、政治の動き、地理状況など驚くほど細かな描写が多く圧倒される場面もあったが、その取材があってこそこれだけずっしりと重厚感のある作品を書けたのだと思うと本当に恐れ入る。

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    2022年05月06日
  • 大地の子(三)

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    ネタバレ

    宝華製鉄所の建設に精を出す中で、ついに妹の消息をつかみ三十数年振りの再会を果たしたものの、養母にトンヤンシーとして馬車馬のようにこき使わらてきたために体がボロボロになっており、陸一心の様々な図らいも虚しく、息を引きとった時には無情さを痛感した。実父との運命の再会を果たしたものの、またも日本人という出自により一波乱巻き起こす要因になってしまうことに、むずがゆさを感じた。
    宝華製鉄所の建設で仕事をともにするうちに、丹青の陸一心に対する差別的感情が薄れてきて徐々に慕うようになっていく様は、ストーリー的には予測できたが、3巻におけるヒロイン的な役割を果たしていて、ロマンス要素として物語をより充実させて

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    2022年05月06日
  • 大地の子(一)

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    ネタバレ

    序盤では、文化大革命によりインテリに対する激しい弾圧が行われる中、出自が日本人であるというだけで濡れ衣を着せられ、吊るし上げられ、労働改造所に強制送還させられるという、陸一心の身に起こったあまりに理不尽で不条理な出来事に頭がついていかなかった。
    ただ、日本軍に見捨てられ中国で戦争孤児として生き抜いてきた陸一心の子供時代を読み進めていくにつれ、戦争や革命という凶暴な力により、人の運命はこうも容易く歪められてしまうものなのだという厳しく冷酷な現実をようやく受け止められるようになってから、陸一心の身の上に同情し、一刻も早く労働改造所から脱することができることを願うばかりだった。
    暗闇の中を出口がある

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    2022年05月06日
  • 沈まぬ太陽(二) -アフリカ篇・下-

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    ネタバレ

    左遷に次ぐ左遷で恩地元の精神が疲弊する描写が事細かに描かれている。家族を犠牲にしてまで会社と戦うべきなのかということと、自らより厳しい境遇で戦っている組合員の間で揺れ動くものの、どうしようもない感情に苛まれ、剥製を撃ってしまうところなども思わず感情移入してしまった。巻末では日本に帰ることが叶ったが、日本で満足な待遇が得られるとは思えず、恩地元の奮起を期待しながら3巻に進みたいと思う。

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    2022年04月30日
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-

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    ネタバレ

    5冊にわたる長編だがスラスラ読むことができた。恩地元が真面目すぎるが故に敵を生んでしまう。断ることが苦手で真面目なことが幸いし、歯車が狂い出す。他の人物で有れば体裁を気にして言えないことも、筋が通るとわかれば臆することなく言ってしまうところにカリスマ性を感じる。根底は恩地元の考えに共感するが、日本企業特有の右へ倣えという精神もわかってしまうが故に、自分ならここまで戦えないと感じた。おそらく多くの組合員も同じことを思っているであろう。

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    2022年04月30日
  • 沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-

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    1.著者;山崎氏は小説家。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けました。19歳の時、学徒動員で友人らの死に直面。「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は、今でも幅広い世代から支持されています。綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢には定評があります。
    2.本書;国民航空の労組委員長だった恩地(主人公)を通して、人命に係る航空会社の倫理観を問う社会派作品。恩地は会長室の部長に抜擢され、改革を進める。会社の腐敗構造が暴かれると

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    2022年04月28日
  • 運命の人(四)

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    ネタバレ

    失意の内に弓成が向かった沖縄に舞台が移る。
    そこで本土決戦の証言を聞くことになるのだが、途中で文章を区切ることもなく、内容も相まって実に重苦しく綴られていた。集団自決のため、我が子を手にかけるとか地獄だ。そして今でも沖縄は矛盾を押し付けられている。
    それを伝えるべく弓成は再びペンを取る。三巻の感想で「変な理想に目覚め」と書いたが、弓成はここ沖縄で初めて確かな足場を得たのではないかと感じた。
    思うに任せず運命の荒波に飲まれたが、自分に課せられた使命を受け入れ再起した、運命の人とは弓成自身のことではないか、と最後まで読んで思った。
    ヌチドゥ宝=命あってこそ。生きてさえいれば。

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    2022年04月17日
  • 大地の子(三)

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    圧倒的な取材量に基づいた叙事詩的な大河作品
    日本人の立場としては中国に対して嫌気がさすシーンも多く、ムカムカとすることも多かったが、それよりも戦争孤児の描写のリアリティが凄い

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    2022年03月13日
  • 大地の子(四)

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    最後の一冊は止まらなくなって1日で読破
    今までの積み重ねあってからの爽快感や、最後の立ち上げの瞬間は感動的
    中国のことを嫌いになりそうになるシーンも多いが、それよりも戦争と言うものの悲惨さを痛感させられる。
    作品名である『大地の子』という言葉の意味を知る最後の1ページまで決して飽きさせない紛れもない名作

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    2022年03月13日
  • 大地の子(二)

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    中国の光と闇、日本の光と闇、その両方を依怙贔屓することなく丁寧に描かれている。
    運命の皮肉の描写が凄まじい

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    2022年03月07日
  • 大地の子(一)

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    業界に携わるものとして読んでおけと言われて読み始めている。残虐な状況が目に浮かぶ…これが史実にそっめ描かれているのだから余計に震える。

    日本人はよく平和ボケしていると言われるが、山崎豊子の戦争三部作は必読と痛感(あとの2作は「二つの祖国」と「不毛地帯」
    続きが楽しみ

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    2022年02月19日
  • 華麗なる一族(上)

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    以下、上中下巻で同じ感想です。

    最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
    人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。

    「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を

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    2022年02月11日
  • 華麗なる一族(下)

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    以下、上中下巻で同じ感想です。

    最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
    人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。

    「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を

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    2022年02月11日
  • 華麗なる一族(中)

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    以下、上中下巻で同じ感想です。

    最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。
    人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。

    「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を

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    2022年02月11日
  • ぼんち

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    結局人は時代の波の中で生きていくんだな~と改めて思いました。大阪の船場や芸者文化などに重ねて、明治大正昭和と激動の時代。喜久治と5人の女のつきあい方、祖母、母とのかかわり方、今の時代では考えにくいけれど、きっとそれぞれ強い信念のもと、相当な覚悟を決めていたに違いない。男の強さ、女の強さを感じました。もしかしたら、この強さは作者の強さかもしれません。自分がそこにいるかのように感じさせる表現など、山崎豊子の本をもっと読みたくなりました。

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    2022年01月22日
  • 不毛地帯 第一巻

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    久しぶりに大作を読んだ。山崎豊子氏の不毛地帯である。どんな内容か全く知らないまま読み始めた。
    第二次世界大戦で日本軍の参謀だった壹岐は、戦後シベリアに抑留され、11年もの長い月日を寒さと飢えに耐え忍びつつ、過酷な労働をさせられた。ようやく日本に戻ることが出来てからは、関西の繊維系総合商社に採用され、ビジネスマンとして商才を次第に発揮していく、というストーリー。日本の潰れそうな自動車会社とアメリカのオートメーカーとの提携を仲介したり、イランで石油を開発するスケールが大きい仕事が見事に描かれている。
    まず、シベリアに戦後抑留された人々のことをあまり知らなかったので、こういうことがあったことに衝撃を

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    2022年01月13日
  • 沈まぬ太陽(三) -御巣鷹山篇-

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    自分が子供の頃に起きたジャンボ機墜落事故そのものの話しだった、、、当時私はお盆で父方の実家を訪れており、大好きな従姉妹のお姉ちゃんがもうすぐ出産で大きなお腹に手を当てて、ニュースがこればかりなんよ。とジャンボ機墜落のニュースを流すテレビを指さしたのを鮮明に覚えている。お姉ちゃんと楽しむ時間に夢中でその時はニュースに関心を抱かなかった。小学生の頃だったと思っていたが中学生の頃だったと思い直した。それでも当時は遠い遠い知らない所での出来事に思えた。

    そんな記憶しかなかったがこの本を読み続けると事故直後からその後当時見たニュースの内容が途切れ途切れに思い出された。

    奇跡的に助かった女の子のうつろ

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    2022年01月11日