山崎豊子のレビュー一覧

  • 暖簾

    Posted by ブクログ

    山崎豊子のデビュー作であり、出世作。

    日清戦争後、淡路から裸一貫で大阪の昆布商に丁稚奉公し、苦節10数年、暖簾分けして自らの店を持ち、繁盛させていく主人公の姿が第一部で描かれ、第二部では、主人公の次男が戦災ですべて失った老舗の暖簾を再興していく物語。

    どんなに困難なことがあっても、決して暖簾に傷をつけるような真似だけはしないという船場商人の心意気が十二分に読者を惹きつける。また経済史的背景もしっかりと描かれていて面白い。


    主人公の店(浪花屋)の塩昆布にねこいらずが混入していたとの嫌疑をかけられ、警察に拘留された主人公に家族・使用人が「適当なこと言って出してもらいましょ」と勧められたのに

    0
    2015年07月25日
  • 運命の人(三)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これぞ山崎豊子の真骨頂。
    難解な裁判内容ですら1日で読みきらせる筆力。
    一審での無罪判決を勝ち取るも、控訴審での逆転有罪判決、上告棄却、絶たれた記者生命、堕ちていく弓成氏・・・
    三木昭子の下劣極まりない手記は裁判の結果に等しいほど世論が弓成氏を裁いた。そして家族も・・・
    「ママはまだ夏の真ん中だ」なんて慰めてくれる息子の優しさに落涙を辞さない。
    安っぽい勧善懲悪ではなく、国に楯突くとはどういうことか、厳たる現実を前に様々な考えを巡らさざるを得ない。

    0
    2015年05月28日
  • ムッシュ・クラタ

    Posted by ブクログ

    山崎豊子氏といえば、どちらかというと何巻にもわたる大作が有名だが、本書は、表題「ムッシュ・クラタ」をはじめ「晴着」「へんねし」「醜男」の中・短編作品が収録されている。いずれも昭和30年代・40年代に書き下ろされた小作品で、どこか淋しく切なく、心揺さぶられる結末になっている。

    0
    2015年02月06日
  • 不毛地帯 第四巻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自動車会社の提携話を土壇場でひっくり返されたり、イランでの石油開発に苦労したり、と商戦の裏側のとてつもない熾烈な闘いを描いている第4巻。
    ストーリーとして、最終巻でのフィナーレに向かってゆきます。

    それにしても想像するだけでも大変な世界・・・

    0
    2015年01月08日
  • 不毛地帯 第三巻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    湾岸戦争で成果を挙げ、アメリカの自動車会社と日本メーカーとの提携に奔走する主人公。

    仕事が国際的になってくるにつれ、陸軍時代とはやり方は異なるが、常に国を背負って仕事に取り組む決意を固めていく。

    そんな中で不意に起こる悲劇・・・
    いったい、何のために働くのか、そんなことを考えさせられる第3巻でした。

    0
    2015年01月08日
  • 女系家族(下)

    Posted by ブクログ

    女系家族による遺産相続。欲望に突き動かされた者に罰が下る。婿養子となった先代は外に女を作り、子供を死前に認知し、のれんを継がせるほど憎んでいた。

    0
    2014年11月27日
  • 不毛地帯 第四巻

    Posted by ブクログ

    アメリカの大手自動車会社との提携もライバル会社にかっさらわれ、次に浮上してきたには、イランの石油採掘。が、公社の思惑通り、他の総合総社とも共同事業で権利は微細に抑えられる。次なる一手出ようとするも、大博打の感は拭い去れない。千里との関係も、最終巻に向けてどうなるのか?

    0
    2014年11月02日
  • 不毛地帯 第三巻

    Posted by ブクログ

    新車種の製造・販売が裏目裏目にでる日本の弱小自動車会社。一方、日本進出の足がかりを求めるアメリカ巨大自動車メーカー。そんな矢先に、主人公の愛妻が突然の事故死。愛娘は、競合商社のライバルの息子と結婚。息子は、財閥系商社に入社し、インドネシアへ赴任。
    傷心しきった主人公は、ニューヨークに転勤し、心機一転し、上記、日米の自動車会社の提携など尽力する。そして、主人公のプライベートも新たな局面が。

    0
    2014年10月26日
  • 不毛地帯 第二巻

    Posted by ブクログ

    防衛庁の戦闘機選定商戦に勝利するも、陸軍時代の親友を亡くす主人公の壱岐。そして、時間は一気に経過し、中東戦争の時代に。嘱託から常務に昇進した壱岐、商社を取り巻く様々な暗い影が、ヒタヒタと忍び寄ってくる。

    0
    2014年10月23日
  • 不毛地帯 第二巻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    不毛地帯2巻。
    商社に入社した主人公が、葛藤を抱えながらも、いくつかの商戦で活躍してゆく。

    卓越した分析能力や人脈を駆使しながら勝ってゆく姿にはわくわくするものの、それにまつわる人と人との闇のようなものに、どこか悲しい気持ちになります。

    しかし、これが現実なのかもしれませんね。

    0
    2014年10月06日
  • ムッシュ・クラタ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    恥ずかしながら、山崎豊子を読むのは初めて。

    表題作「ムッシュ・クラタ」をはじめとする、中短編集。
    主人公たちは、ダンディな美男子だったり醜男だったり烈女だったりするが、いずれも強烈で印象的な生き様を見せている。

    他の作品もぜひ読んでみたい。

    0
    2014年08月06日
  • 女系家族(上)

    Posted by ブクログ

    面白くて一気に読んでしまった。
    作品に出てくる日本の美、景色、食事、着物を実物として思い浮かべることができなくても(着物の種類など知らないし)、その贅沢さ、美しさを感覚的に感じられ、ひきつけられる。

    女性の強さとは、欲と直結していて怖い、けれども人間らしく、そして美しいと感じられる作品である。

    暫くの間は、愛犬に話しかけるときに「~でおます」といってしまうだろう。

    0
    2014年07月12日
  • 二つの祖国(三)

    Posted by ブクログ

    祖国とは何か、の前に、国家とは何か、個人とは何か、人間の尊厳とは何か、という問題に直面する。
    国家が国家として秩序を保っている場合、即ち国民個人に利を供する場合に祖国のために報いるという考え方はごく自然であるけれども、そうでない場合にも国民が国家の犠牲となる必然性は理解できない。
    かつては個人が何らかの拠り所欲しさから国家の形成と統制を望んだのだろうが、国民個人ではなく国家それ自体の利益や保身や意義すら画策し始めた時点で終わりが始まっている。
    しからせば太平洋戦争が終わった時点で、否始まった時から、さらに辿れば近代国家が始まった時点から人類の一部での劣化が始まっている。

    そんな深淵雄大な考え

    0
    2014年04月21日
  • 女の勲章(下)

    Posted by ブクログ

    ギラギラと仕事に打ち込む男とそれに翻弄され欲にまみれて行く女。
    欲にまみれたギラギラした世界観がたまりません。

    0
    2014年01月26日
  • 女の勲章(下)

    Posted by ブクログ

    こんな面白いの読んだことない。身近なひとみんなに読んでもらっていろいろ話したい。銀四郎を前にしたら、私ならどの生き方をたどるのか、2人の女を同じ理由で死なせた白石教授の佇まいとはとか、何より私が産まれる20年前にあふれていたこの豊かな会話力と野心の力強さは、今わたしが触れる社会ではなかなか目にしないものだとか。

    0
    2013年10月19日
  • 女の勲章(上)

    Posted by ブクログ

    野心、育ちの良さ、人間の厚みなどが会話の言い回しで伝わってくる昭和感がたまらなく面白い。3人の女を同じ手口で意のままにする銀四郎は下巻でどんな運命をたどるのか。

    0
    2013年10月17日
  • 仮装集団

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    働く人のために安くいい音楽を聴ける勤音という文化団体が次第に人民党に浸食されていく様子と、それに翻弄されるノンポリの敏腕プランナーの姿を描いている小説。

    私自身もかつて人民党のモデルになった政党が絡んでいる病院で働いていたことがあるので、この小説に漂う微妙な空気感さえもリアルすぎておもしろく読めました。

    読んでいて思い出しましたが、かなり昔に読んだ小林よしのりの「脱正義論」でも同様の様子が描かれています。

    人民党とその関連の思想団体がいわゆる「乗っ取り」を」する時の手口がこの2冊でよくわかります。

    印象に残った言葉
    「大衆を馬鹿にする者は、何時かは大衆に葬り去られる」
    思い出したけど、

    0
    2014年02月06日
  • ムッシュ・クラタ

    Posted by ブクログ

    先日お亡くなりになられた山崎豊子さんの作品を何か読んでみようと思い、近くの本屋さんで長すぎない本と思って探していたら、大長編以外では短編集の本書しか残っていなかったので、これにしてみました・・・。(みんな考えることは同じだ!)
    表題作の『ムッシュ・クラタ』のほか『晴着』『へんねし』『醜男』の4編を収録。どの作品も山崎豊子氏を有名にした社会の深層を鋭くえぐる長編小説ではなく、人間の性(さが)をみつめ、味わい深い余韻を残すような作品になっています。

    『ムッシュ・クラタ』はダンディであることを身上としパリを愛してやまなかった主人公の倉田氏が、いかに自らを厳しく律しそれを矜持とする生活を全うしたかを

    0
    2013年10月14日
  • 二つの祖国(一)

    購入済み

    戦争を知らない世代よむべし

    戦時下を知らないからこそ、読んでみるかちありです。
    当時と比較して平和な日常の大切さが身にしみました。

    0
    2013年07月09日
  • ぼんち

    Posted by ブクログ

    再読。
    船場ものの中では一番読み応えありますね。

    「ぼんぼんではあきまへん。遊びも商売も帳尻をぴしっと合わせるぼんちにならなあきまへん。」

    とにかくおもしろい。

    0
    2013年06月08日