山崎豊子のレビュー一覧

  • 白い巨塔(一)
    社会派小説で知られる山崎豊子の作品を初めて読んだ。
    医学書を読んでいるのかと錯覚するほど専門的であり、医療現場の緊張感までもがリアルに描かれている。徹底した取材による小説といわれる意味がわかった。
    大学病院の封建的な人間関係と医療の腐敗に対する痛烈な批判を感じた。
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-
    ●若かりし頃、人事部で労働組合窓口を担当し、労使関係を学びました。それもあり、五巻を読破しました。
    ●主人公は労働組合幹部を勤めたばかりに、会社からひどい仕打ちを受けます。そんな会社が存在するとは、意外です。会社と労働組合は、Counter partner として、相互牽制により、社員の幸せに繋がる...続きを読む
  • 不毛地帯 第一巻
    久しぶりに読み返していますが、何度読んでも主人公の「強さ」と「人間としての弱さ」、そして「圧倒的な社会・現実の残酷さ」を感じさせる小説で、色あせることのない魅力を感じます。

    シベリアでの過酷な抑留生活は、決して忘れてはならない戦争の被害の一つだと思いますし、「旧軍人(大本営の参謀という中枢にいた人...続きを読む
  • 二つの祖国(一)
    お友達にお借りした本。
    壬生義士伝良かったー!と言っていたらこの本を。

    自分がひとときの平和ボケな時代に産まれたんだなとしみじみ。
    二世に産まれても、まだイエスノウでノウと答えるのに驚いてしまったり。
  • 華麗なる一族(中)
    万俵家の人たちには一切共感できない。

    これからどんどん衰退していくであろう万俵家には同情しない。
  • 運命の人(四)
     国家権力vsジャーナリズム、完結編。
     本巻は、今までの法廷闘争が中心の話ではなく、日本復帰後の沖縄の現状に焦点を当てた内容になっている。個人的には全巻通して最も注目すべき内容に思える。ひめゆり学徒隊や鉄血勤皇隊の視点から描く沖縄地上戦の様相(方言矯正・集団自決など)、戦後の基地問題、米兵による少...続きを読む
  • 運命の人(三)
     第3巻は法廷決着編。
     もつれにもつれる裁判は地裁から高裁、そして最高裁へ。機密漏洩と言われるが、国家機密とは?ということが常に頭によぎる。国民に知られてはまずい国家の機密?それが漏れることで政府は何を恐れている?裏取引がばれると反感を買うから、結局は自身の保身のためか?知らないことのほうがいい真...続きを読む
  • 不毛地帯 第一巻
    300ページ以上続くシベリア抑留が予想以上に長くて若干退屈でしたが、それ以降はかなり面白い!!また、後々シベリア抑留での話がいろいろ伏線にもつながるとの事ですので、続きがかなり楽しみです♪
  • 白い巨塔(五)
    何も知らずに、ベートーベンのミサ・ソレムニスを(初めて)聴きながら、最終章を読んでいたら、ラストで里見にこの曲が聞こえてきたとの描写があり、驚いた。

    財前のことは好きになれないが、あらゆる手段を講じて名声を得ようとし、裁判に勝とうとする姿勢は、欲望に素直とも言え、憎み切れない。

    それにしても、こ...続きを読む
  • 運命の人(二)
     戦後の沖縄密約を通して国家権力とジャーナリズムの戦いを描く全4巻中の第2巻。
     本巻は、記者逮捕から公判までを描く。冒頭にもある通り、事実を取材し小説的に構築したものなので、裁判の展開などは専門用語も多くやや難解。だが、臨場感に溢れ、証人などの表情がありありと伺うことができる。
     沖縄返還というと...続きを読む
  • 白い巨塔(五)
    ドラマは観たのでストーリーは全て分かっていましたが、それでも十二分に面白かったです♪全部で2000ページ以上ありましたが思いのほかすんなり読む事が出来ました☆
  • 運命の人(一)
     平成21年、第63回毎日出版文化賞特別賞を受賞した巨編小説。文庫では全4巻。
     戦後の沖縄返還を巡る密約の内実について描かれている。
     ジャーナリストにとって、如何にしてスクープをモノにできるかは人生を左右する大きなことである。しかし、そのスクープがあまりに大きすぎる場合は、どう公にするのかの判断...続きを読む
  • 華麗なる一族(上)
    万俵一族。
    一般人には計り知れないドロドロの金持ちの世界。

    「WOWOW」のドラマ化楽しみ。

    馴染みのあるお店や地名が登場するのも嬉しい。
  • 白い巨塔(一)
    一度読んでみようと思っていながら、やっと読み始めたところ。
    医学部教授戦を巡る選挙戦が始まる。腕は確かだが、名声が却って教授から疎まれる財前。人間の欲があからさまに描かれる。
    ちょっと古い関西弁が面白い。
    物語のスタートが昭和37年だったとは。
  • 白い巨塔(四)
    裁判の第二審と学術会議選が並行して進む。
    一見自信満々の財前が佐々木に似た患者の前でたじろぐ姿は妙におかしい。
    第二審が必ずしも第1審どおり進まない様相を呈する中で、かつての病棟婦長の証言が大きな意味を持ちそう。裁判の行方は予想がつかない。
  • 白い巨塔(三)
    財前のドイツ訪問のおける成果と佐々木庸平の病状の悪化が並行して記される。そして佐々木庸平がなくなり、遺族が裁判を起こしたところに財前が帰国。
    財前の態度は医師としての倫理に悖るが、里見のような態度が取ることは難しい。
    それにしても、教授選といい、裁判と言い、財前は能力があるとはいえ、自分のためになり...続きを読む
  • 白い巨塔(一)
    学生時代からいつかは…と思っていてようやく読み始めました。

    駆け引きが凄いです。
    ほぼ皆自分の利益しか考えてません。

    ドラマも見てなく、どんな展開になるのかわからないので先が楽しみです。
    財前助教授はどうやって駆け引きしていくのかを楽しみに続きをいきます。
  • 白い巨塔(五)
    最後の展開は読めなかった。

    けど、財前五郎が最終的には医者の使命を全うしていたのは感動した。

    財前五郎を囲んだ人間模様も最後の方のが味が出ている。

    本当に良い作品でした。
  • 白い巨塔(四)
    話の展開がいよいよクライマックスへと向かっていきます。

    この徐々に状況が変わっていく様を、登場人物それぞれの心境を背景に映し出されていくのがたまらなく面白いです。

    最終巻も今読み始めていますが、あっという間に読み終えそうです。
  • 華麗なる一族(中)
    2007年のドラマでは長男の鉄平が主人公で描かれていたので、原作でも父である大介よりも鉄平寄りで読んでいます。中巻は阪神特殊鋼への次から次へと襲いかかる危機に何もここまで...とすら思ってしまいます。家族の歪みがあちこちで軋んできている印象を受けます。大介の野望はどうなるのか...下巻に続きます。