山崎豊子のレビュー一覧

  • ムッシュ・クラタ

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    まだ読んでないこんなに面白い山崎作品があったことが嬉しい。
    壮大な作品よりこれくらいの短編や大阪商人もの、面白いなー、うまいなーー。
    表題作のムッシュクラタはおそらく、他にあまりないタイプの作品。
    フランスかぶれ、おしゃれすぎてかっこつけすぎてまわりに疎んじられていたような主人公の、知られざる半生、と書くと非常に陳腐だなああ。
    読後感が損なわれるのでこれでストップ!

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    2013年02月05日
  • 不毛地帯 第四巻

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    千代田自動車とアメリカ・フォーク社との資本提携は、フォークからのたった1枚のビジネス・レターで交渉の打ち切りが決定された。
    そこにはライバルである東京商事・鮫島の暗躍があった。

    新規合弁会社の設立を強引に押し進めようとする里井副社長と、あくまでも千代田の利益を損なわないよう交渉を行う壹岐。
    商社のことが何もわからない僕が読んでも、2人の力量の差は歴然としていると思った。
    里井副社長には心臓病の不安があるため、この時点で専務である壹岐が実質的に近畿商事のナンバー・2になった。

    そして、壹岐は資源に乏しい日本の将来を見据え、石油確保の手段を模索しはじめた。
    イランのサルベスタン鉱区に入札するこ

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    2013年01月03日
  • 不毛地帯 第三巻

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    近畿商事を重工業化路線へ転向したい壹岐と、繊維部門の地位を保持したい里井副社長。
    2人の溝はますます深まるばかり。

    そんな中、近畿商事の取引先である千代田自動車に提携の話が持ち上がった。
    相手はアメリカビッグ・スリーの1つであるフォーク(フォード?)。
    アメリカの自動車が上陸すれば日本のメーカーは1たまりもなく食いつぶされてしまう可能性があり、交渉は容易に進まない。
    当時(1970年代)、自動車産業の資本自由化について自動車メーカー、商社、ならびに通産省がいかに頭を悩ませていたかというのがよくわかった。

    この巻では、壹岐の妻・佳子が交通事故のため亡くなってしまう。
    しかもそれは、壹岐が秋津

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    2013年01月03日
  • 二つの祖国(四)

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    父なる国日本と母なる国アメリカ。
    二つの祖国の架け橋となるべく、愚直なまでに誠実な天羽賢治。
    信念を貫いた東京裁判が、神聖な裁きの衣から、勝者の裁きの鎧を見せた後、賢治の心は墜ちていった…。
    ヒロイン梛子の最期の問いかけが重い。
    ライバルのチャーリー、弟の忠と勇の対比で賢治の苦悩が良く分かります。
    東京裁判については城山三郎著「落日燃ゆ」もお薦めです。

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    2012年10月06日
  • 二つの祖国(四)

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    ネタバレ

    山崎豊子さんの作品は悲劇的なものが多いなぁ・・・・・。  「白い巨塔」しかり、「華麗なる一族」しかり、そしてこの「二つの祖国」しかり・・・・・。  なまじこれらの作品の主人公たちが途中までは強靭な精神力の持ち主として描かれているだけに、最後が・・・・。  

    個人的にはこの作品に於いて、賢治と梛子さんの恋愛エピソードは不要なものに感じました。  もちろんあの時代にアメリカの日系人迫害を逃れたアメリカ国籍を有する日系2世の人が広島で被爆したというエピソードと彼女が最期に漏らす「私はアメリカの敵だったのでしょうか?」という問いかけはとても重要だと感じるし、この物語の中で別の形でなら出てきて然るべき

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    2012年06月18日
  • 二つの祖国(三)

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    ネタバレ

    20年以上前、この本を初めて読んだ時の衝撃はこの「東京裁判」のシーンでした。  戦後教育の中でこの東京裁判に関しては学校でほとんど学んだことがなく、端的に言ってしまえば「大戦後、アメリカの占領下の日本で戦犯を裁く『東京裁判』が行われ、A級戦犯とされた28名のうち7名が絞首刑に処せられた」ということぐらいしか知らなかった KiKi にとって、この物語で描かれた東京裁判のシーンは初めてその裁判がどんなものだったのかを考えるきっかけとなったものでした。

    そして当時の KiKi は戦勝国が敗戦国を裁くということに潜むある種の「不公平感」を強く感じ、同時に「原発投下を人類がどう評価すべきか?という極め

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    2012年06月17日
  • 二つの祖国(二)

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    ネタバレ

    この巻でもっとも心に残るのは、やはり天羽家三兄弟のあまりにも酷過ぎる運命ではないでしょうか??  日系2世というまさに本書のタイトルどおり、「二つの祖国」を持つ三兄弟が、たまたま太平洋戦争突入時に何歳でどんな教育を受けどこにいたのか?という偶然性も手伝って、1人は米軍兵士として、もう1人は帝国陸軍兵士として、そして長兄として常に二つの祖国を強く意識し続けた最後の1人が米軍の語学将校として戦争に巻き込まれていく・・・・・。  その非情さには言葉もありません。

    家族だからと言って誰もが同じ哲学、同じ思想というわけにはいかないのは、どんな時代であれ、そしてどんな境遇であれ、必ずしも珍しいことではな

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    2012年06月16日
  • 二つの祖国(一)

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    ネタバレ

    この本も「不毛地帯」同様に約20年余りの年月を経ての再読本です。  初読当時の KiKi は英国文化に憧れ、必死になって英語を学び、その延長線上で米国にも興味を持ち始めていた時期で、どちらかというと「羨望のまなざし」をもって米国を眺め、手前勝手に美化したイメージに憧れていた時代でした。  当時の KiKi にとって英国と米国は同じ英語(実際にはちょっと違うけれど)を話す国というだけではなく、この両国は歴史の中で世界をリードした国という共通点もあり、それだけでも「目指すべき1つの(2つの?)指標となるべき国」というようなイメージを持っていました。

    もちろん知識として第二次大戦における我が国の敵

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    2012年06月13日
  • 女系家族(上)

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    五年位前に読んだ本だけど、今だに強い印象が残ってます。どろどろ、べたーっとした人間関係だけど、最後は爽快。山崎豊子さんの本で、唯一最後がスカッとした。

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    2012年06月09日
  • 不毛地帯 第四巻

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    ネタバレ

    現在であってさえも、コレを巡って世界のあっちこっちで利権やら紛争やら何やらと大騒ぎの「石油」にお話が移行しました。  KiKi は外資系の会社でのお仕事が長かった関係で、米国とか西欧諸国、そしてアジア諸国(除く共産圏)とのビジネスっていうのはそこそこ関与する機会があったんですけど、さすがに中近東っていうのは相手にしたことがないので、オイルビジネスの描写はかなり興味深く読むことができました。

    ただ、第3巻でもちょっと感じてはいたんですけど、この第4巻に至って、ものすご~く違和感があったのが、壱岐さんにしろ里井さんにしろ、大手商社のナンバー2 or 3の割にはやっていることがプレイング・マネージ

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    2012年06月07日
  • 花紋

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    大地主の総領娘であり、大正時代に類まれな歌人として知られた御室みやじの波乱万丈で数奇な半生。

    旧い因習の中から飛び立つことを許されず、それによりさらに燃えたぎる情熱、冷徹さ、孤独が、痛いくらいの美しさと真っ直ぐさで迫ってくる。重厚で激しい美しさをもつ小説。短歌はまったくわからないけれど、御室みやじの詠む歌は、はっとするほど典雅。

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    2012年05月03日
  • 二つの祖国(四)

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    第二次世界大戦時の日系二世の話。両親がアメリカに移り住み、主人公はアメリカ籍を持つ。一方、幼少期は日本で過ごしたため、日本人の心も併せ持つ。日本、アメリカのどちらからも裏切り者と疎まれ、二つの祖国の間で揺れ動きながら、それでも誠実に生きていこうとする主人公の姿が描かれている。
    主人公の壮絶な人生。とても重たい。でも日本人として、是非知っておくべき話だと思う。お薦めしたい。

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    2012年03月23日
  • 運命の人(三)

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    国家、司法、マスコミのみならず、登場人物一人ひとりの生き方、主人公の生き方にも、色々と考えさせられるところがある。
    「正義とは、何ぞや?!」。このあたりにも、現在、NHK白熱教室でマイケル・サンデル教授が脚光浴びている理由が潜んでいるのかもしれない・・・などと思いながら読んだ。

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    2012年03月15日
  • 運命の人(二)

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    権力というものの怖さと醜さを、ヒシヒシと感じる巻。
    国家のみならず、あらゆる組織に内包される権力とそのあり方について、考えさせられる・・・。

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    2012年03月15日
  • 運命の人(二)

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    ネタバレ

    いよいよ裁判が始まる。弓成の姿が痛々しい。プライドを傷つけられ、心休まる場所もなく裁判に臨む。妻・由里子は離婚を考え始める。事務官・三木はあまり登場しないが心神喪失状態?なのか。裁判での外務省の隠ぺい体質に驚いた。史実に照らせば証人達は偽証していることになるが、事実だとすればこれほど恐ろしいものはない。弓成は「虎の尾を踏んだ」と言っていたが事実を隠す国家との闘いに負けてほしくない。終盤で由里子のいとこに当たる人物が登場。流れがどう変わっていくか3巻が楽しみ。

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    2012年02月04日
  • ぼんち

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    面白かった!!!
    粋で華やかで人間くさくて嫉妬ぶかくて、どきどきした。
    芸妓のきのきいた振る舞いや戦前のしきたりが描かれてて読んでてたのしかった。
    ラストも素敵。女は強いなあ

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    2012年01月25日
  • 女系家族(下)

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    女系家族と相続争い、まったく未知の世界を、リアルに描き出してくれるのは流石で、引き込まれました。面白い!

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    2012年01月19日
  • 運命の人(二)

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    ネタバレ

    「イギリスの慣例法にクリーンハンドの原則というのがある、人をせめるものは自分の手がきれいなければならない」弓成の手がきれいであったかどうか、弓成の取材方法が適切であったかどうか、一方国民の知る権利は、ニュースソースを明らかにしないという新聞記者のモラルは、女性問題、女性の人権問題。渦巻く問題はそれぞれの見方で拮抗し、身動きがとれなくなる。権力は一方的に報道を抑えこもうとし、三木が弓成を苦境に追い込んでゆく。加速感のある展開に夢中で読み進む。

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    2012年01月03日
  • 仮装集団

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    「労働者の音楽鑑賞団体」の内実は、左思想政党の支持者獲得装置。リアリティがすごくて、身近にこんな組織がごろごろしてそうでこわい。

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    2011年11月10日
  • 仮装集団

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    組織がイデオロギーに動かされて次第に冷静さを失っていく姿がフィクションとは思えないくらいの現実感をもって描かれている。こんなことって、身近な組織でも容易に起こりうるのではないのだろうか(例えば目先の収益見込みをコスト度外視で追う、など)。いつもながらに主人公はcool(この表現まさにぴったりだと思う)。
    筆者のあとがきも秀逸。「純粋に音楽を鑑賞する団体に、音楽以外の目的とイデオロギーが持ち込まれた場合、どのような複雑怪奇な問題が起こり、それが集団の中の人間関係とどう結びつくかを描きたかった」(あとがき)

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    2012年02月25日