山崎豊子のレビュー一覧

  • 二つの祖国(一)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この本も「不毛地帯」同様に約20年余りの年月を経ての再読本です。  初読当時の KiKi は英国文化に憧れ、必死になって英語を学び、その延長線上で米国にも興味を持ち始めていた時期で、どちらかというと「羨望のまなざし」をもって米国を眺め、手前勝手に美化したイメージに憧れていた時代でした。  当時の KiKi にとって英国と米国は同じ英語(実際にはちょっと違うけれど)を話す国というだけではなく、この両国は歴史の中で世界をリードした国という共通点もあり、それだけでも「目指すべき1つの(2つの?)指標となるべき国」というようなイメージを持っていました。

    もちろん知識として第二次大戦における我が国の敵

    0
    2012年06月13日
  • 女系家族(上)

    Posted by ブクログ

    五年位前に読んだ本だけど、今だに強い印象が残ってます。どろどろ、べたーっとした人間関係だけど、最後は爽快。山崎豊子さんの本で、唯一最後がスカッとした。

    0
    2012年06月09日
  • 不毛地帯 第四巻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    現在であってさえも、コレを巡って世界のあっちこっちで利権やら紛争やら何やらと大騒ぎの「石油」にお話が移行しました。  KiKi は外資系の会社でのお仕事が長かった関係で、米国とか西欧諸国、そしてアジア諸国(除く共産圏)とのビジネスっていうのはそこそこ関与する機会があったんですけど、さすがに中近東っていうのは相手にしたことがないので、オイルビジネスの描写はかなり興味深く読むことができました。

    ただ、第3巻でもちょっと感じてはいたんですけど、この第4巻に至って、ものすご~く違和感があったのが、壱岐さんにしろ里井さんにしろ、大手商社のナンバー2 or 3の割にはやっていることがプレイング・マネージ

    0
    2012年06月07日
  • 花紋

    Posted by ブクログ

    大地主の総領娘であり、大正時代に類まれな歌人として知られた御室みやじの波乱万丈で数奇な半生。

    旧い因習の中から飛び立つことを許されず、それによりさらに燃えたぎる情熱、冷徹さ、孤独が、痛いくらいの美しさと真っ直ぐさで迫ってくる。重厚で激しい美しさをもつ小説。短歌はまったくわからないけれど、御室みやじの詠む歌は、はっとするほど典雅。

    0
    2012年05月03日
  • 二つの祖国(四)

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦時の日系二世の話。両親がアメリカに移り住み、主人公はアメリカ籍を持つ。一方、幼少期は日本で過ごしたため、日本人の心も併せ持つ。日本、アメリカのどちらからも裏切り者と疎まれ、二つの祖国の間で揺れ動きながら、それでも誠実に生きていこうとする主人公の姿が描かれている。
    主人公の壮絶な人生。とても重たい。でも日本人として、是非知っておくべき話だと思う。お薦めしたい。

    0
    2012年03月23日
  • 運命の人(三)

    Posted by ブクログ

    国家、司法、マスコミのみならず、登場人物一人ひとりの生き方、主人公の生き方にも、色々と考えさせられるところがある。
    「正義とは、何ぞや?!」。このあたりにも、現在、NHK白熱教室でマイケル・サンデル教授が脚光浴びている理由が潜んでいるのかもしれない・・・などと思いながら読んだ。

    0
    2012年03月15日
  • 運命の人(二)

    Posted by ブクログ

    権力というものの怖さと醜さを、ヒシヒシと感じる巻。
    国家のみならず、あらゆる組織に内包される権力とそのあり方について、考えさせられる・・・。

    0
    2012年03月15日
  • 運命の人(二)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いよいよ裁判が始まる。弓成の姿が痛々しい。プライドを傷つけられ、心休まる場所もなく裁判に臨む。妻・由里子は離婚を考え始める。事務官・三木はあまり登場しないが心神喪失状態?なのか。裁判での外務省の隠ぺい体質に驚いた。史実に照らせば証人達は偽証していることになるが、事実だとすればこれほど恐ろしいものはない。弓成は「虎の尾を踏んだ」と言っていたが事実を隠す国家との闘いに負けてほしくない。終盤で由里子のいとこに当たる人物が登場。流れがどう変わっていくか3巻が楽しみ。

    0
    2012年02月04日
  • ぼんち

    Posted by ブクログ

    面白かった!!!
    粋で華やかで人間くさくて嫉妬ぶかくて、どきどきした。
    芸妓のきのきいた振る舞いや戦前のしきたりが描かれてて読んでてたのしかった。
    ラストも素敵。女は強いなあ

    0
    2012年01月25日
  • 女系家族(下)

    Posted by ブクログ

    女系家族と相続争い、まったく未知の世界を、リアルに描き出してくれるのは流石で、引き込まれました。面白い!

    0
    2012年01月19日
  • 運命の人(二)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「イギリスの慣例法にクリーンハンドの原則というのがある、人をせめるものは自分の手がきれいなければならない」弓成の手がきれいであったかどうか、弓成の取材方法が適切であったかどうか、一方国民の知る権利は、ニュースソースを明らかにしないという新聞記者のモラルは、女性問題、女性の人権問題。渦巻く問題はそれぞれの見方で拮抗し、身動きがとれなくなる。権力は一方的に報道を抑えこもうとし、三木が弓成を苦境に追い込んでゆく。加速感のある展開に夢中で読み進む。

    0
    2012年01月03日
  • 仮装集団

    Posted by ブクログ

    「労働者の音楽鑑賞団体」の内実は、左思想政党の支持者獲得装置。リアリティがすごくて、身近にこんな組織がごろごろしてそうでこわい。

    0
    2011年11月10日
  • 仮装集団

    Posted by ブクログ

    組織がイデオロギーに動かされて次第に冷静さを失っていく姿がフィクションとは思えないくらいの現実感をもって描かれている。こんなことって、身近な組織でも容易に起こりうるのではないのだろうか(例えば目先の収益見込みをコスト度外視で追う、など)。いつもながらに主人公はcool(この表現まさにぴったりだと思う)。
    筆者のあとがきも秀逸。「純粋に音楽を鑑賞する団体に、音楽以外の目的とイデオロギーが持ち込まれた場合、どのような複雑怪奇な問題が起こり、それが集団の中の人間関係とどう結びつくかを描きたかった」(あとがき)

    0
    2012年02月25日
  • 暖簾

    Posted by ブクログ

    山崎豊子の処女作。
    大阪の昆布屋、「浪速屋」で丁稚奉公から暖簾分けをされるまでの吾平の努力、生きざまと、その息子の孝平の戦後の復興の模様を生き生きと描いている。

    処女作なのにクオリティ高すぎてびっくり。豊子天才だ!

    思ったのは、やはり時代を読める人間でないと、商売はできないということである。環境は日々刻々と変化していく。その中で同じことをやっていては、だめなんだなと。自分は商売をやるわけではないが、同じことが言える。時代の流れを読むこと。環境にアンテナを張ること。そうやって生きていこう。

    0
    2011年09月19日
  • 運命の人(一)

    Posted by ブクログ

    (一巻から四巻まで合わせたレビューです。)

    大好きな山崎さんの(もしかすると最後になるかもしれない)長編小説。

    沖縄返還時の機密文書漏洩事件(西山事件)をテーマに、
    相変わらずの取材力&構成力で読者をぐいぐい引っ張っていきます。

    この分野は完全に無知でしたが、小説を通じて、
    昔の自民党の政治のやり方を目にすることができました。
    主人公の機密文書を入手した手段は、
    倫理的によい方法だとは言えませんが、
    それ以上に、臭いものに蓋をする昔の自民党の政治家や官僚にも、
    沖縄の人たちだけでなく、日本人全員が
    もっと憤りを感じるべきなんでしょう。
    現在も普天間基地移設問題で民主

    0
    2021年06月24日
  • 暖簾

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    社会人になったものの、へこたれそうな毎日を送っている人。ぜひ、読んでほしい。丁稚からたたき上げられた一人の人間が、いかに生きたかが長いスパンで描かれている。


    たたき上げ、という言葉がこの本を読んでから使いづらくなった。簡単にたたき上げと使うと、主人公に怒られそうだからだ。

    0
    2011年08月02日
  • しぶちん

    Posted by ブクログ

    長編が注目される山崎豊子作品。でも短編は、そのあまりの短さに(長編が本当に長い反動もあって)一気に読める。

    船場のごりょんさんを目指す女の生き方、婚約に大金が動くわけ、倹約とは、商売とは何か。人生の生き方の一例がちりばめられた一冊。

    0
    2011年06月11日
  • 不毛地帯 第三巻

    Posted by ブクログ

    どんどん話が加速していき、一気に引き込まれていきます。

    仕事に打ち込む男たちの気概が素晴らしい。

    己の全てをかけ情熱的に仕事をこなしていく姿は胸を打ちます。

    0
    2011年05月09日
  • 暖簾

    Posted by ブクログ

    なにわのあきんどのど根性はすごいなぁー。今はもうこれほど暖簾に誇りとプライドをかけてる船場の商人なんて大阪にはおらんかもなぁ。戦争や震災にあっても裸一貫で立ち上がるこのど根性見習いたいもの。

    0
    2013年05月09日
  • 大地の子(四)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一心の選択は良かったと思う。
    二人の父親そして、暖かい家族。
    良かった良かった。
    かつての恋人も潔くていい。
    でも一心の素晴らしさを見抜けなかったのがいけない。

    0
    2022年07月18日